JPS5922367Y2 - 伝動ケ−ス内の潤滑油ドレン装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、伝動ケース内の潤滑油ドレン装置に係り、ド
レンプラグの取付は面をカバー取付面と面一にすること
により仕上加工精度を高くしながら加工コストの低減を
図ると共に、ドレンプラグを伝動ケースの下底面に設け
て完全ドレンを確保したことを目的とする。

第１図乃至第３図に示す如く前輪駆動トラクタ１の前輪
終減速用の伝動ケース２は、デフ装置を内蔵したキャリ
ア４の両側より筒形前車軸５の左右一対を派出せしめ、
該軸５の外端面にギヤケース６をそれぞれ固設せしめ、
側部カバー７と底部カバー８とを有する伝動ケース２を
ギヤケース６のベベルピニオン軸９の軸心回りに回転自
在に保持している。

この伝動ケース２の中にはベベルピニオン軸９の固設の
ベベルギヤ１０と前輪バブ軸１１に固着の減速ベベルギ
ヤ１２を咬合させて内蔵していることから、これらの潤
滑油Ｗが収容されており、この潤滑油Ｗは上部の給油プ
ラグ１３より補給され、下部のドレンプラグ１４より排
油するように構成している。

斯る構成を採用した場合に、底部カバー８のフランジ８
ａが伝動ケース２の下底面における着設面２ａの全体に
わたり着接されてボルト１５で取着されていることから
、ドレンプラグ１４は伝動ケース２の胴側下部に着設す
る必要がある。

この場合、ドレンプラグ１４が側部突出状となることか
ら、胴側下部に着設するにもその位置はトラクタ１の進
行方向と反対側に限定されることになる。

つまり、進行方向側に着設すれば、地上高が低いことと
相まって草とかワラの巻付きが生じ、シール１４ ａを
痛め早期の油洩れが生じるからである。

また、伝動ケース２の胴側部に設けることから、潤滑油
の完全排油か゛困難であるし、突出状であることから、
土中に埋もれてプラグ頭のへクリが起り、この点からも
排油が困難である。

また、伝動ケース２の加工面から考察すれば、伝動ケー
ス２の内部はピニオン軸９をベアリング１６にて保持す
ることから高級仕上げが要求されるし、また、底部カバ
ー８の着設面２ａおよびプラグ１４の着設面１４ ｂは
いずれも油洩れを防止する観点からこれ又、高級仕上げ
が必要で、各着設面２ａ、１４ｂはいずれも直交する加
工方向であることから個別加工となってしまうという不
具合がある。

本考案は上記問題点を解消したもので、その構成上の特
徴は、前輪終減速用伝動ケースの底部を外下方へ膨出し
、この底部に伝動体挿入用開口部を形成すると共にこの
開口部をカバーで閉鎖し、前記底部に伝動ケース内部の
潤滑油を排出するドレンプラグを設けたものにおいて、
前記底部の膨出部分の略最下位置にはその下面から内部
ヘドレンプラグの取付孔が穿設され、且つこのドレンプ
ラグの取付座面が前記カバーの取付面と面一に形成され
ている点にある。

第４図乃至第５図を参照して本考案の実施例を詳述する
。

２０は筒状前車軸で、この中にデフヨーク軸２１が軸架
されている。

２２はギヤケースで、前車軸２０の外端にフランジ結合
されている。

２３は潤滑油が収容された前輪終減速用伝動ケースで、
その底部は外下方へ膨出、即ちデフヨーク軸２１側にお
いてベベルピニオン軸３２に対して直交する径外方向に
突出した膨出部分を有し、この底部に伝動体挿入用開口
部（取付は孔）２６が形成され、この開口部２６をカバ
ー２５で閉鎖している。

このカバー２５は底部下面の取付面２４にフランジ２５
ａが面接し、且つボス部が開口部２６にシール２７を
介して油密に嵌合されている。

底部取付面２４にはフランジ２５ ａに膨出した放射状
ボス２５ Ｃと対応してボルト孔が穿孔され、このボル
ト孔にボルト２８を介して底部カバー２５が着設されて
いる。

