JPS6010575Y2 - 芳香具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は発熱体を利用した芳香具に関するものである。

〔従来の技術〕

従来から、比較的蒸発温度の高い香料成分を含む芳香材
を加熱して、芳香を楽しむことが行なわれている。

例えば、線香などの練り香や香水等の香を焚いて、芳香
を楽しむことが古くから行なわれている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

香を焚くには、芳香材に着火して直接加熱するか、また
は炭火の上に灰をかけたり、更にその上に銀葉（雲母の
小板）を置いて、芳香材を間接加熱しているが、何れの
加熱方法においても、発熱源として火を使用している。

このため、手間が掛かったり、火災面での安全性の点で
問題がある。

従って、安全に香を焚ける場所や道具等も必要となり、
気軽に香を楽しむことができなかった。

本考案の目的は、前述したような従来の問題点を解決し
、火災面の危険もなく安全で、しかも手軽にいかなる場
所においても、芳香を楽しむことができる芳香具を提供
することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案によれば、通気性袋体の外表面に香料層が形成さ
れ、酸素との反応により発熱する発熱材が前記通気性袋
体の内部に封入されており、前記香料層および発熱材を
有する通気性袋体が気密性袋体内に収納密封され、前記
通気性袋体内部に封入された発熱剤が外気から遮断され
て発熱が防止されていることを特徴とする芳香具により
前述の問題点を解決した。

〔作 用〕

本考案の芳香具では、使用前には、外側の空気不透過性
の気密性袋体により通気性袋体が密封されているので、
発熱剤は外気から遮断されており、発熱剤の酸化発熱反
応は完全に防止される。

また、通気性袋体により、発熱剤がこぼれたり、分散す
るのを防止するとともに、香料層と発熱剤との接触を防
止している。

使用時には、外側の気密性袋体を開封して、通気性袋体
を取出す。

すると、空気が通気性袋体を透過してその内部にまで進
入し、通気性袋体内部に収納された発熱剤が空気中の酸
素と接触して反応し、発熱する。

それによって、通気性袋体の外表面の香料層が加熱され
て、芳香を放つ。

〔実施例〕

以下、図面に示した実施例に基づいて本考案を詳細に説
明する。

本考案では、空気中の酸素と反応する鉄成分等の金属粒
体を含み、酸化反応により発熱する公知の発熱剤３が、
芳香材を加熱する発熱源として、使用される。

この発熱剤３は、紙、不織布、織物、連続気泡の発泡体
等の通気性を有する素材からなる通気性袋体１に収納さ
れる。

通気性袋体１の外表面には、香料層２が形成されている
。

第１図に示した実施例では、香料または香料を含む樹脂
を塗布、印刷、含浸等の適宜な方法で通気性袋体１の外
表面に直接付着させて所望の厚みの香料層２を形成して
いる。

第２図に示した実施例では、通気性袋体１の外表面に予
め接着剤層５を設け、この接着剤層５の表面に香料を含
む樹脂を接着して、香料層２を形成している。

この方法は、香料が粉末状、粒状またはマイクロカプセ
ル化したものの場合に特に有効である。

更に、香料層２および発熱剤３を有する通気性袋体１は
、空気不透過性の気密性袋体４内に収納され、完全密封
包装状態とされる。

この気密性袋体４は、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエステル、ポリアミド等の合成樹脂フィルムの複合
材か、またはこれらフィルムとアルミフォイル等との複
合材からなる空気不透過性のシート状物で形成される。

本考案の芳香具を使用する際には、先ず外側の気密性袋
体４を開封して、その内部に収納された香料層２付き通
気性袋体１を取出す。

通気性袋体１が外気に触れると、通気性袋体１を通り外
気が通気性袋体１の内部にまで進入し、通気性袋体内部
に収納された発熱剤３が空気中の酸素と接触して反応し
、発熱し始める。

この際に、通気性袋体１を少し手で揉むようにすると、
発熱剤３が揉みほぐされ、外気の酸素とよくなじみ、発
熱反応し易くなる。

発熱剤３が発熱すると、通気性袋体１の外表面の香料層
２が加熱されて、香料層２の香気成分が蒸発して、芳香
を放つ。

従来知られているように発熱剤３の成分を適当に選定す
れば、発熱材の発熱持続時間を変化させられ、従って、
香料層２の芳香持続時間は、適宜調節可能である。

〔考案の効果〕

本考案の芳香具では、使毛前には、外側の気密性袋体に
より発熱剤は完全に密封され、外気から遮断されている
ので、発熱剤の酸化発熱反応が防止される。

また、気密性袋体は簡単には破れないので、芳香具の製
造から消費者が使用するまで、発熱剤および香料層を保
護する。

更に、本考案によれば、通気性袋体により発熱剤がこぼ
れたり、分散するのを防止するとともに、香料層と発熱
剤との直接接触を防止しているので、長期間保存しても
香料が発熱剤により変化させられることがなく、香料層
と発熱剤の組合せも比較的任意に選択できる。

本考案の芳香具において使用する発熱剤は、市販の使い
捨てカイロ等で実証されているように、火災の危険のな
い、極めて安全なものであるので、火災の危険性に対す
る特別な配慮が不要となり、芳香させる道具も不要であ
り、芳香させる場所も限定されない。

従って、本考案の芳香具によれば、比較的蒸発温度の高
い香料成分を簡単に且つ安全に揮散させることができ、
室内、車内等任意の場所で使用でき、何時でも、何処で
も、手軽に芳香を楽しむことができ、その適用用途も広
い。

更に、本考案の芳香具は袋状のコンパクトなものである
ので、携帯に便利である。

しかも在来の使い捨てカイロの発熱源と本考案の芳香具
の構成はほぼ同じであるので、使い捨てカイロのように
身体に着けて使用して、保温と芳香との複合機能を同時
に利用することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の芳香具の一実施例の斜視図、第２図は
別の実施例の斜視図である。 １・・・・・・通気性袋体、２・・・・・・香料層、３
・・・・・・発熱剤、４・・・・・・気密性袋体、５・
・・・・・接着剤層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 通気性袋体の外表面に香料層が形成され、酸素との反応
   により発熱する発熱剤が前記通気性袋体の内部に封入さ
   れており、前記香料層および発熱剤を有する通気性袋体
   が気密性袋体内に収納密封され、前記通気性袋体内部に
   封入された発熱剤が外気から遮断されて発熱が防止され
   ていることを特徴とする芳香具。