JPS6315565Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、汎用内燃機関のシリンダヘツドカバ
ーの装着構造の改良に関する。

第１図は、従来の側弁式内燃機関のシリンダヘ
ツド部の略示的正面図で、同図において、１はシ
リンダヘツド２の直上に載置される燃料タンク、
３は該燃料タンク１とシリンダヘツド２の間に装
着され、シリンダヘツド２の上面を覆つて、該シ
リンダヘツド２の熱が燃料タンク１へ伝わるのを
防止するシリンダヘツドカバーで、燃料タンク１
は、該燃料タンク１に固設されたボルト４をシリ
ンダヘツド２のボス部５へ挿入してナツト６を螺
合してシリンダヘツド２上に取付けられるように
なつている。なお、図中７は点火栓を示す。

上記、従来のもののように、シリンダヘツド２
の直上に燃料タンクを載置する形式の内燃機関の
場合は、格別問題はないが、燃料タンク１をシリ
ンダヘツドの直上に載置しない燃料タンク別置型
の形式の場合（特に農機関係の仕様の内燃機関に
多い）シリンダヘツドカバー３をシリンダヘツド
２に装着するには、新たに装着用ボルト、ナツト
等を用意する要があり、部品点数の増大を招くと
いう欠点があつた。

本考案は上記従来のものの欠点を解消し、シリ
ンダヘツドの直上に燃料タンクを載置しない形式
の内燃機関にも、部品点数の増大を招くことのな
いシリンダヘツドカバーの装着構造を提供するこ
とを目的として提案されたもので、弾性を有する
板状部材からなるシリンダヘツドカバー１１に、
締付ボルト２２の挿入用孔をもつ中央固定部２
１、ピン遊嵌用孔１７をもつ位置決め用ピン部１
５及びピン嵌着用孔２０をもつ位置決め兼固定用
ピン部１８を設けるとともに、シリンダヘツド２
の上面に突設され、上記位置決め用ピン部１５の
孔１７に遊嵌するピン１６を上端にもつボス２４
と、上記位置決め兼固定用ピン部１８の孔２０に
強固い嵌着固定されるピン１９を上端にもつボス
２５の上端面をほぼ同一レベル上にあるように設
定し、かつ、シリンダ２の上面に上記各ボス２
４，２５のレベルより低レベルにあるように突設
され、上記締付ボルト２２がねじ込まれるボス２
３を具備してなることを特徴とするシリンダヘツ
ドカバーの装着構造に係るものである。

以下、第２図乃至第４図に示す実施例により、
本考案につき具体的に説明する。第２図におい
て、１は燃料タンク、２はシリンダヘツド、４は
ボルト、５はボス部、６はナツト、７は点火栓
で、それら部材の構成作用及び相互の関係構造
は、上記従来の内燃機関のものとほぼ同様である
（均等部分には同一符号を付してある）。

第２図乃至第４図で、１１はシリンダヘツド２
の熱を、燃料タンケ１に伝わるのを防止するシリ
ンダヘツドカバーで、同シリンダヘツドカバー１
１は弾性を有する板状部材で構成され、シリンダ
ヘツドフイン１２を覆うとともに、点火栓７に干
渉しないように、切欠き１３（第３図参照）と折
曲げ部１４（第４図参照）を有する。１５は、シ
リンダヘツドカバー１１に第３図及び第４図に示
す如く設けられた位置決め用ピン部で、同ピン部
１５に設けられた孔１７に、シリンダヘツド２の
上面適所に突設されたボス２４のピン１６が遊嵌
してシリンダヘツドカバー１１の位置決めを行う
ようになつている。１８は、シリンダヘツドカバ
ー１１に、第３図乃び第４図に示す如く設けられ
た位置決め兼固定用ピン部で、同ピン部１８に設
けられた孔２０に、シリンダヘツド２の上面適所
に突設されたボス２５のピン１９が強制的に嵌着
されてシリンダヘツドカバー１１をシリンダヘツ
ド２に固着するようになつている。そのため、孔
２０の内径は、ピン１９の外径よりもある程度小
さく設定される。２１はシリンダヘツドカバー１
１の中央固定部で、同中央固定部２１に対応する
シリンダヘツド２の上面に突設されたボス２３
に、締付ボルト２２によりシリンダヘツドカバー
１１の中央部を固定するようになつている。この
場合、シリンダヘツドカバー１１を２点鎖線の状
態から実線の状態に撓ませて、シリンダヘツドカ
バー１１がばね効果を奏するように固定する。そ
のため、ボス２４，２５の上端面レベルより、ボ
ス２３の上端面レベルがある程度低く設定され
る。

