JPS596226Y2 - 電気冷蔵庫 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、庫内冷気循環用送風装置を備えた電気冷蔵庫
に関するものである。

この種の送風装置としては、送風ファンとともにファン
駆動用モータを庫内に装置するモータ庫内設置方式と、
ファン駆動用モータを庫外に設置するモータ庫外設置方
式とが知られているが、前者によると、モータから庫内
に発生される熱のため、その分余計に冷却力を高める必
要があり、これに伴って消費電力が増大する。

後者のモータ庫外設置方式によれば、前者のような問題
は生じないのであるが、なおいくつかの改良されるべき
点が残されている。

すなわち、送風ファンとファン駆動用モータは、外箱、
内箱間の断熱材を挾んで一方は庫内側に、他方は庫外側
に設けられるものであるため、ファン駆動用モータは、
その駆動軸が外箱、内箱間に設けられている連通管を介
して庫内側に突出するように外箱側に取付けられている
。

この場合、庫内冷気がこの連通管を通って外部に漏れな
いようにするためのシール材には、モータハウジングの
前面に設けられている軸受用の防振ゴムが兼用されてい
る。

このため、従来の防振ゴムには高い寸法精度が要求され
ており、また、この防振ゴムにはモータの取付時におい
て、このモータを介して強い押圧力が加えられるので、
経時的にへ夕リが生じ防振ゴムとしての機能を喪失する
ことがある。

また、モータハウジングにも支持ブラケットを介して強
い押圧力が加えられることになり、これはモータの駆動
軸に対して偏心などの悪影響を与える。

他方、この送風装置の取付けにあたっては、庫外側にお
いてファン駆動用モータを外箱に取付ける作業をしたの
ち、庫内側から送風ファンをモータの駆動軸に取付ける
作業をしなければならず、これには少なからぬ手間と時
間が費されるものである。

したがって、本考案の目的は、防振ゴムおよびモータハ
ウジングに過度の押圧力を加えることなく、庫内冷気の
モータ駆動軸挿通部からの漏洩を確実に阻止し得、しか
も冷気循環用送風装置の取付け作業を庫内側にて行なう
ことのできる電気冷蔵庫を提供することにある。

以下、本考案の実施例を添付図面にしたがって説明する
。

第１図を参照すると、冷気循環用送風装置が取付けられ
ている部分の断面が示されているが、ここにおいては、
１は冷蔵庫の外形を形威している薄い鉄板からなる外箱
、２は合戒樹脂からなる内箱であって、この図では冷凍
室の部分が示されている。

この外箱１と内箱２との間には、ファン駆動用モータ３
のための収納空間を形成するケーシング４が配設されて
おり、このケーシング４を除いた部分には、発泡性合或
樹脂の注入戒形すなわち現場発泡により戒形された断熱
材５が充填されている。

第２図を参照すると、内箱２は、その背壁部から外箱１
側に向って、円筒状に突設された凸壁６を有し、この凸
壁６内には、モータ３が通る程度の窓７が穿設されてい
る。

ケーシング４は、第３図に示されているように、凸壁６
に突合せられる前壁８をもち、この前壁８には、前記凸
壁６の円筒状周壁のまわりに嵌合する環状突出リブ９と
、前記孔７と同じ大きさに穿設された窓１０とが設けら
れている。

このケーシング４の外箱１に対面する後方部分は開放さ
れていて、この開放端側の周壁１１には、外箱１とほぼ
平行に延びるフランジ１２が形或されている。

このケーシング４は、断熱材５を形或する樹脂を充填す
る前に外箱１と内箱２との間に配設されるのであるが、
この場合、凸壁６の外周面と環状突出リブ９の内周面と
の間にシール材１３を介装させ、このシール材１３を圧
縮するようにしてリブ９を凸壁６のまわりに押込むこと
により、ケーシング４は内箱２に仮固定される。

また、ケーシング４の後端と外箱１との間に存在する間
隙は、ケーシング４の周壁１１とフランジ１２とによっ
て形威されている段部に配設されたシール材１４によっ
て密閉される。

これにより、現場発泡時において断熱材５のケーシング
４内への流込みが確実に防止される。

なお、シール材１３．１４には、発泡ポリエチレンや発
泡ポリウレタンが用いられる。

また、第１図および゛第４図に示されているように、ケ
ーシング４内には、モータ３の後方を支持するためのブ
ラケット１５がケーシング内壁に一体的に設けられてい
る。

このブラケット１５は、防振ゴム１６を介してモータ３
の後方を支持する取付孔１８を有しているが、このほか
に、前方すなわち内箱２側に向って延設されていて、モ
ータ３の鉄心部３ａに作用し、モータ３の起動時におけ
るモータハウジングの回転を阻止する板状もとくは棒状
部材からなるモータ位置決め部材１９を備えている。

