JPS5924114Y2 - 熱応動開閉器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はガス炊飯器、電気炊飯器等に使用される熱応動
開閉器に関するものである。

一般に、この種の熱応動開閉器はフェライト、整磁鋼等
の感温磁性体及びこの感温磁性体に対向して配置された
マグネットとを備え、感温磁性体とマグネットとの間の
吸着力が温度に依存して変化することを利用して、マグ
ネットを離反あるいは吸着させることにより開閉動作を
行なっている。

従来使用されている熱応動開閉器としては、受熱板の一
表面に固定されたもう一つのマグネット上に、感温磁性
体を取り付け、これら２つのマグネット間の反発力とマ
グネットと感温磁性体間の吸着力との相互関係によって
開閉動作するものがある。

この構成では、マグネットを通して、受熱板からの熱が
感温磁性体に伝達されるため、感温磁性体における熱応
答の遅延を避けることができない 一方、ガス又は電気炊飯器等においても、微妙な火加減
に相当するような段階的な温度制御を自動的に行えれば
より望ましいと考えられる。

この場合、各段階における熱応動開閉器の動作温度は正
確でなければならないから、熱応答性の良い熱応動開閉
器を使用する必要がある。

このため、熱応答性の悪い上述した形式の熱応動開閉器
は段階的な温度調節を行なうためには、不向きであると
考えられる。

本考案の目的は感温磁性体の応答の遅延を防止すること
ができる熱応動開閉器を提供することである。

本考案のより他の目的は段階的な温度制御を行える熱応
動開閉器を提供することである。

本考案によれば、受熱板と、それぞれ予め定められた極
性の磁極が受熱板の方向を向くように配置された移動可
能な複数個の第１のマグネットと、受熱板の一表面の第
１のマグネットと対向する位置にそれぞれ密着固定され
た複数個の感温磁性体と、各感温磁性体の内部に組込ま
れ、第１のマグネットの極性と同じ磁極面が第１のマグ
ネットの方向を向くように、第１のマグネットとそれぞ
れ対向して配置された複数個の第２のマグネットとを有
する熱応動開閉器が得られる。

この構成では、第２のマグネットは感温磁性体内に固定
されており、第１のマグネットが感温磁性体の表面に対
して、第２のマグネットとの間の離反力並びに感温磁性
体との間の吸引力により、離反及び吸着動作を行なう。

本考案においては、各感温磁性体が受熱板に対して直接
密着固定されているため、熱応答性の良い熱応動開閉器
を構成できる。

また、感温磁性体として、熱応答性の良いＦｅ、Ｎｉ、
Ｃｒ系合金を使用すれば、熱応答性をより改善すること
ができる。

以下、図面を参照して、説明する。

第１図を参照すると、従来の熱応動開閉器の一例は炊飯
器の内釜等の発熱部分からの熱を受ける受熱板１と、こ
の受熱板１と対向し、且つ、受熱板１に対して上昇ある
いは下降動作を行なう第１のマグネット２とを有してい
る。

第１のマグネット２は受熱板１に対して予め定められた
極性の磁極が向くように、配置されている。

受熱板１の第１のマグネット２との対向表面上に、第２
のマグネット３が固着されている。

第２のマグネット３は第１のマグネット２の磁性と同じ
磁性の磁極が第１のマグネット２を向くように、配置さ
れている。

これによって、第１及び第２のマグネット２及び３間に
は、互いに反発力が働く。

一方、第２のマグネット３上には、ソフトフェライト、
整磁鋼等の感温磁性体４が第１のマグネット２との間に
介在する形で搭載されている。

感温磁性体４は予め定められたキュリ一点を有し、この
キュリ一点以下の温度では、第１のマグネット２と感温
磁性体４との間に、両マグネット２及び３間の反発力よ
り大きな吸着力が働く。

第１のマグネット２は作動杆７を介して操作レバー８に
連結されている。

この構成では、受熱板１から伝達される熱によって、感
温磁性体４の温度がキュリ一点に達すると、第１のマグ
ネット２と感温磁性体４間の吸着力は両マグネット２及
び３間の反発力より弱くなる。

