JP3582864B2 - トランス - Google Patents
トランス Download PDFInfo
- Publication number
- JP3582864B2 JP3582864B2 JP22891294A JP22891294A JP3582864B2 JP 3582864 B2 JP3582864 B2 JP 3582864B2 JP 22891294 A JP22891294 A JP 22891294A JP 22891294 A JP22891294 A JP 22891294A JP 3582864 B2 JP3582864 B2 JP 3582864B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- winding
- pedestal
- upper lid
- voltage terminal
- transformer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Insulating Of Coils (AREA)
- Coils Of Transformers For General Uses (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、陰極管等を点灯する電源装置に使用される高圧用トランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の高圧トランスに使用されるコインボビンは、図2(a)に示すように、上蓋側ボビン1と、台座側ボビン2の2つの部品から構成されている。上蓋側ボビン1は、上蓋8と下蓋9とを有し、磁気コア7dの中央磁足6bを挿入する貫通孔10bが設けられ、上蓋側巻筒5が一体に形成されている。また、上蓋側巻筒5の外側には、仕切り板14[図1(c)参照]と、下蓋9が一体に形成されており、一次側となる上蓋側の巻枠16[図1(c)参照]を形成している。さらに、下蓋9の縁端には、係止爪2A、2Bが一体に設置されている。前記台座側ボビン2の中央線YYに対して対称となる位置の上蓋側ボビン1の縁端に前記係止爪2A,2Bに対向して係合溝4c,4dを設けることで、前記台座側ボビン2に、前記上蓋側ボビン1の下蓋9の前記係止爪2A,2Bを各々の前記係合溝4c,4dに係止することを可能としている。一方、前記台座側ボビン2の台座7には、両端に長手方向に平行に二次側の高圧側端子13aと一次側の低圧側端子13bを植設し、中央に2分割の下側磁気コアの中央磁足6aを組み込む台座側蓋10の台座貫通孔10aを設けている。また、台座側巻筒6と、リード線の引き出し溝11を設けてある構造である。
【0003】
図2(b)に示すように、前記台座の底面には、2つの対の突起▲1▼20、突起▲2▼21、突起▲3▼22、突起▲4▼23を設ける。まず、巻線を前記高圧側端子13aにからげ、巻線の巻き始めの前記端子近傍の突起▲1▼20で巻線を案内し、次に、その端子側から、台座側巻筒よりの、前記引き出し溝11の内側縁端に位置する突起▲2▼21で巻線を案内し、台座側巻筒6に巻き回し、又、巻線の巻き終りを前記引き出し溝11から取り出して、巻き終りを前記引き出し溝11の内側縁端に位置する突起▲3▼22で案内し、前記高圧端子近傍の突起▲4▼23にガイドして、前記高圧側端子13aにからげるものである。
【0004】
また、図2(a)に示すように、前記コイルボビンに組み込まれる磁気コアは、厚さ方向に上下2分割された板状フェライトコアからなる。下側磁気コア7cの長手方向の一端の2つの角に磁足5c,5dを設け、対向する他端の中央に中央磁足6aを有す。同様に、上側磁気コア7dも下側磁気コア7cの前記磁足5c,5d及び中央磁足6aに対向するように、上側の磁足5C、5D及び中央磁足6bを有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記台座の底面に2つの対の突起を4個設けたが、前記巻線の巻き始めを前記引き出し溝と連続した台座側巻筒の内側に巻く時、巻線通路が隘路となり、巻線が通しにくくなるため、突起▲2▼21及び突起▲3▼22をこれ以上、台座側巻筒側に寄せられず、また、現状でも巻線通路が狭く、台座側巻筒の内側に密着して巻かれない欠点があった。また、巻線の巻き始めと巻き終りとに、使用条件により、数百〜数千Vの電位差があるので、前記引き出し溝から取り出される巻線の巻き始めと巻終りとの線間距離Aが小さいと、耐圧不良が発生する欠点があった。