なお、位置決め用ピン部１５及び位置決め兼固
定用ピン部１８は、図示例の場合、それぞれ２個
設けたが、その個数は図示例に限定されないこと
はいうまでもない。

本考案のシリンダヘツドカバーの装着構造の一
実施例は、上記のように構成されており、本シリ
ンダヘツドカバー１１をシリンダヘツド２の上面
を覆うように装着するには、位置決め用ピン部１
５の孔１７に、ボス２４のピン１６を挿入すると
ともに、位置決め兼固定用ピン部１８の孔２０
に、ボス２５のピン１９を合せ、シリンダヘツド
カバー１１を下方へ押圧してピン１９を孔２０に
強固に嵌着する。この場合、孔２０の内径はピン
１９の外径より小さく設定されているので、シリ
ンダヘツドカバー１１は、該ピン１９により強く
嵌合、固定される。ついでシリンダヘツドカバー
１１の中央固定部２１の孔に締付けボルト２２を
挿し込み、該締付ボルト２２をボス２３にねじ込
み、シリンダヘツドカバー１１を第４図の２点鎖
線の状態から実線の状態に撓ませて、該シリンダ
ヘツドカバー１１のばね効果により、シリンダヘ
ツド２の上面に確実に固定する。

本考案のシリンダヘツドカバーの装着構造は、
上記のような構成、作用を具有するものであるか
ら、本考案によれば、上記従来のものの欠点を解
消し、燃料タンクをシリンダヘツド直上に載置す
る形式及び燃料タンク別置形の内燃機関のシリン
ダヘツド上面に、容易、確実にシリンダヘツドカ
バーを装着でき、しかもナツトなどの部品点数の
増大を招くことがないばかりでなく、シリンダヘ
ツドカバーは、シリンダヘツドに強固に固定され
るため、振動による弛みや、騒音等の問題が解消
されるという実用的効果を挙げることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のシリンダヘツドカバーの装着
態様を説明するシリンダヘツド部の略示的正面
図、第２図乃至第４図は、本考案の一実施例の概
略説明図で、第２図はシリンダヘツド部の部分断
面正面図、第３図は、第２図の−線矢視図、
第４図は第３図の−線断面図である。 第２図乃至第４図において、１：燃料タンク、
２：シリンダヘツド、１１：シリンダヘツドカバ
ー、１２：フイン、１３：切欠き部、１４：折曲
げ部、１５：位置決め用ピン部、１６，１９：ピ
ン、１７，２０：孔、１８：位置決め兼固定用ピ
ン部、２１：中央固定部、２２：締付けボルト、
２３，２４，２５：ボス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弾性を有する板状部材からなるシリンダヘツド
   カバー１１に、締付ボルト２２の挿入用孔をもつ
   中央固定部２１、ピン遊嵌用孔１７をもつ位置決
   め用ピン部１５及びピン嵌着用孔２０をもつ位置
   決め兼固定用ピン部１８を設けるとともに、シリ
   ンダヘツド２の上面に突設され、上記位置決め用
   ピン部１５の孔１７に遊嵌するピン１６を上端に
   もつボス２４と、上記位置決め兼固定用ピン部１
   ８の孔２０に強固い嵌着固定されるピン１９を上
   端にもつボス２５の上端面をほぼ同一レベル上に
   あるように設定し、かつ、シリンダ２の上面に上
   記各ボス２４，２５のレベルより低レベルにある
   ように突設され、上記締付ボルト２２がねじ込ま
   れるボス２３を具備してなることを特徴とするシ
   リンダヘツドカバーの装着構造。