JPS5923208B2 - 歯科用全額ｘ線撮影装置におけるｘ線フィルム送り速度制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、被写体を挾んでＸ線発生器とＸ純フィルム保
持筐とを対向位置せしめた状態からこの両者を被写体層
りに調時的に旋回移動させつつ、Ｘ線ビームを被写体に
投射し且つ被写体を透過するＸ線ビームをＸ線フィルム
で受けて所要の曲回断層撮影を実施し、しかして全顎の
パノラマＸ線撮影写真を得る歯科用全顎Ｘ線撮影装置に
関する。

即ち、この種全顎Ｘ線撮影装置では明快且つ鮮明な断層
撮影写真を得るために、歯列弓に沿い旋回移動させるＸ
線発生器の旋回移動速度を例えは前歯と奥歯とで変更令
せ、前歯に対するＸ線照射線量と奥歯に対するＸ線照射
線量を調整する如き操作を実施するが、このようなＸ線
照射線量の調整に対応して（他方ではＸ線フィルム送り
速度を調整に応じ同期的に変更する必要があり、そのた
め一般にはＸ線発生器の旋回移動速度に同期してＸ線フ
ィルム送り速度を可変する機構を設け、Ｘ線発生器の旋
回移動速度が半速となり且つ個々の歯に対するＸ線照射
線量が減少する時にＸ線フィルムの送り速度を高め、又
Ｘ線発生器の旋回移動速度が遅速となり且つ個々の歯に
対するＸ線照射線量を増大とする時にＸ線フィルムの送
り速度を低減させる。

しかし乍ら、歯列のうち所望する部分の拡大率を他の部
分よりも増大させて診断を容易とさせる場合には、Ｘ線
フィルムの送り速度を独立的に半速方向もしくは遅速方
向に変更調整しなけれはならない。

本発明は上記のようにＸ線発生器の旋回移動速度に同期
してＸ線フィルム送りを実施するものにおいて、例えは
上記拡大率を最適値に求めるために、Ｘ線発生器の旋回
移動速度とは別個にＸ線フィルムに対しその送り速度を
変更調整できる新規なＸ線フィルム送り速度制御装置を
提供するものである。

以下、本発明の一実施例を図面に基づき説明すると、第
１図および第２図において１は支架台２から下垂された
基軸で、該基軸１に軸受３を介して水平旋回アーム（以
下旋回アームと略記する）４が水平回転自在に懸吊され
、この旋回アーム４の一端にＸ線発生器５が、又他端に
Ｘ線フィルム保持筐６が１８０度の角度位相をおいて方
向保持され、Ｘ線撮影時には被写体Ｐを挾む此等Ｘ線発
生器５とＸ線フィルム保持筐６とが被写体Ｐを囲繞する
同一面域内を旋回移動され、しかしてこの移動速度に同
期してＸ線フィルム保持筐６内でＸ線フィルム（図外）
の送りが成されるように構成されている。

この旋回アーム４の旋回駆動のためにインダクションモ
ータＩＭが旋回アーム４に一体装備されると共に、この
モータＩＭの出力軸７にピニオン８が固装され、一方基
軸１には受板９が固装されると共に、この受板９下面に
ランク１０が上記基軸１を中心とする円周方向に設けら
れ、且つ上記ピニオン８とラック１０とが噛合され、し
かしてモータＩＭの回転力でピニオン８がラック１０上
を噛合回転するに伴い旋回アーム４の強制回転力が誘起
されるようにしている。

又、旋回アーム４にはＸ線フィルムの送りを司るための
パルスモータＰＭが装備され、此等両モータＩＭ、ＰＭ
同士が第３図に詳細回路構成を示す同期回路Ａによって
相互結線され、しかしてモータＩＭの回転速度、即ち旋
回アーム４およびＸ線発生器５の旋回移動速度に比例し
てモータＰＭが同期的に可変速され、Ｘ線フィルムの送
り速度が制御される。