【0006】
本発明は、台座側巻筒の内側に密着した巻線が巻かれ、かつ巻線の巻き始めと巻き終りの線間距離を十分とり、耐圧不良をなくすことができるトランスを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、両端に高圧側及び低圧側端子を植設した台座と、巻線用の台座側巻筒と、台座側蓋と、リード線用の引き出し溝と、係合溝とを具備する台座側ボビンに、上蓋と、仕切り板を兼ねる巻線用の上蓋側巻筒と、縁端に係止爪を設けた下蓋を具備する上蓋側ボビンを、前記上蓋側巻筒を台座側巻筒に挿入し、前記係合溝と係止爪を係止して組み合わせ、一対の磁足と中央磁足を有する上下2分割した磁気コアを組み込んでなるトランスにおいて、前記台座の底面の高圧端子側に巻線の巻始め案内用の突起を3個と巻線の巻き終わり案内用の突起を2個設け、巻線の巻始め案内用突起は、そのうちの1個を高圧端子植設部近傍に、1個を略円錐台状の突起として引き出し溝の台座側巻筒側の近傍に、残りの1個を他の2個の突起を結ぶ線より引き出し溝の反対側の位置に取り付け、巻線の巻終わり案内用の突起は、そのうちの1個を高圧端子植設部近傍に、残りの1個を高圧端子植設部と引き出し溝の台座側巻筒側の角との中間部より高圧端子植設部側の位置に取り付けたことを特徴とするトランスが得られる。
【0008】
【作用】
本発明のトランスは、高圧トランス用コイルボビンの台座の底面に、台座側巻筒の内側に密着して巻線を巻き回すため、また、巻線の巻き始めと巻き終りとの線間距離を大きくするため、巻線をガイドする巻き始めの突起▲1▼はそのままの位置にし、突起▲5▼を長手方向平行に所定の位置に新設する。次に、突起▲2▼は形状を変え、略円錐台の形にした突起▲6▼とし、従来の突起▲2▼の位置に設ける。巻線が巻筒に密着するために、突起▲6▼の形状を略円錐台とし、巻線が台座側巻筒よりの略円錐台の根元の隘路を通るようにする。さらに、巻線の巻き終りを台座側巻筒より引き出し溝に導き出し、突起▲2▼の巻き始めと巻き終わりとの線間距離を大きくするため、引き出し溝11aを広げる。前記位置から引き出し溝縁端より、突起▲7▼を突起▲4▼よりの所定位置に移動し、突起▲4▼はそのままの位置にする。上述の内容のように、台座側巻筒を巻き回す巻線の巻き始めと巻き終わりの線間距離Bを大きくすることにより、耐圧不良を防止できる。
【0009】
【実施例】
本発明の実施例について、図面を参照して説明する。図1は、本発明のトランスを示す図である。図1は、本発明のトランスの分解斜視図である。図1(b)は、本発明のトランスに使用されるコイルボビンに巻線を巻いた状態を示す底面図である。図1(c)は、本発明及び従来のトランスに使用されるコイルボビンの断面図である。図1(d)は、本発明のトランスに使用されるコイルボビンの突起を示す斜視図である。
【0010】
本発明の一実施例のトランスに用いる磁気コアは、図1(a)に示すように、断面形状が略六角形の、上下厚さ方向に2分割された板状フェライトコアからなる。磁気コアは、上下コアを合せて用いられる。2分割された板状の下側磁気コア7cは、2箇所の直角となっている角に、右磁足5c、左磁足5dを有する。さらに、前記右磁足5cと前記左磁足5dとを有する対向辺の中央の位置に中央磁足6aを有する。
【0011】
下側磁気コア7aと同様に、上側磁気コア7dも板状の略六角形の一端に右磁足5C、左磁足5Dを有し、同様に、右及び左磁足5C,5Dとを有する対向辺の中央に中央磁足6bを有する。
【0012】
また、本発明のトランスに用いられるコイルボビンは、図1に示すように、上蓋側ボビン3と、台座側ボビン4の2つの部品から構成される。
【0013】
上蓋側ボビン3は、上蓋8と下蓋9とを有し、また、2分割された上側磁気コア7dの中央磁足6bを挿入する上蓋側貫通孔10bを有する。その外周には、ほぼ等しい大きさの一次巻線13を巻くための上蓋側巻筒5が、コイルボビン13と同質の絶縁物により一体に形成されている。
【0014】
また、前記上蓋側巻筒5には、一次巻線13と二次巻線18とを電気的に絶縁する仕切り板14[図1(c)参照]と、その先端から外周に向けて、上蓋8と平行に下蓋9が一体に形成されており、一次巻線側の巻枠16[図1(c)参照]を形成している。
【0015】
さらに、下蓋9の縁端には、2個の係止爪2A,2Bが一体に設置されている。
【0016】
