JPS5922445Y2 - アキユ−ムレ−タ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は冷凍サイクルに使用されるアキュームレータ
の油戻管の改良に関する。

圧縮機を使用する冷凍サイクルにおいては、蒸発器の出
口と圧縮機の人口との間にアキュームレータを設け、蒸
発器から送出された冷媒のうち液相にあるものをアキュ
ームレータに内蔵された熱交換器によって完全に気化す
るようにしている。

その理由は圧縮機に液相にある冷媒が吸込まれる不都合
を避けるためである。

またアキュームレータから圧縮機へ冷媒を送出する吸込
管には油戻管を取り付けて潤滑油が圧縮機へ円滑に送出
されるようにしている。

圧縮機において潤滑油は、減摩を目的とする一般的潤滑
、バッキング材料の保護、摩擦熱および冷媒圧縮の際に
おける熱の除去等に重要な役割をはたしている。

したがって、潤滑油は圧縮機の完全な運転と寿命の延長
に対して不可欠なものである。

従来のこの種のアキュームレータとして一般的に使用さ
れているものの一例の断面図を第１図に示す。

第１図において、１はタンク、２は蒸発器から冷媒と潤
滑油が導かれる吸出管、３は熱交換器、４は油戻管、５
は圧縮機へ冷媒と潤滑油を送出する吸込管、６は上記タ
ンクの底部に貯溜する潤滑油である。

なお、蒸発器と圧縮器は簡単のため図示しない。

次に第１図に示す従来のアキュームレータの動作を説明
する。

蒸発器から吸出管２を経由して冷媒と潤滑油がタンク１
内導かれ熱交換器３に吹き付けられる。

熱交換器３はタンク１の底部にコイル状に設けら。

、その内部を凝縮器（図示せず）から与えられる高温の
冷媒液が流通している。

したがって、冷媒中の液相にあるものは熱交換器３によ
って加熱されて完全に気化される。

一方、吸出管２から導かれる冷媒中に混入している潤滑
油は、タンク１内にて冷媒と分離してタンク１の底部に
貯溜する。

吸込管５は、タンク１内にＵ字形をなすわん曲部を有し
、その一端はタンク１内に開口し、他端はタンク１の頂
壁を貫通して外部に延びている。

そして吸込管５のわん曲部の最下点に、細い油戻管４の
一端が接続され、したがってこの油戻管４を通して、吸
込管５内を流れる冷媒気体の流動による負圧によって、
タンク１の底部に滞留している潤滑油６は吸込管５に吸
い上げられる。

吸い上げられた潤滑油は吸込管５内を流れる冷媒気体に
混入して圧縮機へ送出される。

しかしながら、上記従来のアキュームレータの油戻管４
はタンク１の底部に貯溜する潤滑温６を吸込管５のタン
ク１の内部のわん曲部分に吸上げるようにしているから
以下に示す問題点があった。

すなわち、タンク１内に冷媒や潤滑油以外の異物が混入
した場合、異物はタンク１の底部１．こある油溜りに滞
溜して油戻管４の油吸込口を塞いだり油戻管４を詰まら
せたりして潤滑油の油戻しを阻害することがある。

このため、圧縮機をはじめとし冷凍サイクル中の潤滑に
支障が生じて重大な事故を引き起こす危険があった。

このような事故が発生した場合には、従来はアキューム
レータを取り替えるかあるいはタンク１にフランジを設
けて事故発生時に分割できるようにしておく必要があっ
た。

即ち第２図に示すように、フランジ７でタンク１を分割
してタンク１の内部を掃除できるようにしていた。

この考案は、タンクから吸込管に潤滑油を導くための油
戻管に異物の進入などによる閉塞が起ったときにも、タ
ンクを分解することなく異物を除去することができるよ
うに改良することを目的として、油戻管をその一端でタ
ンク底部に着脱可能に接続し、他端で吸込管にタンクの
外部において着脱可能に接続したアキュームレータを提
供するものである。

