JPS59965Y2 - 前駆動輪の懸架装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、前輪がかじ取り装置により操舵可能になって
いると共に駆動輪である車両の前駆動輪の懸架装置に関
し、特にトレーリングアーム方式を用い、且つトレーリ
ングアームと駆動前輪を支持するハウジングとをそれぞ
れボールジヨイントを介してヨーク結合したものにおけ
るボールジヨイントの取付は構造に関するものである。

この種の懸架装置においてトレーリングアーム先端の上
下ヨークとハウジングの上下のヨークをそれぞれボール
ジヨイントを介して操舵可能に結合するタイプでは、ト
レーリングアーム及びハウジングの上下のヨーク間隔の
寸法誤差がボールジヨイントに作用し、先細りのテーパ
状に形成されたスタッドが同様のテーパ状結合孔に緊密
に嵌着しなくなって両者の間に隙間を生じ、ボールジヨ
イントの取付けが適確に行われないと共にその円滑な回
転作用を妨げるという不具合を生じる。

本考案はこのような不具合を除去すべくなされたもので
、ボールジヨイントのソケットをその外周部の溝にボル
トを係合して位置決めしながらトレーリングアームまた
はハウジング側のヨークに挟持するようにし、且つ一方
のボールジヨイントのソケットの溝を軸方向に幅広くし
てソケットを調整移動することで、トレーリングアーム
、ハウジングのヨーク間隔の寸法誤差を吸収し得るよう
にした前駆動輪の懸架装置を提供するものである。

なお、トレーリングアームとハウジングの上下のヨーク
間隔の寸法誤差を吸収するようにしたボールジヨイント
の取付構造に関しては、本考案の出願人が先に出願した
実開昭５６−７５００７号公報に記載の先行技術がある
。

以下、図面を参照して本考案の一実施例を具体的に説明
すると、図において、符号１は車体側にスイング可能に
取付けられるトレーリングアームであり、このトレーリ
ングアーム１の先端のヨーク１ａ、ｌｂにボールジヨイ
ント２，３を介してハウジング４のヨーク４ａ、４ｂが
操舵時の略水平な回動を可能に結合され、ハウジング４
は車軸５に等速ジヨイント６を介して連結されるスピン
ドル７を軸受８により回転自在に支持し、このスピンド
ル７にブレーキドラム９等を介して前輪１０が一体的に
固着されるようになっている。

上下２個のボールジヨイント２，３のうちの例えば下方
のボールジヨイント３は、ソケット３ａ内に先細のテー
パ状に形成されるスタッド３ｂを備えたボール３Ｃを回
転自在に収容して成るもので、ソケツ）３ａの外周部に
略半円形の溝１１が形成されている。

また、このボールジヨイント３が固定されるハウジング
側の下方のヨーク４ｂにはソケット取付は用の孔１２が
穿設されてこの孔１２の内周部にも略半円形の溝１３が
形成されており、且つヨーク４ｂの横幅略中央にスリッ
ト１４が切ってあり、上記ソケツ１−３ａを孔１２に挿
入して両溝１１．１３が一致したところにボルト１５を
差込んで締付けることで、ソケツ）３ａはボルト１５に
係合して定位置に位置決め保持されながらヨーク４ｂの
スリット１４両側部で一体的に挟持される。

次いで、スタッド３ｂをトレーリングアーム側の下方の
ヨーク１ｂのテーパ状の結合孔１６に挿入しナツト１７
を締付けることで、そのスタッド３ｂもヨーク１ｂに緊
密に嵌着して固定されるのである。

一方、上方のボールジヨイント２も全く同様に構成され
ているが、ソケッ）２ａの外周部にはその軸方向に幅広
い長孔状の溝１Ｂが形成され、このボールジヨイント２
が固定されるトレーリングアーム側の上方のヨーク１ａ
にも取付は用の孔１９が穿設されると共にその内周部に
溝２０が形成され、且つこのヨーク１ａの横幅略中央に
スリット２１が切っである。

そこで、孔１９にソケット２ａを挿入して溝１８．２０
の間にボルドー２２を差込むのであるが、このボルト２
２の締付は前では溝１８によりソケット２ａは自由に移
動することができる。

そのため、ボルト２２の締付は前においてスタッド２ｂ
をハウジング側の上方のヨーク４ａの結合孔２３にナツ
ト２４の締付けで緊密に嵌着させ、こうしてトレーリン
グアーム１、ハウジング２のヨーク間隔の寸法誤差に対
しソケット２ａを任意に調整移動し、この状態でボルト
２２を締付けてソケツ）２ａを挟持することで上記寸法
誤差を吸収すべく固定されるので゛ある。

本考案はこのように構成されているから、トレーリング
アーム１、ハウジング４のヨーク間隔に寸法誤差を生じ
ても、両者のヨーク１ａと４ａ。

１ｂと４ｂの間にそれぞれ固定されるボールジヨイント
２，３はいずれもその寸法誤差を吸収した正規の状態で
組付けられ、固定不備、無理な力の作用を生じることな
く円滑に回転して適確且つ滑らかに操舵させることが可
能になる。

このように本考案によると、極めて簡単な構成でトレー
リングアーム１、ハウジング４のヨーク間隔の寸法誤着
を吸収することができ、組付作業も容易で実用上多大の
効果を奏する。

また、固定がボルト、ナツトの締付けで行われるので、
部品点数が少なくなり、取付は取外しの作業が向上する
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による装置の一実施例を示す断面図、第
２図、第３図は同要部の平面図、底面図である。 １・・・トレーリングアーム、ｌａ、ｌｂ・・・ヨーク
、２．３・・・ボールジヨイント、２ａ、３ａ・・・ソ
ケット、２ｂ、３Ｃ・・・スタッド、４・・・ハウジン
グ、４ａ、４ｂ・・・ヨーク、１０・・・前輪、１１．
１３・・・溝、１５・・・ボルト、１６・・・結合孔、
１７・・・ナツト、１８．２０・・・溝、２２・・・ボ
ルト、２３・・・結合孔、２４・・・ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体に連結する部材のヨークと、車軸側に連結する駆動
   前輪を支持するハウジングの上下のヨークのそれぞれボ
   ールジヨイントにより操舵操作可能に結合するに、上下
   いずれか一方のボールジヨイントはソケットをハウジン
   グ側ヨークの定位置にボルトで位置決め挾持し、スタッ
   ドを車体への連結部材側結合孔にナツトの締付けで緊密
   に嵌着して固定し、他方のボールジヨイントはソケット
   をその外周の軸方向に幅広い溝により移動して位置合わ
   せした状態でボルトにより車体への連結部材側に挟持し
   、スタッドをハウジング側結合孔にナツトの締付けで緊
   密に嵌着して固定することを特徴とする前駆動輪の懸架
   装置。