JPS5929378B2 - 自動工具交換装置における工具予熱装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、工作機械の自動工具交換装置において、待機
中の次加工工具を予熱する装置に関するものである。

一般に、切削加工時に発生する熱は、その大半が切屑に
よって持ち去られるが、それと同時に工具の温度をも上
昇させ、工具に熱膨張を生じさせ、工作機械の加工精度
の低下を引き起こす一因となる。

本発明は、上記の如く切削熱による工具の温度上昇の加
工精度への影響を防ぐためのものであり、次工程のため
に待機中の次加工工具を加工中工具の平均温度になるよ
うに加熱して一定の温度に保持することにより、現工程
の終了後に次工程の加工を開始した時の加工精度と、経
時後の加工精度とをはソ同一にすることを目的としたも
のである。

以丁に本発明の一実施例を図面に基いて説明すると、１
は自動工具交換装置で、これは、工具貯蔵機構（図示せ
ず）と、これと主軸３との間で工具Ｔ１ｙＴ２の受渡し
を行なう工具受渡し機構４と具えている。

前記工具受渡し機構４は、工具貯蔵機構本体（図示せず
）より突出されたレール５と、該レール５に設けられた
二本のガイドバー６に沿ってＡ方向に左右動可能な摺動
台１と、この台の上部に固定された軸受部８と、該軸受
部にＢ方向の縦軸周りに回転自在でかつＣ方向に上下動
可能に嵌着されたアーム縦軸９と、該軸の上端に取付け
られた交換アーム１０と、該アームの両端部に形成され
工具保持部１１の環状溝１１ａＫｉ脱自在に嵌合し得る
グリップ１２とから構成される。

また１３はＤ方向に左右動可能でかつＥ方向に上下動可
能とされた主軸頭である。

なお、この受渡し機構４では、工具貯蔵機構から交換ア
ーム１０にて取出された次加工工具Ｔ２は、前記レール
５の中央部付近の工具交換待機位置Ｆへ搬送されて待機
するようにされ、レール５の右側部の工具交換位置Ｇで
加工済の工具と交換されるように設定されている。

そして、本発明に係る工具予熱装置は、前記工具交換待
機位置Ｆに設けられている。

即ち、前記予熱装置は、工作機械本体の左右両コラム間
の中央部に固定されたフレーム１４と、該フレームに固
定されて前記交換アーム１０及び工具ＴＩ、Ｔ２が通過
可能な窓孔１５が左右両側に穿設されたハウジング１６
と、該−・ウジングの内側壁に取付けられた四本の電気
発熱体１７と、該ハウジング１６内の雰囲気を所定の温
度に保持するために該発熱体１７と直結して発熱体１γ
の作動及び作動停止を繰り返すよう設定されたタイマー
（図示せず）とから構成されている。

なお、１８は工作用テーブル本体、１９はその上に載置
された被加工物である。

次に、この自動工具交換装置及び工具予熱装置の作用を
説明すると、まず、摺動台Ｉをレール５上を摺動させて
、第１図のレール５の左側に位置する工具貯蔵機構（図
示せず）に近接させ、交換アーム１０の左側グリップ１
２を次加工工具の環状溝１１ａに嵌合して次加工工具を
取出した後、工具交換待機位置Ｆまで摺動台１を移動さ
せて停止させる。

このとき、次加工工具Ｔ２は、ノ・ウジフグ１６直下に
位置するので、工具が発熱体１１によって囲まれるよう
に、アーム縦軸９をＣ方向に少し上動させて停止させ、
工具をノ・ウジン苅６内に収納する。

ここでタイマー（図示せず）にてあらかじめ加熱時間を
設定しておき、加熱及び加熱停止を繰り返すことにより
現工程が終了するまで、次加工工具を加工中工具の平均
温度に加熱保持する。

そして現工程が終了すれば、主軸頭１３をＥ方向に上動
した後、Ｄ方向に左動させ工具交換位置Ｇ上に移動させ
る。

次いで、交換アーム１０を工具交換待機位置Ｆから工具
交換位置Ｇへ水平移動する。

そして交換アーム１０の右側グリップ１２を加工済工具
の環状溝１１ａに嵌合してから縦軸９を下動させること
により、主軸３から加工済工具を取外すとともに、交換
アーム１０をＢ方向に半回転して主軸３直下に次加工工
具Ｔ２を位置させてから縦軸９を上動させて主軸３に取
付ける。

