JPS5925469B2 - 限定区間内の電気絶縁層不良点位置を探知する方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、電気絶縁層を被覆されかつしゃへい層を有す
る長手導電材の限定区間内における絶縁不良点位置を導
電材及びしゃへい層を切断することなく精密に評定する
方法に関し、以下に示す様な場合に適用されて特に好適
である。

イ）道路横断部に布設したケーブルでその部分に絶縁不
良点が存在することが確実となつているが、横断部全長
を引換えるだけの長さの予備ケーブルが無く、どうして
も不良ケ所に接近してケーブルの局部修理をしたいが、
道路事情等のため全長をくつさくし露出させることがで
きない場合、ロ）一般の管路布設ケーブルで或るマンホ
ールとマンホールとの区間内に絶縁不良点が存在するこ
とが確実となつたが、その区間全部を引換えるケーブル
が無く、管路を割つてでも不良点ケーブルを露出させて
局部修理をしたい場合、ノ◆ 他の探知方法で絶縁不良
点を短かい限定された区間内に追い込んだが、その後今
迄の手法の連続では能率が悪いので一度で不良点を求め
たい場合、等であり、局部的な掘削位置を精密に標定し
、導電材の絶縁不良点に最短の時間消費と最小の障害排
除努力を以て到達できれば、産業上の利用価値はすこぶ
る大である。

まず、この種導電材の絶縁不良点探知法の従来例を第１
図に基づき説明する。

１はケーブルの導体、２はケーブルのしゃへいである。

Ｓは絶縁不良点Ｘを含むことが判明している限定された
区間であり、この区間Ｓに近接してその両側でケーブル
を切断し、結果的にケーブル全長は３区間に分離される
。Ｉｓは区間Ｓを含むケーブルの導体、２ｓは区間Ｓを
含むケーブルのしゃへいで一端で接地しておく。４はブ
リッジ測定用直流電源、５は開閉器で、電源４は開閉器
５を経て接地され、その他端はブリッジの可変端子９に
接続する。

６はブリツジの主体をなす比例辺を構成する摺動抵抗で
ある。

７は検流計で一対の測定用リード線ＬｌＧ−Ｐ１及びＬ
２−Ｈ−Ｐ２の電圧端子Ｐｌ，Ｐ２の間に接続される。

導体１ｓの一端Ｇに一方の測定用リード線Ｌ１−Ｇ−Ｐ
１の端子Ｇを接続し、他端Ｋに他方の測定用リード縁Ｌ
２−Ｈ−Ｐ２の端子Ｈを帰線用リード線８を介して接続
する。さて、この方法は公知のマーレーブリツジをＧＫ
間の導体１ｓを往線、リード線８を帰線としてループを
構成したものであり、開閉器５を閉じて電源４より測定
用電流を流し、摺動抵抗６の可変端子９を調整して検流
計７の指針の振れの零を求め、これにより得たバランス
点Ｐの値からケーブルの絶縁不良点を求めようとするも
のである。しかし、この方法では当該ケーブルと同長、
同サイズの導体を復線用リード線８として現場で利用で
きる可能性は全く無いので、帰線用リード線８の抵抗値
のＧＫ間の導体１ｓの抵抗値に対する割合を知ることが
必要となるが、これらの値を知ることは、導体ｓの抵抗
が帰線用リード線８の抵抗に比し極めて小さいので誤差
を導入しやすく、現場で実測することは極めて困難であ
る。また絶縁不良点Ｘの抵抗３の値如何によつては直流
電源４の発生電圧は極めて高いものを準備しなければ感
度が得られず、測定者の感電の危険性は高くなり、更に
ケーブルＩを２箇所で切断しなければならず、それ故接
続工事を絶縁不良点Ｘの他に２箇所でほどこさなければ
ならない。本発明は上記の事情に鑑みなされたものであ
り、その目的は、探知作業及びその後の修復作業が簡単
かつ安全に行なえ、誤差なく精密な測定結果を得ること
ができる限定区間内における導電材の絶縁不良点探知方
法を提供することである。

以下本発明の実施例を第２図に基づき説明する。

１は絶縁不良点Ｘを有する事故ケーブルの導体でその端
部は絶縁電線１３により後述の検流計γに接続する。

２は事故ケーブルのしやへいで、この上部に防食層があ
つて、しやへいを大地から絶縁している（図示せず）。

３は絶縁不良点Ｘにおいて導体１としやへい２との間に
存在する抵抗、４は直流電源で低圧大電流容量の電池が
適当であり、開閉器５′を経て絶縁不良点Ｘを含む限定
された区間Ｓの両外側で、防食層を剥離してしやへい２
上に設けた電流端子Ａ及びＤにリード線１０により接続
する。

