JPS597272Y2 - 内部補強したタンク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、内部補強したタンクに関するものである。

直角四辺形の基板の周縁に同一側へ突出する接合縁を設
けたものを単位板とし、この単位板の接合縁同志を当接
し、当接接合縁がタンク内で十字状に交わるように、多
数の単位板を並べてタンクを組立てることは、既に知ら
れている。

また このようなタンクにおける壁の撓みを防止するた
めに、タンク壁をステーで支持することも既に知られて
いる。

この場合、ステーの端を、タンク内で突出している接合
縁に直接固定することが、まず試みられた。

しかし、この方法によると、１本のステーが１個の単位
板を支持することになるので、タンク壁の撓みを確実に
防ぐために多数の単位板を支持しようとすると、多数の
ステーが必要になり、高価につくという欠点があった。

そこで、別の方法として、複数個の単位板にまたがる固
定具を用いて、ステーを固定することが提案された。

この場合、固定具としては、コの字状屈曲板の両先端を
コの字の外側へ折返した小片が用いられ、コの字の中央
片にステーの端が固定され、折返し片がそれぞれ２個ま
たは４個の単位板の基板に当接され、ボルトで固定され
た（実開昭５４７８０２３号）。

この方法によると、１本のステーで２個または４個の単
位板を支持できるので、確かにステーの数を減らすこと
ができた。

しかし、この方法は、単位板の基板にボルトを貫通させ
ることを必要とするので、貫通部から漏液が起るおそれ
があった。

そこで、漏液のおそれがないステーの固定方法の出現が
望まれた。

この考案は、このような希望に応じてなされたものであ
る。

すなわち、この考案は、直角四辺形板の隣接する少なく
とも２辺に沿い、同一側へ突出する接合縁を設けたもの
を単位板とし、この単位板の接合縁同志を当接し、当接
接合縁がタンク内で十字状に交わるように４個の単位板
を並べてタンク壁を構威したタンクにおいて、一辺に切
込を設けた板を接合縁の付設側に配置し、切込内に十字
状に交わる当接接合縁の交点を陥入させ、切込の両側を
当接接合縁に沿っておき、板の一部を当接接合縁の先端
から突出させて接合縁上に固定し、板の突出部にステー
の一端を固定し、ステーの他端を他のタンク壁に固定し
てなる、内部補強したタンクである。

この考案に係る内部補強したタンクを、図面に基いて説
明すると次の通りである。

第１図は、この考案に係る内部補強したタンクの一例を
示す一部切欠斜視図である。

第２図および第３図は、この考案に係る内部補強したタ
ンクの別の一例を示す断面図である。

第４図および第５図は、この考案に係る内部補強したタ
ンクのさらに別の一例を示す一部切欠斜視図である。

第１図において、タンクの仕切壁が、単位板１Ａ，Ｉ
Ｂおよび１Ｃから組立てられている。

単位板１Ａは、直角四辺形板１１の四辺に沿い、直角四
辺形板１１に対して１３５゜の角度で傾斜する傾斜接合
縁１２を設け、その先に、直角四辺形板１１に対して直
立する直立接合縁１３を設けたものである。

単位板１Ｂは、直角四辺形板１１の１辺に沿い傾斜接合
縁１２を設け、残る３辺に沿い直立接合縁１３を設けた
ものである。

単位板１Ｃは、直角四辺形板１１の隣接２辺に沿い傾斜
接合縁１２を設け、残る２辺に沿い直立接合縁１３を設
けたものである。

単位板１Ｃは、仕切壁の角部に配置され、単位板１Ｂは
、仕切壁の角部以外の縁部に配置され、単位板１Ｃは、
仕切壁の内部に配置され、それぞれ直立接合縁１３同志
が当接されている。

当接直立接合縁１３が、タンク内で十字状に交わるよう
に多数の単位板が並べられて、仕切壁とされている。

仕切壁の直立接合縁付設側に、一辺に切込２１を設けた
板２が配置されている。

切込２１内に、十字状に交わる当接直立接合縁１３の交
点が陥入している。

ここで、交点が陥入しているというのは、板２に対して
垂直な方向から見たとき、交点が切込２１内に入って見
えるという意味である。

切込２１の両側が当接直立接合縁１３に沿って置かれて
いる。

板２の一部を当接直立接合縁１３の先端から突出させて
、板２が直立接合縁１３上に固定されている。

板２の突出部に、ステ−３Ａおよび３Ｂの一端がボルト
２３で涸定されている。

ステ−３Ａの他端は、タンクの側壁に固定され、ステ−
３Ｂの他端は、タンクの底壁に固定されている。

このように構威されたものが、この考案に係る内部補強
したタンクである。

上記のタンクにおいて、単位板１Ａないし１Ｃ、板２お
よびステ−３は、何れも金属または強化合威樹脂で作る
のが適当である。

単位板１Ａないし１Ｃの直角四辺形板１１には、凹凸を
設けることができる。

単位板の直立接合縁同志を当接するに際しては、間にパ
ッキンを挾み、ボルトで涸定することが望ましい。

板２の形状は、半円形、三角形、四角形、五角形等であ
ってよい。

また、切込２１の形状は、図示したＵ字状以外に、■字
状またはコ字状にすることができる。

ステーの他端を側壁または底壁に固定するには、図示し
たように、ステーの他端に折曲板３１またはステーブロ
ック３２を取付け、これらを単位板上に固定するのが便
利である。

また、図示した例では、側壁および底壁が単位板１Ａか
ら組立てられているが、この場合、仕切壁を側壁および
底壁に固定するには、図に示すように、傾斜接合縁１２
同志の結合によるのが便利である。

