JPS594916B2 - カラ−テレビジヨンジユシンキ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は音声信号成分と色差信号成分と輝度信号成分と
映像搬送波成分とを含むカラーテレビジョン信号から、
複合弾性表面波フィルタを用いて、これらの成分と分離
するようにしたカラーテレビジョン受信機に関するもの
である。

従来カラーテレビジョン受信機に必要な選択度特性はコ
イル、およびコンデンサから構成された回路により得て
いた。

このコイル、およびコンデンサにより形成され、カラー
テレビジョン受信機に必要な選択度特性を得るために使
用されるフィルタおよびトラップは、カラーテレビジョ
ン受信５ 機の製造時に特性を補正するために調整が必
要であると同時に、最近注目されている集積回路化が難
かしく、特に、コイルの集積回路化は著るしく困難であ
る。最近、圧電基板上にくし歯形変換器を形成した弾性
表面波フィルタでカラーテレビジ１０ ヨン受信機の中
間周波フィルタを実現できることが報告されている。し
かし、現在「般的に用いられているテレビジョン受信機
の中間周波フィルタの特性そのままを、上記弾性表面波
フィルタで製造するのは得策でない。１５以下、第１図
を用いてこの理由を説明する。

第１図はインターキャリア方式のカラーテレビジョン受
信機の一般的な信号処理回路の主要部を示すブロック図
である。図において、３は中間周波フィルタ（以下ＩＦ
フィルタと略記する）であり、■０ これはアンテナ１
で受信され、チューナ２で映像中間周波数（以下ＩＦと
略記する）に変換されたカラーテレビジョン信号と同時
に受信される不要な信号、雑音などをカラーテレビジョ
ン信号から分離、選択する。ＩＦフィルタ３で選択され
たカリ５ ラーテレビジヨン信号は中間周波増幅器４（
以下ＩＦ増幅器と略記する）で増幅されたのち、音声ト
ラップ５および検波器８に入力される。検波器８に入力
されたカラーテレビジョン信号のうち、音声信号成分は
インターキャリア方式により検波９０器８で包絡線検波
され、音声ＩＦ増幅器９で増幅された後にディスクリミ
ネータ１０に供給され、ここでＦＭ検波され出力端子１
１に復調された音声信号が得られる。一方、音声トラッ
プ５に入力されたカラーテレビジョン信号のうち、輝度
信号３５成分と色差信号成分は検波器６で検波され、遅
延線１２と帯域フィルタ１３に入力される。検波器６に
は通常包絡線検波器が使用される。検波器６の出力は輝
度信号と色差信号の両方を含む信号であるか、帯域フイ
ルタ１３はこの輝度信号と色差信号を分離し、色差信号
だけを通過させる特性を有する。帯域フイルタ１３の出
力である色差信号は色信号復調回路１４で復調され、こ
の復調された色差信号と、遅延線１２の出力である輝度
信号はともにマトリクス回路１５に入力され、３原色信
号として端子１６〜１６″から出力される。ここで、遅
延線１２が挿入されているのは、色差信号が帯域フイル
タ１３を通過する際に、帯域フイルタ１３により約０．
５μ秒の遅延を生じ、この結果輝度信号よりも色差信号
が遅れ、画面上で色ずれが生じるのを防止するためであ
る。つぎに音声トラツプ５の必要性について説明する。

検波器６に入力される信号の音声信号搬送波の減衰が不
十分であると、音声搬送波と色副搬送波のビード信号（
９２０ＫＨｚ）が検波器６で発生し、画面に著るしい妨
害を与える。

このため、現在のカラーテレビジヨン受信機では音声信
号搬送波を映像信号搬送波に対し５０〜６０ｄＢの減衰
をとつている。一方インターキャリア方式の受信機では
、音声搬送波の減衰を大きくとりすぎると、検波器８で
検波され音声中間周波信号となる４．５ＭＨｚのビード
信号が小さくなり、音声回路７が充分動作しなくなる。
したがつて、現在のカラーテレビジヨン受信機ではＩＦ
フイルタ３で音声信号搬送波の減衰を２６ｄＢ程度に取
り、ＩＦ増幅器４で増幅した後にこの出力を音声回路７
に供給して音声信号を再生する。また、映像信号に対し
ては、ＩＦ増幅器４の出力を音声信号搬送波を抑圧する
音声トラツプ６に加えることにより、ＩＦフイルタ３で
約２６ｄＢ減衰した音声信号搬送波を更に約２０〜３０
ｄＢ減衰させて上記の目的を達している。以上がインタ
ーキャリア方式のカラーテレビジヨン受信機である。以
上述べたもののうち、コイル、コンデンサを用いて構成
されるフイルタ、または、トラツプはＦフイルタ３、音
声トラツプ５、帯域フイルタ１３などであり、これらは
すべて前記した様に集積回路化が著るしく困難であると
同時に、カラーテレビジヨン受信機を製造するに際し、
それぞれ細心の調整が必要である。