このため、第１のマグネット２は作動杆７とともに、下
方向に押し下げられ、操作レバー８を駆動することがで
きる。

しかし、感温磁性体４には、第２のマグネット３を通し
て受熱板１からの熱が伝達されるため、前述したように
、熱応答性の点で問題がある。

第２図を参照すると、本考案の一実施例に係る熱応動開
閉器は受熱板１の一表面に対向して設けられた移動可能
な複数個の第１のマグネット２を有し、各第１のマグネ
ット２は第１図と同様に作動杆７を介して操作レバー８
に連結されている。

第１のマグネット２はそれぞれ予め定められた極性の磁
極を受熱板１の方向に向けられている。

また、各マグネット２の表面は非磁性体の被膜９によっ
て覆われており、これによって、機械的衝撃によるマグ
ネット２の破損等を防止することができる。

一方、受熱板１の一表面上には、第１のマグネット２と
それぞれ対向して、Ｆｅ、Ｎｉ、Ｃｒ系合金によって構
成された複数個の感温磁性体（以下、金属熱素子と呼ぶ
）１１及び１２が設けられている。

この種の金属熱素子１１及び１２としては、例えば、特
願昭５２−１４７０４８号明細書に上げられたものを使
用できる。

これら金属熱素子１１及び１２は直接受熱板１の一表面
上に固着されている。

金属熱素子１１及び１２は互いに相異なる温度特性即ち
異なるキュリ一点Ｔ１及びＴ２をそれぞれ有し、ここで
は、金属熱素子１１のキュリ一点Ｔ１は金属熱素子１２
のキュリ一点Ｔ２よりも低いものとする。

尚、この実施例における各金属熱素子１１．１２はそれ
ぞれ保持板１３に内装される形で固定されている。

各金属熱素子１１及び１２の内側には、それぞれ第２の
マグネット３が組み込まれている。

第２のマグネット３はそれぞれ第１のマグネット２と対
向するように、各金属熱素子１１．１２の凹部に位置付
けられている。

この実施例では、第２のマグネット３を受熱板１に密着
させているが、受熱板１に密着させない構成にすること
も考えられる。

尚、第１及び第２のマグネット２及び３は金属熱素子１
１．１２より高いキュリ一点を有していることは言うま
でもない。

動作を説明すると、金属熱素子１１０キユリ一点Ｔ１よ
り低い温度では、第１のマグネット２はそれぞれ金属熱
素子１１．１２に吸着されている。

受熱板１の温度が上昇し、キュリ一点Ｔ１に達すると、
金属熱素子１１はその磁性を失い、第１のマグネット２
は金属熱素子１１から離間する。

これによって、第１のマグネット２に連結されている作
動杆７が下方向に移動し、操作レバー８が駆動される。

操作レバー８はヒーター回路あるいはガス供給部を一部
閉成する。

この状態は炊飯器について言えば、蒸らす状態に相当す
る。

その後、金属熱素子１２のキュリ一点Ｔ２に達すると、
第１のマグネット２が金属熱素子１２から第２のマグネ
ット３との反発力により離間し、ヒーター回路あるいは
ガス供給部を完全に閉成する。

本考案に係る熱応動開閉器は各金属熱素子が受熱板と直
接密着固定されているため、熱応答性が良い。

このため、動作温度のバラツキが少ないから段階的な制
御を正確に行なうことが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の熱応動開閉器を示す図及び第２図は本考
案に係る熱応動開閉器を示す図である。 記号の説明 １：受熱板、２：第１のマグネット、３：
第２のマグネット、４：感温磁性体、７：作動杆、８：
操作レバー、９：被膜、１１，１２：金属熱素子、１３
：保持板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱を受ける受熱板と、それぞれ予め定められた極性の磁
   極が前記受熱板の方向を向くように配置された移動可能
   な複数個の第１のマグネットと、前記第１のマグネット
   と前記受熱板との間に、それぞれ固定的に配置され、且
   つ、前記第１のマグネットの極性と同じ磁極面が前記第
   １のマグネットの方向を向くようにそれぞれ対向配列さ
   れた複数個の第２のマグネットと、前記受熱板に直接密
   着固定されると共に、前記第２のマグネットの前記磁極
   面をそれぞれ覆うように設けられた互いに温度特性の異
   なる複数個の金属熱素子とを備え、前記第１及び第２の
   マグネットはそれぞれ前記金属素子を介して対向した構
   造を有することを特徴とする熱応動開閉器。