JPS5934229Y2 - スピ−カ−ボックスの前置板取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スピーカーボックスの前面を被う前置板を着
脱自在に取付けるための取付装置に関する。

既に知られている如く市販されているスピーカーボック
スのある種のものには使用の際スピーカーボックスの前
面に取付くネットで覆われた前置板を任意に取脱せるよ
うにしたものがある。

一般にこの種製品は音響器機としての性能は勿論のこと
、商品としてその外観も極めて重要な要素となることか
らボックス本体に対して前置板の取付状態、つ１りその
固定具が外見されないことが望１しく、したがって従来
のこの種固定具は前置板の背面に隠れる構造のものがそ
のほとんどを占めていた。

例えばその代表的なものは、係合する軸を備えた雄部材
と、この軸を抱持する雌部材とからなるスナップ式に係
合し合う固定具である。

この固定具は雄部材を前置板の背面に取付け、雌部材を
ボックス本体側に取付けて雄部材の軸を雌部材の懐に突
入させることにより前置板をボックスの前面に止着でき
るようにした構造に係っている。

この構造の固定具は止着状態において前置板の背面に完
全に隠れ、外見されない点で所期の目的を達成すること
ができる。

しかし、上記固定具は前置板を止め付けるためボックス
本体と前置板との間に複数個用意されるのが常であり、
このため夫々の固定具の雄部材と雌部材の取付位置が他
の固定具の取付位置と正確に一致しなければならず相互
の取付位置がずれると係合しなかったり或はボックス本
体に対して前置板が歪んで取付いたりする問題が生ずる
。

また、軸を抱持する構造の上記固定具は雌部材側の係市
許容範囲が比較的狭く、軸の係合部と抱持部が正確に噛
み合わないと完全に係止できないことがあり、また＝般
に構造上雄部材を引き寄せる力に乏しく、したがって雄
部材の軸と雌部材の抱持部が一旦正確に噛み合うと、仮
に前面板がボックス本体から浮き上った状態にあっても
これを引き付けることができない等の問題があった。

本考案はこの様な点に鑑み考案されたもので、ボックス
本体、つ１シ基体側に取付ける係止部材を取付面の前面
に突設して前面板を止着した状態において、その一部を
前置板の側縁部に露出させ、且つこれに係合する係合部
材を前置板の縁部背面の対応する位置に設けて、この両
部材の一側面同志を対向させると共に、これら相対向す
る側面の一方には弾性係合片を、また他方にはこれを受
ける係合部を夫々備えて互いに係脱自在に係合させるこ
とにより、基体に対して前方より押込１れる板材をその
側縁部で捕え、上記弾性係合片と係止部との弾力的な噛
み合いによってこの板材を基体の表面に引き寄せられる
ようにしたスピーカーボックスの前置板の取付装置を提
供せんとするものである。

また本考案は上記係止部材を基体の前面に予じめ突き出
すように取付けることによって板材との関係位置を明確
にして複数個の固定具を用いて板材を取付ける場合にあ
っても板材が歪んで止着されたり、或は脱落したりする
ことがないようにした取付装置を提供せんとするもので
ある。

以下、本考案を図示する実施例につき説明すると、第１
図乃至第３図は本考案の一例を示したもので、図中の符
号１は係止部材、２は係合部材を示す。

この実施例における両部材は熱可塑性合成樹脂で夫々一
体に成形し、一方の係止部材１は下面を開放させた酸形
に形成し、他方の係合部材２は上面を開放させた皿形に
形成しである。

係止部材１は酸形に形成した主体の上面板部１ａの下面
より二本の脚３，３を垂設し、主体の下方に突き出す両
脚端部に複数の断面逆止爪形をなす環状の係止爪４・・
・を各備えており、この脚端をボックス本体Ａの前面ａ
に穿つ盲孔５，５に突き入れることによって前面ａ上に
突き出すように取付けられるようにしである。

そして、との係止部材は上記前面ａに対し垂直に臨む一
側面１ｂの中央部に面を内方に屈曲させて窪み６を形成
し、更にこの窪みの上側淵部６ａを窪みの底部に向って
傾斜面に形成して前記上面板部１ａとで断面直角三角形
状をなす係合部７を形成している。

一方、皿形をなす係合部材２は下面板部２ａの左右縁部
に木ネジ８を通すための透孔９，９を備えると共に、こ
の係合部材の周縁を囲む一側面２ｂの中央部にこの側面
の一部を切離して上記下面板部２ａの縁部から側方に突
き出すように延設させた係止片１０を備える。

上記係止片１０は側方に突き出す長さの途中を腰折れ状
に屈曲させて片の半程から先の部分を上記側面２ｂと並
行させてあり、外力を受けたとき素材の弾性により側面
２ａの内方に撓み、常には上記並行した状態に復元でき
るようにしである。

この様に形成された上記二つの部材１，２はこの実施例
では四組用意され、一方の係止部材１・・・は夫々図示
するようにスピーカーボックスＡの前面ａの四隅に穿つ
盲孔５，５に前述した様に脚３゜３の脚端を無理に突き
入れることによって夫々−側面１ｂを内側に向けて取付
けられ、！た他方の係合部材２・・・は上記係止部材１
を避けるため切欠いた前置板Ｂの四隅の切欠き部ｂ・・
・の裏面部に背後から添わせると共に前記係止片１０を
設けた一側面２ｂをこの切欠き部の縁に揃え、前記形成
した透孔９に木ネジ８を通しネジ込むことによって該前
置板Ｂの裏面に取付けられる。