したがつて、Ｆフィルタ３をそのまま弾性表面波フイル
タで構成し、これを無調整でかつ集積回路化を容易にし
ても、なお、音声トラツプ５、帯域フイルタ１３などに
多くのコイル、コンデンサを使用しなくてはならないた
め、カラーテレビジヨン受信機の信号処理回路の無調整
かつ集積回路化ができないという欠点がある。本発明の
目的は上記した従来の欠点をなくし従来のテレビジヨン
受信機の信号処理回路のコイルおよびコンデンサで構成
されるＩＦフイルタ、音声トラツプ、遅延線、帯域フイ
ルタを用いないようにし、コイルおよびコンデンサで構
成されるフイルタ、トラツプの数を大幅に減少し、調整
個所が少なく、かつ集積回路化に適したカラーテレビジ
ヨン受信機を提供することにある。

本発明は、複合弾性表面波フイルタによりテレビジヨン
信号の輝度信号成分、映像搬送波成分、色信号成分およ
び音声信号成分の３組の信号をそれぞれ分離、抽出して
輝度信号成分を得るとともに抽出された色信号成分およ
び音声信号成分を抽出された映像搬送波成分と混合し混
合出力から音声信号成分を抑圧して色信号成分を得るよ
うにしたものである。

以下本発明を図面を参照して詳細に説明する。

停２図は本発明の一実施例を示すカラーテレビジヨン受
信機の信号処理回路の主要部を示すプロツク図である。
同図で３０は複合弾性表面波フイルタであり、アンテナ
１で受信されたカラーテレビジヨン信号がチユーナ２で
映像中間周波数に変換されて、この複合弾性表面波フイ
ルタ３０に入力される。この複合弾性表面波フイルタ３
０は映像搬送波成分、輝度信号成分、色差信号成分、音
声信号成分を分離して出力する機能を有する。複合弾性
表面波フイルタ３０で分離された映像搬送波成分は搬送
波再生回路４０に入力され、同期検波を行なうための参
照搬送波９０として搬送波再生回路４０から出力される
。複合弾性表面波フイルタ３０で分離された輝度信号成
分は包絡線検波器６に入力され、従来と同じ方法で検波
される。複合弾性表面波フイルタ３０で分離された色差
信号成分と音声信号成分は加算回路７７で参照搬送波９
０と加算された後に、包絡線検波器６６で検波される。
包絡線検波器６６の出力信号は検波された色差信号と音
声信号であるが、端子５０７で２系統に分離され音声信
号は端子５０７に接続された第１図に示した構成と同じ
音声回路７で再生される。一方、色差信号は端子５０７
に接続された音声信号搬送波も抑圧する音声トラツプ５
０を経て色信号復調回路１４で再生される。ここで加算
回路７７において、色差信号および音声信号に参照搬送
波９０を加えた後で検波する理由は、輝度信号成分と色
差信号成分、音声信号成分が分離して抽出されるので、
抽出された色差信号成分と音声信号成分は搬送波成分を
有さぬためそのままでは包絡線検波ができないことによ
る。包絡線検波器６６の出力である検波された色差信号
は、色信号再生回路１４で復調され、輝度信号とともに
マトリクス回路１５に入力され、３原色信号として端子
１６〜１６〃から出力される。このようにカラーテレビ
ジヨン受信機の信号処理回路を第２図を用いて説明した
ような構成にすると、従来インタキヤリア方式で行なつ
てきたように輝度信号成分、色差信号成分、音声信号成
分を含む、カラーテレビジヨン信号を同一の検波器で検
波してからそれぞれの信号をフイルタで分離するのでは
なく、第２図に示すようにあらかじめ複合弾性表面波フ
イルタ３０で分離した輝度信号、色差信号と音声信号を
別々に検波するため、第１図に示したインターキヤリア
方式で検波された輝度信号と色差信号を分離するために
必要とされた。帯域フイルタ１３が不必要となる。つぎ
にカラーテレビジヨン受信機を第２図に示した構成にす
ると第１図中の遅延機１２が不必要となる理由を述？る
。

