JPS5939018B2 - バケツト式水底土砂採取器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、水底の土砂をすくい上げて水面上まで持上げ
るための、主として浚渫作業に使用されるパケット式土
砂採取器に関する。

上記採取器として、例えば実公昭５２−４７２８３号公
報に示されるように多数の排水孔を外壁全面に穿設した
開閉可能なパケットの内部に、膨縮可能な袋状部材を収
容し、パケットがその内部に水底の土砂を保持した状態
で前記袋状部材を膨張させるこさにより、パケット内に
土砂と共に閉じ込められた水を外部に強制排出できるよ
うにしたものが既に知られており、このものでは、上記
パケット内の強制排水効果により土砂採取器の全体重量
を軽減して、それを水面上まで持上げるクレーン等の作
業機の負荷を少なくできる利点をもつが、次のような欠
点も有する。

すなわちパケットの壁面全面に亘って多数穿設される排
水孔の大部分に、パケット内に閉じ込められた土砂が直
接臨む格好となるので、■そのパケット内の土砂のうち
小さいものは前記強制排水に伴ない水と共に排水孔より
外部に排出されてしまい、作業水域を汚濁させると共に
土砂採取効率を低下させ、また■大きいものは排水孔を
詰まらせて、その排水効率を低下させるのである。

本発明は、上記従来のものの利点を生かしつつ、欠点を
すべて解消できるようにした構造簡単なパケット式水底
土砂採取器を提供することを目的とするもので、その特
徴とするところは、水中を昇降し得る下面開放の箱状本
体数と；この本体殻にそれの開放下面を開閉できるよう
設りられ、水底の土砂をすくい上げて該本体殻内に押上
げ保持し得るパケットと；そのパケット閉成時に前記本
体殻内に閉じ込められた水を、土砂を混入させることな
く外部へ強制排出し得る排水装置と；よりなり、前記排
水装置は、前記本体殻層壁にその内外を連通ずるよう穿
設され、前記パケット閉成時に前記本体殻内に閉じ込め
られて堆積する土砂との間に上下方向に間隔をおいて位
置する排水孔と、前記本体殻内空間の、前記排水孔より
も上方部に設けられ、そこに存在する水を前記パケット
閉成時に加圧して該排水孔より外部に強制排出し得る加
圧装置とを備えている点にある。

以下、図面に従って本発明の一実施例について説明する
。

先ず第１図および第２図において、土砂採取器１は、頂
壁とこの頂壁に連続する側周壁とを有する本体殻２と、
一対のパケット５，５’とを備え、本体殻２の下端縁部
に突設された一対のブラケット３ 、３’には、それぞ
れ対応するパケット５，５’の上部縁部に突設されたブ
ラケット６゜６′が枢支軸４，４′により枢支されてい
る。

枢支軸４，４′により一端部が枢支されたリンク７．７
′の他端部と、各パケット５ 、５’のブラケット６゜
６′よりも下方の部分において突設されたブラケット８
，８′に枢支軸９，９′ により一端部が枢支された
リンク１０ 、１０’の他端部とは、共に枢支軸１１
、１１’により枢支されており、これら各枢支軸１１
、１１’には、本体殻２の上方部分において突設された
ブラケツ１−１２，１２’に枢支軸１３゜１３′により
頭部が枢支された本発明の作動装置を構成する流体圧作
動式伸縮シリンダ１４ 、１４’のロッドの先端部がそ
れぞれ枢支されている。

したがって、各伸縮シリンダ１４ 、１４’が遠隔操作
により伸縮作動すると、各バケツｌ−５、５’は、それ
ぞれ対応する枢支軸４，４′回りに第１図の実線の位置
と鎖線の位置との間で、回動して、本体殻２の開放下面
を開閉できるようになっている。

本体殻２の上端部には、吊下げ索２８の下端部を係止す
るための一対の係支部ｉｓ、１ｓ’が形成されていると
共に、可撓管１７を通して送られた例えば作動油や圧縮
空気のような作動流体を各伸縮シリンダ１４，１４’に
供給するための配管１６が配設されている。

特に第３図において、本体殻２内の下部側には土砂収容
室１８が形成されていると共に、この土砂収容室１８の
上端部周囲には、本体殻２の側周壁を貫通して多数の排
水孔２０が形成されている。

第４図において拡大して示されているように、各排水孔
２０の内側には、水は通過させるが土砂の通過をできる
たけ阻止しうるような網２０ａが張設されていると共に
、各排水孔２０の外側の部分において、不体殻２の側周
壁の外面上に突設されたブラケット２３により支持され
た枢支軸２２には、それぞれ対応する排水孔２０を開閉
する開閉蓋２１の上端縁部が枢支されている。

