JPS5926282B2 - スキ−靴の緊締具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はスキー靴の緊締具に関するものである。

スキー靴の甲部分の一方の側に設けられた緊締ループま
たはリングと、および甲部分の他側に設けられ、靴を緊
締する際上記ループまたはリングが掛合する切欠きを設
けた緊締レバーとを具えるスキー靴の緊締具は既知であ
る。

これら既知のループまたはリングは、金属板によって、
または多くの最近の方法ではスキー靴の甲部分の製造中
に直接得られる甲部分の外面から外方に突出する取付素
子即ち突起によって甲部分に連結されている。

後者の方法によれば、このような作業（リング連結板を
甲部分に固定する作業）がないため製造費が安価となり
、ループまたはリングが損傷した場合でもスキー靴を工
場に戻さずに、迅速かつ容易に交換することができる。

しかし、ループまたはリングおよびこのループまたはリ
ングを連結するためスキー靴の甲部分の外面から外方に
突出する取付素子即ち突起を具える既知の緊締具にはこ
れらの利点だけではなく、種々の欠点もある。

その一つはこれらの突起が存在するために靴の形の線形
性が変化し、特にスキーヤ−の脚を包囲するスキー靴の
脚部分を引き絞る舌状片即ちストラップ上に宣伝を効果
的にする銘、名前または形像等を付けることができない
ということである。

これらの既知の緊締具の他の欠点は、特にループまたは
リングが鋼線製である場合にループまたはリングが緊締
レバーによって掛合されていないときスキー靴の甲部分
から外えないようにするために甲部分の端縁にループま
たはリングを保持するバンドまたは他の抑止装置を必要
とするということである。

従って製造費が高くなるとともに、やはり靴の形状の線
形性を変化させる結果となる。

他の欠点は、緊締を調節可能にするため数個の突起を設
ける場合、これら突起はスキー靴の緊締中栓々にスキー
ヤ−の足の形に沿って甲部分の形が曲がるために外方に
拡開し、このため緊締ループまたはリングの保持効果が
減少する。

従って、本発明の目的は、これらの欠点を解決するスキ
ー靴の緊締具を得るにある。

この目的を達成するため、本発明スキー靴の緊締具は、
スキーヤ−の脚の周りで緊締し合う左右に分離した分離
部分を有する甲部分または脚部分と、この甲部分または
脚部分の前記分離部分の一方の部分に設けた機械的緊締
具と、甲部分または脚部分の前記分離部分の他方の部分
に設けかつこの他方部分の遊端から突出して前記緊締具
に連結する被覆緊締ループとを具え、前記分離部分の前
記他方部分の内面には前記緊締ループと選択的に掛合す
る互いに離れた複数個の取付素子を形成し、これら取付
素子との選択的掛合により緊締ループの他方部分での取
付位置を長手方向に調整自在に構成し、また前記分離部
分の他方部分の内面に前記取付素子を包囲する溝を形成
し、前記緊締ループを取付素子のうちの１個に選択的に
掛合させたとき、緊締ループは前記溝内の位置に存在す
る構成とし、また前記取付素子の高さは、前記分離部分
の他方部分の内面と同一高さを有するものとして形成し
、前記緊締ループが溝内に存在するとき他方部分の内面
から引込んだ状態となるよう溝を形成したことを特徴と
する。

本発明を図面につき説明する。

第１〜７図に示すように、本発明による緊締具の緊締ル
ープ１は可撓性を有するように、すなわち、プラスチッ
ク材料の外被３で被覆した鋼線２から形成するのが好ま
しいがこれに限られることはない。

このループ１をスキー靴の甲部分の連続する側部４に、
またはスキーヤ−の脚を包囲するスキー靴の脚部分６の
左右に分離した部分の一方に形成した舌状片即ちストラ
ップ５に固定する。

