JPS5945710B2 - コ−クス化性の不十分な石炭のコ−クス品質を改善する方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は不十分なコークス化性を有する石炭のコークス
化性を改善するためのピッチ状石炭副産物の使用に関す
る。

銑鉄を製造するため、重要な原料として水平炉室内で適
当な石炭をコークス化して製造する冶金コークスが使用
される。

しかし冶金コークスは制限された数種の石炭からしか製
造できない。

これらの石炭は国際的石炭分類ではＡ４３３および４３
４で表わされ、２４〜２８係の揮発分を含む。

しかし世界的に第１級コークス炭の割合は石炭埋蔵量の
約５係にしかならない。

さらに１５％が場合により前処理なしにコークス化可能
である。

それゆえ実際には長い間、高揮発性炭と非粘結炭との混
合物が最適のコークス化性を得るために使用された。

しかし石炭混合物の使用によりすべての場合に最適のコ
ークス化性および製造したコークスの良好な品質は保証
されない。

たとえばロガの粘結指数が不十分な場合、得られるコー
クスは摩耗（マイカムドラム強度Ｍ１ｏ）が大きくまた
は塊強度が低過ぎる（マイカム指数Ｍ３（、またはＭ４
（、）。

冶金コークスの大きい需要が将来も続くため、コークス
化性の低い過剰に存在する石炭を適当な添加剤または方
法によってコークス化可能にし、自給コークス炭のほか
にさらに他種の石炭を冶金コークス製造に使用可能にす
る必要性が生ずる。

石炭の熱的および機械的前処理（予熱またはスタンプ作
業）のほかに過去にはコークス化性を改善するため、と
くに石油および石炭系歴青質コークス炭改善剤が提案さ
れた（ Ｋ、−Ｇ、Ｂｅｃｋ 。

Ｉ 、Ｍｅｃｋｅｌ 、Ｇｌｕｃｋａｎｆ ｌ １５
、１９７９９７９〜９８３ページ参照）。

たとえば西独公開特許公報第２６４３５１９号には重い
石油留分から熱的および化学的芳香族化によってピッチ
を製造し、これによって改善すべき石炭を良好な冶金コ
ークスに変える方法が記載される。

しかしこの方法の欠点は石油残渣を直接改善剤として使
用できず、環境を汚染する熱的に高価なプロセスによっ
て適当な添加剤に変換しなければならないことである。

石炭系改善剤の使用が英国特許第１５２８５４６号明細
書に記載される。

この方法の場合アントラセン油と石炭から製造した石炭
エキストラクトがコークス炭改善剤として提案される。

しかしこの方法の欠点は大きい需要に適する経済的使用
が、高級染料中間生成物を製造する化学原料としてのア
ントラセン油をとくに使用するため非常に制限されるこ
とである。

コークス炭改善剤として好結果をもって使用されるコー
ルタール・ピッチ（前記文献１参照）はこの目的には同
様制限的にしか使用できない。

というのはこれはとくに純炭素生成物の製造に灰分の低
い高級原料として使用されるからである。

西独公開特許公報第２１６４４７４号にはコールタール
、石油蒸留残渣または石油系抽出残渣のような歴青質コ
ークス炭改善剤を１〜４０重量％の量で使用する方法が
記載される。

この方法の欠点は少ししか芳香族化されていない石油系
コークス炭改善剤はまず高価な熱的芳香族化の処理をし
なければならず、さらにコールタール系生成物に関して
前記のように制限されることである。

自給コークス炭の前記のような不足およびこれまで提案
されたコークス炭改善剤の前記欠点のため、このような
欠点を示さず、かつコールタール・ピッチの定評のある
良好な改善性に匹適する石炭添加剤が緊急に要求される
。

それゆえ本発明の目的はコークス炉で冶金コークスを製
造するため不十分なコークス化性を有する石炭の使用も
可能にする石炭改善剤を得ることである。

この目的は本発明により粉砕した石炭および（または）
類似の炭素含有原料を溶剤としての石炭および石油系炭
化水素混合物と組合せて高い温度および圧力条件下に砕
解して得られた多環式ピッチ状石炭副産物から低沸点成
分２〜２０係を留出して得られるコークス炭改善剤を使
用することによって解決される。

このように得られた軟化点（クレーマー−ザルノー法に
よる）９０〜１６０℃のピッチ状生成物は本発明により
１〜２０重量％とくに３〜１２重量％の量で、不十分な
コークス化性を有する石炭または石炭混合物と混合され
、高温炉へコークス化のため供給される。

原料ピッチとしての多環式炭化水素の製造は本出願人の
先の特願Ｐ２９３５０３９．８号の目的である。

この方法によれば高または低揮発分を有する石炭を石油
留分の蒸気熱分解からの芳香族化した残渣とともに、相
補性溶剤として平均沸点３５０℃以上の石炭系芳香族混
合物と組合わせて、場合によりさらに他の溶剤を添加し
て砕解する。

このように製造した原料ピッチの軟化点（Ｅ、Ｐ、）９
０〜１６０℃は主としてこれらの低沸点物質の駆出塵に
よって決定される。

改善に使用される本発明による石炭副産物は石炭混合物
使用の際石炭の１つに別個に、または石炭の混合後に添
加される。

この場合本発明のコークス炭改善剤の良好な粒化性およ
び貯蔵性は固体および液体状態での混合が可能になるの
で、とくに有利なことが明らかになった。

本発明のコークス炭添加剤はこの点でコークス炭改善の
ため推奨されたコールタール・ピッチに匹適する。

本発明によるコークス炭改善剤の製造およびその使用を
例１〜３により説明する。

改善すべきコークス炭混合物として高揮発性炭（揮発分
ｗａｆ、３７％、国際分類Ａ６．６３２）７０係および
非粘結炭（揮発分１９％、国際分類扁３３２）３０％の
混合物を使用する。

石炭混合物を添加剤４〜８係とともに７ｋｇ試験コーク
ス炉により１０００℃で５時間コークス化する。

製造したコークスを標準化されたマイカムドラム試験に
よりＭｌｏ−およびＭ３ｏ−指数を決定した。

表には本発明の改善剤８％の添加によって達成されたコ
ークスの塊強度Ｍ８ｏ指数および摩耗Ｍ１゜指数が示さ
れる。

比較のため添加剤なしの同じコークス炭混合物および改
善のため英国特許第１５２８５４６号によるアントラセ
ン油系石炭エキストラクトを添加した類似のコークス炭
混合物を使用した。

比較コークスをそれぞれコークス化装置、温度および時
間を同様の条件にして製造した。

例１： 先の特願Ｐ２９３５０３９．８号に記載の方法によりガ
ス有煙炭（国際分類Ａ６１１、タイプ ウエスタホルト
ルール（Ｗｅｓｔｅｒｈｏｌｔ 、Ｒｕｈｒ））３０
重量部を粗製ベンジン分解からの熱分解残渣３５ 重量
部、コールタール・ピッチのフラッシュ蒸留からの留出
ピッチ１０重量部およびコールタール・ピッチの熱−圧
力処理からの留出ピッチ２５重量部とともに砕解してピ
ッチ状石炭副産物を製造する。

混合物はこの場合３７０℃の反応温度、３０バールの最
大圧力および３時間の反応時間で処理する。

この方法で得たピッチ１５重量部を留出する。

このように得た炭化水素の性質は次のとおりである：Ｅ
、Ｐ、（Ｋ、Ｓ、）１０９°Ｃ１イオウ０．６飴、灰分
２．７係、ＱＩｏ、４％（Ｅ、Ｐ、はクレーマー−ザル
ノー法による軟化点、ＱＩはキノリンネ溶物を表わす。

）この石炭副産物を高揮発性炭７０％および非粘結炭３
０チからなる前記改善すべきコークス炭混合物に４重量
部添加し、容量７ｋｙの試験炉により１０００℃、５時
間のコークス化時間でコークス化処理する。

得られたコークスの品質に表に示される。

例２： 例１のとおり実施する。

しかしコークス炭改善剤としては例１のとおり製造した
石炭副産物８重量部を前記コークス炭混合物に添加する
。

得られたコークスの品質は表に示される。

例３： 例１のとおり実施する。

しかし砕解のため次の溶剤混合物を使用する：ガス油分
解からの熱分解残渣３５重量部、石炭タールピッチの熱
−圧力処理からの留出ピッチ２５重量部およびろ過した
アントラセン油１０重量部（Ｈ，−Ｇ、 Ｆｒａｎｋ
。

Ｇ、Ｃｏ１１ｉｎ、５ｔｅｉｎｋｏｌｅｎｔｅｅｒ 、
ベルリン１９６８年５７ページ参照）。

１２重量部の留出によってＥ、Ｐ、１１３℃の石炭副産
物が得られる。

他の特性値はイオウ１，９係、灰分２．８係、Ｑｌｌｏ
、２係である。

この石炭副産物を高揮発性炭（揮発分３７飴、国際分類
Ａ６３２）７０％および非粘結炭（揮発分１９％、国際
分類Ａ３３２）３０％からなる改善すべきコークス炭混
合物に対し８重量部添加し、例１と同じ条件でコークス
化する。

コークス品質は表に示される。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 粉砕した石炭および（または）類似の炭素含有原料
   を、溶剤としての石炭および石油系炭化水素混合物の組
   合せにより高い温度および圧力条件のもとに砕解して得
   たコークス炭改善剤の添加によって、コークス化性の不
   十分な石炭のコークス品質を改善する方法において、石
   炭または炭素含有材料を、石油留分の蒸気熱分解からの
   芳香族残渣と、相補性溶剤としての平均沸点３５０℃以
   上の石炭系芳香族混合物との組合せによって、５０バー
   ルまでの圧力および２５０〜４２０℃の温度で砕解し、
   得られた多環式石炭副産物から２〜２０係の低沸点成分
   を留出し、このように得た軟化点（クレーマー−ザルノ
   ー法による）９０〜１６０℃のピッチ状生放物１〜２０
   重量水をコークス化性の不十分な石炭に添加し、混合物
   をコークス化することを特徴とするコークス化性の不十
   分な石炭のコークス品質を改善する方法。 ２ 石炭にピッチ状生放物３〜１２重量水をコークス化
   前に混合する特許請求の範囲第１項記載の方法。 ３ あらかじめ低沸点成分１０〜１５チを留出した多環
   式ピッチ状石炭副産物を使用する特許請求の範囲第１項
   記載の方法。