JPS5928622B2 - 高温低塩素濃度環境用オ−ステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents

高温低塩素濃度環境用オ−ステナイト系ステンレス鋼

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JPS5928622B2
JPS5928622B2 JP16249378A JP16249378A JPS5928622B2 JP S5928622 B2 JPS5928622 B2 JP S5928622B2 JP 16249378 A JP16249378 A JP 16249378A JP 16249378 A JP16249378 A JP 16249378A JP S5928622 B2 JPS5928622 B2 JP S5928622B2
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stainless steel
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stress corrosion
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JP16249378A
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敏夫 福塚
一利 下郡
和雄 藤原
治夫 泊里
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、高温且つ低塩素濃度水と接触する装置材料
に関し、特に同環境下において優れた耐応力腐食割れ性
及び強度を発揮するオーステナイト系ステンレス鋼に関
するものである。
化学工業及び原子力工業等をはじめとする各種処理装
置では、常時高温水に接触する部分があり、防食を目的
として大量のステンレス鋼が使用されている。
しかしながら、既に数多くの応力腐食割れ事故が報告さ
れており、改善の余地が多い様でアル。その為、高温水
中におけるステンレス鋼ノ応力腐食割れについて、その
原因究明及び改良材料の提供をめざして幾多の研究成果
が発表されている。しかしそれらの大部分は、高温・高
塩素濃度水を対象とするものであり、Ni含有量を40
%以上にするとか、Si含有量を2%以上にするとかの
対策も発表されているが、本発明者等の目的とする低塩
素濃度下では、これらの考え力をそのまま横すベーで採
用することはできないということが判った。 又塩分を
実質上含まない高温純水中におけるステンレス鋼の応力
腐食割れに関しても、鋼の化学成分と応力腐食割れの関
係は勿論、隙間の存在、熱処理条件の如何、純水中の溶
存酸素濃度等の各因子の影響等についての研究報告があ
る。
その結果、鋼の成分についてはCが有害であり、Moが
有効であることが明らかにされており、耐応力腐食割れ
性の良好な鋼として、SUS31.6L(化学組成、C
≦003%、5i≦1000%、’%In■2600%
、P<0.040%、5≦0.030%、Ni:12、
00〜16600%、Cr■ 16.00〜18.00
%、Mo■ 2.00〜3.00%)が開発され、更に
これの改良材料として、より高強度にする為01%程度
のNを配合したステンレス鋼も提案されている。 しか
し本発明者等は、Nの効果について疑問を持ち、ステン
レス鋼の諸性質に及ぼすNの影響を調べたところ、ステ
ンレス鋼母相に固溶したNは高温純水中における耐応力
腐食割れ性を劣化させる傾向があり、又常温強度を高め
る作用は有するが、原子力工業における実使用温度(例
えは300℃近辺)における高温強度については余り期
待できるものではない等の知見を得た。
そこで高温強度を高め得る他の要件特に合金元素の種類
及び配合量について検討したところ、Ti,Nb,Ta
,Zr及びVが夫々有効であり、且つその配合量を0.