以下、この考案の一実施例を図について説明する。

第３図において、タンク１、吸出管２および熱交換器３
は第１図に示したものと同じ構造を有する。

また吸込管５も、タンク１内でＵ字形にわん曲するわん
曲部を有し、一端がタンク１内に開口するとともに、他
端がタンク１の頂壁を貫通して外部に延びている点では
第１図の場合と同じであるが、タンク１内では油戻管に
接続されていない。

タンク１の底部にたまった潤滑油６を吸込管５内に導く
ための手段として、この考案ではタンク１の外部に油戻
管１０が配設される。

この油戻管１０は、その一端で接続部材８を介してタン
ク１の底部に接続され、また他端で接続部材９を介して
吸込管５にタンク１の外部に位置する部分において接続
さている。

したがってタンク１の底部にたまった潤滑油６は、油戻
管１０によってタンク１の外部に取出され、同じくタン
ク１の外部で吸込管５内に導入される。

第３図のアキュームレータにおいて、吸込管５を流れる
冷媒気体の流動によって生ずる負圧を大きくする必要が
ある場合には、例えば第４図に示すように絞り作用をお
こなうオリフィス１１等を吸込管５に設けてもよい。

以上のように構成されたこの考案の実施例において、蒸
発器からの冷媒と潤滑油との混合物は、吸出管２を経て
タンク１内に導入され、熱交換器３から与えられる熱に
よって、液相の冷媒の気化が行われる。

そして気相の冷媒は、一端がタンク１内１に開口する吸
込管５内に流入し、図示しない圧縮機に送られる。

またタンク１内で冷媒から分離されてタンク１の底部に
たまった潤滑油は、油戻管１０を経て、吸込管５内にそ
の内部を流れる冷媒によって生じた負圧の作用で吸込ま
れる。

ここで異物の混入などによって油戻管１０が詰まり、潤
滑油の流れが悪くなった場合には、接続部材８，９から
油戻管１０を取外し、その内部を掃除したり、あるいは
油戻管１０を交換する。

あるいは定期的に点検を行うことにより、油戻管１０を
含む潤滑油の流路が詰まるのを事前に防止するこも可能
である。

そしてこの保守９点検点は、タンク１を分解せずに行え
るので、作業が容易である。

この考案は上記のように、油戻管をその一端でタンク底
部に着脱可能に接続し、他端で吸込管にタンクの外部に
おいて着脱可能に接続した構成としたので、異物の混入
などによって油戻管が詰まり油戻管内の潤滑油の流れが
悪くなった場合には、油戻管の一端をタンク底部から取
り外すと共に他端を吸込管から取り外すことにより、油
戻管全体をタンクから取り外して油戻管内の掃除をする
ことができ、従って、従来のもののようにタンク自体を
分解する必要がなく、その結果、従来のもののようにタ
ンク自体を分解して油戻管内の掃除をしていたものに比
べて、油戻管内の掃除のための作業が容易になるという
効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のアキュームレータの一例を示す断面図
、第２図は従来のアキュームレータの他の一例を示す側
面図、第３図はこの考案に係るアキュームレータの一実
施例を示す断面図、第４図はこの考案に係るアキューム
レータの他の一実施例を示す部分断面図である。 １はタンク、２は吸出管、５は吸込管、１０は油戻管で
ある。 なお、各図中の同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蒸発器から送られる冷媒および潤滑油の混合物をタンク
   内に導く吸出管と、上記タンク内で゛液相の冷媒を気化
   させるために上記タンク内に設けられた熱交換器と、気
   相の冷媒を上記タンク内から圧縮機に導くための吸込管
   と、上記タンクの底部にたまった潤滑油を上記吸込管内
   にその内部を流れる冷媒によって生じた負圧の作用で供
   給する油戻管とを備え、上記油戻管は、その一端で上記
   タンクの底部に着脱可能に接続され、他端で上記吸込管
   に上記タンクの外部において着脱可能に接続されている
   アキュームレータ。