１１は受板９の上面において脱着可能に載置されたカム
板で上記同期回路Ａの伝達係数を可変制御するためのも
のである。

即ち、このカム板１１は基軸１に対して偏心した円周カ
ム面１２を有し、この円周カム面１２にプランジャ１３
がはね部材１４により常時押当され、カム板１１と可変
抵抗器ＶＲ１との相対的な回転に伴いプランジャ１３が
伸縮されると共に、このプランジャ１３の伸縮動作に連
動して可変抵抗器ＶＲＩの抵抗値が順次可変され、この
抵抗値変化によって同期回路Ａの伝達係数が追従変化さ
れるように構成されている。

第３図においてＧはモータＩＭの出力軸７に直結したタ
コジェネレータであり、このタコジェネレータＧはモー
タＩＭの回転数に比例して交流電圧を誘起する。

ＲＦＤはこの交流電圧を脈流に変化させるための整流器
である。

この整流器ＲＦＤに直結されている前記可変抵抗器ｖＲ
１は同期回路Ａの伝達係数を選択された抵抗値に応じて
追従変化させ、モータＩＭの回転数（回転速度）、即ち
Ｘ線発生器５の旋回移動速度に対するＸ線フィルム速度
を可変する。

コンデンサＣＩ 、Ｃ２、抵抗Ｒ１、Ｒ２および増幅器
Ａ１を含む回路は低域濾波回路１５を構成し、上記脈流
中に含まれる高周波成分を遮断するためのものである。

又、１６はミラー積分回路、比較回路および緩衝増幅器
Ａ４を含む電圧−周波数変換回路（Ｖ−Ｆ変換回路）で
、この回路１６は低域濾波回路１５からの入力電圧に比
例した周波数でパルス電圧を発生し、これをトリガーパ
ルスとして後段のフリップフロップＦＦ１を動作させる
働きをする。

トランジスタＱ２．Ｑ３はパルスモータＰＭのモータド
ライブ回路１７を構成するもので、抵抗Ｒ７，Ｒ８は各
トランジスタＱ２ 、Ｑ３のベース抵抗を示す。

又、Ｖ−Ｆ変換回路１６内において抵抗Ｒ３ａおよび可
変抵抗ＶＲ２ａの抵抗直列接続体と、抵抗Ｒ３ｂおよび
可変抵抗ＶＲ２ｂの抵抗直列接続体とがスイッチＳＷ１
により選択されるようにしているが、これはＶ−Ｆ変換
回路１６の変換係数を選択するためのもので、具体的に
はこの選択された抵抗直列接続体とコンデンサＣ３との
ＣＲ回路によって、増幅器Ａ２を含んで構成されるミラ
ー積分回路の時定数が決められる。

この抵抗直列接続体の選択はＸ線撮影の開始に先立って
行なわれる。

比較回路Ｇシこの積分出力と基準電圧源Ｅ１とを比較器
Ａ３で比較するもので、抵抗Ｒ４、Ｒ５およびコンデン
サＣ４を含んでいる。

次に、第３図の回路動作を第４図の信号波形図を参照し
つつ説明すると、モータＩＭは図外の駆動回路によって
且つＸ線撮影動作によって起動され、回転制御される。

このモータＩＭの回転数はタコジェネレータＧにより第
４図Ｂの如く回転数に比例した交流電圧として取出され
、これが整流回路ＲＦＤで脈流化（第４図Ｃ）されたの
ち、更に可変抵抗器ＶＲ１から低域濾波回路１５を通る
ことによって高周波交流成分が減衰される。

従って可変抵抗器ＶＲＩの抵抗値が一定であるならば、
モータ回転数に比例した直流電圧が低域濾波回路１５の
出力として取り出される（実際には上記抵抗値が連続的
に変化されるので、低域濾波回路１１の出力は第４図Ｅ
の如く変化する）。

低域濾波回路１５の出力はスイッチＳＷ１によって選択
された抵抗Ｒ３ａおよび可変抵抗ＶＲ２ａ、もしくは抵
抗Ｒ３ｂおよび可変抵抗ＶＲ２ｂを通り増幅器Ａ２に入
力して積分され、上記出力電圧に比例した周波数ののこ
ぎり波（第４図Ｆ）を発生する。