1〜1%に定めたときは、高温純水中における耐応力腐
食割れ性を劣化させる恐れもないことを見出した。本発
明はこれSの知見を基にして、更に種々の研究に加えて
完成されたもので、その目的は、高温(例えば100゜
C以上)の低塩素濃度水(例えば塩素濃度10ppm以
下:以下純水と言う)に接触する環境下で使用される装
置や機器類の材料となるオーステナイト系ステンレス鋼
であって、耐応力腐食割れ性及び高温強度の優れたもの
を提供しようとするおころにある。
そして本目的を達成し得た同ステンレス鋼の化学成分組
成は、C:0.03係以下、Si:2係以下、Mn:
4%以下、Cr:16〜20%、Ni:s〜16%、M
O:2.0%を超えて30%以下、N : 0.04〜
0.3%、Ti,Nb,Ta,Zr及びVよりなる群か
ら選択される少なくとも1種以上の元素:01〜1%、
残部:Fe及び不可避不純物よりなる点に要旨が存在す
る。
次に実験結果を中心にして、上記成分の限定根拠を説明
するが、ステンレス鋼の高温純水中における耐応力腐食
割れ性の評価は、下記実験に基づいて行なった。
実験力法: 成分調整のされたステンレス鋼を溶体化処理し、更に6
20℃×24時間の条件で鋭敏化処理を施こした。
これを機械加工して65x15X2(=)の試験片を作
り、これを2枚重ねして2重U字曲げ( DOuble
U− BendTest)を行なって応力を負荷した後
、285℃の高温純水(塩素濃度1Qppm以下のイオ
ン交換水を使用)中に、14日日間(7日目に液を1回
更新)浸漬した。尚応力腐食割れは、いずれも折り曲げ
た内側の力の試験片における背側(引張応力側)にのみ
発生しており、以下のデータは、該内側試験片の最大割
れ深さについての値を示している。C: 高温高塩素水を対象とする場合の耐応力腐食割れについ
ては、溶体化熱処理材ではC量が多い程良好で、鋭敏化
熱処理材ではC量が少ない程良好とされているが、高温
純水を対象とする本発明の前提条件下では、熱処理状態
に関係なくC量を少なくすべきである(とが判った。
即ち第1図は、18Cr−10Ni鋼及び18cr−1
2Ni−2.5M0の鋼の夫々について、C含有量と応
力腐食割れ感受性の関係を示すもので、いずれの場合も
C含有量が高くなる程、最大割れ深さ(麿)が大きくな
っている。そして少なくとも003%以下、好ましくは
0.02%以下に抑制すべきであることが判った。尚C
含有量の低減化技術については、最近の取鍋内精錬法の
技術進歩が著しるしく、工業上も安価に得ることが可能
となっている。MO:第1図に示した2つのオーステナ
イト系ステンレス鋼を比較しても明らかな通り、MO含
有鋼の耐応力腐食割れ性は極めて高く、MOを配合する
ことの有効性を期侍することができる。
一般に高温高塩素水では、従来MOは応力腐食割れ感受
性を著しく高めるものと評価されていたので、第1図に
よって得られる知見は意外である。そこでMO含有量を
変化させて高温純水における耐応力腐食割れ性の変化を
測定したところ第2図に示す結果を得た。即ち最大割れ
深さ(麿)は、MO含有量1%前後から急激に少なくな
り、2係を超えると殆でど零になった。しかしそれ以上
に添加量を増大させてもMOの効果は既に飽和に達して
おり、却ってコスト高になる他、熱間加工性の低下も憂
慮されるので、一応3係をもって上限と定めた。N: 前述した如くNは高温塩素水中における強度向上元累と
して期待されている。
しかし同条件下における貫粒型応力腐食割れについては
、かえって悪影響を及ぼす。第3図は高温純水条件下に
おけるステンレス鋼のNの効果を示すもので、粒界型応
力腐食割れに起因する最大割れ深さ(M)は、N含有量
に比例して増大している。又常温強度に及ぼすNの影響
については、母相中に固溶させた場合強力なオーステナ
イト生成元素として作用するので、従来意識的に配合さ
れてきた。
しかし第4図に示す如く、使用温度が高まるにつれて0
2%耐力は低下傾向を示しているし、Nの含有量の高い
鋼(白丸)と低い鋼(黒丸)を比較すると、130゜C
前後で強度が逆転しており、高温強度については、N含
有の効果は殆んどないとの結論を得た。しかし後記第1
.2表に見られる如く、N含有量が低すぎるお高温条件
下での02%耐力及び抗張力が不十分となるので、下限
は0.04%と定めた。他力上限については、ステンレ
ス鋼製造上、健全な鋼塊を得る為に譲歩すべき量、即ち
03%と定めた。Ti,Nb,Ta,Zr,V: これらの元素は強力な窒化物形成元素であり、前記Nの
添加と相まって窒化物を形成するが、その析出硬化作用
及び結晶粒微細化作用によって高温強度の向上に寄与す
ると思われる。
またこれら元素を単独又は複合添加することにより、ス
テンレス鋼の母相中に固溶するN量が低下し、Nに基づ
く耐応力腐食割れ性の劣化を防止する機能も期待される
。そしてこれらの効果は、上記元素の1種以上を0.1