６′は可変抵抗器であり、その両端子Ｅ，Ｆはリード線
１１，１２によりしやへい上の電圧端子Ｂ及びＣにそれ
ぞれ接続する。

端子ＡとＢとの間隔及び端子ＣとＤとの間隔はしやへい
抵抗のイ邸）アルミシースケーブルの様な場合には電流
端子付近における電流の不整な流れに基く誤差をさける
ためにしやへいの直径程度離すことが好ましくし、実際
的には限定区間Ｓの両側で区間Ｓに接近させてそれぞれ
ケーブル防食層を取去つてしやへいを露出させ、区間Ｓ
に近い側に電圧端子Ｂ，Ｃを、区間Ｓから遠い側に電流
端子Ａ，Ｄとを設ける。可変抵抗器Ｃの可変端子ｑから
は検流計７′を経て絶縁電線１３により事故ケーブルの
導体１の端部に導かれている。以上の結線が完了すると
、まず開閉器ｑは開にしたままで検流計７′の感度を上
昇させる。

次に開閉器５′を閉じてしやへい２の端子Ａ，Ｄ間に短
時間電流を流し、この結果検流計γの指針は何れかの方
向に振れるので、給電前の指針位置まで戻す様に可変抵
抗器６′の可変端子ｑを調整し、最終的にバランス点ｙ
を得る。Ｂ−ｙ間の抵抗とＣ−ν間の抵抗の比がＢ−Ｘ
間の距離とＣ−Ｘ間の距離の比に等しいので絶縁不良点
Ｘの位置はＢ−Ｄ間の距離の上で正確に標定される。こ
の場合、電圧端子Ｂ，Ｄを接ぐリード線１１，１２の抵
抗を可変抵抗器６′の抵抗値に比し１／１００以下の低
抵抗のものを使用すれば、リード線１１，１２の抵抗を
ほとんど無視でき、可変抵抗器ｖの目盛を直接使用でき
る。それでも区間Ｓの区間長が比較的長くてリード線の
抵抗が無視できないときは、バランス点ｙを得てからＢ
−ν間の抵抗及びＣ−ｙ間の抵抗を実測すればよい。こ
の様な中位抵抗は現場においても簡単に精度良く測定で
きる。以上説明した様に本発明を用いれば次のような効
果を奏する。イ）導体の切断及びしやへいの切断の必要
が無いので、測定前の準備作業及び特に測定後の修復作
業が簡単である。

ロ）リード線抵抗値と測定対象物の抵抗値とを比較して
の長さ換算を行う必要が無いため、現場で容易に標定で
きる。

ノう マーレーブリツジを必要とせず、入手容易な可変
抵抗器が使え、かつ抵抗値の大きい可変抵抗器を用いる
為相対的にリード線抵抗による誤差が少なくなり、また
既製のブリツジの様に固定したリード線に拘束されず、
測定区間長に応じた適切なリード線が使える。

ニ）直流高圧電流を必要とせず、また絶縁不良点の抵抗
３の値が高くても検出感度は良好であるので、感度不良
からの誤差の導入はさけられる。

ホ）電流端子と電圧端子とを分離して使つているので区
間長が短かく単位抵抗値の低いしやへいに適用する場合
でも、電流端子付近の電流の流れ方の不整に基づく誤差
の導入を排除し得る。へ）防食層の対地絶縁不良箇所が
存在しても測定値に影響しない。以上の各効果が相乗し
て効果的に目的を達成し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のケーブル絶縁不良点探知方法を示す概略
図であり、第２図は本発明によるケーブル絶縁不良点探
知方法を説明するための概略図である。 １は導体、２はしやへい、４′は直流電源、６′は可変
抵抗器、γは検流計、ｑは可変端子、１３は絶縁電線、
Ａ及びＤは電流端子、Ｂ及びＣは電圧端子、Ｓは区間、
ｙはバランス点、Ｘは絶縁不良点。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 電気絶縁層を被覆されかつしゃへい層を有する長手
   導電材の限定区間内における絶縁不良点を探知する方法
   であつて、前記限定区間の両外側近傍においてそれぞれ
   しゃへい層を露出させ、該露出された両しゃへい層部分
   に電圧端子と電流端子をそれぞれ設け、該電流端子間に
   直流電源を接続し、該電圧端子間に可変抵抗器を接続し
   、該可変抵抗器の可変端子と前記導電材の端部との間に
   直接絶縁電線経由で検流計を挿入し、前記電流端子間に
   直流電流を流すことにより、前記検流計の振れを給電前
   の指針位置まで戻す様に前記可変端子位置を調整し、得
   られたバランス点位置により、限定区間内における導電
   材の電気絶縁不良点位置を探知する方法。 ２ 前記限定区間内に接近せる側に前記電圧端子の一対
   を設け、該電圧端子の各外側に前記一対の電流端子の各
   一つを離間して設けた特許請求の範囲第１項記載の方法
   。