従って、上記構成から、スピーカーボックス本体の前面
ａに前置板Ｂの背面を向け、その四隅の切欠き部ｂ・・
・に係止部材１・・・を受は入れる様に位置を合せて押
込むと、切欠き部すに係止部材１を受は入れると同時に
、この切欠き部の背面に取付けた係合部材２の各係止片
１０が係止部材の側面１ｂの各上側縁、つ１り係合部７
に当接することから、更にそのまＸ無理に押込むと、各
係止片１０・・・は素材の弾性によって一旦内方に撓ん
でこの保合部７を乗り越えると同時に弾性によって再び
姿勢を復元させるため、傾斜した上側淵部６ａを滑りな
がら窪み６に入り込み、この淵部６ａに係止片の先端を
引っ掛けるようにして係合し、前置板を固定することに
なる。

図面第３図は上記係止部材１に係合部材の係止片１０を
掛は止めてスピーカーボックス本体の前面に前置板Ｂを
取付けた上記の状態を示す拡大断面図で、この図面に示
されるように両部材１，２が係合したとき、上記係止片
１０が保合部７の傾斜面６ａに係合するようにスピーカ
ーボックス本体の前面に取付けられる係止部材１の係合
部７の高さと、前置板Ｂの背面に取付けられる係合部材
２の位置を設定すると、係合時常に係止片１０のバネ力
が上記傾斜面６ａに作用し、との係止片を窪み６の底部
に滑り込！せようとすることから前置板Ｂをスピーカー
ボックスの前面ａにしつかり固定することができる。

ところで、本実施例では図示するように係合部材２の脚
３，３の周面に形成される係止爪４・・・を貫いて長さ
方向のスリット４′を設けであるが、このスリットは脚
３，３を盲孔５，５に嵌入する際、固着用の接着剤を使
用したとき、この接着剤が各係止爪４・・・に隔てられ
た谷の部分に容易に流動進展するためのものである。

以上本考案を図示の実施例につき説明したが、スピーカ
ーボックスの前面に前置板を固定する場合、基体側に取
付ける係止部材をその前面より突出するように設け、他
方の係合部材を前置板の縁部背面に取付けて相互に一側
面同志を向い合せにし、且つこの対向面に相互に係合す
る係止片と係合部を設けて弾力的に噛み合せることによ
って実質的に上記前置板の側縁を保持し、且つ係止片の
弾性によってこの前置板を基体の前面に引き寄せるよう
に固定することから、常に密着した状態に取付けること
ができ、従って音響製品であるスピーカーボックスの前
置板を取付ける場合には極めて効果的である。

そして、本考案は上記前置板を固定する場合、前置板の
大きさが取付ける前面の大きさに予じめ特定される場合
にはその幅員に合せる１でもなく個々の係止部材を上記
前面の隅部に設ければよく、極めて簡単に位置の選定が
行えると共に、この場合前置板に取付けられる係合部材
との間に多少の位置の誤差を生じても両部材の一方に備
えられる係止片がバネ性をもってその誤差を吸収するた
め係止できなかったり或はガタを生じたりすることがな
い。

また本考案は係止部材がスピーカーボックス本体側に固
定され、前置板はとの係止部材に挾１れるように収めら
れることから側方から衝撃を受けた場合でも、脱落する
ようなことがない。

特に本考案は上記の様に固定具本来の効果と合せてその
構成の一部が露出することから、従来のこの種固定具と
は異った意匠感を呈し、製品に新味を与える効果もある
。

尚、前記実施例では係止部材及び係合部材を酸形と皿形
形状に形成したが、これは合成樹脂による成形上の都合
と材料節約によるもので具体的形状はこれらに限定され
るものではない。

た譬本考案を前述の如くスピーカーボックスの前置板全
取付けるため、その各コーナ一部に備える場合にはコー
ナーに臨む係止部材の側面１ｃを傾斜面に形成すると、
スピーカーボックスの姿勢を縦横に転がして変える場合
、床面にすり付けることがなくなるので損傷の危険から
有効に保護することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したもので、第１図は係止
部材と係合部材の取付けを説明する斜視図、第２図は上
図の要部拡大斜視図、第３図は係合状態を示す要部拡大
縦断面図である。 １は係止部材、１ｂは係止部材の一側面、２は係合部材
、２ｂは係合部材の一側面、６は窪み、７は係合部、１
０は係止片である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スピーカーボックスＡの前面ａの四隅に固定されるブロ
   ック状の係止部材１と、前置板Ｂの四隅に各形成する切
   欠き部すに一側面を臨１せ該前置板Ｂの背面に固定され
   る係合部材２とからなり、上記係止部材１は相向い合う
   側面にスピーカーボックスの前面す側に向って傾斜する
   傾斜面６ａを有した係合部７を備え、他方上記係止部材
   ２には上記切欠き部に臨んだ一側面に弾性係止片１０を
   備えて、前置板Ｂの四隅の切欠き部すを前記係止部材１
   に対応させてスピーカーボックスの前面ニ押付は受は入
   れることにより係止部材１の係合部１に係合部材２の弾
   性係合片１０を弾力的に係合させスピーカーボックスの
   前面ａに前置板を係脱自在に止着するようにしたスピー
   カーボックスの前置板取付装置。