JPS5922630B2 - 摩擦圧接方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は摩擦圧接方法に係り、と〈に生産性を向上し得
る摩擦圧接方法の改良に関する。

相対回転する一対の加工片を軸推力下で摩擦接触させる
摩擦発熱工程と、前記相対回転が零となつてひきつづき
行なわれるアプセツト工程とにおいて、前記加工片の接
合部外周にはばりが膨出するが、該ばりが加工片にとつ
て不要な場合にはそれを切削排除する必要がある。

従来では摩擦圧接の終了後別途旋盤等によつて前記ばり
を切削排除するか、もしくは前記アプセツト工程の終了
後固定側チャックを解放して回転側チャックでのみ加工
片を把持したままで、再度該加工片を回転させながら備
え付けの切削刃具にて前記ばりを切削排除していたが、
これでは摩擦圧接加工のサイクルタイムが長大化して生
産性が悪〈、と〈に前者においてはぱりを切削排除する
ための機械を別途必要とするという欠点を有して（゛た
。本発明は上記欠点に鑑み、アプセツト工程中にばりの
切削排除を並行して行うことによつて、生産性を向上し
得る摩擦圧接方法を提供することを目的になされた。

以下図示の実施例を参照しながら本発明を詳述する。第
１図〜第４図において、１は摩擦圧接機の機台で該機台
１上には互に軸心が整合され回転可能な第１チャック２
および第２チャック３が互に接近・離隔可能に対向して
載置されている。

前記第１チヤツク２は加工片のばり切削に好適な回転速
度で常時回転されるとともに該実施例にお（・ては固定
位置にある第２チヤツク３に向けて進退可能とされてい
る。４および５は第１加工片６ａおよび第２力旺片６ｂ
を把持するためのそれぞれ第１チヤツク２および第２チ
ヤツク３の把持爪である。

１は第１チヤツク２に設けられた推力受であり６８は第
２チヤツク３に設けられスラストベアリング９を有する
推力受である。

１０はばり切削用の刃具である。

前記第２チヤツク３はたとえば極数変換モータ等によつ
て６選択的に高低２速で常時回転可能である。なお前記
把持爪４．５としてはいわゆるコレツトチヤツクが好適
に禾用可能である。ばり切削に好適な回転速度Ｎ２で回
転中の第１チヤツク２と、比較的低速Ｎ１（Ｎ１≧Ｎ２
であつても可）で回転する第２チヤツク３とにそれぞれ
第１力旺片６ａおよび第２加工片６ｂを挿入して各把持
爪４，５で把持（第５図におけるＡ時点）した後、第２
チヤツク３を高速回転Ｎ３に移行させるとともに、第１
チヤツク２を第２チヤツク３に向けて前進させ、両刃旺
片６ａ，６ｂを軸推力Ｐ１のもとで摩擦接触させて摩擦
発熱工程を行なう（第２図参照）。

十分な摩擦発熱が得られると（摩擦発熱工程末期）、第
５図におけるＢ時点より第２チヤツク３を駆動する極数
変換モータを低速運転に切換え、該第２チヤツク３の回
転速度を低下させる。このとき前記極数変換モータに作
用する回生制動力によつて前記第２チヤツク３の回転速
度は急速に低下する。該第２チヤツク３の回転速度が低
下して第１チヤツク２の回転速度Ｎ２と等しくなるか（
第５図におけるＣ時点）、もしくはその少し前に第２チ
ヤツク３の把持爪５を解放して両刃旺片６ａ，６ｂを一
体回転可能とさせる。ここで前記時点は公知の回転速度
検出器（たとえばロータリーエンコーダ等）で検知する
ことが可能である。前記両加工片６１，６ｂが一体回転
する状態で前記軸推力Ｐ１を暫時維持するか、それより
もさらに大きな軸推力Ｐ２を付加してアプセツト工程を
行なう。このアプセツト工程中に刃具１０を前進させ、
この刃具１０によつて加工片６．，６ｂの接合部に膨出
したばりを切削排除する（第３図参照）のであるが、こ
のとき加工片６は切削に好適な速度で回転しているため
、良好なばり切削排除が可能である。アプセツト工程が
終了すると６刃具１０が後退するとともに把持爪４が解
放されて第１チヤツク２が後退した（第４図参照）後、
両チヤツク２．３の回転を継続したまま接合加工片６が
取り出されて摩擦圧接加工の１つのサイクルが終了する
。ここで加工片の搬入・搬出は作業者が手作業で行なう
ことも可能であるが、適宜の自動装置によつて機械的に
行なうことも可能である。なお上記実施例では第２チヤ
ツク３を高低２速で選択的に回転させるような構成とし
たが、これを常時高速回転させたままの構成でも実施可
能である。

