JPH057854Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、アクスルシヤフトがオイルパンを貫
通する形式の四輪駆動車において、オイルパンと
ベベルギヤのハウジング部分に改良を加えた、四
輪駆動車の伝動装置に関するものである。

（従来の技術） 四輪駆動車では、エンジンと変速機とを前輪か
後輪の一方の周辺に集結して設け、ここから他の
車輪に動力を伝える回転軸を延設することにな
る。このため、レイアウト次第によつては、アク
スルシヤフトがエンジンのオイルパンを貫通させ
ざるを得ないことがある。

（考案が解決しようとする問題点） 上記したようにアクスルシヤフトがエンジンの
オイルパンを貫通することになると、ベベルギヤ
のハウジングはピニオンギヤの軸上で左右に分割
され、その一部はオイルパン側に付設されること
になる。このため加工は左右合わせで行われるこ
とになるので、加工物が大きくなり、加工が困難
となる。またオイルパンとハウジングとは、加工
上の問題から同一の材質を用いることになるが、
全体を鋳鉄で製作すれば重量が大きくなり、また
アルミで製作すればハウジング部分の剛性が不足
するという問題が生ずる。本考案はこの点を改良
することを目的として成されたものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点を解決するために、オイル
パン内を横に貫通するアクスルシヤフトケースを
設け、該アクスルシヤフトケースによりオイルパ
ン内に室を形成し、前記アクスルシヤフトケース
の開口端にはベベルギヤのハウジングを連通させ
て設け、前記オイルパン内に位置するアクスルシ
ヤフトケースの内部に最終減速機を収納し、前記
ハウジングの内部に該最終減速機に噛合するドラ
イブシヤフト側の前記ベベルギヤを収納した構成
としたものである。

（作用） このような構成とすれば、アクスルシヤフトは
オイルパンに設けられた室を通つて回転する。こ
の室を設けたことにより、オイルパンとハウジン
グは、それぞれそれに適した材質のものとするこ
とができるから、加工が容易となる上に、軽量
で、かつ剛性が高くなる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図について説明する
と、第１図において１はエンジンであり、２は変
速機である。この自動車（四輪駆動車）の場合、
エンジン１は後輪３（前輪は図における左方にあ
るが図示省略）の上部に位置し、変速機２はその
前方に位置する。変速機２の側部にはセンタデフ
アレンシヤルのケース４が位置し、このケース４
の内部のギヤを介して後輪３に動力を伝達するア
クスルシヤフトは、オイルパン５を貫通する状態
になる。６はオイルパン５の側部に設けられたベ
ベルギヤのハウジング、７はシヨツクアブソーバ
である。

第２図は第１図の要部を拡大して示したもので
あり、第３図はこの第２図の−線に沿う部分
を、また第４図は第３図の−線に沿う部分
を、それぞれ示している。これらの図から明かな
ように、オイルパン５の一部は他の部分より底が
高くなつており、この部分に筒状のアクスルシヤ
フトケース８が貫通して設けられている。そして
その内部に形成される室９内を、アクスルシヤフ
ト１０およびこのアクスルシヤフト１０の最終減
速機１１が貫通している。第３図における上方
（第４図の左方）は自動車の左側であり、下方
（第４図の右方）は自動車の右側である。

これらの図に示すようにハウジング６とアクス
ルシヤフトケース８とはシール用のＯリング１２
を介し、連通するようにして結合している。１３
はベアリング、１４はオイルシールである。ハウ
ジング６は前述のようにオイルパン５の側部に位
置しており、その内部にはドライブシヤフト１５
がベアリング１６，１７で支持されている。ドラ
イブシヤフト１５は第３図に示すように一端にナ
ツト１８で締結されたフランジ１９を介してセン
タデフアレンシヤル側から回転力を得、他端に取
付けられたベベルギヤ２０により、このベベルギ
ヤ２０と噛合しているベベルギヤ２１を介して、
オイルパン５内に位置するアクスルシヤフトケー
ス８の内部に設けられた前述の最終減速機１１に
動力を伝達するようになつている。ハウジング６
の後部には、加工のためにあけた孔を塞ぐための
蓋２２が取付けられている。

（考案の効果） 本考案は以上説明したように構成したものであ
るから、ベベルギヤのハウジングが加工容易に得
られることになる。また、このハウジングとオイ
ルパンとを、それぞれに適した異材質で製作する
ことができることになるから、軽量かつ剛性の高
い構造とすることができる。そしてオイルパンの
内部に大径の最終減速機を収納することにより、
全体的なスペースの圧縮が可能となる。またこれ
に関連して、オイルパンの側部に位置するベベル
ギヤのハウジングも小型化できるので、オイルパ
ンの周辺にエンジン擬装スペースを大きくとれる
ことになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の要部側面図、第２
図は第１図のオイルパンとハウジングの部分のみ
を拡大して示した側面図、第３図は第２図の−
線に沿つた断面図、第４図は第３図の−線
に沿つた断面図である。 １……エンジン、５……オイルパン、６……ハ
ウジング、８……アクスルシヤフトケース、９…
…室、１０……アクスルシヤフト、１５……ドラ
イブシヤフト、２０，２１……ベベルギヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. オイルパン内を横に貫通するアクスルシヤフト
   ケースを設け、該アクスルシヤフトケースにより
   オイルパン内に室を形成し、前記アクスルシヤフ
   トケースの開口端にはベベルギヤのハウジングを
   連通させて設け、前記オイルパン内に位置するア
   クスルシヤフトケースの内部に最終減速機を収納
   し、前記ハウジングの内部に該最終減速機に噛合
   するドライブシヤフト側の前記ベベルギヤを収納
   したことを特徴とする四輪駆動車の伝動装置。