JPS6010235Y2 - スペアタイヤの固定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車のスペアタイヤをトランクルーム内
に収納固定する固定装置に関するものである。

従来、トランクルーム内にスペアタイヤを収納固定する
装置として、トランクルーム側壁に止め具を取り付け、
この側壁にスペアタイヤを縦置きにして位置させ、端部
にフックを形成したＹ形のベルトで前記スペアタイヤを
固定する装置があるが、この固定装置では、Ｙ形ベルト
の分岐部の金具が車両の走行振動時にスペアタイヤのホ
イールディスクに接触してホイールディスクに傷が付く
という問題がある。

また１、上記Ｙ形ベルトは、ベルト端部のフック部をト
ランクルーム内壁の止め具に固定するのみであるから、
車両走行振動によりスペアタイヤがＹ形ベルト内で揺動
しトランクルーム内壁と接触して内壁に損傷を与えると
ともに騒音発生の原因となるなどの問題があった。

本考案は上記問題点に鑑みてなされたものであって、ト
ランクルーム内の側壁と、この側壁に近接してトランク
ルームフロアパネル上に離間して配設されるサイドフレ
ームとの間にスペアタイヤを縦置きにして位置させる一
方、一端が前記サイドフレームの外方側面に枢着され、
他端が前記トランクルーム側壁にボルト・ナツト等の取
付部材により着脱自在に取付けられるクランプバーで前
記スペアタイヤを押圧固定することによって、スペアタ
イヤをより確実に固定し、トランクルーム内部の損傷を
防ぐとともに、騒音の発生を防止するものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づき詳細に説明する。

第１図は、トランクルーム内部を示す斜視図で、１はト
ランクルーム床面を形成するフロアパネルで、該フロア
パネル１の後端にはりヤスカートパネル２が立設され、
さらにリヤスカートパネル２上端にはエンドパネル３が
立設されている。

また、フロアパネル１側方にはトランクルーム側壁４が
立設されており、この側壁４に近接されたフロアパネル
１の上面には前後方向に断面四角状のサイドフレーム５
がレインフォースメントロを介して溶接固定されている
。

７は、バンパーセットブラケットでサイドフレーム５の
後端とりヤスカートパネル２とを連結するとともに、エ
ンドパネル３後方に位置するバンパー８のバンパーステ
ー９を取付ける取付部を構成している。

一方、前記サイドフレーム５後部の車両外方側面５ａに
は、第２図に示すように穴１０が形成され、この穴１０
に、スペアタイヤ１１を固定するクランプバー１２の一
端が枢着される。

このクランプバー１２は、丸棒状で構成され、中央部に
スペアタイヤ１１を押圧する略Ｕ字形状の押圧部１２ａ
と、一端部に該押圧部１２ａより曲折されて前記穴１０
に枢支される枢支部１２ｂと該枢支部１２ｂ形戒される
フランジ１２ｃと、他端部に、トランクルーム側壁４に
取付けられるコ字状の取付部１２ｄとを有している。

１３は、トランクルーム側壁４の裏面に溶着されたナツ
ト、１４は、先端に雄ねじ部１４ａと、フランジ部１４
ｂと、丁字形状のハンドル１４ｃとを有する取付部材で
ある。

１５は、先端部にストッパ部１５ａを有したバンパース
テー９を車体に取付けるボルトである。

以下の如く構成された本考案によると、スペアタイヤ１
１をトランクルーム内に収納固定するときは、トランク
ルーム側壁４とサイドフレーム５との間には縦置きに配
置し、スペアタイヤ１１の中心より上部を、一端がサイ
ドフレーム５外方側面５ａに枢着されたクランプバー１
２の他端の取付部１２ｄをトランクルーム側壁４に取付
部材１４によって取付けることにより固定するものであ
る。

この場合、取付部材１４をスペアタイヤ１１の弾力に抗
して締付固定することによって、走行振動等によりスペ
アタイヤが揺動することなく確実な固定ができる。

また、スペアタイヤ１１の下部は、フロアパネル１とサ
イドフレーム５の側面とで支持されるものである。

スペアタイヤ１１を取外すときは、前記取付部材１４を
トランクルーム側壁４より離脱させてクランプバー１２
の他端（取付部１２ｄ側）を第１図２点鎖線で示す如く
上方に回動することによってスペアタイヤ１１を取り出
すことができるものである。

本考案においては、クランプバー１２をサイドフレーム
５に枢着しているので、クランプバーが回動たときにト
ランクルーム開口周縁部と干渉しない利点がある。

この場合において、クランプバー１２の一端は、枢支部
１２ｂに形成されたフランジ１２ｃが、サイドフレーム
５の側面と、バンパーステー取付ボルト先端部のストッ
パ部１５ａとの間に位置しているために、クランプバー
１２の回動時に穴１０より抜は出ることはない。

この実施例ではストッパ部をバンパーステー取付ボルト
と一体形成しているが別に設定してもよいものである。

以上説明したように、本考案は、車両のトランクルーム
側壁と、該側壁に近接してフロアパネル上に配設される
サイドフレームとの間にスペアタイヤを縦置きにして位
置させる一方、一端がサイドフレームの外方側面に枢着
され、他端が前記トランクルーム側壁に取付部材により
着脱自在に取付けられるクランプバーでスペアタイヤを
押圧固定することによって、簡単な構造でスペアタイヤ
の着脱ができるとともに、スペアタイヤ固定時には振動
等により揺動することなく確実に押圧固定することがで
きるものである。

また、スペアタイヤ保持部材は１本の棒状クランプバー
のみであるから低コストであるなどの優れた利点を有す
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図はスペアタ
イヤ収納状態を示す斜視図、第２図はクランプバー枢着
部の斜視図、第３図はクランプバーの斜視図である。 １・・・・・・フロアパネル、４・・・・・・側壁、５
・・・・・・サイドフレーム、１１・・・・・・スペア
タイヤ、１２・・・・・・クランプバー １４・・・・
・・取付部材、１５ａ・・・・・・ストッパ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両のトランクルーム側壁との間にスペアタイヤを縦置
   きにして位置させるに十分な間隔を存してフロアパネル
   上に離間して前後方向に配置される断面四角状のサイド
   フレームと、一端が前記サイドフレームの外方側面に枢
   着され、他端がスペアタイヤを挾んで上記一端とは車体
   前後方向にて反対側の前記側壁の上部に取付部材により
   着脱自在に取付けられ、その中央部にスペアタイヤを押
   圧する略Ｕ字形状の押圧部を有するクランプバーとを備
   え、スペアタイヤの下部をフロアパネルとサイドフレー
   ムの側面とで支持する一方、スペアタイヤの中心より上
   部をクランプバーで押圧固定することを特徴とするスペ
   アタイヤの固定装置。