つまり該第２チヤツク３に第２力旺片６ｂを挿入して把
持爪５で把持した段階で該第２加工片６ｂは高速で回転
し、摩擦発熱工程の末期では前記把持爪５を単に解放す
るだけで、前記第２加工片６ｂを第１加工片６ａと急速
に同期回転へと移行させることができるため、既述の実
施例と同様な態様で本発明の実施が可能である。また、
加工片の搬入・搬出のために各チヤツクの回転速度が比
較的低速である方が好適な場合には、上記各実施例のう
ち前者については第２チヤツク３の低速回転速度Ｎ１を
その速度に設定するとともに、第１チヤツク２の回転速
度を加工片の搬入もしくは搬出時のみ前記比較的低速回
転に移行すればよく、また後者についても前述と同様に
加工片の搬入もしくは搬出のときだけ前記両チヤツクの
回転速度を比較的低速に移行するような構成とすればよ
いのであつて、それはそれぞれの駆動源としで極数変換
モータを使用すれば容易に実施可能である。

上述のごとく本発明によれば、アブセツト工程中にばり
の切削排除を行うことができるため，サイクルタイムを
短縮でき生産性を大きく向上することができるとともに
、サイクルの繰返し中にチヤツクを回転させるためのモ
ータの運転状態において２零回転（停止状態）からの回
転立上りを含まな（゛ため６該モータに対する負担が軽
減されて寿命が長くなり、かつ短時間での繰返し動作が
可能となることによつても前記サイクルタイムの短縮に
貢献することができ，さらに従来では必要とされた動力
伝達系におけるクラツチやブレーキを省略することがで
きるため、摩擦圧接機自体を低廉な価格で得ることがで
きるという種々の顕著な効果を有している。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の１実施例を示したもので、第１図〜第４図
は本発明の作用を各状態について示した説明図２第５図
は各チヤツクの回転速度と軸推力を示したグラフである
。 ２・・・第１チヤツ久３・・・第２チヤツク、６ａ・・
・第１加工片、６ｂ・・・第２加工片、１０・・・刃具
。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 切削好適速度で回転中の第１チャックと極数変換モ
   ータによつて選択的に高低２速で回転可能に低速回転中
   にある第２チャックとに一対の加工片をそれぞれ把持す
   る工程と、前記第２チャックを高速回転に移行させると
   ともに前記第１チャックを前進させて両加工片を軸推力
   下で摩擦接触させる摩擦発熱工程と、該摩擦発熱工程の
   末期に前記極数変換モータの回生制動を利用して前記第
   ２チャックの回転速度を急速に低下させる工程と、該第
   ２チャックの回転速度が前記第１チャックの回転速度と
   等しくなつたときもしくはその前に第２チャックを解放
   して両加工片を一体回転可能とする工程と、該状態にて
   前記軸推力と同等かもしくはそれ以上の軸推力を暫時維
   持する工程と、該工程中に刃具を前進させて両加工片の
   接合部に膨出したばりを切削排除する工程と、該工程終
   了後刃具を後退させるとともに第１チャックを解放後退
   させ両チャックの回転を継読したまま接合加工片を取り
   出す工程とを含んでなる摩擦圧接方法。 ２ 切削好適速度で回転中の第１チャックと比較的高速
   で回転中の第２チャックとに一対の加工片をそれぞれ把
   持する工程と、前記第１チャックを前進させて両加工片
   を軸推力下で摩擦接触させる摩擦発熱工程と、該摩擦発
   熱工程の末期に前記第２チャックを解放して両加工片を
   急速同期させ一体回転可能とする工程と、該状態にて前
   記軸推力と同等かもしくはそれ以上の軸推力を暫時維持
   する工程と、該工程中に刃具を前進させて両加工片の接
   合部に膨出したばりを切削排除する工程と、該工程終了
   後刃具を後退させるとともに第１チャックを解放後退さ
   せ両チャックの回転を継続したまま接合加工片を取り出
   す工程とを含んでなる摩擦圧接方法。