同時に比較器Ａ３にてミラー積分回路出力電圧と基準電
圧源Ｅ１との比較が行なわれ、積分出力が基準電圧を超
える時、比較器Ａ２は正の出力電圧を出力し、これが抵
抗Ｒ６およびダイオードＤ１を介してミラー積分回路に
帰還され、トランジスタＱ１がバイアスされて導通しコ
ンデンサＣ３を短絡する。

しかしてミラー積分出力は即座に”０”となる。

比較器Ａ２の出力電圧はコンデンサＣ４と抵抗Ｒ５で決
定される時定数によって第４図Ｇのように一定時間を同
電圧に保たれ、且つその後に出力が停止してトランジス
タＱ１がオフし、故に再び積分動作に入る。

この繰返し動作によって比較器Ａ３からは第４図Ｇのよ
うなのこぎり波に同期した正のパルスが出力されて、こ
れが緩衝増幅器Ａ４に導かれて正負反転し、緩衝増幅器
出力（第４図Ｈ）によってフリップフロップＦＦ１がト
リガーされる。

フリップフロップＦＦＩは第４図■とＪに示すパルス出
力を上記緩衝増幅器出力（第４図Ｈ）によってトリガー
される毎に交互に発生し、これによってモータドライブ
回路１７のトランジスタＱ２およびＱ３を交互にスイッ
チングし、パルスモータＰＭをその駆動電源Ｅ２により
ドライブして該モータＰＭを回転させ且つＸ線フィルム
の送りを実施する。

この時、フリップフロップＦＦＩを駆動する緩衝増幅器
出力のパルス間隔はのこぎり波（第４図Ｆ）に同期して
おり、従ってモータＩＭの回転数に比例したものである
から、上記緩衝増幅器出力によってトリガーされるフリ
ップフロップＦＦ１の出力パルス間隔もモータＩＭの回
転数に比例したものとなり、故にパルスモータＰＭはモ
ータＩＭに同期して回転され、Ｘ線発生器５の旋回移動
速度が定速であれはＸ線フィルムの送り速度も一定化さ
れ、且つＸ線発生器旋回移動速度が半速となれはＸ線フ
ィルム送り速度が追従増速され、又Ｘ線発生器旋回移動
速度が遅速となれはＸ線フィルム送り速度が追従減速さ
れる同期制御が施こされる。

ところが本実施例では第１図および第２図の説明で述べ
たように受板９の上面にカム板１１を固定し、このカム
板１１の円周カム面１２にプランジャ１３をはね部材１
４の力で押当させると共に、このプランジャ１３に可変
抵抗器ＶＲ１を連動させているから、Ｘ線撮影開始に伴
って旋回アーム４が回転し始めると、プランジャ１３が
円周カム面１２上を摺動するに伴い該プランジャ１３が
伸縮され、可変抵抗器ＶＲ１の抵抗値が例えは第４図り
のように順次変化されてゆく。

ために低域濾波回路１５の出力電圧も第４図Ｅのように
変化され、以後Ｖ−Ｆ変換回路１６もこの電圧変化に追
従した動作を行なうから、モータＰＭの回転数はモータ
ＩＭの回転数に同期しなくなり、上記可変抵抗器ＶＲ１
の抵抗値変化によって可変される。

つまり同期回路ＡにモータＩＭの回転数から取出した入
力信号とは全く別の入力信号が入力されて可変抵抗器Ｖ
ＲＩの抵抗値が可変され且つ同期回路Ａの伝達係数が可
変され、モータＰＭの回転数がモータＩＭの回転数とは
独立して増幅制御される。

例えは、Ｘ線発生器５の旋回移動速度を一定（つまりモ
ータＩＭの回転数一定）に設定しておいても、カム板１
１による可変抵抗器ＶＲＩの調整によってＸ線フィルム
送り速度を独立的に増速したり、又減速したりすること
ができるのである。

この場合のカム板１１による可変抵抗器ＶＲＩの調整は
旋回アーム４の回転に伴い司られるものであるから、可
変抵抗器ｖＲ１の抵抗値はＸ線発生器５が歯列弓周りを
旋回移動する時の歯列弓に対するＸ線ビーム照射位置に
照応している。

