JPS5927898Y2 - 電動式バリカン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は可動刃や固定刃などをブロック化し、この刃
ブロックを本体ケースに着脱自在に装着した電動式バリ
カンの改良に関するものである。

一般に、この種バリカンは、可動および固定刃などの組
み付は作業の容易化や部品管理の合理化を図るなどの理
由に加えて可動刃などに付着した毛屑の除去が簡単に行
なえるように、上記可動刃や固定刃などを１つのブロッ
クとして構成し、この刃ブロックを本体ケース側に対し
て着脱できるようにしである。

ところで、上記毛屑は可動刃などの外面よりも、可動刃
の刃先部と固定刃の刃先部との摺動面に頑固に付着して
いるから、上記両刃先部を開離させ清掃し、摺動面の焼
き付けを防止する必要がある。

従来の電動式バリカンとして、可動刃の上面に装着され
た駆動板を、固定刃側に基端部を固定した押えばねの先
端部で押圧して、そのばね力で可動刃を固定刃に圧接さ
せ、上記駆動板の後端に固定刃側に屈曲する舌片を形成
し、この舌片より前方に位置して上記駆動板の上面に駆
動伝達板を突設して、この駆動伝達板を摘み部として構
成することにより、上記可動刃を固定刃から開離させよ
うとしたものが提案されている。

しかるに、上記従来の構成では、駆動板の支点としての
舌片の形成位置に対して、駆動板回動操作時の作用点と
なる駆動伝達板が前方に位置しているから、上記可動刃
を固定刃から開離させる際まず上記駆動板を摘んで上記
駆動板とともに可動刃を後方へ移動させて上記舌片をま
ず固定刃の上面に当接させ、この位置から、上記駆動板
の先端側を上方へ動操作する必要があり、操作が２段と
なる。

つまり、上記舌片を中心として、てこの作用で上記駆動
板を回動させるものではなく、上記舌片は単に駆動板の
一端の突張り用として作用するだけであり、このため、
片手で操作しに＜＜、開離状態を維持させるための別部
材を固定刃と可動刃との間に嵌入させない限り毛屑の除
去に手こするおそれがある。

したがって、この考案は、可動刃の後端に形成されて固
定刃に接触する後端支持部の上記接触点より後方側上空
へ向って延びる突片を駆動板の後端に形成し、上記後端
支持部を支点として可動刃を回動させる操作用の指当て
部を上記突片の先端部で構成することにより、上記指当
部と固定刃側とを片手に持ってワンタッチ操作で、刃先
部同志を開離でき、毛屑の除去が容易に行なえる電動式
バリカンを提供することを目的とする。

以下、この考案の一実施例を図面にしたがって説明する
。

第１図において、１は合成樹脂などからなる本体ケース
で、内部には、図示しないモータや回転・往復動変換機
構などが収納されており、先端には後述する刃ブロック
の格納室２が形成されている。

３は上記本体ケース１の先端開口部に配設された合成樹
脂製の固定刃ホルダで、この固定刃ホルダ３の上面には
、固定刃４が融着突起５などで堅固に固定されている。

６は上記固定刃４の上面に配設された可動刃で、上記固
定刃４の刃先部７に対応した刃先部８を有する。

この可動刃６の後端には、たとえば型取り時にプレス加
工されて下方へ屈曲する後端支持部９が一体に形成され
ており、この後端支持部９と上記刃先部８とを上記固定
刃４の上面に当接させである。

１０は上記可動刃６の上面に一体的に装着された駆動板
で、合成樹脂などで形成されており、その上面には、保
合突起１１が一体に形成されている。

この保合突起１１は上記往復動変換機構に連結されて左
右方向（第２図矢印ａ、ｌ）方向）へ往復動する駆動杆
１２の先端係止部１３に係脱可能に係止されるものであ
り、上記駆動板１０を介して可動刃６を往復動させるよ
うになっている。

１４．１４は上記固定刃４の後方側に位置して、第２図
に示すように上記固定刃ホルダ３の上面に突設された対
向壁部であり、これら両壁部１４，１４にそれぞれ形成
された孔１５．１５に棒体１６の両端部を差し込ませる
ことにより、上記棒体１６が上記両壁部１４，１４間に
架設されている。

１７は上記棒体１６に巻装された押えばねで、たとえば
略コ字形の線ばねで構成されており、後方へ延びて下方
へのばね力をもった基端部１７ ａは上記固定刃ホルダ
３の後端に突設された係止段部１８に係止されており、
また互に平行し、かつ下方へのばね力を保有した各先端
部１７ ｂ 、１７ ｂは、上記駆動板１０の上面の左
右両端部に形成された溝１９．１９まで延出されており
、各先端に形成された折曲部１７ Ｃ，１７Ｃを上記各
溝１９の各先端に形成された小孔２０．２０に差し込ん
で水平面内で回動自在に枢着しである。

これにより、押えばね１７の各先端部１７ｂ、１７ｂの
ばね力が上記駆動板１０を介して可動刃６に付勢され、
可動刃６は上記固定刃４に弾接している。

上記線ばね１７の先端１７ Ｃ，１７Ｃを上記小孔２０
゜２０にそれぞれ回動自在に差し込んであるのは、可動
刃６の往復動に追従して上記押えばね１７の各先端部１
７ｂ、１７ｂが平行運動できるようにさせるためと可動
刃６の刃先部８の突出方向の位置規制をさせるためであ
る。

上記駆動板１０の後端には、上記可動刃６の後端支持部
９と固定刃４との接触位置より後方側上空へ延びる突片
２１が形成されており、この突片２１の先端部２１ ａ
は、上記後端支持部９を支点として可動刃６を上記押え
ばね１７の先端部１７ｂのばね力に抗して回動させる押
し込み操作用の指当て部として構成されており、この指
当て部２１ ａは指で押し込み操作しやすいように固定
刃４と平行に形成されている。

上記固定刃ホルダ３、固定刃４、可動刃６、駆動板１０
および押えばね１７などにより、刃ブロック２２が構成
されている。

２３は上記固定刃ホルダ３の後端に傾斜して立ち上り形
成された連結片であり、この連結片２３の先端は、筒割
れ状の軸受部２４が一体に形成されており、この軸受部
２４で上記本体ケース１側に架設された軸体２５を弾性
的に把持させることにより、上記刃ブロック２２は上記
本体ケース１に回動可能、かつ着脱可能に枢着されてい
る。

２６は上記本体ケース１側に固定された弾性係止ロック
片、２７は上記固定刃ホルダ３の上面に形成されて上記
ロック片２６の先端に係脱可能に係止される係止突起で
ある。

上記構成において、刃ブロック２２の先端側を摘んで矢
印方向へ回動操作すれば、上記ロック片２６と係止突起
２７とのロックが解除されて上記刃ブロック２２を第３
図のように刃ブロツク格納室２から開放させることがで
き、この刃ブロック２２や格納室２内に付着した毛屑を
除去したり、あるいは上記刃ブロック２２の所定個所に
給油などを施こすことができる。

上記刃ブロック２２を本体ケース１側に枢着しであるか
ら、上記開操作時に不用意に刃ブロック２２を脱落させ
るおそれもない。

上記刃ブロック２２の開放状態で、この刃ブロック２２
を前方に引っ張り操作すれば、上記刃ブロック２２の連
結部２３に形成された筒割れ状の軸受部２４と軸体２５
との嵌合状態が解除されるため、第４図のようにこの刃
ブロック２２を上記本体ケース１側から離脱させること
ができ、組立ないしは保守時に管理しやすい。

上記刃ブロック２２における固定刃４の刃先部７と可動
刃６の刃先部８との間に付着した毛屑を除去したい場合
には、上記指当て部２１ ａと固定刃ホルダ３とを第５
図のように指Ｍで握って上記指当て部２１ ａを下方へ
押し込むだけで、上記可動刃６の刃先部８を固定刃４の
刃先部７から開離させることができる。

つまり、押し込み操作用の指当部２１ ａを上記後端支
持部９と固定刃４との接触点より後方側に設定したこと
により、上記後端支持部９が可動刃６に対してこの支点
として働くことになり、このため片手に持ったままワン
タッチで上記両刃先部７．８間に開離させることができ
る、したがって毛屑の除去も容易になる。

ところで、上記可動刃６を回動操作させる際には、可動
刃６の刃先方向の移動が押えばね１７の先端１７ Ｃに
よって規制されているから、上記後端支持部９が固定刃
４の上面に対して僅かに前方へ摺動される。

このため上記後端支持部９の先端は曲面状に形成するの
が好ましい。

以上のように、この考案は、可動刃の後端に形威されて
固定刃の上面に当接する後端支持部と、固定刃との接触
位置より後方側上空へ延びる突片を形威し、この突片の
先端部を、上記後端支持部を支点として可動刃を回動さ
せる指当て部とすることにより、ワンタッチ操作で可動
および固定刃の各刃先部を開離させることができ、毛屑
の除去や給油作業のやり易い電動式バリカンを提供する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る電動式バリカンの一例を示す頭
部破断側面図、第２図は同刃ブロックを示す分解斜視図
、第３図〜第５図は同作用説明図である。 １・・・・・・本体ケース、３・・・・・・固定刃ホル
ダ、４・・・・・・固°定刃、６・・・・・・可動刃、
８・・・・・・刃先部、９・・・・・・後端支持部、１
０・・・・・・駆動板、１７・・・・・・押えばね、１
７ ａ・・・・・・基端部、１７ｂ・・・・・・先端部
、２１・・・・・・突片、２１ａ・・・・・・先端部（
指当て部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体ケース１に着脱可能に装着される固定刃ホルダ３と
   、この固定刃ホルダ３の上面に固着された固定刃４と、
   この固定刃４の上面に配設された可動刃６と、この可動
   刃６の上面に一体に装着された駆動板１０と、基端部１
   ７ａが上記固定刃ホルダ３側に係止され、先端部、１７
   ｂで可動刃６を固定刃４に摺動可能に圧接する押えばね
   １７とを備え、上記可動刃６の後端にその刃先部８とと
   もに上記固定刃４の上面に当接する後端支持部９を形成
   し、上記駆動板１０の後端に、上記後端支持部９と固定
   刃４との接触位置から後方側上空まで延びる突片２１を
   形成して、この突片２１の先端部２１ ａを、上記後端
   支持部９を支点として可動刃６を上記押えばね１７の先
   端部１７ｂのばね力に抗して回動させる押し込み操作用
   の指当て部とした電動式