この係止爪2A,2Bには、台座側ボビン4の中央線YYに対して、左右対称となる位置の縁端に、2個の係合溝4c,4dが設けられている。この係合溝4c,4dに、前記係止爪2A,2Bを係止することで、前記台座側ボビン4との係止・嵌着を可能にしている。
【0017】
一方、前記台座側ボビン4の台座7には、二次側の高圧側端子13aと一次側の低圧側端子13bが設けられている。また、中央に、磁気コアの2分割した下側磁気コア7cの中央磁足6aを組み込む台座側蓋10の台座側貫通孔10aが設けられている。
【0018】
また、外周に二次巻線18を巻回する台座側巻筒6と、高圧側端子13aの方向から前記台座側巻筒6にかけて設けられたリード線引き出し溝11aを有する。前記引き出し溝11aは、溝幅を大きくしてある。
【0019】
台座7の底面に巻線をガイドする巻き始めの突起▲1▼20は、位置を従来位置とし、突起▲5▼24を新設する。前記突起▲5▼24は、従来の引き出し溝11[図2(b)参照]の長手方向平行に突起▲1▼20と突起▲2▼21とを結ぶ直線が直行する位置に新設してある。次に、突起▲6▼25は、従来の突起▲2▼21の位置に形状を変えて、図1(d)に示すような略円錐台に形成されている。巻線の巻き始めが突起▲6▼25の斜面の底面近傍に配されるので、台座側巻筒に折り返し、すぐ密着するように巻線が巻かれる。このため、巻線がゆるみ、ばらけることはない。さらに、台座側巻筒6を、所定回数巻き回した後の巻線の巻き終りは、引き出し溝11aに導き出される。巻き終りが巻き始めの前記突起▲6▼25と突起▲7▼26との距離を大きくし、巻線の巻き始めと巻き終わりとの線間距離Bを大きくするため、前記引き出し溝11aを広げる。突起▲7▼26は、引き出し溝11a縁端から従来の突起▲3▼22の位置より移動し、突起▲4▼23よりに所定の位置に移す。突起▲4▼23は、そのままの位置に固定する。
【0020】
台座側ボビン4の前記中央線YYに対して左右対称となる前記係止爪2A,2Bを、下側磁気コア7cの左右対称位置にある前記係合溝4c,4dに係止して組み合わせ、その上下に2分割された磁気コアを装着し、トランスが完成する。
【0021】
【発明の効果】
以上、述べたように、本発明によれば、台座側巻筒の内側に密着して巻線が巻かれ、かつ巻線の巻き始めと巻き終りとの線間距離が十分とられ、耐圧不良が少なくなるトランスを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトランスを示す図。図1(a)は本発明のトランスの分解斜視図。図1(b)は本発明のトランスに使用されるコイルボビンの底面図。図1(c)は本発明の及び従来のトランスに使用されるコイルボビンの断面図。図1(d)は本発明のトランスに使用されるコイルボビンの突起を示す斜視図。
【図2】従来のトランスを示す図。図2(a)は従来のトランスの分解斜視図。図2(b)は従来のトランスに使用されるコイルボビンの底面図。
【符号の説明】
1 (従来)上蓋側ボビン
2 (従来)台座側ボビン
2A,2B 係止爪
3 上蓋側ボビン
4 台座側ボビン
4c,4d 係合溝
5 上蓋側巻筒
5C,5c (右)磁足
5D,5d (左)磁足
6 台座側巻筒
6a (下側磁気コアの)中央磁足
6b (上側磁気コアの)中央磁足
7 台座
7c 下側磁気コア
7d 上側磁気コア
8 上蓋
9 下蓋
10 台座側蓋
10a 台座側貫通孔
10b 上蓋側貫通孔
11,11a 引き出し溝
12 テープ
13 一次巻線
13a 高圧側端子
13b 低圧側端子
14 仕切り板
15 内側巻筒
16 巻枠
17 外側巻筒
18 二次巻線
20 突起▲1▼
21 突起▲2▼
22 突起▲3▼
23 突起▲4▼
24 突起▲5▼
25 突起▲6▼
26 突起▲7▼
A,B 線間距離
【産業上の利用分野】
本発明は、陰極管等を点灯する電源装置に使用される高圧用トランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の高圧トランスに使用されるコインボビンは、図2(a)に示すように、上蓋側ボビン1と、台座側ボビン2の2つの部品から構成されている。上蓋側ボビン1は、上蓋8と下蓋9とを有し、磁気コア7dの中央磁足6bを挿入する貫通孔10bが設けられ、上蓋側巻筒5が一体に形成されている。また、上蓋側巻筒5の外側には、仕切り板14[図1(c)参照]と、下蓋9が一体に形成されており、一次側となる上蓋側の巻枠16[図1(c)参照]を形成している。