JPS5938029Y2 - フライバツクトランス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテレビジョン受像機のブラウン管に高電圧を供
給するフライバックトランスに関し、特に、高圧ボビン
と低圧ボビンの固定手段を改善して成るフライバックト
ランスに関する。

従来のフライバックトランスにおいては、第１図Ａ、Ｂ
に示す如く、高圧ボビン１の円筒部の高圧側（最終段）
端部内面に、対角状に二対４個の突起片２，３を設け、
そのうち、突起片３には先端部に突起部４を形成し、一
方、低圧ボビン５の円筒部の高圧側端部に対応する外周
上に、突起片２．３と位置的に一致して同じく二対４個
の保合片６，７を設け、係合片７には突起片３の突起部
４に対応する凹部８を形成し、低圧ボビン５の外周上に
高圧ボビン１を装着した後、高圧ボビン１の突起片２と
低圧ボビン５の係合片６を当接させ、高圧ボビン１の突
起片３と低圧ボビン５の係合片７を突起部４・凹部８を
介して係合させることにより、高圧ボビン１と低圧ボビ
ン５の固定を行なうものであった。

しかしながら、上記構成のフライバックトランスにおい
て′ｄ１突起片の突起部と係合片の凹部の係合により固
定を行なうもので、確実・強固な固定ができず、高圧ボ
ビンが低圧ボビンに対してガタック虞れがあり、突起片
を高圧ボビンの円筒部内面の高圧コイルの高圧端（最終
段）が巻回される部分に形成するものであり、このため
、高圧・低圧コイル間の沿面距離が小さくなって沿面耐
圧上支障を生じ、また、突起片・係合片を設けるために
高圧ボビン内面と低圧ボビン外面間にかなり大きな空間
を必要とし、形状が径方向で大型化し、更に、高圧ボビ
ンの円筒部内径が階段状に異なった径で形成される高圧
ボビンに対しては、突起片を設ける高圧ボビン円筒部の
高圧側端部の内径が最大径となって適用できない、等の
欠点を有するものであった。

本考案は上記欠点を除去することを目的としたフライバ
ックトランスに関し、特に、高圧コイルが巻回される高
圧ボビンの円筒部の低圧側端部、及び、低圧コイルが巻
回される低圧ボビンに、それぞれ互いに対応して嵌合手
段を設け、高圧ボビンと低圧ボビンを嵌合手段を介して
嵌合固定して成るフライバックランスに関するものであ
る。

以下、本考案の一実施例を図面を用いて詳細に説明する
。

第２図において、１１！’；ｔ、一対のコ字型コアであ
り、コア１１上にｌハ、低圧ボビン１２を介して低圧コ
イル１３が、そして、複数個の巻回溝を有する高圧ボビ
ン１４を介して高圧コイル１５が並置されて巻回される
。

低圧ボビン１２は、内部にコア１１が挿通され外周上に
低圧コイル１３が巻回されるもので、第３図に示す如く
、低圧コイル１３を巻回する円筒部１６と、円筒部１６
の一端に形成された複数個に分割された略扇状の端子取
付部１７と、円筒部１６の端子取付部１７と対向する端
部に形成された鍔部１８とを備える。

低圧ボビン１２の端子取付部１７には複数本の端子１９
が植設固定され、また、鍔部１８の外周には嵌合手段と
して対角状に一対の突起２０が形成される。

一方、コア１１上に低圧ボビン１２と並置して装着され
る高圧ボビン１４は、第３図に示す如く、高圧コイル１
５を巻回する円筒部２１を備えるもので、円筒部２１の
外周上には複数個の鍔部２２によって複数個の巻回溝２
３が形成され、高圧コイル１５は巻回溝２３を介して円
筒部２１上に分割（セクション）巻される。

高圧ボビン１４の円筒部２１の低圧側端部（高圧コイル
１５の低圧側が巻回される端部）２１ａには、低圧ボビ
ン１２の鍔部１８の外周に形成した一対の突起２０に位
置的に対応して、嵌合手段として一対の幅広の立設片２
４が管軸方向に延設形成される。

そして、立設片２４には、鍔部１８の突起２０を収納（
嵌合）するための孔２５が厚み方向に形成されるもので
ある。

斯かる構成のフライバックトランスにおいて、低圧ボビ
ン１２の円筒部１６上に低圧コイル１３を巻回し、高圧
ボビン１．４の円筒部２１上に高圧コイル１５を分割巻
回した状態で、低圧ボビン１２・高圧ボビン１４をコア
１１上に装着する。

この際、低圧ボビン１２の鍔部１８と、高圧ボビン１４
０円筒部２１の立設片２４が設けられた端部２１ａを向
い合わせ、かつ、鍔部１８に形成した突起２０と円筒部
２１の立設片２４とを対応させて成るもので、鍔部１８
の突起２０を立設片２４に設けた孔２５内に嵌入させる
ことによシ、立設片２４の内面と鍔部１８の外周面とが
当接し、立設片２４によシ低圧ボビン１２の鍔部１Ｂを
挟圧保持した状態で、低圧ボビン１２と高圧ボビン１４
の嵌合固定が成されるものである。

