JPS6010005Y2 - 車両用前照燈 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は車両用前照燈に関する。

前照燈におけるレンズの前側の部分を縦断面でくの字状
に形成すると、意匠美の向上や空気抵抗の軽減などを図
るために有効である反面、この前照燈のフィラメントか
ら発せられ反射鏡によって反射される光の一部が、第４
図に示すようにレンズ７′の折曲部７ａ’で複雑な屈折
をし、散乱光となって出射される不具合が生じる。

すなわち、レンズ７′の折曲部７ａ’から出射される散
乱光によって対向車の運転者に対し眩惑感を与えるとと
もに、車両前方の霧や雨などに対し散乱光が反射して視
界を低下させ、安全運転を妨げる問題点が生じる。

この考案の目的は、上記の理由に鑑み、レンズの前側の
部分が縦断面でくの字状に折曲されたものにおいて、レ
ンズの折曲部から出射される散乱光の発生を防止するこ
とができる車両用前照燈を提供することである。

そして、上記の目的を遠戚すべくこの考案は、レンズの
折曲部に光の不透過処理を施すことを特徴とするもので
ある。

以下、この考案の一実施例を図面にしたがって説明する
。

図中、１は車両用前照燈を示し、そのランプハウジング
２は車体の所定位置に取りつけられている。

ランプハウジング２内には反射鏡３が取りつけられてお
り、この反射鏡３の光軸上にはバルブ４が設けられてい
る。

なお、バルブ４には走行ビーム用の１つのフィラメント
５を有するものと、走行ビームとすれ違いビームを得る
２つのフィラメントを有するものとがあり、この実施例
では前者のものを示す。

ランプハウジング２の前端開口部にはガスケット６を介
してレンズ７が取りつけられている。

このレンズ７の前側の部分は意匠美の向上や空気抵抗の
軽減を図るために縦断面でくの字状に折曲されている。

さらに、レンズ７の折曲部７ａの外面には凹部８が形成
されており、この凹部８には不透明な部材（塗料なども
含む）９が付着されて前記折曲部７ａの不透過処理が施
されている。

前記凹部８の溝幅は折曲部７ａから出射される散乱光を
遮ぎることのできる溝幅に設定されている。

上記の構成において、フィラメント５から発せられ反射
鏡３の凹鏡面３ａによって反射される光はほぼ平行光線
となってレンズ７へ進む。

この光のうち、レンズ７の折曲部７ａへ進んだ光は、折
曲部７ａの凹部８に付着された不透明な部材９によって
遮ぎられるため、前記光が折曲部７ａから散乱光となっ
て出射されることがない。

（第２図参照） なお、上記実施例においては、レンズ７の折曲部７ａの
外面に対し光の不透過処理を施したが、第３図に示すよ
うに、レンズ７の折曲部７ａの内面に凹部８を形成し、
この凹部８に不透明な部材９を付着してもよい。

さらに、レンズ７の折曲部７ａにおける内面あるいは外
面に凹部８を設けることなく、折曲部７ａに対し直接に
不透明な部材、例えばテープなどを付着してもよい。

以上例示したように、この考案は、レンズの折曲部に対
し光の不透過処理を施すことで、フィラメントから発せ
られる光のうち、レンズの折曲部に進む光を不透過処理
によって遮ぎることができて、この折曲部から散乱光が
出射される不具合を解消することができる。

このため、レンズの前側の部分を縦断面くの字状に形成
して意匠美の向上や空気抵抗の軽減を良好に図ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１図は車体
の所定位置に前照燈を取りつけた状態を示す斜視図、第
２図は前照燈の縦断面図、第３図は他の実施例を示すレ
ンズの縦断面図、第４図は従来のものを示すレンズの縦
断面図である。 １・・・・・・車両用前照燈、３・・・・・・反射鏡、
５・・・・・・フィラメント、７・・・・・・レンズ、
７ａ・・・・・・折曲部、９・・・・・・不透明な部材
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フィラメントから発せられる光が反射鏡によって反射さ
   れこの反射鏡の前方に設けられた折曲部付きのレンズか
   ら前記光が出射される車両用前照燈であって、前記レン
   ズの折曲部に対し光の不透過処理が施されていることを
   特徴とする車両用前照燈。