さらに、下蓋9の縁端には、係止爪2A、2Bが一体に設置されている。前記台座側ボビン2の中央線YYに対して対称となる位置の上蓋側ボビン1の縁端に前記係止爪2A,2Bに対向して係合溝4c,4dを設けることで、前記台座側ボビン2に、前記上蓋側ボビン1の下蓋9の前記係止爪2A,2Bを各々の前記係合溝4c,4dに係止することを可能としている。一方、前記台座側ボビン2の台座7には、両端に長手方向に平行に二次側の高圧側端子13aと一次側の低圧側端子13bを植設し、中央に2分割の下側磁気コアの中央磁足6aを組み込む台座側蓋10の台座貫通孔10aを設けている。また、台座側巻筒6と、リード線の引き出し溝11を設けてある構造である。
【0003】
図2(b)に示すように、前記台座の底面には、2つの対の突起▲1▼20、突起▲2▼21、突起▲3▼22、突起▲4▼23を設ける。まず、巻線を前記高圧側端子13aにからげ、巻線の巻き始めの前記端子近傍の突起▲1▼20で巻線を案内し、次に、その端子側から、台座側巻筒よりの、前記引き出し溝11の内側縁端に位置する突起▲2▼21で巻線を案内し、台座側巻筒6に巻き回し、又、巻線の巻き終りを前記引き出し溝11から取り出して、巻き終りを前記引き出し溝11の内側縁端に位置する突起▲3▼22で案内し、前記高圧端子近傍の突起▲4▼23にガイドして、前記高圧側端子13aにからげるものである。
【0004】
また、図2(a)に示すように、前記コイルボビンに組み込まれる磁気コアは、厚さ方向に上下2分割された板状フェライトコアからなる。下側磁気コア7cの長手方向の一端の2つの角に磁足5c,5dを設け、対向する他端の中央に中央磁足6aを有す。同様に、上側磁気コア7dも下側磁気コア7cの前記磁足5c,5d及び中央磁足6aに対向するように、上側の磁足5C、5D及び中央磁足6bを有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記台座の底面に2つの対の突起を4個設けたが、前記巻線の巻き始めを前記引き出し溝と連続した台座側巻筒の内側に巻く時、巻線通路が隘路となり、巻線が通しにくくなるため、突起▲2▼21及び突起▲3▼22をこれ以上、台座側巻筒側に寄せられず、また、現状でも巻線通路が狭く、台座側巻筒の内側に密着して巻かれない欠点があった。また、巻線の巻き始めと巻き終りとに、使用条件により、数百〜数千Vの電位差があるので、前記引き出し溝から取り出される巻線の巻き始めと巻終りとの線間距離Aが小さいと、耐圧不良が発生する欠点があった。
【0006】
本発明は、台座側巻筒の内側に密着した巻線が巻かれ、かつ巻線の巻き始めと巻き終りの線間距離を十分とり、耐圧不良をなくすことができるトランスを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、両端に高圧側及び低圧側端子を植設した台座と、巻線用の台座側巻筒と、台座側蓋と、リード線用の引き出し溝と、係合溝とを具備する台座側ボビンに、上蓋と、仕切り板を兼ねる巻線用の上蓋側巻筒と、縁端に係止爪を設けた下蓋を具備する上蓋側ボビンを、前記上蓋側巻筒を台座側巻筒に挿入し、前記係合溝と係止爪を係止して組み合わせ、一対の磁足と中央磁足を有する上下2分割した磁気コアを組み込んでなるトランスにおいて、前記台座の底面の高圧端子側に巻線の巻始め案内用の突起を3個と巻線の巻き終わり案内用の突起を2個設け、巻線の巻始め案内用突起は、そのうちの1個を高圧端子植設部近傍に、1個を略円錐台状の突起として引き出し溝の台座側巻筒側の近傍に、残りの1個を他の2個の突起を結ぶ線より引き出し溝の反対側の位置に取り付け、巻線の巻終わり案内用の突起は、そのうちの1個を高圧端子植設部近傍に、残りの1個を高圧端子植設部と引き出し溝の台座側巻筒側の角との中間部より高圧端子植設部側の位置に取り付けたことを特徴とするトランスが得られる。
【0008】
【作用】
本発明のトランスは、高圧トランス用コイルボビンの台座の底面に、台座側巻筒の内側に密着して巻線を巻き回すため、また、巻線の巻き始めと巻き終りとの線間距離を大きくするため、巻線をガイドする巻き始めの突起▲1▼はそのままの位置にし、突起▲5▼を長手方向平行に所定の位置に新設する。次に、突起▲2▼は形状を変え、略円錐台の形にした突起▲6▼とし、従来の突起▲2▼の位置に設ける。巻線が巻筒に密着するために、突起▲6▼の形状を略円錐台とし、巻線が台座側巻筒よりの略円錐台の根元の隘路を通るようにする。さらに、巻線の巻き終りを台座側巻筒より引き出し溝に導き出し、突起▲2▼の巻き始めと巻き終わりとの線間距離を大きくするため、引き出し溝11aを広げる。前記位置から引き出し溝縁端より、突起▲7▼を突起▲4▼よりの所定位置に移動し、突起▲4▼はそのままの位置にする。上述の内容のように、台座側巻筒を巻き回す巻線の巻き始めと巻き終わりの線間距離Bを大きくすることにより、耐圧不良を防止できる。
