JPS594821Y2 - サブタンク付き燃料タンク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えば自動車において使用されるサブタンク付
き燃料タンクの改良に関するものである。

一般に、例えば自動車における燃料タンクにおいては、
燃料循環系におけるペーパーツクの発生を防止し、また
車両が傾いた場合に燃料切れが起きるのを防止するなど
の目的のためにサブタンクが使用されることがある。

実開昭４９−２９１７号公報すなわち、例えば第１図に
示すように、燃料タンクの主タンク１の内部底壁にサブ
タンク２を固定し、これらの主タンク１とサブタンク２
とを燃料補給孔３により互いに連通させると共に、該サ
ブタンク２の内部には燃料供給用のサクションパイプ４
の吸込口とエンジンで消費されずに残った燃料の返送用
のリターンパイプ５の吐出口との両方を開口させている
。

このような燃料循環系においては、サクションパイプ４
からサブタンク２内の燃料を燃料ポンプ７により燃料フ
ィルター６を介して吸引し、その燃料を燃料噴射装置８
からエンジン９の中に噴射し、該エンジン９で消費され
なかった残りの燃料は圧力調整弁１０を経てリターンパ
イプ５がら再び前記サブタンク２の内部に返送して循環
させるものである。

そして、その場合に前記エンジン９で消費された燃料の
量に相当するだけの量のフレッシュ燃料が主タンク１か
ら前記燃料補給孔３を通ってサブタンク２内に補給され
、前記リターンパイプ５から返送されて来た燃料と共に
前記サクションパイプ４により吸引されて循環される。

ところで、前記したように、低沸点留分の除去によるペ
ーパーックの防止および車両傾斜時の燃料切れの防止と
いうサブタンクの設置目的を十分に達成するためには、
サブタンクは主タンクからの燃料補給孔と該サブタンク
自体のペーパー抜きの孔を除いてはできるだけ主タンク
側からサブタンク内に燃料オイルが入らないようにする
必要がある。

そこで、従来は第２図に示すように、サブタンク２の上
部開口部にペーパー抜き用の孔１２を有する蓋１１を溶
接部１３においてサブタンク２と溶接したものが提案さ
れている。

しかしながら、このようなサブタンク２と蓋１１を溶接
する作業は極めて困難であり、またサクションパイプ４
やリターンパイプ５の配管も極めて複雑になるという欠
点があった。

また、簡易的な方法としては、サブタンク２の高さを高
くするだけの方法もとられているが、サブタンク２の高
さには限界があり、特に主タンク１内の燃料レベルが高
い時にはやはり十分な対策とはなり得ない。

本考案は前記従来技術の欠点を解消するためになされた
もので、主タンクからサブタンクに燃料オイルが浸入し
ないよう該サブタンクに蓋をするにあたって、該サブタ
ンクへの蓋の装着を極めて容易に行うことができ、しか
も構造が極めて簡単で、サクションパイプやリターンパ
イプの配管も容易に行うことのできるサブタンク付き燃
料タンクを提供することを目的とするものである。

この目的を達成するため、本考案は、主タンク内にサブ
タンクが設けられ、サクションパイプブの吸込口とリタ
ーンパイプの吐出口が前記サブタンク内に開口している
サブタンク付き燃料タンクにおいて、主タンクにはサク
ションパイプ、リターンパイプおよびサブタンク用蓋を
挿入するための開口が設けられ、該開口を覆う主タンク
用カバーおよび前記サブタンク用蓋はそれぞれサクショ
ンパイプおよびリターンパイプの少なくとも一方に取り
付けられ、サクションパイプおよびリターンパイプの組
み付は時にサブタンク用蓋がサブタンクに装着されると
ともに主タンク用カバーが主タンクの開口に装着される
ように構成したことを特徴とするものである。

以下、本考案を図面に示す実施例に従ってさらに説明す
る。

第３図は本考案によるサブタンク付き燃料タンクの一実
施例を示す略断面図である。

第３図から明らかなように、本実施例の燃料タンクは主
タンク２１と、該主タンク２１の内部底壁に例えば溶接
などにより固定設置されたサブタンク２２とからなり、
これらの主タンク２１とサブタンク２２は燃料補給孔２
３により互いに連通されている。

前記サブタンク２２の内部には燃料供給用のサクション
パイプ２４の吸込口と、エンジンで消費されずに残った
燃料を該サブタンク２２に返送して循環させるためのリ
ターンパイプ２５の吐出口とが開口している。

これらのサクションパイプ２４とリターンパイプ２５に
は第４図および第５図にも示されるようにそれらの下端
近くにおいてサブタンク２２の上部開口に蓋をするため
の蓋３１が取り付けられている。

すなわち、本実施例における蓋３１は例えば耐ガソリン
性のゴムで作られたものであり、両パイプ２４と２５を
外部から覆うようにして第５図のごとく長円形状に引き
伸ばされて装着されている。

一方、蓋３１の取り付は部よりやや上方におけるサクシ
ョンパイプ２４とリターンパイプ２５には、鉄蓋３１を
第３図のごとくサブタンク２２に装着した場合において
主タンク２１のパイプ挿入口に蓋をするための主タンク
用カバー３３が溶接部３４により固着されている。

この主タンク用カバー３３は取り付は用のボルト孔３７
（第４図）を有しており、装着時には、第３図に示すよ
うに主タンク２１のパイプ挿入口の周囲にシール用のガ
スケット３５を設け、このガスケット３５をはさんで前
記主タンク用カバー３３を取り付は用のボルト３６によ
り固着するものである。