本体殻２内の上部側には、パケット５，５′開閉成に本
体殻２内に閉じ込められた水を、土砂を混入させること
なく外部へ強制排出するための排水装置Ａが配設されて
いる。

この排水装置Ａは、前記排水孔２０と、下方に向けて開
放された排水シリンダ１９と、この排水シリンダ１９内
に滑液自在に嵌入され、本体殻２の頂壁との間に介装さ
れた復帰ばね２５により常に上方に復帰するように偏倚
力を受けている排水ピストン２４とを備え、本体殻２の
頂壁には、可撓管２７を通して送られる例えば圧縮空気
のような作動流体を排水ピストン２４の上側の排水シリ
ンダ１９内に導入するための連通孔２６が形成されてい
る。

而して前記排水シリンダ１９および排水ピストン２４は
本発明の加圧装置Ｐを構成している。

尚、前記排水孔２０は、バケツ）−５、５’の閉成時に
本体殻２内に閉じ込められて堆積する土砂Ｓが内部に直
接侵入しないように該土砂Ｓとの間に上下方向に間隔を
おいて本体数２内面に開口している。

以上のような土砂採取器１を使用して作業を行なうため
の作業装置の一例が第５図に示されている。

作業船２９の台船３０上には、船室３１と、上下方向軸
線回りに旋回自在な旋回台３２とが配設されており、こ
の旋回台３２には、伸縮シリンダ３３により上下方向に
起伏自在で先端部ζζはシーブ３５を備えるブーム３４
の基端部が枢支されていると共に、ブーム３４の後方に
おいて重錘昇降塔３６が配設されている。

重錘昇降塔３６内において、上端部に支持された固定滑
車３７と、重錘４０側に支持された動滑車３８との間に
は重錘昇降索３９が巻回されていると共に、土砂採取器
１の吊下げ索２８は、シーブ３５、固定滑車３７、およ
び重錘昇降塔３６の側面部に支持されたシーブ４１を介
して、旋回台３２上のウィンチ４２に巻取られるように
なっている。

そしてウィンチ４２に吊下げ索２８を巻取るときには、
重錘４０の自重による降下作用により、ウィンチ４２の
巻取り動力が少なくて済み、ウィンチ４２により吊下げ
索２８を巻戻すさきには、土砂採取器１の自重による降
下作用により、土砂採取器１は、重錘４０の自重による
吊下げ索２８の巻取り方向への張力に対向して、水底の
土砂Ｓまで降下しうるように構成されている。

一対の可撓管１７，２７は共にシーブ３５、および旋回
台３２上の支持枠４３により支持されたシーブ４４を経
た上、一方の可撓管１７は旋回台３２上のウィンチ４５
に、また他方の可撓管２７は旋回台３２上のウィンチ４
６に、それぞれ吊下げ索２８の巻取り巻戻しに伴なって
弛みが生じない程度に巻取られるようになっており、各
可撓管１７．２７の巻取り側の端部は、それぞれ対応す
る作動流体を供給するための旋回台３２上に搭載された
流体圧源に連通している。

図示された実施例は以上のように構成されているので、
ウィンチ４２により吊下げ索２８を巻戻すと共に、ウィ
ンチ４５．４６も巻戻し状態に置くと、土砂採取器１は
、重錘４０の自重に基づく吊下げ索２８の巻取り方向へ
の張力に対向して降下し、それに伴なって各可撓管１７
，２７も巻戻される。

この際、本発明の作動装置を構成する各伸縮シリンダ１
４，１４’は収縮状態に置かれ、各バケツｌ−５、５’
は拡開した状態に保たれる。

土砂採取器１が水底に達した後、各伸縮シリンダ１４
、１４’を伸張させると、各バケツＩ−５、５’は枢支
軸４，４′回りに回動して第１図の実線で示されたよう
に本体殻２の下底部を閉じる。

このとき、水底部の土砂Ｓはバケツｔ−５、５’により
すくい上げられ、第３図に鎖線で示されたように、各パ
ケット５，５′内から土砂収容室１８内へと押し上げら
れるが、この作動が水底部で行なわれるため、土砂収容
室１８に収容されて堆積する土砂Ｓ（排水孔２０はこの
土砂Ｓの上方に間隔をおいて開口している）の上方には
土砂の混じっていない水が多量に偏在する。

そこで、可撓管２７を通して例えば圧縮空気のような作
動流体を連通孔２６より排水ピストン２４の上側の排水
シリンダ１９内に導入すると、排水ピストン２４が下降
して土砂Ｓの上方の水を加圧し、その結果、土砂Ｓの上
方の水は各排水孔２０を通して本体殻２外へと排出され
る。