【0009】
【実施例】
本発明の実施例について、図面を参照して説明する。図1は、本発明のトランスを示す図である。図1は、本発明のトランスの分解斜視図である。図1(b)は、本発明のトランスに使用されるコイルボビンに巻線を巻いた状態を示す底面図である。図1(c)は、本発明及び従来のトランスに使用されるコイルボビンの断面図である。図1(d)は、本発明のトランスに使用されるコイルボビンの突起を示す斜視図である。
【0010】
本発明の一実施例のトランスに用いる磁気コアは、図1(a)に示すように、断面形状が略六角形の、上下厚さ方向に2分割された板状フェライトコアからなる。磁気コアは、上下コアを合せて用いられる。2分割された板状の下側磁気コア7cは、2箇所の直角となっている角に、右磁足5c、左磁足5dを有する。さらに、前記右磁足5cと前記左磁足5dとを有する対向辺の中央の位置に中央磁足6aを有する。
【0011】
下側磁気コア7aと同様に、上側磁気コア7dも板状の略六角形の一端に右磁足5C、左磁足5Dを有し、同様に、右及び左磁足5C,5Dとを有する対向辺の中央に中央磁足6bを有する。
【0012】
また、本発明のトランスに用いられるコイルボビンは、図1に示すように、上蓋側ボビン3と、台座側ボビン4の2つの部品から構成される。
【0013】
上蓋側ボビン3は、上蓋8と下蓋9とを有し、また、2分割された上側磁気コア7dの中央磁足6bを挿入する上蓋側貫通孔10bを有する。その外周には、ほぼ等しい大きさの一次巻線13を巻くための上蓋側巻筒5が、コイルボビン13と同質の絶縁物により一体に形成されている。
【0014】
また、前記上蓋側巻筒5には、一次巻線13と二次巻線18とを電気的に絶縁する仕切り板14[図1(c)参照]と、その先端から外周に向けて、上蓋8と平行に下蓋9が一体に形成されており、一次巻線側の巻枠16[図1(c)参照]を形成している。
【0015】
さらに、下蓋9の縁端には、2個の係止爪2A,2Bが一体に設置されている。
【0016】
この係止爪2A,2Bには、台座側ボビン4の中央線YYに対して、左右対称となる位置の縁端に、2個の係合溝4c,4dが設けられている。この係合溝4c,4dに、前記係止爪2A,2Bを係止することで、前記台座側ボビン4との係止・嵌着を可能にしている。
【0017】
一方、前記台座側ボビン4の台座7には、二次側の高圧側端子13aと一次側の低圧側端子13bが設けられている。また、中央に、磁気コアの2分割した下側磁気コア7cの中央磁足6aを組み込む台座側蓋10の台座側貫通孔10aが設けられている。
【0018】
また、外周に二次巻線18を巻回する台座側巻筒6と、高圧側端子13aの方向から前記台座側巻筒6にかけて設けられたリード線引き出し溝11aを有する。前記引き出し溝11aは、溝幅を大きくしてある。
【0019】
台座7の底面に巻線をガイドする巻き始めの突起▲1▼20は、位置を従来位置とし、突起▲5▼24を新設する。前記突起▲5▼24は、従来の引き出し溝11[図2(b)参照]の長手方向平行に突起▲1▼20と突起▲2▼21とを結ぶ直線が直行する位置に新設してある。次に、突起▲6▼25は、従来の突起▲2▼21の位置に形状を変えて、図1(d)に示すような略円錐台に形成されている。巻線の巻き始めが突起▲6▼25の斜面の底面近傍に配されるので、台座側巻筒に折り返し、すぐ密着するように巻線が巻かれる。このため、巻線がゆるみ、ばらけることはない。さらに、台座側巻筒6を、所定回数巻き回した後の巻線の巻き終りは、引き出し溝11aに導き出される。巻き終りが巻き始めの前記突起▲6▼25と突起▲7▼26との距離を大きくし、巻線の巻き始めと巻き終わりとの線間距離Bを大きくするため、前記引き出し溝11aを広げる。突起▲7▼26は、引き出し溝11a縁端から従来の突起▲3▼22の位置より移動し、突起▲4▼23よりに所定の位置に移す。突起▲4▼23は、そのままの位置に固定する。
【0020】
台座側ボビン4の前記中央線YYに対して左右対称となる前記係止爪2A,2Bを、下側磁気コア7cの左右対称位置にある前記係合溝4c,4dに係止して組み合わせ、その上下に2分割された磁気コアを装着し、トランスが完成する。