この実施例では、モータ位置決め部材１９の先端が防振
ゴム２０を介して鉄心部３Ｂに設けられいる孔３ｂ内に
挿嵌されている状態が示されているが、このモータ位置
決め部材１９の先端は鉄心部３ａの下端部に当接されこ
れを支持するように配設されていてもよく、更には、鉄
心部３ａ側にこのようなモータ位置決め部材を植設して
、ブラケット１５側にこの位置決め部材の先端部が挿嵌
される孔を設けるようにしてもよい。

なお、このモータ位置決め部材１９は、モータ３の後方
をブラケット１５に取付け、その前方を後述する遮蔽カ
バ一体２１で支持するまでの間、このモータ３を片持ち
的に支持する機能をも有している。

遮蔽カバ一体２１は、内箱２の凸壁６内に庫内側から取
付けられ、モータ３の前方を支持するとともに、庫内と
モータ収納空間とを熱的に遮蔽している。

すなわち、この遮蔽カバ一体２１は、庫内側に向って膨
出するように形威された円盤部材からなり、その中央部
には、モータ３の駆動軸２２のための貫通孔２３と、防
振ゴム１７を介してモータ３の前方を支持する凹部２４
とが同軸的に設けられている。

そして、遮蔽カバ一体２１内には、その庫内寄りに配置
された第１の断熱層２５と、この断熱層２５上に積層さ
れた第２の断熱層２６とが設けられている。

この実施例において、第１の断熱層２５は比較的安価で
ありながらすぐれた断熱性能を有する発泡スチロールか
らなり、他方、第２の断熱層２６は弾性復元力のすぐれ
た発泡ポリエチレンからなる。

この場合、モータ収納空間側に配設されている第２の断
熱層２６は、凸壁６の窓７を完全に覆う大きさを有し、
かつ中央部にモータハウジングの外径よりも小さな口径
の孔２７を備えている。

したがって、この遮蔽カバ一体２１が内箱２の凸壁６内
においてネジ２８により固定される際、第２の断熱層２
６の周辺部は窓７および１０の開口周縁に密着するとと
もに、孔２７の周縁部はモータハウジングの前面に密着
するため、モータ収納空間は庫内から完全に遮蔽される
。

なお、第２の断熱層２６は、モータ３の取付寸法の誤差
を許容し得るような厚みを有し、モータ３の取付時に多
少の誤差が生じてもモータハウジング前面に密着し得る
ように構威されている。

このように、本考案では、遮蔽カバ一体２１の断熱性能
は主として上記第１の断熱層２５にもたせ、他方、モー
タに対するシール機能は第２の断熱層２６に分担させる
ことにより、コストアップを招来することなく、熱的に
も機械的にも十分な遮蔽を行なうことができる。

また、この遮蔽カバ一体２１には、貫通孔２３に対して
同心的に設けられたマウスリング２９が放射状に延びる
連結部材３０を介して一体的に形威されている。

これにより、駆動軸２２に取付けられる送風ファン３１
とマウスリング２９とは同心的に正確に位置決めされる
。

３２は、冷凍室の背板であって、この背板３２には、遮
蔽カバ一体２１の通過を許す開口３３が設けられていて
、マウスリング２９はこの開口３３の周縁部に係合され
る。

なお、３４は背板３２に着脱可能にスナップ止めされて
いる冷気吹出しグリル、３５は内箱２と背板３２との間
に配置された蒸発器である。

この蒸発器３５で冷却された冷気は、モータ３により回
転駆動される送風ファン３１によりグリル３４から冷凍
室、冷蔵室側に吹出され、それぞれの室を冷却する。

他方、冷却運転時にモータ３からモータ収納空間内に放
出される熱は、外箱１を通して庫外に放熱される。

この場合、庫内とモータ収納空間は、前述したように遮
蔽カバ一体２１で完全に遮蔽されているため、冷気がモ
ータ収納空間内へ侵入することはないし、また、モータ
３から発生される熱が庫内に影響を与えることもない。

なお、本考案では、モータ３から発生される熱を外箱１
を通してより効果的に放熱するため、外箱１の内壁面に
沿って熱伝導の良好な部材、例えばアルミ箔３６が設け
られている。

すなわち、このアルミ箔３６は、モータ収納空間の一辺
を形或している外箱１の内壁面からシール材１４を越え
てさらにその内壁面に沿って延設されている。

これにより、モータ３からモータ収納空間内に放出され
た熱は、アルミ箔３６を介してモータ収納空間のまわり
の外箱１壁面により速く伝導され、そこから外部に放熱
される。

これに伴って、モータ収納空間内の空気の対流が促進さ
れるため、モータ３の過度の温度上昇を防ぐことができ
る。

なお、アルミ箔に代えて、他の熱伝導部材を用いてもよ
いことは勿論である。

この冷気循環用送風装置は次のようにして組立てられる
。

まず、内箱２の凸壁６のまわりにシール材１３を介して
ケーシング４の環状突出リブ９を圧入することにより、
ケーシング４を両箱２に仮固定し、この内箱２を外箱１
内に組立ける。

この場合、外箱１の内壁面の所定個所には予めアルミ箔
３６が添設されており、また、ケーシング４の後方端と
外箱１との間に生ずる間隙はシール材１４によって閉塞
される。

次に、外箱１と内箱２との間に現場発泡により断熱材５
を充填する。

この断熱材５によりケーシング４は外箱１と内箱２との
間において固定される。

この筒状ケーシング４により形威されたモータ収納空間
内へのモータの取付けは庫内側からの作業により行なわ
れる。

すなわち、モータ３を内箱２側から窓７および１０を通
してケーシング４内に導き、モータ３の後方を防振ゴム
１６を介してブラケット１５の取付孔１８内に嵌入する
とともに、鉄一じ・部３ａの孔３ｂをモータ位置決め部
材１９に嵌合し、この位置決め部材１９によってモータ
３を片持ち的に保持させる。

これにより、作業者はモータ３の前方を手で支えておく
必要がなくなるため、以後の作業を楽に行なうことがで
きる。

次に、モータ３の前方に防振ゴム１７を装着し、モータ
３の駆動軸２２を貫通孔２３内に挿通させ乍ら遮蔽カバ
一体２１を内箱２の凸壁４の凹所内に取付け、これをネ
ジ２８により固定する。

これにより、窓７および１０とモータノ＼ウジング前面
に第２の断熱層２６が変形をともなって密着し、モータ
収納空間は庫内から完全に遮蔽される。

そして、庫内側に突出された駆動軸２２を送風ファン３
１を取付け、冷凍室の背板３２にグリル３４をスナップ
止めすることにより、組立て作業は完了される。

以上説明したように、本考案によれば、遮蔽カバ一体２
１を内箱２の凸壁内に固定する際、第２の断熱層２６に
穿設されている孔２７の周縁部がモータハウジングの前
面に密着するため、遮蔽カバ一体２１の貫通孔２３を通
って庫内冷気がモータ収納空間内に漏洩することはない
。

この場合、第２の断熱層２６は発泡ポリエチレンなどの
柔軟は物質からつくられていて、しかもやや層厚に形威
されているため、モータ３の取付時に多少の誤差が生じ
てもモータハウジングの前面を確実にシールすることが
できる。

また、このように断熱層２６によりシールするものであ
るため、防振ゴム１７には従来のように高い寸法精度が
要求されないし、また、強い押圧力をかけなくともよい
ので防振機能が効果的に発揮される。

さらに、この構造によれば、モータハウジングに加えら
れる押圧力は従来に比べて十分に小さいためモータ３に
過度の負担がかかることはない。

また、遮蔽カバ一体２１の庫内側寄りには、比較的安価
ではあるが断熱性能のすぐれた発泡スチロール等からな
る第１の断熱層２５が配置されており、モータに対する
シール機能は上記の如く第２の断熱層２６に分担させ、
遮蔽カバ一体としての断熱性能は主としてこの第１の断
熱層２５にもたせるようにしてあるため、コストアップ
を招来することなく、熱的にも機械的にも十分な遮蔽が
達或される。

他方、外箱１と内箱２との間において、窓７および１０
を介して庫内側に開口するモータ収納空間を形成したこ
とにより、送風装置を取付けるすべての作業を庫内側に
て行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる実施例の要部断面図、第２図は
内箱の後方斜視図、第３図はケーシングの前方斜視図、
第４図はケーシングの背面図である。 図中、１は外箱、２は内箱、３はファン駆動用モータ、
４は筒状ケーシング、５は断熱材、７，１０は窓、２１
は遮蔽カバ一体、２２は駆動軸、２３は貫通孔、２５は
第１の断熱層、２６は第２の断熱層、３１は送風ファン
である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 送風ファンおよびファン駆動用モータからなる庫内冷気
   循環用送風装置を有する電気冷蔵庫において、 冷蔵庫の外形を形或する外箱と、該外箱内に断熱材を介
   して配置された内箱であって、前記外箱に向って開口す
   る窓を有するものと、前記外箱と内箱との間に配設され
   、その一端が前記内箱の窓のまわりに取付けられ、かつ
   他端が前記外箱により閉塞された筒状ケーシングであっ
   て、その内部は前記モータが前記窓を通して設置される
   ものと、前記モータの駆動軸が挿通される貫通孔および
   前記モータの一端を防振ゴムを介して支持する凹部を有
   し、庫内側から前記窓を密閉するように前記内側に取付
   けられる遮蔽カバ一体であって、そのカバ一体内におい
   て前記庫内寄りに配置されたすぐれた断熱性を有する第
   １の断熱層と前記筒状ケーシングに臨むように前記第１
   の断熱層上に積層された弾性復元力に富む第２の断熱層
   とを含むものとを備え、該第２の断熱層は、前記遮蔽カ
   バ一体の前記窓への取付時に弾性変形をともなって前記
   窓の開口周縁および前記モータのハウジング面に密着す
   ることを特徴とする電気冷蔵庫。