スキー靴の甲部分または脚部分の製造中、緊締具の作用
方向に沿って整列させた一対の取付素子７を、ループ１
との各連結区域におけるスキー靴、の甲部分または脚部
分の内面に形成する。

取付素子が数個存在すれば緊締力が調節でき、従って取
付素子を２個以上または１個だけ設けることもでき、多
く設ければそれだけ、対応する緊締ループ１の前方でス
キー靴の脚部分の左右に分離した他方部分９に連結され
た機械的緊締具としての緊締レバー８の調節範囲が広く
なる。

各取付素子の目に見える表面はスキー靴の使用中不快に
させる突出部分が存在しないようスキー靴の甲部分４ま
たは脚部分６の内面と共平面となるようにする。

各取付素子７はほぼ截頭円錐状にし、対応する緊締レバ
ー８から背反する方向に指向する小さな突起１０を設け
る。

重量を軽減するために、取付素子７の内部を中空にする
。

取付素子７はこれを包囲する溝１１によって画成し、こ
の脚部分６の舌状片即ちストラップ５（または甲部分４
の端縁）の遊端において開口する２個の平行な枝路１１
′の形で延在させる。

前記枝路１１′が外側に開口する２個の孔１３を溝孔１
２によって連通させる。

次に本発明による緊締具の作動につき説明する。

種々の緊締ループ１を取り付けるために、ストラップ５
（または甲部分４の側部）が僅かに作動状態とは反対方
向に曲げ（第６図参照）、これにより前取って溝孔１２
から挿入した緊締ループ１を予め選択した取付素子７に
巻き掛ける。

この操作はストラップを反対側に曲げると２個の取付素
子７間の溝１１の横方向部分１１“の幅が拡開するため
容易となる。

緊締ループ１を対応する取付素子７に掛合させた時、こ
れで靴を緊締する準備ができ、この後にループを機械的
緊締具即ち緊締レバー８と掛合させてスキー靴の脚部分
６の他側９と強固に掛合することができる。

上述した処から明らかなように、本発明による緊締具は
次のような多くの利点を有する。

（１）スキー靴の甲部分または脚部分の外面にループま
たはリングの取付素子を設けず、このため外観がすっき
りとし、また宣伝用の文字、名前、形像等を付するのに
これを利用できる。

（２）ループまたはリングのための付加的保持素子を必
要とせず、緊締ループまたはリングをスキー靴の脚部分
のストラップまたは甲部分の側部の内面に形成した溝に
より生ずる床内に保持できる。

（３）靴の緊締中スキー靴の脚部分のストラップまたは
甲部分の彎曲はループまたはリングが溝からはずれるの
を防止する方向に曲るためループまたはリングのストラ
ップまたは甲部分との連結が極めて効果的で確実になる
。

第８〜１１図に示す本発明の変更例においては、緊締ル
ープ１を収納する溝は舌状片即ちストラップ２５の内表
面の一部とストラップの端縁の一部に形成する。

この変更例はストラップによる緊締にのみ適用できるが
、この場合には前の例で挙げた利点だけではなく選択さ
れた取付素子２Ｔとループ１との掛合が一層容易である
という利点を有する。

