JPS5922404B2 - 水晶発振体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、側面電極を有する音叉形の水晶発振片を剛体
支持台に直接固定支持した水晶発振体に関する。

本発明の目的は、高安定の小型水晶発振体を供すること
である。

本発明の他の目的は、低価格の電子腕時計用水晶発振体
を供することである。

従来の電子腕時計用水晶発振体は屈曲姿態、又は音叉振
動姿態のものが＝般的であるが支持機構の複雑さが共通
する難点となっている。

特に、音叉形の水晶発振体の場合は発振片の重心と支持
系の弾性中性点を一致させるために、第１図の如く複雑
な支持機構が一般に要求される。

第１図において、１は水晶発振片、２及び３は支持金属
材料、４は各支持棒を連結するためのノ・シダ付は部又
は溶接部、５は電極６をガラス７で保持したステムであ
る。

上述のように、従来の音叉形の水晶発振体では支持金属
材料を用いてステムに固定しており、水晶発振片の重心
が支持系の弾性中性点である必要があるため支持機構が
複雑になり製造コストがかさむ。

これと同時に発振片及び支持系全体と外形体との間に自
由変位空間を必要とするため、全体としてこの水晶発振
体は大型となる。

又、支持に利用される金属材料及び連結部に使用される
ハンダからのガス発生を回避するのが困難である。

以上の欠点を除去した例として、第２図に示す水晶発振
体がある。

８は水晶発振片、９は支持金属材料、１０は電極連結線
、１１はハンダ付は部であってこの１１は支持金属材料
９上に構成されたＡｎ−８ｎ［（重量パーセント）、Ａ
ｕ （７８〜８２係）Ｓｎ（１８〜２２係）〕合金属
で、これはスパッタリングあるいはケシカルメッキ等の
方法によって作られる。

１２は電極１３をガラス１４で保持したステムである。

この方式においては水晶発振片８の幅方向と支持金属材
料９の方向が同一のため、第１図のものに比べ自由変位
空間が軽減され、やや小型となる利点を持っている。

しかし、支持系の形状の複雑さ及びハンダ付けの必要性
については第１図のものと差はない。

加えて、支持系の弾性中性点と発振片の重心が一致しな
いため、モーメント振動及び高調波振動が派生しやすく
特性不安定となる欠点を持つ。

本発明は以上の欠点を除去したもので、支持金属材料を
用いず発振片を直接剛体支持台に固定支持するものであ
る。

第３図ａ１同図すに本発明の概念図を示す。

第３図において１５は水晶発振片１６は水晶塊で形成さ
れた剛体支持台であり、１７の導電性高融点剛性接着材
料により、発振片の共有部１８を保持するものである。

前記剛体支持台１６の材質として、水晶塊を用いる理由
は、水晶発振片１５との熱膨張係数を一致させ、広い温
度範囲にわたって剛体支持台１６と水晶発振片１５との
間に、ひずみを生じなくさせ、安定した性能を得るため
である。

なお、剛体支持台１６の切り出し角度は発振片の切り出
し角度とほぼ一致させることが望ましい。

上記のように水晶発振片１５を直接剛体支持台１６に固
定することによシ、モーメント振動が極度に軽減され、
共有部１８での熱発生が周波数の単調増加関数となるた
め、高周波発振の発生がほとんど皆無となる。

又、自由変位空間は音叉振動領域とほぼ同じ程度に設定
できるため、全体として従来のものよシ小型となる。

更に水晶発振片と剛体支持台との接着に融点４００℃前
後の導電性高融点剛性接着材料のロー材を用いることに
よシ、十分な発振片の焼鈍が可能となるため長期間にわ
たる特性の安定性が推持できる。

第４図は側面電極１９ｂ、２０ｂを有する音叉形の水晶
発振片２１を示す。

第４図Ａは水晶発振片の電極構造を示す斜視図、同図Ｂ
は同図ＡのＰ−Ｐ断面における側面断面図を示す。

１９ａ、２０ａは平面に形成され側面電極１９ｂ、２０
ｂと接続する電極、２２は電極１９と２０を分極するた
めの電極分割線である。

第５図は本発明による水晶発振体の実施例を示し同図Ａ
は平面図、同図Ｂは正面断面図である。

同図において、本例は、水晶発振片２１の切シ出し角度
とほぼ一致して形成される水晶塊で一体で形成され、ま
た勧学間４０と、剛体支持台３２と周状面３６とからな
る外形体３３に、側面電極１９ｂ、２０ｂを有する水晶
発振片２１の共有部２５を導電性接着材料３４により直
接固定支持し前記外形体３３の周状面３６を光学的手段
によシ発振周期調整可能な蓋３７で密封した水晶発振体
の、前記水晶発振片２１の共有部２５が導電性接着材料
３４．３５によシ固定支持される前記外形体３３の剛体
支持台３２の平面（少なくとも水晶発振片２１の共有部
２５が固定支持される平面）と、前記蓋３７と密封する
外形体３３の周状面３６とが同一平面上にある水晶発振
体である。

