JPS5941110B2 - 二重管部材を持つ熱交換器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、熱交換器が、それぞれ１つの外側管と内側管
からなる二重管部材を持ち、これらの二重管部材の端部
が、それぞれ１つの管寄せに結合されており、その際二
重管部材の外側管が、管寄せの内部空間に連通しており
、一方二重管部材の内側管が、管寄せを通って導かれて
いる、大体においてまっすぐな二重管部材を持つ熱交換
器に関する。

この二重管装置は、特に熱交換器において定評のあるも
のであり、これらの熱交換器は、単位面積あたり大きな
熱量を伝達するように運転され、かつ工業処理技術的な
理由からまっすぐな管によって作られる。

このような熱交換器の特別な用途は、分解ガスの冷却に
あり、これらの熱交換器は、熱分解による分解処理にお
ける分解ガスの冷却および安定化のために使われる。

この冷却の際冷却すべき分解ガスは、内側管を通って導
かれ、この内側管の周囲に、外側管を通って流れる水が
流れている。

冷却すべき分解ガスから水への熱伝達の際に、高圧水蒸
気が発生する。

その際内側管に生じる熱応力は、例えば水流にじよう乱
があるため、あらかじめ確実に決めることができないの
で、所定の限界応力を越えるという危険が存在する。

しかしこのことは、鉄−水系の不安定性のため上流の保
護層を破壊することになり、従って内側管の腐食をひき
起すことになる。

それ故に二重管管寄せ装置に弾性を与えるようにし、こ
の弾性によっていわゆる限界応力に達することを防ぐよ
うにする。

しかし他方において外側管は、管寄せとの結合位置にお
いて生じる最大応力を吸収できるくらい強くなければな
らない。

ドイツ連邦共和国特許出願公告１１７０４３４号明細書
から公知の初めに述べたような二重管装置において内側
管に、冷却状態において作用する初応力が与えられ、こ
の初応力は熱交換過程中に再び消失する。

しかしこの解決策は、外側管−管寄せの系がかなりの程
度まで強固であるということを仮定している。

従って二重前管寄せ装置全体の弾性は、この公知の装置
において非常にわずかなものである。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第２１０３７９４号明細
書から公知のこのような他の熱交換器において管端部に
構造上高価な膨張補償装置が設けられており、その上こ
れらの膨張補償装置は、冷却器の容積を増大することに
なる。

本発明の課題は、初めに述べたような熱交換器を提供し
、この熱交換器の二重管部材を構造的および製造技術的
に簡単にし、かつ二重前管寄せ装置の高い弾性を保証す
るようにすることにある。

本発明によれは、この課題は次のことによって解決され
る。

すなわち外側管の端部が、管寄せとの結合位置の範囲に
おいて、残りの管部分における壁厚より厚い壁厚を持っ
ている。

外側管のこの構成は、管寄せとの結合位置以外における
この外側管の壁厚を、内圧だけに着目して決めることを
可能にし、従って外側管を、従来のように管寄せとの結
合位置における管端部に生じる最大応力に基く場合より
も著しく薄く作ることを可能にする。

これにより可能にされた薄い壁の外側管の構成は、二重
前管寄せ装置の一層大きな弾性を必然的に伴うという主
な利点を持っている。

それによって提案された構造は、熱交換処理中に二重前
管寄せ装置に生じる応力を低下し、従って熱交換器の運
転安全性と寿命を改善することに適している。

その上材料費が一層わずかであり、従って重量も一層わ
ずかである。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第１６０１１８３号明細
書から次のような熱交換器が公知になっている。

すなわちこの熱交換器の管端部が、補強された壁を持っ
ている。

しかしながらこの公知の熱交換器は、二重前管寄せ装置
によって構成されてはおらず、かつそれによって提案さ
れた熱交換器とは関係ないものである。

すなわち特に動力車および航空機のために発展したこの
公知の熱交換器は、非常に薄い壁厚と非常に小さな直径
とを持った複数の単一管から成っている。

これらの管の端部は、穴をあけられたそれぞれ１つの板
にろう付けされている。

急激な温度変化の際結合位置にかなりの熱応力が生じる
。

何となれば比較的厚い穴あき板は、非常に薄い壁を持つ
管よりはるかにゆっくりと温度変化に追従することがあ
るからである。

その上使用すべき高温ろうに添加物が含まれており、こ
れらの添加物か、ろう付は中のわずかな過熱の際に基材
を腐食する。

生じる応力が、管に割れ目あるいは裂は目を生じること
があり、あるいはろう付は中に管端部が腐食されること
があるのを防ぐため、この公知の熱交換器において薄い
壁を持つ管の端部は、補強されている。

しかしながら二重前管寄せ装置において、鉄−水系の不
安定性によって生じかつ二重前管寄せ装置の不十分な弾
性と関連した初めに述べた問題は、この公知の異種の熱
交換器においていかなる役割も演じない。