【0021】
【発明の効果】
以上、述べたように、本発明によれば、台座側巻筒の内側に密着して巻線が巻かれ、かつ巻線の巻き始めと巻き終りとの線間距離が十分とられ、耐圧不良が少なくなるトランスを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトランスを示す図。図1(a)は本発明のトランスの分解斜視図。図1(b)は本発明のトランスに使用されるコイルボビンの底面図。図1(c)は本発明の及び従来のトランスに使用されるコイルボビンの断面図。図1(d)は本発明のトランスに使用されるコイルボビンの突起を示す斜視図。
【図2】従来のトランスを示す図。図2(a)は従来のトランスの分解斜視図。図2(b)は従来のトランスに使用されるコイルボビンの底面図。
【符号の説明】
1 (従来)上蓋側ボビン
2 (従来)台座側ボビン
2A,2B 係止爪
3 上蓋側ボビン
4 台座側ボビン
4c,4d 係合溝
5 上蓋側巻筒
5C,5c (右)磁足
5D,5d (左)磁足
6 台座側巻筒
6a (下側磁気コアの)中央磁足
6b (上側磁気コアの)中央磁足
7 台座
7c 下側磁気コア
7d 上側磁気コア
8 上蓋
9 下蓋
10 台座側蓋
10a 台座側貫通孔
10b 上蓋側貫通孔
11,11a 引き出し溝
12 テープ
13 一次巻線
13a 高圧側端子
13b 低圧側端子
14 仕切り板
15 内側巻筒
16 巻枠
17 外側巻筒
18 二次巻線
20 突起▲1▼
21 突起▲2▼
22 突起▲3▼
23 突起▲4▼
24 突起▲5▼
25 突起▲6▼
26 突起▲7▼
A,B 線間距離
Claims (1)
- 両端に高圧側及び低圧側端子を植設した台座と、巻線用の台座側巻筒と、台座側蓋と、リード線用の引き出し溝と、係合溝とを具備する台座側ボビンに、上蓋と、仕切り板を兼ねる巻線用の上蓋側巻筒と、縁端に係止爪を設けた下蓋を具備する上蓋側ボビンを、前記上蓋側巻筒を台座側巻筒に挿入し、前記係合溝と係止爪を係止して組み合わせ、一対の磁足と中央磁足を有する上下2分割した磁気コアを組み込んでなるトランスにおいて、前記台座の底面の高圧端子側に巻線の巻始め案内用の突起を3個と巻線の巻き終わり案内用の突起を2個設け、巻線の巻始め案内用突起は、そのうちの1個を高圧端子植設部近傍に、1個を略円錐台状の突起として引き出し溝の台座側巻筒側の近傍に、残りの1個を他の2個の突起を結ぶ線より引き出し溝の反対側の位置に取り付け、巻線の巻終わり案内用の突起は、そのうちの1個を高圧端子植設部近傍に、残りの1個を高圧端子植設部と引き出し溝の台座側巻筒側の角との中間部より高圧端子植設部側の位置に取り付けたことを特徴とするトランス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22891294A JP3582864B2 (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | トランス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22891294A JP3582864B2 (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | トランス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0869928A JPH0869928A (ja) | 1996-03-12 |
JP3582864B2 true JP3582864B2 (ja) | 2004-10-27 |
Family
ID=16883805
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22891294A Expired - Fee Related JP3582864B2 (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | トランス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3582864B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5388141B2 (ja) | 2010-07-02 | 2014-01-15 | サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. | トランスフォーマー及びこれを備える平板ディスプレイ装置 |