この考案には、第１図に示したもの以外にも、以下に示
すように種々の実施態様が含まれる。

なお、以下の説明では、第１図と同じ構或については説
明を省略する。

第２図では、タンクの仕切壁が単位板１Ｄから組立てら
れている。

単位板１Ｄは、直角四辺形板１１の四周に直立接合縁１
３のみを設けたものである。

当接された直立接合縁１３上に、第１図と同様に板２が
固定され、その突出部に、ステ−３Ｃないし３Ｅの一端
が固定されている。

ステ−３Ｃないし３Ｅの他端は、別の仕切壁土に取付け
られた板２上に固定されている。

固定に際しては、ステ−３０は両端が板２に直接溶接さ
れ、ステ−３Ｄは両端が板２にボルト２３で固定され、
ステ−３Ｅは両端に小板３３が溶接され、この小板３３
が板２にボルト２３で涸定されている。

なお、このタンクでは、側壁および底壁が単位板１Ｄか
ら組立てられている。

第３図では、タンクの側壁が、単位板１Ｄから組立てら
れている。

側壁は、一部が建物の突出部（柱または梁）４を避ける
ために窪んでおり、窪みの底を構戊する単位板１Ｄは、
直立接合縁１３をタンク内に位置させて、互いに当接し
ている。

この直立接合縁１３上に、第１図と同様に板２が固定さ
れ、その突出部にステ−３Ｆの一端が固定されている。

ステ−３Ｆの他端には、小板３４が溶接され、小板３４
は対向壁を構或する単位板１Ｄの基板上に固定されてい
る。

第４図では、タンクの仕切壁が、単位板１Ｄおよび１Ｅ
から組立てられている。

単位板１Ｅは、３つの直角四辺形板１１の各１辺をつき
あわせて一体に結合し、残る辺に沿い直立接合縁１３を
設けたものである。

３個の単位板１Ｅが、上記つきあわされた１辺が垂直方
向に向くように積まれ、上記ｌ辺に平行な３辺上の直立
接合縁１３に単位板１Ｄの直立接合縁１３が当接されて
、Ｔ字状の仕切壁が構威されている。

単位板１Ｄと１Ｅとの当接された直立接合縁１３は、タ
ンク内で十字状に交差している。

Ｔの頭にあたる１つの壁の直立接合縁１３上に、第１図
と同様に板２が固定され、その突出部にステ−３Ｇの一
端が固定されている。

ステ−３Ｇの他端は、Ｔの足にあたる壁土に固定された
板２に固定されている。

第５図では、タンクの底壁、側壁および仕切壁が、単位
板１Ｄから組立てられている。

この図では、単位板１Ｄの直角四辺形板１１には、凹凸
を設けてもよいことが示されている。

仕切壁における当接された直立接合縁１３上に、板２が
固定されている。

板２としては、直立接合縁１３の先端に沿って僅かに２
回折曲されたものが用いられている。

板２の突出部に、ステ−３Ｈないし３Ｋの一端が固定さ
れている。

そのうち、ステ−３■と３Ｊとは、同し１つの板２に固
定されている。

ステ−３Ｈないし３Ｊの他端は、底壁上にステーブロツ
ク３２を用いて固定され、ステ−３Ｋの他端は、側壁上
にステーブロツク３２を用いて固定されている。

この考案に係る内部補強したタンクは、直角四辺形板の
隣接する少なくとも２辺に沿い同一側へ突出する接合縁
を設けてなる単位板の、接合縁同志を当接し、当接接合
縁がタンク内で十字状に交わるように４個の単位板を並
べたタンクにおいて、一辺に切込を設けた板を接合縁の
付設側に配置したので、切込内に十字状に交わる当接接
合縁の交点を陥入させることができる。

そして、切込の両側を当接接合縁に沿って置いたので、
容易に板を２個の単位板にまたがって固定できる。

また、板の一部を当接接合縁の先端から突出させて固定
したので、突出部に容易にステーの一端を固定できる。

その結果、１本のステーで２個の単位板を支持すること
ができ、ステーの数が節約できる。

そして、ステーの他端を他のタンク壁土に固定したので
、タンク壁の撓みが防がれる。

さらに、板を接合縁に固定したので、直角四辺形板に孔
を穿設する必要がない。

したがって、タンク壁からの漏液のおそれが減らさせる
。

しかも、この考案で用いる部材は、板の一端に切込を設
けただけのものであるから、安価であり、この考案は経
済的に実施できる。

この考案は、上記のように、多数の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の内部補強したタンクの一例を示す
一部切欠斜視図、第２図および第３図は、この考案の内
部補強したタンクの別の一例を示す断面図、第４図およ
び第５図は、この考案の内部補強したタンクのさらに別
の一例を示す一部切欠斜視図である。 各図において、１Ａないし１Ｅは単位板、２は板、３Ａ
ないし３Ｋはステー、４は突出部、１１は直角四辺形板
、１２は傾斜接合縁、１３は直立接合縁、２１は切込、
２２および２３はボルト、３１は折曲板、３２はステー
ブロック、３３および３４は小板である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直角四辺形板の隣接する少なくとも２辺に沿い、同一側
   へ突出する接合縁を設けたものを単位板とし、この単位
   板の接合縁同志を当接し、当接接合縁がタンク内で十字
   状に交わるように４個の単位板を並べてタンク壁を構或
   したタンクにおいて、一辺に切込を設けた板を接合縁の
   付設側に配置し、切込内に十字状に交わる当接接合縁の
   交点を陥入させ、切込の両側を当接接合縁に沿って置き
   、板の一部を当接接合縁の先端から突出させて接合縁上
   に固定し、板の突出部にステーの一端を固定し、ステー
   の他端を他のタンク壁に固定してなる 内部補強したタ
   ンク。