JP6357706B2 - 熱交換器 - Google Patents
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Description
よって、図4に示すように、伝熱チューブ111と管板8とは、伝熱チューブ111の外周面と管板8の貫通孔18の内周面との間に配置された管状のチューブカラー121を介して接合されている。換言すれば、管板8の貫通孔18には、管状のチューブカラー121が挿入されており、負荷が生じた場合は、チューブカラー121との溶接部W(隅肉溶接)に負荷をかける構造とすることによって、管板8の損傷を防止している(例えば特許文献1参照)。
また、チューブカラーを貫通孔に挿入することなく、管板の面に接合する構成としたことによって、貫通孔の穴径をより小さくすることができ、管板の強度を向上させることができる。
なお、ここでは、熱交換器を備える焼却設備は汚泥焼却設備として説明するが、当該熱交換器を他の種類の焼却設備に適用することや、焼却設備以外の設備に適用してもよい。
空気ダクト4は、燃焼用空気Aを熱交換器2に導入する第一空気ダクト4Aと、熱交換により温度が上昇した燃焼用空気Aを焼却炉1に供給するように焼却炉1と熱交換器2とを接続する第二空気ダクト4Bと、を有する。
上側管板8及び下側管板9には、伝熱チューブ11を挿通させるための複数の貫通孔18(図3参照)が形成されている。伝熱チューブ11は、この貫通孔18に挿通されることによって所定の位置に位置決めされる。
上側管板8は、上部ヘッダ6内の上部ヘッダ内空間6a(一次空間)と内筒10に囲まれた内筒内空間10a(二次空間)との間に設けられている。下側管板9は、内筒内空間10a(二次空間)と下部ヘッダ7内の下部ヘッダ内空間7a(一次空間)との間に設けられている。換言すれば、管板8,9は、排ガスEGが流れるヘッダ内空間6a,7aと、燃焼用空気Aが流れる内筒内空間10aとを区画する板状部材である。上側管板8の貫通孔18は、上部ヘッダ内空間6aと内筒内空間10aとを連通させる孔である。
第一排ガスダクト3Aは上部ヘッダ6に接続され、第二排ガスダクト3Bは下部ヘッダ7に接続されている。
排ガスEGは、焼却炉1から第一排ガスダクト3Aを通って上部ヘッダ内空間6aに導入される。排ガスEGは、上部ヘッダ内空間6aから複数の伝熱チューブ11内を通って下部ヘッダ内空間7aに流れる。排ガスEGは、下部ヘッダ内空間7aから第二排ガスダクト3Bを通って後段機器に送られ、最終的に大気に放出される。
上部ヘッダ内空間6aに導入される排ガスEGの温度は例えば850℃であり、上側管板8の温度は、例えば700℃に達する。
第一空気ダクト4Aを流れてきた燃焼用空気Aは、空気入口13aから内筒内空間10aに流入し、内筒内空間10aを流れた後、空気出口14a及び第二空気ダクト4Bを通って焼却炉1に供給される。伝熱チューブ11内を流れる排ガスEGと内筒内空間10aを流れる燃焼用空気Aとが伝熱チューブ11の壁面を介して熱交換される。
内筒内空間10aには、内筒内空間10aの空気の流れが伝熱チューブ11にできるだけ等しく当たるように、バッフルプレート17が設けられている。
図3に示すように、本実施形態の熱交換器2の伝熱チューブ11は、内筒内空間10aに配置されている伝熱チューブ本体12と、伝熱チューブ本体12の端部(上端)に接続されている接続管20と、を有している。伝熱チューブ11は、チューブカラー19を介して上側管板8に支持されている。以下、伝熱チューブ11の中心軸に沿う方向を単に軸方向と呼ぶ。
溶接部W1においては、溶接した表面が平面となるように追加工がなされている。開先の形状はV形に限ることはなく、例えばU形としてもよい。また、開先は、チューブカラー19と上側管板8の両方に設ける必要はなく、例えば、チューブカラー19のみに開先を設ける構成としてもよい。
チューブカラー19は、管板8,9と同様の金属材料によって形成することができる。
伝熱チューブ本体12は、管状の部材である。伝熱チューブ本体12の径方向の厚さ(肉厚)は、例えば3mmである。伝熱チューブ本体12の外径は、例えば89mmである。伝熱チューブ本体12の外径は、後述する接続管と略同一であり、貫通孔18の内周面との間に、僅かな隙間Gを生じる程度の外径であることが好ましい。
小径部22の軸方向の長さは、チューブカラー19の軸方向の長さと上側管板8の厚さとの和よりも長い。即ち、小径部22の長さは、接続管20をチューブカラー19が接合された貫通孔18に挿入した際に、小径部22の端部が反対側に十分に突出する長さである。小径部22の軸方向の長さは、長い程、伝熱チューブ本体12との溶接部が、高温となる上側管板8より離れるため好ましい。
同様に、伝熱チューブ本体12、接続管20、上側管板8、下側管板9、チューブカラー19を形成する材料は、同一の材料(熱膨張率が同一)であってもよいし、熱膨張率が同等の材料を使用することができる。
また、上側管板8の上部ヘッダ内空間6aを向く面8aには、第二断熱材26が設けられている。第二断熱材26は、例えば、耐火キャスタブルによって形成することができる。