同図において、導電性接着材料３４．３５は水晶発振片
２１に形成されている電極１９（１９ａ。

１９ｂ）、２０（２０ａ、２０ｂ）の各々に導通し、さ
らに外形体３３の外部に延長して外部電極として引き出
される。

３８は低融点ガラスであり外形体３３と蓋３７との密封
接合に用いる。

また、蓋３７は図のように水晶発振片２１の振動空間３
９を有し、透明ガラスのような透明材料で形成する。

以上、本例によれば、側面電極を有する水晶発振片を用
いた新規な固定手段の実現によシ、従来例のワイヤボン
ディングまたはハンダ付は等による外部への電極経路を
設けるための電極導通手段を一切必要としないため、製
造工数が少なく、また材料費の節約が図れることから低
価格の水晶発振体を得ることができる。

又、水晶発振体の固定支持を水晶発振片の切シ出し角度
とほぼ一致させて切り出した水晶塊で形成される剛体支
持台を共用する外形体との直接固定支持で実現させたこ
とによ択前述のように、水晶発振片との熱膨張係数の一
致が図られ広い温度範囲にわたってひずみの発生が抑制
でき、安定した信頼性の高い水晶発振体を得ることがで
きる。

さらにまた、外形体の一部に剛体支持台と周状面と、振
動空間とを共用して一体で形成することによ多部品点数
の削減ができ低価格の水晶発振体を得ることができる。

また導電性接着材料３４．３５が外部電極を兼ねる構成
、すなわち水晶発振片２１の共有部２５を固定支持する
外形体３３に形成した剛体支持部３２の平面と、蓋３７
と密封する外形体３３の周状面３６（密封接合面）とが
同一平面上に構成されているため、水晶発振体の厚み方
向の寸法は、外形体の高さに制約されないため、実装方
式上、特に厚みに制約のある水晶発振式電子腕時計への
使用に適する。

また、水晶発振片２１を固定支持する平面と、外形体３
３と蓋３７との密封接合面である周状面３６とが同一平
面に形成されるため、水晶発振片２１を固定する際の精
度面での不安定要因（傾きなど）が除去され蓋３７およ
び外形体３３の各々に形成される空間３９．４０を縮小
することができることから水晶発振体の薄型化が可能と
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図は電子腕時計用水晶発振体の従来例を示す断面図
。 第２図は第１図の従来例の欠点を除去した電子腕時計用
水晶発振体の従来例を示す断面図。 第３図は本発明の総概念図。第４図は本発明に関する水
晶発振片を示し、同図Ａは斜視図、同図Ｂは同図ＡのＰ
−Ｐ’断面における側面断面図。 第５図は本発明の第二実施例を示し同図Ａは平面図、同
図Ｂは正面断面図。 １５は水晶発振片、１６は剛体支持台、１７は導電性接
着材料、１８は共有部、１９．２０は電極を示し、１９
ａ、２０ａは平面電極、１９ｂ。 ２０ｂは側面電極、２１は水晶発振片、２２は電極分割
線、２５は共有部、２９．３０は電極端子、３２は剛性
支持台、３３は外形体、３４．３５は導電性接着材料、
３６は周状面、３７は蓋、３８は低融点ガラス、３９．
４０は振動空間。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 音叉型水晶発振片と、前記音叉型水晶発振片が直接
   固定支持される外形体と、前記外形体の周状面と密封接
   合する蓋とからな択前記外形体は前記音叉型水晶発振片
   とほぼ同一の切り出し角度を有する水晶塊で１体で形成
   され、前記水晶発振片の振動空間となる凹所と、前記音
   叉型水晶発振片の基部が固定支持される剛体支持台と、
   前記蓋が接合される周状面とを１体に有しており、且つ
   前記剛体支持台の平面と、前記周状面とが同一面上に形
   成されていることを特徴とする水晶発振体。