JPS5931077Y2 - Ｆｍステレオ受信機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はＦＭステレオ受信機に関し、特に電界強度の低
下に対して良好なＳ／Ｎを維持するＦＭステレオ受信機
に関するものである。

ＦＭ放送波は地形等の影響に大きく左右され易く電界強
度が大幅に変化する。

従って、特に車載用ＦＭ受信機においてはスキップノイ
ズが発生したり、マルチパスの影響をうけよって特に弱
電界強度ではＳ／Ｎが著しく低下するという欠点がある
。

このような欠点を除いて弱電界強度時においてもある程
度のＳ／Ｎを維持すべく、予め定められたレベルまでア
ンテナ入力が低下するとスイッチング的にステレオから
モノラルモードへ切換わる回路を設け、また、更にレベ
ルが低下するとこれまたスイッチング的に高域を減衰さ
せるｆ特コントロール回路を設けており、なおレベルが
低下するとこれまた同様にスイッチング的に出力信号を
断とするミューティング回路を設けている。

かＳる方式とすることにより、ある程度のＳ／Ｎの改善
は可能ではあるが、上述の各回路がすべてスイッチング
的に動作するものであるからＳ／Ｎの改善は段階的にし
かなされない欠点がある。

すなわちある程度入力レベルが低下すると、ステレオモ
ードからモノラルモードへ直ちに切換わり、更にレベル
が低下すると高域を予め定められた量だけ減衰させ、ま
たそれ以上レベルが低下すると出力信号をミューティン
グするという構成のために、各切換わりの動作点におい
てのみＳ／Ｎが改善され、各動作点の間においてはやは
りＳ／Ｎは入力レベルの低下に伴って連続して悪化する
ことは避けられず、また各動作点における出力信号状態
の変化が大きくユーザに対して異和感を与える。

本考案の目的は電界強度の連続した変化に対しても大略
一定のＳ／Ｎを確保しかつ従来における如き出力信号状
態が急激に変化することのないＦＭステレオ受信機を提
供することである。

本考案によるＦＭステレオ受信機は、電界強度の検出値
が第１の値以下になったときに左右チャンネル信号のセ
パレーションを連続的に変化させ、上記検出値が上記第
１の値よりも低くかつセパレーションコントロール範囲
内の第２の値以下になったときに再生信号に対する周波
数特性を連続的に変化させ、また、上記検出値が上記第
２の値よりも低くかつセパレーションコントロールによ
るモノラル動作モード近傍の第３の値以下になったとき
に再生信号レベルを連続的に変化させるよう構成したも
のである。

以下本考案について図面を用いて説明する。

第１図は本考案の一実施例を示すブロック図であり、ア
ンテナ１からの入力ＲＦ（高周波）信号はフロントエン
ド部２において増幅されＩＦ（中間周波）信号に変換さ
れる。

□・しかる後にＢＰＦ（バンドパスフィルタ）３を介し
てリミッタ機能を有するＩＦアンプ４へ入力されて、例
えばクワドラチャ検波構成のＦＭ検波回路５に印加され
る。

この検波回路５においてコンポジット信号に変換された
信号はアンプ６にて増幅後、電子式ボリューム構成の可
変減衰器７を介して左右チャンネル信号を得るＭＰＸ（
マルチプレックス）得調回路８へ印加される。

この左右チャンネル信号はセパレーション（分離度）を
制御するためのセパレーションコントロール回路９に印
加され、更に高域レベルを減衰させるｆ特（周波数特性
）コントロール回路１０を通って左右チャンネル信号が
出力される。

一方、電界強度に比例したレベルを検出すべく、ＩＦア
ンプ４のＩＦ信号レベルがＡＭ検波構成のレベル検出回
路１１により検出され、そのレベルに応じた検出信号が
次段のレベル設定回路１２及び１３へそれぞれ印加され
る。

レベル設定回路１２の出力信号は制御信号発生回路１４
へ入力されてＩＦレベルに対応したコントロール信号Ａ
となる。

レベル設定回路１２の設定によって入力信号レベルがあ
る値以下に低下したときに可変減衰器１の減衰動作を開
始させ、更にレベルが低下した場合にそのレベルに応じ
て減衰量を連続して可変するように、これら減衰器７、
レベル設定回路１２及び制御信号発生回路１４は構成さ
れる。

また本例においては、アンプ６の出力を例えば平滑整流
する等してＦＭ検波回路５の直流出力レベル変動を周波
数ズレ検出回路１５により検出し、離調時や選局時に制
御信号発生回路１４を動作させて可変減衰器７を例えば
減衰量が無限大になるよう制御し、いわゆるミューティ
ングをかけるよう構成している。