主軸３はり、Ｅ方向に移動して加工を開始する。

なお、取外された加工済工具は、交換アーム１０をＣ方
向に少し下動させてから摺動台ＩをＡ方向に左動し、・
・ウジング１６の窓孔１５を通過させて工具貯蔵機構に
搬送して収納する。

次に第３図に示す本発明の他の実施例について説明する
と、これは、上記実施例の如く発熱体を工具受渡し機構
に設ける代わりに、発熱体を工具貯蔵機構に設けた例を
示すものである。

即ち、工具貯蔵機構２１は、レール５の端部に設けられ
、縦軸周りに回転可能に設置した前後一対のスプロケッ
ト２２と、該両スプロケット２２の外周間に装架された
無端チェーン２３と、該チェーンの全周にわたって一定
ピンチで設置され外向きに工具を保持する工具保持具２
４と、前記スプロケット２２０回転駆動装置２５と、貯
蔵工具を工具受渡し機構４の交換アーム１０に受渡すた
めの所定の工具受渡し位置、及び次受渡し工具を発熱体
１Ｔにより予熱するための予熱位置に割出す割出し位置
決め機構（図示せず）と、これら全体を包むように配さ
れたカバー２６とから構成されている。

そして工具予熱装置は、工具受渡し位置に近接して工具
保持具２４が停止する所定の予熱位置に設置されており
、上記実施例と同様なタイマーによって平均温度に加熱
される。

そして該工具を加熱する四本の発熱体１γは上記実施例
と同様に工具を四方から加熱すべく前記カバー２６の内
周壁及びチェーン２３の下側に設置されている。

なお・；工具待機位置に設置されたー・ウジング１６に
は発熱体は内装されておらず、他の構成は上記実施例と
同様である。

上記構成において、工具交換指令が発せられると、スプ
ロケット２２０回転駆動装置２５が駆動してスプロケッ
ト２２を回転する。

スプロケット２２０回転によってチェーン２３が回動し
、割出し位置決め機構によって指令された工具が工具受
渡し位置に停止し、工具が交換アーム１０によって工具
貯蔵機構２１より取り出され交換される。

次に、次受渡し工具を保持する工具保持具２４を工具予
熱装置のある予熱位置に移動するようチェーン２３を駆
動する。

ここで工具は発熱体１１によって加工中の工具の平均温
度になるよう加熱される。

そして工具交換指令により、上記と同様に作動して加熱
された工具が交換アーム１０に受渡される。

以上の説明から明らかな通り、本発明は、工具貯蔵機構
と、これと主軸との間で工具の受渡しを行なう工具受渡
し機構とを具えた工作機械の自動；工具交換装置におい
て、工具交換待機位置に搬送されて待機する次加工工具
を加工中工具の平均温度に加熱するための発熱体が前記
工具貯蔵機構又は工具受渡し機構に設けられたものであ
る。

従って、本発明によれば、現工程の終了後、次加工工具
により次工程を開始した時の加工精度と、経時後の加工
精度とをほぼ同一にすることができ、又現工程と次工程
との加工精度をはソ同一にすることができ、高い加工精
度を得ることができる。

更に、工具の調節時に本発明による予熱装置を使用、す
れば、調節時と加工時との工具寸法誤差を未然に防ぐこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例を示す全体正面図、第２図
は同じく要部斜視図、第３図は本発明の他の実施例を示
す縦断正面図である。 １：自動工具交換装置、３：主軸、４：工具受渡し機構
、５：レール、Ｔ：摺動台、１０：交換アーム、１３：
主軸頭、１５：窓孔、１６：ノ・ウジング、１１：発熱
体、２１：工具貯蔵機構、２２：スプロケット、 ２３
：チェーン、２４：工具保持具。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 工具貯蔵機構と、これと主軸との間で工具の受渡し
   を行なう工具受渡し機構とを具えた工作機械の自動工具
   交換装置において、工具交換待機位置に搬送されて待機
   する次加工工具を加工中工具の平均温度に加熱するため
   の発熱体が前記工具貯蔵機構又は工具受渡し機構に設け
   られたことを特徴とする工具予熱装置。