まず、所定の方法で、上側管板8及び斜板15を固定する。次いで、複数のチューブカラー19を、貫通孔18とチューブカラー19とが同軸となるように、上側管板8に接合する。一方、接続管20と伝熱チューブ本体12とを、接続管20と伝熱チューブ本体12とが同軸となるように、接合する。
次いで、接続管20の小径部22の外周面と貫通孔18の内周面との間に、周方向に均一な隙間Gが形成されるように、接続管20とチューブカラー19とを接合する。
また、接続管20の材料の熱膨張率と、伝熱チューブ本体12の材料の熱膨張率とを、同一又は同等とする場合においては、熱膨張率の違いによって発生する熱応力を抑制することができる。
また、前記伝熱チューブ本体の材質と、前記接続管の材質と、前記管板の材質と、前記チューブカラーの材質を同一又は同等とする場合においては、より好適に材質の違いによって発生する熱応力を抑制することができる。
また、前記伝熱チューブ本体の材料の熱膨張率と、前記接続管の材料の熱膨張率と、前記管板の材料の熱膨張率と、前記チューブカラーの材料の熱膨張率を、同一又は同等とする場合においては、より好適に熱膨張率の違いによって発生する熱応力を抑制することができる。
また、チューブカラー19及び接続管20を介して上側管板8に伝熱チューブ11を固定する構造としたことによって、伝熱チューブ11を上側管板8(チューブカラー19)に溶接する際の熱を上側管板8に伝達しにくくすることができる。
また、ダミー管24の上端が、ファンネル形状とされていることによって、排ガスEGの流入効率を向上させることができる。
例えば、接続管20を構成する大径部21と小径部22とは、一体に形成されているが、別々に形成して接合してもよい。
2 熱交換器
3 排ガスダクト
3A 第一排ガスダクト
3B 第二排ガスダクト
4 空気ダクト
4A 第一空気ダクト
4B 第二空気ダクト
6 上部ヘッダ
6a 上部ヘッダ内空間(一次空間)
7 下部ヘッダ
7a 下部ヘッダ内空間(二次空間)
8 上側管板
9 下側管板
10 内筒
10a 内筒内空間
11 伝熱チューブ
12 伝熱チューブ本体
13 内筒上部
13a 空気入口
14 内筒下部
14a 空気出口
15 斜板
16 第一断熱材
17 バッフルプレート
18 貫通孔
19 チューブカラー
19a チューブカラー上面
20 接続管
21 大径部
21a 大径部下面
22 小径部
24 ダミー管
26 第二断熱材
111 伝熱チューブ
121 チューブカラー
A 燃焼用空気(低温流体)
EG 排ガス(高温流体)
G 隙間
W1,W2,W3,W4 溶接部
Claims (8)
- 高温流体が流れる一次空間と低温流体が流れる二次空間とを区画し、前記一次空間と前記二次空間とを連通させる貫通孔が形成された管板と、
前記管板の前記一次空間側の面に、前記貫通孔と同心となるように設けられた管状のチューブカラーと、
前記チューブカラーを介して前記管板に支持された伝熱チューブと、
を有し、
前記伝熱チューブは、
前記一次空間内に配置されて前記チューブカラーの内径よりも大きい外径の、下面が前記チューブカラーの上面に当接して前記チューブカラーに支持される大径部と、前記貫通孔を貫通し、前記チューブカラー及び前記貫通孔との間に隙間を有する小径部と、を有する接続管と、
前記二次空間内に配置されて前記小径部に連結された伝熱チューブ本体と、を有する熱交換器。 - 前記接続管の材料の熱膨張率と、前記伝熱チューブ本体の材料の熱膨張率は同一又は同等である請求項1に記載の熱交換器。
- 前記接続管の材質と、前記伝熱チューブ本体の材質とは、同一又は同等である請求項1又は請求項2に記載の熱交換器。
- 前記伝熱チューブ本体の材料の熱膨張率と、
前記接続管の材料の熱膨張率と、
前記管板の材料の熱膨張率と、
前記チューブカラーの材料の熱膨張率は、同一又は同等である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の熱交換器。 - 前記伝熱チューブ本体の材質と、
前記接続管の材質と、
前記管板の材質と、
前記チューブカラーの材質は、同一又は同等である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の熱交換器。 - 前記伝熱チューブ本体の材料と、
前記接続管の材料と、
前記管板の材料と、
前記チューブカラーの材料は、NCF 800H又はSUS310Sである請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の熱交換器。 - 前記接続管と前記伝熱チューブ本体とは、端面同士が突合せ溶接部を介して接続されている請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の熱交換器。
- 前記一次空間としての内部空間を有するケーシングと、
前記ケーシングと前記管板との間に介在する接続板と、
前記ケーシングの外面に設けられた断熱材と、を有する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の熱交換器。
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