換言すると、歯列弓に対するＸ線ビーム照射位置はＸ線
発生器の旋回移動に伴い可変抵抗値ＶＲＩの抵抗値変化
として刻々に、そして連続的に変換検出される。

このように本実施例ではＸ線ビーム照射位置を可変抵抗
器ＶＲＩの抵控値変化によって検出し、同期回路Ａの伝
達係数を可変するものであるから、歯列弓の所望する特
定位置もしくは特定範囲にＸ線発生器５が到達した時に
該到達を可変抵抗器ＶＲ１で検出して、モータＰＭの回
転数を変化させ、Ｘ線フィルム送り速度を増減速し、上
記特定位置もしくは特定範囲の歯の拡大率を他の部分の
歯に対し拡−犬したり、又その逆の操作が加えることが
できる。

尚、カム板１１の形状は任意に変更可能であって、この
カム板１１の選択により、上記特定位置もしくは特定範
囲の変更および拡大率の増減量を容易に設定できる。

尚、前記実施例では、カム板１１を受板９に固定し、可
変抵抗器ＶＲ１を水平旋回アーム４と共に、該カム板１
１の周りに移動させることで、抵抗値を増減しているが
、逆にカム板１１を水平旋回アーム４に固定して、これ
と一体的に回転させ、他方可変抵抗器ＶＲ１を適当な固
定フレーム（例えは、受板９）に装備し、カム板１１側
の回転によって抵抗値を増減することも、本発明に含ま
れることは勿論である。

以上の記載から明らかなように本発明は、水平旋回アー
ムの旋回駆動を司るモータとは別個にＸ線フィルムの送
りを独立して司るモータを設け、前者モータの回転数即
ち水平旋回アームおよびＸ線発生器の水平旋回移動速度
を電気信号に変換して取出すと共に、この電気信号の増
減値に比例して後者モータの回転数制御を実施するもの
であるから、Ｘ線照射量に正しく同期してＸ線フィルム
送りが成され、しかして明快且つ鮮明なＸ線断層写真を
得ることができる。

又、本発明は歯列弓に対するＸ線発生器のＸ線ビーム照
射位置を連続的もしくは断続的に検出する手段として、
水平旋回アームの回転に伴いそのカム面により可変抵抗
器の抵抗値を増減するカム板を設け、水平旋回アームの
回転に伴いカム板のカム面によって可変抵抗器の抵抗値
を増減し、しかして該同期回路の伝達係数を可変制御す
るようにしているから、前記実施例で述べたように歯列
弓の特定位置もしくは範囲の歯の拡大率をＸ線フィルム
送り速度の増減速補正にて容易に変更でき、有用である
。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明にかかる歯科用全顎Ｘ線撮影装置の一実施
例を示すもので、第１図はその機械構成部分の概略図、
第２図は旋回アームの回転中心とカム板との関係を示す
平面図、第３図は電気回路図、第４図は動作説明に供す
るための第３図各部の信号波形図である。 ４・・・・・・水平旋回アーム、５・・・・・・Ｘ線発
生器、６・・・・・・Ｘ線フィルム保持筐、１１・・・
・・・Ｘ線ビーム照射位置検出手段（カム板）、ＶＲＩ
・・・・・・可変抵抗器、ＩＭ、ＰＭ・・・・・・モー
タ、Ａ・・・・・・同期回路、Ｐ・・・・・・被写体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 被写体を挾んで対向位置するＸ線発生器とＸ線フィ
   ルム保持筐とが両端に振り分は装備された水平旋回アー
   ムと、この水平旋回アームの旋回駆動を司るモータと、
   上記Ｘ線フィルム保持筐側においてＸ線フィルム送りを
   司るモータと、前者モータの回転数を電気信号に変換し
   て取出すと共にこの電気信号量に応じて後者モータの回
   転数を制御する回路であって且つ該回路の伝達係数を可
   変する可変抵抗器を有した同期回路と、上記水平旋回ア
   ームの回転に伴いそのカム面により歯列弓に対するＸ線
   発生器のＸ線照射位置に応じて上記可変抵抗器の抵抗値
   を増減するカム板とを含むＸ線フィルム送り速度制御装
   置。