%以上配合したときに得られ、逆にi%を超えると、ス
テンレス鋼の製造時に地疵を発生させる恐れがあり、0
1〜1%と定めた。Cr:Crはステンレス鋼における
一般耐食性向上元素として不可欠の合金成分である。
そして高温純水中における耐応力腐食割れ性の向上には
、少なくとも16%必要である。しかし20係を超えて
も上記効果は飽和されてしまい、又加工性や溶接性を低
下させてNiの配合量増加が必要になるから、上限は2
0%と定めた。Ni: 本元素は、塩化物による貫粒型応力腐食割れの防止に対
して有効であるが、高温純水中ではNiの過度の添加に
よって粒界型応力腐食割れは低下してくる。
この様なところから、まずNiの上限を16係と定めた
。しかしNiはオーステナイト組織を安定化させる必須
の元素であり、フエライト生成元素である。Cr,MO
,Si等との平衡上少なくとも8%以上は添加しなけれ
ばならない。Si:脱酸機能が高く、高塩素水による貫
粒型応力腐食割れに対しては有効とされているが、高温
純水条件下においては殆んど機能を発揮しない。
むしろ2係を超えると加工性を劣化させるので、2%を
もって一応の上限とする。Mn: 脱酸剤として機能する他、オーステナイト形成元素であ
る。
高温純水中での耐応力腐食割れ性には殆んど影響しない
が、4%を超えると加工性が低下するので、これをもっ
て上限とした。次に本発明の実施例を示す。
実施例: 第1表に示す各種化学成分組成のステンレス鋼を電弧炉
にて溶製し、必要により取鍋精錬を実施した。
分塊後熱間押出及び冷間抽伸を行ない、外径約11−4
M、肉厚約9扉の鋼管を製造した。これを所定の熱処理
に付し、下記試験を行なった。(1)引張試1験:電気
炉にて1060゜C×60分の熱処理を行ってから水冷
した(溶体化熱処理)。
これを機械加工して引張試験片を調製し、常温及び28
5℃の両条件下大気中で引張試験を実施した。(2)高
温純水中処理による応力腐食割れ試験:電気炉にて10
50℃×30分の熱処理を行なってから水冷した(溶体
化熱処理)。次いで620゜C×24時間で熱処理して
空冷した(鋭敏化熱処理)。機椋加工して試験片を得、
前述の条件で応力腐食割れ試験を行なった。試験結果は
第2表に一括して示す通りである。
高温純水を取扱う機器類では、通常02%耐力を設計基
準としているが、必要十分量のNを含有はしてもTi等
の窒化物生成元素を含まない比較鋼NO.8及びこれと
逆にNbは十分含むがN含有量の少ない比較鋼NO.9
は、285゜Cにおける02係耐力をみると、汎用ステ
ンレス鋼(比較鋼7、SUS3O4)に比較して、常温
強度はこころもち高いが、高温強度は低くなっている。
これに対し本発明鋼1〜6の高温強度は、比較鋼7に比
べ格段に高い。又応力腐食割れについては、本発明鋼1
〜6は全て良好な成積を示した。
以上の如く、鋭敏化処理を施こした場合であっても、本
発明のオーステナイト系ステンレス鋼は応力腐食割れ感
受性は示さず、且つ高温強度も優れているので、特に溶
接部における応力腐食割れが問題となる筒温純水取扱い
装置・機器類用材料として極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
第1〜3図は高温純水中における応力腐食割れ感受性に
対する各種因子の影響を示すグラフで、第1図はC及び
MO,第2図はMOs第3図はNの影響を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 高温且つ低塩素濃度水と接触する環境下で使用され
    る装置類の材料であって、C:0.03%以下、Si:
    2%以下、Mn:4%以下、Cr:16〜20%、Ni
    :8〜16%、Mo:2%を超えて3%以下、N:0.
    04〜0.3%、Ti、Nb、Ta、Zr及びVよりな
    る群から選択される少なくとも1種以上の元素:0.1
    〜1%、残部:Fe及び不可避不純物よりなることを特
    徴とする高温低塩素濃度環境用オーステナイト系ステン
    レス鋼。
JP16249378A 1978-12-26 1978-12-26 高温低塩素濃度環境用オ−ステナイト系ステンレス鋼 Expired JPS5928622B2 (ja)

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JPS5589458A JPS5589458A (en) 1980-07-07
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JPH0694583B2 (ja) * 1984-10-03 1994-11-24 株式会社東芝 耐熱オーステナイト鋳鋼
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