JPS5925993Y2 - 密閉機械式シ−ルド掘進機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、アーチング現象によって土圧室内に圧縮滞留
した土砂を排除する密閉機械式シールド掘進機に関する
。

従来、密閉機械式シールドと呼ばれるタイプの掘進機は
、普通、カッターヘッドと隔壁との間の土庄室内に、回
転駆動されるスクリューコンベアの先端開口部が挿入さ
れた構造のものが多用されている。

そして、この掘進機はカッターヘッドで掘削された土砂
ずつを土庄室内に取り込み充満し、ついでスクリューコ
ンベアで外部へ排出する方法がとられている。

しかしながら、カッターヘッドにより切羽から掘削され
た土砂ずつが、土質によっては、推進量に対応する土量
をスクリューコンベアで適確に排出することが不可能な
場合があった。

特に、掘削土砂ずつが砂質土の場合は、切羽の崩壊など
を防止するために、スクリューコンベアの排出口の閉塞
量を調節するので、応々にして土圧室内に土砂ずつが圧
縮滞留されて、すなわち、アーチング現象が発生して、
ついにはカッターヘッドの回転トルク不足をきたし、密
閉機械式シールド掘進機が推進不能に陥ることが多々あ
った。

本考案は、上記の問題点を解消したもので、その目的と
するところは、土庄室内に取り込まれてスクリューコン
ベアの開口部付近に圧縮滞留された掘削土砂ずり、いわ
ゆるアーチング現象を排除する手段を有する密閉機械式
シールド掘進機を提供することにある。

以下、本考案の一実施例を図面に従って説明する。

第１図において、１は密閉機械式シールド掘進機、２は
該密閉機械式シールド掘進機の前頭部に設けられたカッ
ターヘッドである。

該カッターヘッド２はシール３と回転台軸受４により支
持されて、伝達機構５を介して駆動モータ６により回転
駆動される。

前記カッターヘッド２の後方には、隔壁７が設けられ、
該カッターヘッド２と隔壁７との間に土圧室８が形成さ
れる。

９はスクユーコンベアであり、駆動モータ１０により回
転駆動され、該スクリューコンベア９の先端開口部１１
は前記隔壁７を貫通して土庄室８内に挿入される。

１２は土圧室８内にあって掘削土砂ずつをかき上げるか
き上げ板であり、該カッターヘッド２の背面部に支持さ
れている。

１３はスクリューコンベア９によって搬出される排土量
を調整するための仕切弁であり、該仕切弁１３は油圧ジ
ヤツキ（図示せず）により操作され、任意の位置に停止
する機能を有する。

１４はベルトコンベア、１５はシールド推進ジヤツキ、
１６はセグメントである。

更に、１７は、先端部側面に噴射ノズル１８を備えた噴
射ロッドであり、該噴射ロッド１７は隔壁７を貫通して
、土庄室８内のスクリューコンベア９の先端開口部１１
の上方に突設されている。

また、該噴射ロッド１７は隔壁７に固定された自動制御
装置１９如きのものの作動によって前進・後退・回転で
きるようになっている。

更に、該噴射ロッド１７の他端部には密閉機械式シール
ド掘進機１の後方に設けられた注水機構を有する装置（
図示せず）にスイベル２０を介して接続されている。

また、第１図では１本の注水パイプ１７を図示している
が、必要に応じて第２図に示すように複数の注水パイプ
１７．１７’、 １７″・・・・・・を併設することも
できる。

更に、図示していないが、噴射ロッド１７を二重管とし
、内管側に高圧水を送り外管側にコンプレッサーからエ
アーを送り、噴射ノズル付近で噴射された高圧水を中心
にして、その周囲を包むようにエアーを噴射することも
可能である。

以上のように、構成した実施例の作用を述べると、回転
カッターヘッド２によって切羽から掘削された土砂ずつ
が土圧室８内に取り込み充満され、ついでスクリューコ
ンベア先端開口部１１に移動して後方へ排出される。

その際、シルト分の少ない砂質系掘削土砂ずつが土圧室
８内に取り込み充満されてもスクリューコンベア先端開
口部１１に移動しないで、圧縮滞留されいわゆるアーチ
ング現象が発生し、ついには、密閉機械式シールド掘進
機１が推進不能に陥いる。

このような状態になった時に、まず密閉機械式シールド
掘進機１の推進およびカッターヘッドの回転を停止させ
る。

そして、スクリューコンベア９を回転させた状態で、注
水機構を有する装置（図示せず）の作動によって、噴射
ロッド１７の噴射ノズル１８から高圧水を噴射させて、
圧縮滞留された土砂ずつをときほぐしてスクリューコン
ベア９の後方へ排出する。

必要に応じて、噴射ノズル付近で、噴射された高圧水を
中心にしてその周囲を包むようにエアーを併用して噴射
させると、強固に圧縮滞留された土砂ずつをときほぐす
ことも可能である。

また、自動制御装置１９如きのものの作動によって噴射
ロッド１７を前進、後退、回転させて、土庄室８内の大
部分の圧縮滞留された土砂ずつをときほぐす。

このようにして、土砂ずつのアーチング現象を排除した
後は、密閉機械式シールド掘進機１の推進を再開する。

また、土砂ずりのアーチング現象が予想される地盤では
、高圧水を噴射させながら密閉機械式シールド掘進機１
を推進させることもできる。

以上の如くなる本考案によると、隔壁を貫通して、土庄
室内のスクリューコンベア先端開口部の上方に突設する
とともに、前進、後退、回転可能にした噴射ノズルを備
えた噴射ロッドを設けることにより、密閉機械式シール
ド掘進機の推進に伴ない、土庄室内に発生するアーチン
グ現象、すなわち圧縮滞留した土砂ずつをときほぐして
排出することができるので、密閉機械式シールド掘進機
は掘進停止に伴なう重大な支障を生じることなく、安定
でしかもスムーズに連続的掘進が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す密閉機械式シールド
掘進機の概略縦断面図、第２図は第１図の密閉機械式シ
ールド掘進機のＡ−Ａ断面図である。 １：密閉機械式シールド掘進機、７：隔壁、８：土圧室
、９ニスクリユーコンベア、１１ニスクリユ一コンベア
先端開口部、１７：噴射ロッド、１８：噴射ノズル、１
９：自動制御装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シールド本体の前頭部に設けた回転カッターヘッドと該
   カッターヘッドの後方に設けた隔壁との間に形成された
   土圧室内に、回転駆動されるスクリューコンベアの先端
   開口部が挿入された密閉機械式シールド掘進機において
   、先端部側面に噴射ノズルを備えた噴射ロッドを、隔壁
   を貫通して土圧室内のスクリューコンベア先端開口部の
   上方に、なおかつ、前進・後退・回転可能にするように
   、突設することを特徴とする密閉機械式シールド掘進機
   。