次に、本実施例においてサブタンク２２用の前記蓋３１
を該サブタンク２２に装着する操作について説明する。

先ず、第４図に示すようにサクションパイプ２４とリタ
ーンパイプ２５を互いに所定の間隔をあけて主タンク用
カバー３３に溶接部３４でそれぞれ固着すると共に、該
主タンク用カバー３３の下方には燃料タンクへの装着時
に丁度サブタンク２２の開口部に蓋をすることができる
ような位置において例えば゛ゴムで作られたサブタンク
用のカバー３１を取り付けておく。

次に、このようにして蓋３１と主タンク用カバー３３を
取り付けたサクションパイプ２４とリターンパイプ２５
とを主タンク２１のパイプ挿入口３８から該ゴム製の蓋
３１をすぼめるようにして挿入し、鉄蓋３１がサブタン
ク２２の上部開口の中にはまり込み、かつ前記主タンク
用カバー３３が主タンク２１のパイプ挿入口３８の周囲
に予め設けたガスケット３５と前記主タンク用カバー３
３とが当接するまでサクションパイプ２４とリターンパ
イプ２５とを挿入する。

そしてこの状態において前記主タンク用カバーのボルト
孔３７にボルト３６を挿入して該主タンク用カバー３３
と主タンク２１を固定すれば、第３図に示すようにサク
ションパイプ２４とリターンパイプ２５、蓋３１および
主タンク用カバー３３の所定位置への取り付けが完了す
ることになる。

このような装着状態においては、サブタンク２２の上部
開口部は蓋３１によりペーパー抜きの孔３２を除いて完
全に覆われた状態となり、しかも蓋３１の高さはペーパ
ー抜きの孔３２の上端が十分高くなるような構成となっ
ているので、主タンク２１内の燃料オイルは燃料補給孔
２３以外からはサブタンク２２の中に容易にはいり込む
ことができず、サブタンクを設けた所期の目的を十分に
達成することができるものであり、しかも低沸点留分の
除去もペーパー抜きの孔３２を通じて有効にできるもの
である。

第６図は本考案によるサブタンク付き燃料タンクの他の
実施例を示すものである。

この実施例も基本的には第３図ないし第５図に関して説
明した前記実施例と同様なものであるが、この実施例に
おけるサブタンク用の蓋３１Ａは周囲にフランジを有す
る平板状の耐ガソリン性のゴムで構成されたものであり
、このゴム製の蓋３１Ａは主タンク用カバー３３と同様
にサクションパイプブ２４および゛リターンパイプ２５
の両方に溶接部３９においてそれぞれ固着されているも
のである。

この実施例についても、サブタンク２２の上部開口部は
ペーパー抜きの孔３２を除いては前記蓋３１Ａにより完
全に覆われることになり、主タンク中の燃料オイルがサ
ブタンク２２の上部開口から容易に流入することはでき
ないものである。

なお第６図の実施例において蓋３１Ａとサブタンク２２
の間にシール材を設けるようにすれば燃料オイルのサブ
タンク２２内への流入はより完全に防止できる。

また前記両実施例において、サブタンク用の蓋３１およ
び３１Ａはサクションパイプ２４とリターンパイプ２５
の両方に取り付けられるものとして説明したが、少なく
とも一方のパイプ２４または２５に取り付ければ足りる
ものである。

さらに、サブタンク用の蓋３１．３１ Ａの材料として
は、前記のようなゴムの他に主タンクの開口径４０がサ
ブタンクの開口径４１より大きいときは鉄板またはプラ
スチックその他の材料で構成することが可能である。

以上説明したように、本考案によれば、サブタンクへの
蓋の装着とともに主タンクの開口へのカバーの装着は極
めて容易に行なわれ、しがも構造が極めて簡単で、かつ
サクションパイプやリターンパイプの配管も極めて容易
に行なわれるなどの優れた作用効果が得られ、鉄蓋によ
り主タンク内の燃料オイルがサブタンク内に自由に流入
することを防止できるので、サブタンク自体の設置目的
をより有効に達成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用する燃料循環系の一例を示す説明
図、第２図は従来の蓋付きサブタンクを示す斜視図、第
３図は本考案によるサブタンク付き燃料タンクの一実施
例を示す略断面図、第４図はサブタンク用の蓋の取付部
の詳細を示す断面図、第５図はその平面図、第６図は本
考案によるサブタンク付き燃料タンクの蓋の取付部の詳
細を示す断面図である。 ２１・・・主タンク、２２・・・サブタンク：２４・・
・サクションパイプ、２５・・・リターンパイプ、３１
，３１Ａ・・・蓋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 主タンク内にサブタンクが設けられ、サクションパイプ
   の吸込口とリターンパイプの吐出口が前記サブタンク内
   に開口しているサブタンク付き燃料タンクにおいて、主
   タンクにはサクションパイプ、リターンパイプおよびサ
   ブタンク用蓋を挿入するための開口が設けられ、該開口
   を覆う主タンク用カバーおよび前記サブタンク用蓋はそ
   れぞれサクションパイプおよびリターンパイプの少なく
   とも一方に取り付けられ、サクションパイプおよびリタ
   ーンパイプの組み付は時にサブタンク用蓋がサブタンク
   に装着されるとともに主タンク用カバーが主タンクの開
   口に装着されるように構成したことを特徴とするサブタ
   ンク付き燃料タンク。