この場合、低圧ボビン１２と高圧ボビン１４を嵌合固定
した後、コア１１上に装着しても良いものである。

然る後、コア１１、低圧ボビン１２、低圧コイル１３、
高圧ボビン１４、高圧コイル１５等をケース（図示せず
）内に収納し、ケース内部に絶縁性、難燃性樹脂材を充
填することにより、コイル部分の含浸・モールドを行な
うものである。

尚、本考案フライバックトランスの一実施例においては
、高圧コイルを高圧ボビンの円筒部に設けた複数個の巻
回溝を介して分割巻するものについて述べたが、高圧コ
イルの巻回形状は実施例に何等限定されるものでｌｄな
く、分割巻・平巻等適宜に選定できるものである。

また、高圧コイルを巻回する高圧ボビンの形状も、低圧
ボビンとノ嵌合固定が威されるものであれば円筒状に限
定されることはなく、例えば、第４図に示す如く、高圧
ボビン１４として、高圧側に向うに従い順次径の大きく
なる階段状のボビンを使用しても良いものである。

この際、高圧ボビン１４の立設片２４は、円筒部２１の
径の最も小さい低圧側端部２１ａに設けられるもので、
低圧ボビンの突起との嵌合に伺等支障を生ずるものでは
ない。

更に、本考案の一実施例においては、低圧コイルと高圧
コイルをコア上に並置して巻回装置するものについて述
べたが、低圧コイルと高圧コ″イルをコア上に重ねて巻
回して構成しても良いものである。

この場合、第５図・第６図に示す如く、低圧ボビン１２
に設ける嵌合手段としての突起２０を、低圧コイル１３
が巻回される円筒部１６の一端に形成された端子取付部
１７の円筒部１６側側面に、低圧コイル１３０巻回作業
に悪影響を生じない範囲内で管軸方向に沿って設けるも
ので、突起２０の先端には、高圧ボビン１４の立設片２
４に設けた孔２５と嵌合するための係止部２０ａが設け
られ、突起２０は全体形成されるものである。

ここで、本実施例における低圧ボビン１２と高圧ボビン
１４の嵌合固定については、前述した実施例とほとんど
異なる点はなく、ここでの説明は省略する。

そして、本考案の一実施例においては、低圧ボビンと高
圧ボビンの嵌合固定を成すための嵌合手段としての突起
・立設片を、低圧ボビン・高ボビンにそれぞれ一対（２
個）設けるものについて述べたが、必要に応じて突起・
立設片の数を増すことができるものであり、突起・立設
片の形状も、両者の嵌合固定が威されるものであれば、
実施例に例等限定されるものではない。

以上述べた如く、本考案のフライバックトランスによれ
ば、高圧ボビンの円筒部の低圧側端部、及び、低圧ボビ
ンに、それぞれ互いに対応して嵌合手段（突起・孔を有
する立設片）を設け、高圧ボビン・低圧ボビンを嵌合手
段を介して嵌合固定したものであり、低圧ボビンに対し
て高圧ボビンが管軸方向及び回転方向にガタック虞れは
なく、両ボビンは極めて確実・強固に固定が或されるも
のである。

また、高圧ボビンと低圧ボビンの嵌合固定を高圧コイル
の低圧側端部で行なうものであり、低圧・高圧コイル間
の沿面耐圧に伺等支障を生ずることはなく、更に、高圧
ボビンとして、高圧側に向うに従って順次径の大きくな
る階段状のボビンを使用できるもので、適用範囲が著し
く増すものである。

そして、高圧ボビン内面と低圧ボビン外面筒に従来のよ
うな空１間を必要とせず、径方向での大径化の虞れもな
いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは従来のフライバックトランスにおける高圧ボ
ビンの概略正面図、同図Ｂは同じく低圧ボビンの概略平
面図、第２図は本考案フライバックトランスの一実施例
における概略側面図、第３図′は同じく要部構成斜視図
、第４図は本考案フライバックトランスの他の実施例に
おける高圧ボビンの斜視図、第５図は本考案フライバッ
クトランスの更に他の実施例における概略断面図、第６
図は同じく低圧ボビンの側面図である。 １２・・・低圧ボビン、１３・・・低圧コイル、１４・
・・高圧ボビン、１５・・・高圧コイル、２０・・・突
起（嵌合手段）、２１・・・高圧ボビン円筒部、２４・
・・立設片（嵌合手段）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高圧コイルが巻回される高圧ボビンの円筒部の低圧側端
   部、及び、低圧コイルが巻回される低圧ボビンに、それ
   ぞれ互いに対応して嵌合手段を設け、前記高圧ボビンと
   低圧ボビンを嵌合子離を介して嵌合固定したことを特徴
   とするフライバックトランス。