本発明は上述した処に限定されることなく、本発明の範
囲内で種々の変更を加えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による緊締具を設けたスキー靴の脚部分
の部分斜視図、第２図はスキー靴の脚部分の舌状片即ち
ストラップの内側から見た詳細な斜視図、第３図はスト
ラップの内面の平面図、第４図は第３図のＩＶ−ＩＶ線
での断面図、第５図は第３図のｖ−ｖ線での断面図、第
６図は緊締ループの取付中の第４図と同様のＩＶ−ＩＶ
線上の断面図、第７図はリングと緊締レバーとが掛合し
た状態の第４図と同様のＩＶ−ＩＶ線上の断面図、第８
図はストラップの変更例の拡大斜視図、第９図は第８図
のストラップの変更例の第２図と同様の内側から見た斜
視図、第１０図は第８図のストラップの変更例の第３図
と同様の平面図、第１１図は第１０図のＸＩ−ＸＩ線で
の断面図である。 １・・・・・・緊締ループ、２・・・・・・鋼線、３・
・・・・・外被、５．２５・・・・・・舌状片即ちスト
ラップ、６・・・・・・スキー靴の脚部分、７，２７・
・・・・・取付素子、８・・・・・・緊締レバー（機械
的緊締具）、１０・・・・・・突起、１１・・・・・・
溝、１１′・・・・・・枝路（平行側辺部）、１１“・
・・・・・横方向部分、１２・・・・・・溝孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ スキーヤ−の脚の周りで緊締し合う左右に分離した
   分離部分を有する甲部分４または脚部分６と、この甲部
   分４または脚部分６の前記分離部分の一方の部分に設け
   た機械的緊締具８と、甲部分４または脚部分６の前記分
   離部分の他方の部分に設けかつこの他方部分の遊端から
   突出して前記緊締具に連結する被覆緊締ループ１とを具
   え、前記分離部分の前記他方部分の内面には前記緊締ル
   ープと選択的に掛合する互いに離れた複数個の取付素子
   Ｔを形成し、これら取付素子との選択的掛合により緊締
   ループの他方部分での取付位置を長手方向に調整自在に
   構成し、また前記分離部分の他方部分の内面に前記取付
   素子を包囲する溝１１を形成し、前記緊締ループを取付
   素子７のうちの１個に選択的に掛合させたとき、緊締ル
   ープは前記溝１１内の位置に存在する構成とし、また前
   記取付素子の高さは、前記分離部分の他方部分の内面と
   同一高さを有するものとして形成し、前記緊締ループが
   溝内に存在するとき他方部分の内面から引込んだ状態と
   なるよう溝を形成したことを特徴とするスキー靴の緊締
   具。 ２ 前記甲部分または脚部分の分離部分の前記他方部分
   は、滑らかな外面を有する少なくとも１個の舌状片５に
   より構成し、緊締ループをこの舌状片の遊端から突出さ
   せ、この舌状片の遊端に、緊締ループを調整自在に収容
   するとともに前記取付素子の周囲の溝に連通ずる溝孔１
   ２を形成したことを特徴とする特許請求の範囲１記載の
   スキー靴の緊締具。 ３ 前記機械的緊締具は、前記緊締ループに選択的に掛
   合する互いに離れた複数個の切欠きを有する緊締レバー
   としたことを特徴とする特許請求の範囲１記載のスキー
   靴の緊締具。 ４ 前記緊締ループは、はぼ平行な側辺を有する無端の
   細長ケーブルのループにより構成し、前記互いに離れた
   取付素子は前記分離部分の他方部分の内面に形成した溝
   の底面から隆起させ、この溝は、ケーブルループの平行
   側辺を収容する平行側辺部と前記取付素子のためのルー
   プ掛合端部をなす横方向部分とを有するものとして形成
   したことを特徴とする特許請求の範囲１記載のスキー靴
   の緊締具。 ５ 前記取付素子７は、前記溝の底部の上方に被さって
   後方に突出する突起１０を有するものとして構成し、こ
   の突起１０の背部に緊締ループの後端が選択的に掛止し
   、緊締ループを溝の底部に位置決めするよう構成したこ
   とを特徴とする特許請求の範囲４記載のスキー靴の緊締
   具。 ６ 前記分離部分の他方部分を舌状片とし、この舌状片
   の内面に形成した溝をこの他方部分の取付素子の両側に
   隣接する長手方向端縁に貫通させたことを特徴とする特
   許請求の範囲１記載のスキー靴の緊締具。 １ 各取付素子はほぼ截頭円錐状とし、前記分離部分の
   他方部分の溝の底部から離れる取付素子の頂面に凹所を
   設けたことを特徴とする特許請求の範囲１記載のスキー
   靴の緊締具。