他方のレベル設定回路１３の出力は時定数回路１６へ入
力され立上り及び立下り時間が適当に制御された制御信
号Ｂが得られ、この信号Ｂによりｆ特コントロール回路
１０の周波数レスポンスが可変される。

また時定数回路１６の出力Ｂはレベル制御回路１７にお
いて適当なレベルに変換されてセパレーションコントロ
ール回路９の分離度調整信号Ｃとなる。

レベル設定回路１３の設定によって入力信号レベルがあ
る値以下に低下したときに先ずセパレーションコントロ
ール回路９が動作して、更にレベルが低下したときにそ
のレベルに応じて分離度を連続的に悪化させモノラルモ
ードにまで制御するようになし、また、次にｆ特コント
ロール回路が動作して入力レベルの低下に応じて高域の
減衰量を増大させるようにする。

尚、時定数回路１６は先述した如く制御信号の立上り及
び立下り時間を適当に制御してアタックタイム及びリカ
バリタイムの選定をなすと共に、マルチパス等によりア
ンテナ入力レベルが常時変化している場合に、この変動
の中心レベルでセパレーション及びｆ特の各コントロー
ル回路を制御するものである。

第２図乃至第５図を用いて第１図の回路の動作を説明す
る。

先ず第２図は制御電圧Ｃに対するセパレーションコント
ロール回路９のコントロール特性を示すもので、実線が
Ｒチャンネル、点線がＬチャンネルの分離度特性である
。

第３図は制御電圧Ｂに対するｆ％コントロール回路１０
のコントロール特性を示すもので、１０ＫＨｚに対する
減衰特性である。

第４図はアンテナ入力レベルに対する可変減衰器７のコ
ントロール特性を示すもので、実線が非動作時の減衰特
性、点線が動作時の減衰特性である。

こ＼で、レベル設定回路１２及び１３を適当に設定して
、アンテナ入力レベルが４５ｄＢ／μ■になるとセパレ
ーションコントロール回路９が先ス動作を開始し、その
レベルが２５ ｄＢ／ｌｌＶになるとモノラルモードと
なるようにし、またアンテナ入力レベルが３５ｄＢ／ｌ
ｌ■になるとｆ特コントロール回路１０が動作して１５
ｄＢ／μＶになるまで高域の減衰量が増大するようにし
、更にアンテナ入力レベルが２５ｄＢ／μＶに至ると可
変減衰器７が動作して以後連続的に減衰量を増大するよ
うになす。

かくすることにより、入力レベルの低下に応じて各回路
の動作開始点から連続して各回路の特性を第２図〜第４
図に示すように変化させるようにすることができる。

第５図は入力レベルと出力信号のノイズレベルとの関係
を示す図であり、曲線ａは全ての制御回路を非動作とし
た場合を示し、曲線すはｆ特コントロール回路のみが作
動した場合を示し、曲線ｃはセパレーションコントロー
ル回路のみが作動した場合を示し、曲線ｄはｆ特及びセ
パレーションコントロール回路ヲ共に作動可能とした場
合を示し、曲線ｅは可変減衰器を含むすべてのコントロ
ール回路を作動可能とした場合であって本考案の場合の
特性である。

図からも明白な如く、本考案によれば電界強度の大小に
か＼わらず略一定の良好なＳ／Ｎを確保しかつ各コント
ロール回路を連続的に制御するものであるから従来の如
き出力信号状態の変化に対する異和感は生じないことに
なって好都合である。

尚、上記の数値は単に一例を示したものであり、これに
限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すブロック図、第２図は
セパレーションコントロール回路の特性図、第３図はｆ
特コントロール回路の特性図、第４図は可変減衰器の特
性図、第５図は本考案の総合特性を説明する図である。 主要部分の符号の説明、７・・・・・・可変減衰器、９
・・・・・・セパレーションコントロール回路、１０・
・・・・・ｆ特コントロール回路、１１・・・・・・レ
ベル検出回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電界強度を検出するレベル検出回路と、このレベル検出
   回路の検出値が第１の値から下になったときに動作して
   左右チャンネル信号がセパレーションを連続的に変化さ
   せるセパレーションコントロール回路と、上記レベル検
   出回路の検出値が上記第１の値よりも低く、かつ上記セ
   パレーションコントロール範囲内の第２の値以下になっ
   たときに動作して再生信号に対する周波数特性を連続的
   に変化させる周波数特性コントロール回路と、上記レベ
   ル検出回路の検出値が上記第２の値よりも低い上記セパ
   レーションコントロール回路のモノラル動作モード近傍
   の第３の値以下になったときに動作して再生信号レベル
   を連続的に変化させる可変減衰手段とからなるＦＭステ
   レオ受信機。