JPS5935134B2 - 作動温度可変型熱応動装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は感温磁性体と永久磁石との組合わせによる熱応
動装置に関する。

従来より、この種の装置としては、受熱部に検出すべき
温度に対応したキュリ一点を持つフェライト等の感温磁
性体を固着し、この感温磁性体ｌこはこれより離れる方
向にばね部材で付勢した可動板に永久磁石を固着して対
向吸着させ、しかもばね部材の付勢力を、受熱部温度が
キュリ一点に達して感温磁性体の飽和磁束密度が所定値
まで減少した時永久磁石を可動板と共に感温磁性体から
引離すように設定しておくことにより、永久磁石の位置
変位で温度を検出するようにしたものが提供されており
、これは、例えば自動炊飯器用のサーモスタットとして
利用されている。

しかし、これまでのこの種の熱応動装置は、作動温度が
感温磁性体のキュリ一点にもとづく一つの値しか設定で
きないという欠点がある。

すなわち、例えば自動炊飯器用のサーモスタットとして
利用する場合、感温磁性体２の選定により作動温度は１
４０〜１５０℃の範囲内に設定されるが、この温度はあ
くまでも炊飯する量がある一定量であることを想定した
上での値であるため、炊飯する分量の多少により炊き上
がり具合にムラが生じ、たとえ一定量を炊飯するにして
も個々人によって炊き上がり具合には好みがあるにもか
かわらず、作動温度が一定のためこの好みを満足させる
ことができない。

本発明はこのような欠点に鑑み、作動温度が可変の熱応
動装置を提供しようとするものである。

不発明は受熱部に配置されるべき感温磁性体とこれに吸
引・離反可能なように対向して配置されるべき永久磁石
あるいは周囲にヨークを付設した永久磁石との対向距離
や磁路断面積等を変化させることができるようにして、
これらの間に作用する吸着力を変化させることにより、
一対の感温磁性体及び永久磁石で作動温度を可変ならし
めようとするものである。

以下、不発明による作動温度可変型熱応動装置を自動電
気炊飯器のサーモスタットとして利用した実施例につい
て説明する。

第１図は自動炊飯器底部への取付構造を示す。

本実施例における熱応動装置は、受熱板１の中央部に開
口１ａを形成してこの開口１ａに金属性、例えばＦ ｅ
−Ｎ ｉ −Ｃｒ −Ｃｏ系合金より成る感温磁性体
２をその一端面が露出するように反対端面を非磁性ある
いは常磁性の薄板３で被って固着し、これに対向して配
置されるべき永久磁石４をこの厚みよりわずかに深い凹
部を持つヨーク５を介して可動板６に固着した後可動板
６をばね部材７で感温磁性体２から離れる方向に付勢し
た上でケース８に収納して成る。

この装置は、ヒータ盤２０の中央開口に固着された支持
ケース２１内にばね部材２２により上方に突出するよう
な付勢状態で収納されて受熱板１と内釜２３とが圧接す
るようにされている。

９は内釜２３が外された時ケース８の突出を所定位置で
保持する保持脚でケース８の底部に数本膜けられ、先端
に形成したばね性の爪９ａを支持ケース２１底部の各対
応位置に設けたスリット２１ａに押圧挿入することによ
り、爪９ａがスリット２１ａの縁部で係止されるように
なっている。

動作を簡単に説明すると、ばね部材７の付勢力を従来同
様、室温での感温磁性体２と永久磁石４との吸着力より
小さな所定値に設定することにより、炊飯中は永久磁石
４が感温磁性体２と吸着し合う図示位置にあり、炊飯完
了により受熱部温度が上昇して感温磁性体２のキュリ一
点に達しその飽和磁束密度が急激に減少するとばね部材
７により永久磁石４は感温磁性体２から離れて可動板６
と共に下方の所定位置まで変位する。

１０は永久磁石４の位置変位をケース８外に伝達する作
動杆であり、その下端がスイッチ駆動及び復帰操作用の
レバー１１と連結されている。

これによって、作動杆１０が下動するとヒータ盤２０へ
の電源スィッチが開成され、また、一旦変位した永久磁
石４は温度低下後レバー１１押釦の押下により図示の位
置に復帰される。

さて、本実施例では作動杆１０に連結した温度設定レバ
ー１２で作動杆１０を介し可動板６とこれに固着した永
久磁石４及びヨーク５とを回転させるようにして、感温
磁性体２とヨーク５との磁路断面積を変化させることが
できるようにし、これによってこれらの間の吸着力を変
化させることによりばね部材７で引離す時の作動温度を
可変ならしめるようにしており、このことを第１図の熱
応動機構の分解図である第２図を参照して説明する。

なお、この図ではばね部材７及びケース８が省略されて
いる。

第２図において、感温磁性体２の外縁部に少なくとも数
十塵の角度に対応する切欠き２ａが２箇所形成され、こ
れに対応するヨーク５の口縁部にもそれぞれ切欠き５ａ
が形成されている。

可動板６の中央には、角棒状の作動杆１０の上端に軸部
を介して形成された角形突起１０ａが挿通できるような
孔６ａと突起１０ａが嵌合できるような四部６ｂとが形
成されており、突起１０ａを孔６ａに挿通させた後９０
°回転させて凹部６ｂに嵌合させてから永久磁石４及び
ヨーク５とを固着することにより、上下方向及び回転方
向に連結できるようにしている。

一方、温度設定レバー１２は杓子形の円形部中心に作動
杆１０と嵌合する孔１２ａが形成されていることにより
、作動杆１０と回転方向にのみ連結できるようにされ、
また孔１２ａの周囲には案内用の円弧状の細長孔１２ｂ
が形成されて外釜（第１図記号２４）の底部に設けた係
止部を兼ねるピン（図示省略）が挿入されることにより
、支持及び回転案内がなされる。

これによって、レバー１２を水平に回動させた時作動杆
１０を介して可動板６、ヨーク５、永久磁石４が水平に
回転して感温磁性体２とヨーク５との磁路断面積を変化
させることができる。

レバー１１は、作動杆１０の下端に形成された角形突起
１０ａ′が挿通できるような孔１１ａの縁部に作動杆１
０と突起１０ ａ’間の軸部が嵌合できるような細長孔
が設けられていることにより、作動杆１０と上下方向の
連結ができるようにされている。

これらの自動炊飯器への取付状態を第３図に概略的に示
す。

図において、レバー１１は軸支部１３を支点として上下
方向に変位し得るようにされて、特に作動杆１０の下動
時にスイッチ１４が開成され、温度設定レバー１２は作
動杆１０を中心に水平方向に回動し得るようにされてい
る。

さて、感温磁性体２と永久磁石４及びヨーク５との間の
吸着力がこれらの磁路断面積に比例し、対向距離に反比
例するので温度設定レバー１２を回動させることにより
感温磁性体２の切欠き２ａとヨーク５の切欠き５ａとが
対向しはじめる状態からヨーク５を回転させて対向部分
を大きくしてゆくと、回転角度に対応して吸着力が減少
してゆくことになり、ばね部材７による反発力は一定な
のでこのばね部材７で永久磁石４を感温磁性体２から離
反させる時の作動温度もレバー１２の回転角度に対応し
て低下することになる。

すなわち、吸着力が小さい場合には、感温磁性体２の温
度による飽和磁束密度の低下がわずかな温度域において
、吸着力が大きい場合には、飽和磁束密度の低下幅が大
きなより高温域において作動する熱応動装置となる。

したがって、感温磁性体２をそのキュリ一点が従来の設
定温度と同じものを用いても、吸着加変範囲の中心値の
設定如何により、熱応動装置の作動温度を従来の設定温
度を境とする一定範囲内で変化させることができ、あら
かじめレバー１２の回動位置と作動温度とを対応させて
おいて任意に温度設定ができるようにしておくことによ
り、炊飯量の多少にかかわらず一様な炊上がり具合で炊
飯でき、また好みに合った炊上がり具合の炊飯ができる
。

ところで、実施例では永久磁石４をヨーク５を介して可
動板６に固着しているが、ヨーク５は必ずしも必要では
なくしたがって感温磁性体２と永久磁石４とに切欠きを
設けて吸着力を変化させるようにしても良いし、感温磁
性体２を受熱板１とともに回転させるようにしても良い
。

以上説明してきたように、本発明によれば対向配置した
感温磁性体と永久磁石あるいはヨークにそれぞれ切欠き
を設けて、一方を回転させるという簡単な構造で可変温
度型の熱応動装置を提供することができる。

勿論、この熱応動装置は実施例のような自動法；飯器に
限らず、熱器具全般に適用できることは言うまでも無い
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明ｌこよる熱応動装置の取付構造を断面図
で示し、第２図は第１図の要部の分解斜視図、第３図は
自動炊飯器への取付構造を概略的に示した断面図である
。 １：受熱板、２：感温磁性体、４：永久磁石、５：ヨー
ク、？、２２：ばね部材、８：ケース、９：保持脚、１
０：作動杆、１１ニレバー、１２・ ：温度設定レバー
、２０：ヒータ盤、２１：支持ケース、２３：内釜、２
４：外釜。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 受熱部に配置した感温磁性体に対し、吸着・離反可
   能なように永久磁石あるいは周囲にヨークを付設した永
   久磁石による可動部材が対向配置され、該可動部材の中
   央部には作動杆が垂設されて成る熱応動装置ｌこおいて
   、前記作動杆を中心軸とする前記感温磁性体及び可動部
   材の同一円周上における少なくとも一箇所にそれぞれ、
   所定大の切欠きを設けると共に、前記感温磁性体及び可
   動部材のいずれか一方を前記中心軸に関して回転できる
   ようにして該回転に伴なって相互の吸着力が変化するよ
   うになし、もって作動温度を可変ならしめるようにした
   ことを特徴とする熱応動装置。