本発明による外側管は、目的に合うようにこの外側管の
端部が、管寄せとの結合位置の範囲において、残りの管
部分よりも大きな直径を持っており、一方この外側管の
内径が全長にわたって一定であるように形成されている
。

本発明の目的に合った他の構成において、外側管の端部
が、公知のようにすえ込まれているように考慮されてい
る。

本発明の実施例を以下図面によって説明する。

第１図に示された熱交換器は、大体においてまっすぐで
ありかつ互いに並列に配置された複数の管部材１を持っ
ており、これらの管部材は、ガス流入頭部２とガス流出
頭部３との間に延びている。

管部材自身は、それぞれ１つの外側管４と、この外側管
に対して同軸的に配置された内側管５とを持っており、
これらの管の端部は、それぞれ１つの管寄せ６あるいは
６′と結合されている。

外側管４は、管寄せ６あるいは６′の内部空間７あるい
は７′に連通している。

内側管５は、管寄せ６あるいは６′を通り抜けて案内さ
れており、かつガス流入頭部２の内部空間８、あるいは
ガス流出頭部３の内部空間１０と連通している。

第２図および第３図かられかるように、外側管４の端部
９あるいは９′はすえ込まれているので、これらの管は
、管寄せ６あるいは６′との結合位置の範囲において、
残りの管部分よりも厚い壁厚を持っている。

その際外側管４が、管の全長にわたって一定の内径を持
ち、一方この管の外径が、管端部９あるいは９′におい
て残りの管部分より大きいことは、製造技術的に好都合
である。

外側管４と内側管５とは、■形グループ溶接によって管
寄せ６あるいは６′に溶接されている。

管寄せ６あるいは６′は、直線上にかつ互いに並列に配
置されており、環状配置も可能である。

管寄せは、玉子形断面を持っているが、例えば丸形ある
いは四角形断面を持つこともできる。

その際重要なことは、管寄せが、（加熱された内側管５
の固有弾性に応じた）十分な弾性を持っているというこ
とだけである。

並列に配置された管寄せ６あるいは６′は、公知のよう
に互いに溶接され、かつそれによって気密な管底部を形
成している。

冷却すべき高熱分解ガスは、ガス流入頭部２を通って熱
交換器へ入り、かつそれから内側管５を通って流れる。

ここにおいてこれらのガスは、冷却媒体として使われる
水によって冷却され、この水は、外側管４と内側管５と
の間の空間を通って流れる。

冷却水およびその除虫じる水蒸気は、第１図に示されて
いない供給導管および放出導管を通して管寄せ６あるい
は６′の中あるいは外へ案内される。

高熱分解ガスから冷却媒体として使われる水へ熱を伝達
する際に、高圧水蒸気が発生する。

その上熱的に生じる応力が管に生じる。

外側管の負荷は、管寄せへの溶接位置において最も高い
。

外側管４の前記の構成は、この位置における十分な管断
面積を提供し、かつ同時に外側管の一層高い弾性を提供
するので、このことは、熱の作用を受ける内側管の膨張
によってひき起こされかつ運転中に生じる応力を補償す
るのに一層良好に適している。

その上前記の構成は、一様な外側管断面積を持つ渉来公
知の熱交換器よりわずかな材料費しか必要とせず、かつ
それ故に一層経済的に望ましい。

本発明は特許請求の範囲に記載した特徴を有するもので
あるが、その実施態様を例示すると次の通りである。

■）外側管４の端部９および９′が、管寄せ６あるいは
６′との結合位置の範囲において、残りの管部分より大
きな外径を持ち、一方この内径が、管全長にわたって一
定である、特許請求の範囲記載の熱交換器。

２）外側管４の端部９および９′がすえ込まれている、
特許請求の範囲あるいは１）記載の熱交換器。

【図面の簡単な説明】

第１図は、二重前熱交換器の略図、第２図は、第１図に
よる熱交換器の二重管部材を拡大して示す図、第３図は
、第２図による二重管部材を管寄せとの結合位置の範囲
において詳細に示す同様な拡大図である。 １・・・管部材、４・・・外側管、５・・・内側管、６
，６〈・・管寄せ、９，９′・・・外側管端部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 熱交換機が、それぞれ１つの外側管と内側管からな
   る二重管部材を持ち、これらの二重管部材の端部が、そ
   れぞれ１つの管寄せに結合されており、その際二重管部
   材の外側管が、管寄せの内部空間に連通しており、一方
   二重管部材の内側管が、管寄せを通って導かれている熱
   交換器において、外側管４の端部９および９′が管寄せ
   ６あるいは６′との結合位置の範囲において、残りの管
   部分における壁厚より厚い壁厚を持っていることを特徴
   とする、大体においてまっすぐな二重管部材を持つ熱交
   換器。