JPS5932469Y2 - 溶接用治具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、溶接トーチに対し被溶接物であるパイプとフ
ランジを位置ぎめし、かつ回転させる溶接用治具に関す
るものである。

従来、この種の溶接用治具では、パイプとフランジをそ
れぞれ回転軸上に固定する２つのクランプ装置と、１周
溶接後回転軸を定位置に止めるための位置ぎめ装置を動
作させるために別々の駆動源（たとえばエアーシリンダ
）を備えていた。

このため、上記各装置の動作タイミングの調整に多くの
時間と労力を要するばかりでなく、駆動源が多く、その
制御系統（特にインタロック）が複雑になるため、原価
高になり、保守も大変であった。

本考案は上記の点にかんがみ、駆動源を極力少くし制御
系統を簡単にして原価低減と保守の容易化を計ったもの
である。

以下、本考案の実施例を図面を用いて説明する。

第１図および第２図に示すように、被溶接物であるパイ
プ１とフランジ２はあらかじめ嵌め合わせた状態で治具
にセットされる。

中空軸６は軸受２２で回転用能に支持され、この内側に
はベース３に固定された駆動源（エアーシリンダ）によ
り前後運動を与えられるスライド軸５が挿入されている
。

このスライド軸５は中空軸６と共に回転する。

中空軸６の上部には径方向に出入りするインナクランプ
駒１が装着されており、このインナクランプ駒Ｔはスラ
イド軸５の前進（上昇）時にそのテーパ面５ａで押され
て拡開しパイプ１を中空軸６上に位置ぎめ固定する。

クランプ力のバランスをとるためインナクラン７”駒１
は円周上の３個所に配置されており、それらを取巻くば
ね８によってスライド軸５の後退（下降）と同時にもど
る。

フランジ２は中空軸６に取付けられた受は板９上にセッ
トされる。

受は板９上に支点１２ａを有するクランプレバ−１２は
スライド軸５に固定されたアーム１０とリンク１１で結
合され、スライド軸５の前進時にこのクランプレバ−１
２に取付けられたクランパ１３がフランジ２を受は板９
の上に位置ぎめ固定する。

クランパ１３は、インナクランプ駒Ｔと同様に円周上の
３個所に配置され、片当りを防ぐために軸１４をガイド
とするばね１５を介してフランジ２に押し付けられろ。

軸１４は抜は止めリング１６によりクランプレバ−１２
からの抜は出しを止められている。

パイプ１とフランジ２を中空軸６上に位置ぎめしたまま
回転させるため、ベース３上に固定された駆動モータ２
１からクラッチ１９およびギヤ１７．１８を介して中空
軸６に回転が伝達される。

クラッチ１９はベース３上のブラケット２０に固定され
た電磁石３１により操作される。

中空軸６００回転に、駆動機４のピストン２３を回転さ
せずにスライド軸５を中空軸６と共に回転させるため、
ピストン２３に連結したブラケット２５とスライド軸５
の間に軸受２４を設けである。

２６は軸受カラー、２１は軸受抜は止めリングである。

また、中空＠６を１回転終了後定位置で止めるため、ス
ライド軸５にアーム２８を介して位置ぎめピン２９が連
結されており、中空軸６が１回軸するとスライド軸５の
後退運動によりパイプ１とフランジ２のクランプが解放
されるのと同時、位置ぎめピン２９が静止部に設けられ
たストッパ３０の位置ぎめ穴３０ａに係合して中空軸６
を定位置に位置ぎめする。

このとき、クラッチ１９は解放され中空軸６をフリーの
状態としている。

クラッチ１９の解放およびスライド軸５を後退させる駆
動源４の動作は中空軸６の１回転終了を検知するリミッ
トスイッチ（図示せず）によって行なわれる。

３２は定位置に固定された溶接トーチである。パイプ１
とフランジ２が、先に説明したようにインナクランプ駒
１、クランパ１３により位置ぎめ固定されると、電磁石
３１の動作によってクラッチ１９が入り、駆動モータ２
１の回転が中空軸６に伝達される。

そして、中空軸６が１回転する間に溶接トーチ３２によ
ってパイプ１とフランジ２の溶接が行なわれる。

１回転終了後、リミットスイッチ（図示せず）の動作に
より電磁石３１の励磁が切れてクラッチ１９が解放され
ろと共に、駆動源４はスライド軸５を後退運動させ、パ
イプ１とフランジ２のクランプを解放する。

先に説明したように、このとき位置ぎめピン２９とスト
ッパ３０の係合によって中空軸６は丁度１回転した定位
置に位置ぎめされる。

このため、中空軸６は毎回必ず定位置から始動し、始動
位置のずれにより溶接が不完全のまま終ることがない。

クランプ解放時にクランプレバ−１２は外側に開き被溶
接物１，２の取外しを可能にする。

以上説明したように本考案によれば、パイプとフランジ
を中空軸上に位置ぎめ固定するクランプ動作と、１回転
終了後中空軸を定位置に止める位置ぎめ動作が１つの駆
動源によって行なわれるので、機構的に簡単になるばか
りでな（、上記各動作のタイミングを合わせろための調
整や電気的インタロックが不要で制御系統も簡単になり
、したがって安価で保守の容易な溶接用治具を提供する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の縦断面図、第２図は第１図
Ａ−Ａ部の断面図である。 １・・・・・・パイプ、２・・・・・・フランジ、４・
・・・・・駆動源、５・・・・・・スライド軸、６・・
・・・・中空軸、１・・・・・・インナクランプ駒、９
・・・・・・受は板、１１・・・・・・リング、１２・
・・・・・クランプレバ−１２ａ、１２の支点、１３・
・・・・・クランパ １９・・・・・・クラッチ、２１
・・・・・・駆動モータ、２９・・・・・・位置ぎめピ
ン、３０・・・・・・ストッパ、３２・・・・・・溶接
トーチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 溶接トーチに対し被溶接物であるパイプとフランジを位
   置ぎめし、かつ回転させる溶接用治具において、回転用
   能に支持された中空軸と、該中空軸の内側にこれと共に
   回転できろように挿入されたスライド軸と、該スライド
   軸を前後運動させる駆動源と、該スライド軸の前進運動
   により拡開され前記パイプを前記中空軸に固定するイン
   ナクランプ駒と、前記中空軸に取付けられた受は板と、
   該受は板上に支点を有し前記スライド軸にリンク結合さ
   れたクランプレバ−と、該クランプレバ−に取付けられ
   前記スライド軸の前進運動によって前記フランジを前記
   管は板上に固定するクランパと、前記中空軸に駆動モー
   タの回転を伝達し前記中空軸の１回転終了時に解放され
   るクラッチと、前記スライド軸に連結された位置ぎめピ
   ンおよび静止部に設けられたストッパを備え、前記クラ
   ッチの解放と同時に行なわれる前記スライド軸の後退運
   動により前記位置ぎめピンとストッパが係合して前記中
   空軸を定位置に位置ぎめするよ５にしたことを特徴と、
   する溶接用治具。