JPS5934633B2 - 工事用エレベ−タの据付工法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、建築工事が下層から上層に順次移っていく過
程に合わせて、機械室を順次上方に移動させていく移動
機械室形エレベータＥこおいて、機械室の上方への移動
時すなわちエレベータ昇降路行程延長時の工法に関する
もので、更に詳細には巻上ロープの繰り出し方法ｔこ関
する。

近年、高層ビル建築技術の発達は目ざましく、これｆこ
伴って建築工事の効率向上のため建築工事の進行過程に
合わせ、昇降路（こ段階的に機械室を仮設し、この仮設
機械室ｌこてかとを運転し、昇降路等の工事を行なう工
事用エレベータが多く用いられている。

この場合仮設機械室の上方への移動の都度、前工程に要
した巻上ロープ（以下、単にロープという）を廃棄し、
新たに必要昇降行程分のロープをセットしていたのでは
、作業能率が低゛下するばかりでなくロープが無駄にな
るため、予め最終行程に必要な長さのロープを巻取って
おく巻取り装置と、ロープ繰り出し装置とを備え、機械
室の上方への移動と共ｌこ順次ロープを繰り出す方法が
一般にとられている。

第１図及び第２図により一般的な工事用エレベータの構
成と機械室移動時のロープ繰り出し方法を説明する。

建築物受梁１上ｔこ支持された仮設の機械室２にはロー
プ繰り出し装置３、ロープ巻取り装置４、巻上装置５及
びそらせ車６が、また上部には吊り上げフックＩが設け
られている。

ここでロープ繰り出し装置３はエレベータのサービス運
転時にはロープ８を保持してロープ８の繰り出しを阻止
し、機械室２の上方への移動時ｌこは保持力を緩めてロ
ープ８を繰り出し得る構造となっている。

ロープ８はロープ巻取り装置４より、ロープ繰り出し装
置３を経て釣り合い錘１１のシーブ１２、そらせ車６、
巻上装置５、かご９のシーブ１０へと掛は渡され、他端
が機械室２１こ到っている。

１３はバッファである。以上の構成１こおいて建築工事
が進行し、機械室２を距離Ａだけ上昇させる場合には、
第１図に示すようｌこまずかご９を機械室２の下部にチ
ェーンブランク１４等で吊り下げ、一方釣り合い錘１１
はピット下部まで下げて固定する。

次にロープ繰り出し装置３を調整してロープ８の保持力
を緩め、且つロープ巻取り装置４を回転可能とする。

しかる後機械室２並びにこれに吊り下げられたかと９を
タワークレーン１５等ζこよりフックＩを介して吊り上
げる。

この場合ロープ繰り出し装置３によるロープ８の保持力
をロープ８が自重で落下しない程度の値に保つと、タワ
ークレーン１５に過大な負荷を与えることなくロープ８
はロープ巻取り装置４より機械室２の移動に応じて自動
的に繰り出されることになる。

機械室２の移動後は第２図に示すように受梁１６により
機械室２を建物に固定し、次にロープ繰り出し装置３を
復旧してロープ８を保持し、チェーンブロック１４を徐
々に緩めて取り除き機械室の移動作業を完了する。

ところで上記のような方法によると、機械室２の移動と
ロープ８の繰り出しが同時に行なわれることになるが、
一般に建設用タワークレーン１５の巻上速度は早く、ま
たタワークレーン１５の操作者はロープ８の繰り出し状
況を直接確認することが困難であるため、例えばロープ
繰り出し装置３に何らかの異常が生じて、ロープ８が拘
束されたり或いはロープ８が必要以上に繰り出されて他
の機器に巻付く恐れも考えられ、非常ｌこ大きな危険と
困難とを伴うものであった。

本発明はこうした点に注目しなされたもので、機械室２
の移動作業とロープ８の繰り出し作業とを別々Ｉこ行な
うことによって、前述のような危険を防止して安全にロ
ープ８の繰り出しを行なえる方法を提供しようとするも
のである。

以下本発明による機械室移動作業の手順を第３図乃至第
６図により説明する。

まず第３図に示す如く、かご９をチェーンブロック１４
等により機械室２の下部に吊り下げ、更に釣り合い錘１
１を受梁１７等により建築物に固定する。

次に第４図に示す如くロープ繰り出し装置３を調整して
ロープ８の保持力を緩め、ロープ巻取り装置４よりロー
プ８を所定量繰り出した後、タワークレーン１５により
吊り上げフック７を介して機械室２をかと９と共に一体
で、ロープ８のたるみがなくなるまで吊り上げると第５
図の状態となる。

以下第４図の状態と第５図の状態を交互に繰り返しなが
ら機械室２を所定の位置まで吊り上げる。

この場合ロープ巻取り装置４からロープ８を繰り出す操
作は安全上、遠隔操作方式等Ｉこより機械室２の外部よ
り行なうのが望ましい。

機械室２を所定の位置まで吊り上げた後は第６図に示す
如く受梁１６により機械室２を建物に固定し、タワーク
レーン１５を機械室２より切離す。

その後ロープ繰り出し装置３を復旧してロープ８を保持
し、ロープ８が繰り出し得ない状態であることを確認し
て釣り合い錘１１を固定している受梁１７を外し、チェ
ーンブロック１４を徐々に緩めて取り除き機械室の移動
作業を完了する。

以上のように本発明によれば、機械室２の移動とロープ
８の繰り出し作業とを別々に行なうため、前述のような
危険性を有することなく安全にロープ８を繰り出すこと
ができ、更に機械室２の吊り上げ時Ｉこはロープ８は予
め繰り出されているため、クレーン１５にはロープ繰り
出しの抵抗負荷がかからず、その分だけクレーン１５の
容量が小さくて済むなどの利点を肴する。

なお上記の実施例ｔこおいて、かご９と釣り合い錘１１
とを入れ替えても同様の手順、方法で実施が可能である
。

【図面の簡単な説明】

第１図は工事用エレベータの一例を示す全体図、第２図
は第１図の機械室上昇後を示す図、第３図乃至第６図は
本発明によるロープ繰り出し方法の手順を示す図。 Ｌ１６，１７・・・・・・受梁、２・・・・・・機械室
、３・・・・・・ロープ繰り出し装置、４・・・・・・
ロープ巻取り装置、５・・・・・・巻上装置、８・・・
・・・巻上ロープ、９・・・・・・かご、１１・・・・
・・釣り合い錘、１４・・・・・・チェーンブロック、
１５・・・・・・タワークレーン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ かと、釣り合い錘、巻ド装置、巻上ロープ、この巻
   上ロープの余剰部分を巻取っておくロープ巻取り装置及
   びロープ繰り出し装置とを備え、建築工事進行過程ｌこ
   あわせて昇降路ｌこ段階的に機械室を仮設し、この機械
   室の上方への移動時には前記巻上ロープをロープ繰り出
   し装置を介してロープ巻取り装置より繰り出す工事用エ
   レベータにおいて、巻上ロープの繰り出しはかと又は釣
   り合い錘のいずれか一方を機械室に吊下げ、他方を建築
   物に固定した状態で行ない、且つ機械室の移動前に行な
   うことを特徴とする工事用エレベータの据付工法。