JPS598959Y2 - 船底の形状とその両側に設けたフインによって構成される船尾構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は一般に船舶の推進効率をあげるために大きな直
径のプロペラの収容を可能にする船尾部の形状と構造と
に関するものである。

上記目的のために設計された船舶の船尾の形状について
は船体の平行部分より后方の形状を大胆に変形し、トン
ネル又はセミ、ダクトを形或した各種の船型が知られて
いる。

しかし、これらのトンネル又はセミ・ダクト型の構戊に
よる船型ではトンネル又はダクトの開口部が一部又は大
部分水面上に露出するため、内部に空気が流入し、プロ
ペラが空転して推進効率がかえって減少するのみならず
、振動の発生が予想される。

本考案はその構戒のもつ特性を生かすことにより問題点
の一挙解決を計ろうとするものである。

次に本考案実施の態様を例示図について詳述すれば、１
は本考案にかかる船尾の主要構造物（船体）であり、２
はその一部を構或するフィンである。

１の船尾端は広範囲に水面下（水線４以下）に位置して
おり、これよりプロペラ３の最大直径に接する部分にい
たるまで船底は船首方向にゆくに従って漸次上昇し、プ
ロペラ３付近から先の船底は次第に下降している。

この間船底は第３図の横断面の線図の示すように一方向
のみに曲率をもっており （シングノレ、カーバチュア
）フイン２は船底面に垂直に、しかも流線に沿ってとり
つけられる。

したがって、２の高さ（たて巾）はプロペラ付近が最大
で前后が小さくなるが、船体１もこのあ゜たりでもつと
も上昇しているのでこれらの構戒するくぼみにその上縁
が水線以上に達する大型プロペラを収容しうる。

以上要するに本考案はこれまでの同種目的の考案が船尾
に開口するトンネルやダクトを設けたのに代って一対の
フィンによって舷側からの空気の流入を防ぐ一方船底を
傾斜させることにより大直径のプロペラを収容しうるス
ペースを設け船尾の開口を除去してプロペラの空転によ
る推進効率の低下およびキャビテーションによる振動発
生を防止した点に特性がある。

なお、本構或によれば工作上困難な二重わん曲の部分が
ないので船価も低減する。

また本構戊による船尾部のみを新造しそれ以外の部分を
流用することにより在来型船舶の推進性能の向上をはか
る船舶の改造方法を実施しうろことも本発明の応用範囲
である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案実施の態様を例示するもので、第１図は船
底の斜視図、第２図は船尾構造の構戊を示す側面図、第
３図はその横断面図である。 １・・・船尾の構或する主要構造物（船体）、２・・・
フィン、３・・・プロペラ、４・・・水線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 広範囲に水面下に位置し船尾端より船首方向に向って次
   第に上昇しプロペラ付近から先は次第に下降するシング
   ル、カーバチュアの船底と、船尾の流線に平行になる如
   く推進器の両側にとりつけられた１対のフイン２とによ
   って構或される船尾構造。