この際、網２０ａは土砂の流出を防止して水のみを濾過
すると共に、各開閉蓋２１は逆止弁としての機能を果た
す。

勿論、各排水孔２０の位置が適正であり、排水ピストン
２４が確実に作動しさえすれば、網２０ａや開閉蓋２１
はなくても良い。

以上の操作の後、ウィンチ４２により吊下げ索２８を巻
取ると共に、それに応じて各可撓管１７゜２７を弛みが
生じない程度に各ウィンチ４５，４６により巻取ると、
重錘４０が自重により降下しつつ、ウィンチ４２は比較
的少ない動力で吊下げ索２８を巻取るこ吉ができる。

また、本体殻２内に混入した水は予め水底部において既
に相当量排出されているので、土砂採取器１の持上げ力
はその分少なくて済むと共に、土砂収容室１８内の土砂
Ｓは完全に本体殻２の側周壁により包囲されているので
、土砂採取器１が持上げられる過程において、土砂採取
器１内から土砂が流出して作業水域を汚濁するようなこ
とはない。

２ 以上のように、本発明によれば、水中を昇降し得
る下面開放の箱状本体殻２と；この本体殻２にそれの開
放下面を開閉できるよう設けられ、水底の土砂をすくい
上げて該本体殻２内に押上げ保持し得るパケット５ 、
５’と、そのパケット５ 、５’閉； 成時に前記本体
殻２内に閉じ込められた水を、土砂を混入させることな
く外部へ強制排出し得る排水装置Ａと；よりなり、前記
排水装置Ａは、前記本体殻２周壁にその内外を連通ずる
よう穿設され、前記バケソｌ−５、５’開閉成に前記本
体殻２内に閉； じ込められて堆積する土砂Ｓとの間に
上下方向に間隔をおいて位置する排水孔２０と、前記本
体殻２内空間の、前記排水孔２０よりも上方部に設けら
れ、そこに存在する水を前記バケツｌ−５、５’開閉成
に加圧して該排水孔２０より外部に強制排出： し得る
加圧装置Ｐとを備えているので、パケット５．５′の閉
成作動により水底の土砂をすくい上げて本体殻２内に押
上げ保持した状態で前記加圧装置Ｐを作動すれば、本体
殻２内に土砂と共に閉じ込められて該本体殻２内の主と
して上方部に偏在； する多量の水だけを排水孔２０よ
り外部に効率よく強制排出することができ、この排出効
果により土砂採取器の全体重量を軽減して、それを水面
上まで持上げるクレーン等の作業機の負荷を軽減できる
。

特に前記排水孔２０は、パケット閉成時に本体殻２内に
閉じ込められて堆積する土砂との間に上下方向に間隔を
おいて位置するので、前記強制排水時に小さい土砂が排
水孔２０をそのまま通過したり、大きい土砂が排水孔２
０を詰らせたりするおそれがなくなり、従ってその土砂
の排水孔２０通過に伴なう作業水域汚濁を未然に防止す
ると共に、採取器の土砂採取効率を向上させることがで
き、また排水孔２０からの排水効率も同時に向上するか
ら全体として作業能率を著しく高めることができるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に基づくパケット式水底土砂
採取器の正面図、第２図は第１図のパケット式水底土砂
採取器の側面図、第３図は第１図のＩｎ−ＩＩＩ線に浴
う側断面図、第４図は排水孔部の要部斜視図、第５図は
第１〜４図に示されたパケット式水底土砂採取器を使用
して浚渫作業を行なつた場合の作業装置を一例に示す全
体概念説明図である。 ２・・・・・・本体殻、５，５′・・・・・・パケット
、２０・・・・・・排水孔、Ａ・・・・・・排水装置、
Ｐ・・・・・・加圧装置、１８・・・・・・土砂収容室
、１９・・・・−・排水シリンダ、２０・・・・・・排
水孔、２４・・・・・・排水ピストン、Ａ・・・・・・
排水装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 水中を昇降し得る下面開放の箱状本体数２と；この
   本体殻２にそれの開放下面を開閉できるよう設けられ、
   水底の土砂をすくい上げて該本体殻２内に押上げ保持し
   得るパケット５，５′と；そのパケット５ 、５’開閉
   成に前記本体殻２内に閉じ込められた水を、土砂を混入
   させることなく外部へ強制排出し得る排水装置Ａと：よ
   りなり、前記排水装置Ａは、前記本体殻２周壁にその内
   外を連通ずるよう穿設され、前記パケット５，５′開閉
   成に前記本体殻２内に閉じ込められて堆積する土砂Ｓと
   の間に上下方向に間隔をおいて位置する排水孔２０と、
   前記本体殻内空間の、前記排水孔２０よりも上方部に設
   けられ、そこに存在する水を前記バケツｔ−５、５’開
   閉成に加圧して該排水孔２０より外部に強制排出し得る
   加圧装置Ｐとを備えてなる、パケット式水底土砂採取器
   。