第４図に複合弾性表面波フイルタ３０の一例を示す。第
４図で３００は弾性表面波伝搬基板（以下基板と略記す
る）であり、同時に変換動作をも行なわせるように通常
圧電性結晶などを用いる。この基板３００上に導電性の
くし歯形電極から成る入力変換器３２１．出力変換器３
２２，３２４，３２５が形成される。入力端子３０１に
チユーナ２からのカラーテレビジヨン信号が加えられる
と変換器３２１によつてカラーテレビジヨン信号は弾性
表面波に変換され、矢印３１２，３１４，３１５で示さ
れた方向に伝搬する。これらの弾性表面波は変換器３２
２，３２４，３２５によつて再び電気信号に変換され、
それぞれ出力端子３０２，３０４，３０５によつて出力
として取り出される。ここに示した複合弾性表面波フイ
ルタ３０は入力端子３０１と３つの出力端子３０２，３
０４，３０５とを有する。入力端子３０１と各出力端子
３０２，３０４，３０５によつて構成される各フイルタ
のふるまいは同一であるためここでは入力となる端子３
０１と出力端子３０５で構成されるフイルタについて説
明する。入力端子３０１から出力端子３２５までの特性
は人力変換器３２１．出力変換器３２５および弾性表面
波の伝搬路の特性で決まる。一般に伝搬路でり弾性表面
波の減衰およびビームの拡がりは極めて小さく、またカ
ラーテレピジヨン信号のように使用する周波数帯域が比
較的狭い場合は、これらの損失は周波数に対して一定と
みなし得る。したがつて、フイルタとしての特性は入力
変換器３２１と出力変換器３２５の形状で決定される。
すなわち、各変換器は櫛歯形変換器と呼ばれ、一対の櫛
歯形導電電極が互いに入り組んで形成されるものであり
、この櫛歯の間隔、長さ、本数をあらかじめ定めること
により種々のフイルタ特性を実現できる。また信号が入
力端子３０１から出力端子３０５に至るまでの遅延時間
は基板の結晶のカツト、弾性表面波の伝搬方向の選び方
、および入力変換器３２１と出力変換器３２５の距離１
により定まる。以上述べたことは、入力端子３２１と出
力変換器３２２、入力端子３２１と出力端子３２４によ
つて構成される他の３つのフイルタについても全く同様
に成り立つ。以上述べた方法により、複合弾性表面波フ
イルタ３０において、入力端子３０１と出力端子３０２
との間で、第３図に示した映像搬送波抽出用フイルタの
周波数特性Ａ、入力端子３０１と出力端子３０４との間
で第３図に示した輝度信号用フイルタの周波数特性Ｂ、
入力端子３０１と出力端子３０５との間で第３図に示し
た色差信号と音声信号用フイルタの周波数特性Ｃを構成
することができる。

ここで特に注目すべきは、基板３００がそれぞれのフイ
ルタでは全く同一であらため変換器３２１と変換器３２
４の距離と、変換器３２１と変換器３２５の距離とを等
しく設定しておけば入力端子３０１と出力端子３０４内
で構成される輝度信号抽出用フイルタと入力端子３０１
と出力端子３０５間で構成される色差信号抽出用フイル
タとの逐延時間を等しくすることができる。したがつて
本発明による第２図に示した構成にすれば第１図を用い
て説明した従来のカラーテレビジヨン受信機の如く、輝
度信号と色差信号の遅延時間の差を補正するための遅延
線１２は不必要となる。以上、第２図、第３図、第４図
を用いて詳細に説明したように、テレビジヨン受信機を
第２図に示した構成にすれば、従来コイル、コンデンサ
で構成されていたＩＦフイルタ３、を複合弾性表面波フ
イルタ３０一個で置き換え、遅延線におよび帯域フイル
タ１３を不要とすることが可能であり、その結果、テレ
ビジヨン受信機の信号処理回路の調整個所を音声トラツ
プ５０だけとすることができる。

更に、この信号処理回路に複合弾性表面波フイルタ３０
を用いることにより従来集積回路化が著るしく困難とさ
れていたコイル、コンデンサにより構成されるフイルタ
遅延線を構成としたため、カラーテレビジヨン受信機の
信号処理回路の集積回路化が可能であるなどその効果は
著るしく大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のインターキャリア方式のカラーテレビジ
ヨン受信機の信号処理回路の主要部を示すプロツク図、
第２図は本発明による複合弾性表面波フイルタを用いた
テレビジヨン受信機の一実施例を示すプロツク図、第３
図は複合弾性表面波フイルタの特性の一例を示す特性図
、第４図は複合弾性表面波フイルタの構成を示す正面図
である。 ３：ＩＦフイルタ、５：音声トラツプ、７：音声回路、
１２：遅延線、１３：帯域フイルタ、４０：搬送波再生
回路、５０：音声トラツプ、６６：包絡線検波器、７J
メF加算回路、３０：複合弾性表面波フイルタ、３００
：基板、３２１：人力変換器、３２２，３２４，３２５
：出力変換器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 輝度信号成分と色信号成分と音声信号成分と映像搬
   送波成分とを有するカラーテレビジョン信号が供給され
   、色信号成分および音声信号成分の組合せ信号成分、輝
   度信号成分および映像搬送波成分をそれぞれ分離して抽
   出する複合弾性表面波フィルタと、抽出された前記組合
   せ信号成分および映像搬送波成分を混合して周波数変換
   された色信号成分および音声信号成分を出力する混合手
   段と、混合手段の出力を音声トラップを介して色信号復
   調回路に供給する供給手段とからなることを特徴とする
   カラーテレビジョン受信機。