２９はドレンプラグで、伝動ケース２３の底部膨出部分
の略最下位置にはその下面から内部へねし孔（取付孔）
３０が穿設されていて、ドレンプラグ２９はこのねじ孔
３０にシール又はパツキン３１を介して取付けられてい
る。

ドレンプラグ２９の取付座面は前記カバー２５の取付面
２４と面一に形成されている。

第４図に示した実施例では、取付面２４を大きくしてプ
ラグ取付座面を兼用している。

このドレンプラグ２９は底部カバー２５の放射状ボス２
５ Ｃ間にあって、かつ、ボス２５ Ｃより上域に没入
状とされている。

このため、底部カバー２５にはプラグ２９と対応してぬ
すみ部２５ ｄが形成されている。

３２はベベルピニオン軸で、その下部が底部カバー２５
にベアリング３３で保持され、中間が伝動ケース２３の
ボス部２３ ａにベアリング３４で保持されると共に上
端はギヤケース２２に保持されている。

ベベルピニオン軸３２にはギヤケース２２の中で、デフ
ヨーク軸２１からのトルクを伝えるギヤ組が設けられ、
下部にベベルギヤ３５が固設されている。

３６はバブ軸で、第１図、第２図で示す前車輪３７の駆
動軸であり、このバブ軸３６にはベベルギヤ３５と咬合
する減速ベベルギヤ３８が固設されている。

３９は側部カバーで、バブ軸３６のベアリング４０にて
保持されて減速ギヤ３８を包んでいる。

４１はナックルアームで、ギヤケース２２の上面に相対
回転自在とされて伝動ケース２３に結合されており、こ
こにナックルアーム４１に操向力を伝えれば、ベベルピ
ニオン軸３２がキングピンとなって前車輪３７を操向可
能としている。

４２は給油プラグ、４３はオイルレベルを示しており、
その他、第１図、第２図において、Ｅはエンジン、Ｍは
ミッションケース、Ｆは推進軸、Ｒは後車輪を示してい
る。

尚、実施例のようにプラグ２９の頭が底部カバー２５の
放射状ボス２５ Ｃで挾まれ、かつ、該ボス２５Ｃより
も高い位置にある構成を採用することにより、第５図に
て矢示方向に異物が流動してきてもボス２５ Ｃがプラ
グ２９のプロテクタとなり、プラグ２９の摩めつがない
のである。

更に、プラグ２つは下底の取付面２４に具備されている
ことから、そのプラグ２９が側方に張出することなく、
ここにプラグ２９の取付位置の自由度がある利点がある
。

本考案は以上の通りであり、伝動ケースの底部の膨出部
分の略最下位置に、その下面から内部ヘドレンプラグの
取付孔が穿設されているので、底部膨出部分に溜められ
た鉄粉その他のゴミを排油と共に排出でき、ドレン作用
をより完全にでき、且つドレンプラグの取付座面がカバ
ーの取付面と面一に形成されているので、両面を同時に
加工することができ、加工がきわめて容易であり、加工
精度を高くしながら加工コストの低減を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は前輪駆動トラクタの側面図、第２図は同じく前
面図、第３図は本考案との比較例を示す部分断面図、第
４図は本案要部の一部断面背面図、第５図は第４図５−
５線の矢示図である。 ２３・・・・・・伝動ケース、２４・・・・・・底部取
付面、２５・・・・・・底部カバー、２９・・・・・・
ドレンプラグ、３０・・・・・・プラグ取付孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前輪終減速用伝動ケースの底部を外下方へ膨出し、この
   底部に伝動体挿入用開口部を形成すると共にこの開口部
   をカバーで閉鎖し、前記底部に伝動ケース内部の潤滑油
   を排出するドレンプラグを設けたものにおいて、前記底
   部の膨出部分の略最下位置にはその下面から内部ヘドレ
   ンプラグの取付孔が穿設され、且つこのドレンプラグの
   取付座面が前記カバーの取付面と面一に形成されている
   ことを特徴とする伝動ケース内の潤滑油ドレン装置。