EP2402964B1 (en) * | 2010-07-02 | 2018-12-26 | Solum Co., Ltd. | Transformer and flat panel display device including the same |
HUE042216T2 (hu) * | 2010-07-02 | 2019-06-28 | Solum Co Ltd | Transzformátor és azt tartalmazó lapos képmegjelenítõ eszköz |
EP2402965A2 (en) | 2010-07-02 | 2012-01-04 | Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. | Transformer and flat panel display device including the same |
US8698588B2 (en) | 2010-07-02 | 2014-04-15 | Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. | Transformer |
JP6099135B2 (ja) * | 2013-03-27 | 2017-03-22 | 日本電気通信システム株式会社 | 電子機器、実装基板、及び実装基板の製造方法 |
JP6138540B2 (ja) * | 2013-03-27 | 2017-05-31 | 日本電気通信システム株式会社 | トランスおよびその製造方法 |
-
1994
- 1994-08-29 JP JP22891294A patent/JP3582864B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0869928A (ja) | 1996-03-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3582864B2 (ja) | トランス | |
JP3251303B2 (ja) | スリットトランス | |
JPH05283248A (ja) | 高周波昇圧トランス | |
JP3469464B2 (ja) | インバータトランス | |
JP3598134B2 (ja) | トランス | |
JPH0534816B2 (ja) | ||
JPH08124773A (ja) | インバータトランス | |
JPH09306759A (ja) | コイルボビン | |
JPH0590928U (ja) | 高周波トランス | |
JPS6218016A (ja) | トランス | |
JP2987646B2 (ja) | 小形トランス | |
JPS5849614Y2 (ja) | フライバツクトランス用コイルボビン | |
JPH0244498Y2 (ja) | ||
KR200234413Y1 (ko) | 플라이백 트랜스포머의 고압보빈 터미널 단자부 | |
JPS6022581Y2 (ja) | フライバツクトランス | |
JPH06132147A (ja) | 昇圧トランス | |
JPS6244617Y2 (ja) | ||
JPS5938028Y2 (ja) | フライバツクトランス | |
JPH0831666A (ja) | トランス | |
JPS6334474Y2 (ja) | ||
JPS5940744Y2 (ja) | フライバツクトランス | |
JPS6244616Y2 (ja) | ||
JPS638094Y2 (ja) | ||
JPH073622Y2 (ja) | 変圧器用ボビン | |
JPS605747Y2 (ja) | フライバツクトランス |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040708 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040720 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040727 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |