JPS632694Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、車両の下方に組付けられて潤滑油、
作動油等を収容する車両駆動機構用ケース例えば
エンジンのオイルパン、トランスミツシヨンケー
ス、デイフアレンシヤルキヤリヤ、トランスアク
スルケース、アクスルハウジングに螺着したドレ
ンプラグの路上の障害物等に対する干渉防止構造
に関する。

〔従来技術〕

一般にこの種のケースにおいては、ドレンプラ
グの頭部が下方に突出しているため路上の障害物
等と干渉し、同ドレンプラグが弛んでケース内に
収容した油の油洩れを発生させることがある。こ
のため、この種のケースの一例であるアクスルハ
ウジングの底壁にドレンプラグの頭部と同一長さ
下方に突出して同頭部の外周を包囲する環状の突
起部を設けたものが実開昭57−143902号公報にて
示されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

かかるアクスルハウジングにおいては、環状突
起部によりドレンプラグの頭部と路上の障害物等
との干渉を抑制することができるが、環状突起部
は下方に大きく開口してドレンプラグの頭部を露
出させているため、かかる環状突起部によつては
これら両者の干渉を確実に防止することができな
いとともに、障害物等が環状突起部に衝突した場
合には同突起部を大きく損傷させるおそれがあ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案はかかる問題に対処すべく、前記した車
両駆動機構用ケースの底壁に、前記ドレンプラグ
の頭部の外周を包囲する垂下部と前記ドレンプラ
グの前方にて前記垂下部の下端部から前後方向に
延びる水平部とからなるカバー体を一体的に設け
ている。

〔考案の作用・効果〕

これにより、本考案においては、ドレンプラグ
の頭部外周と路上の障害物等との干渉を阻止して
ドレンプラグの弛みを防止することができるが、
当該カバー体においてはドレンプラグの前方にて
前後方向に延びる水平部を備えているため、この
水平部が干渉する障害物等を滑らせてドレンプラ
グとの干渉を確実に阻止するとともに、垂下部の
強度を補強してその変形等の損傷を防止する。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
するに、第１図には本考案の干渉防止構造を採用
したトランスミツシヨンが概略的に示されてい
る。このトランスミツシヨンは５速変速用の縦置
マニユアルトランスミツシヨンで、トランスミツ
シヨンケース１０の内部にはインプツトシヤフト
２１、アウトプツトシヤフト２２およびカウンタ
シヤフト２３が回転可能に支持され、かつこれら
シヤフト２１〜２３上には変速ギヤ列２４を構成
する各ギヤおよびシンクロナイザ等が組付けられ
ている。また、トランスミツシヨンケース１０内
には所要量の潤滑油が収容されていて同潤滑油に
はカウンタシヤフト２３上に組付けた各ギヤの下
方部が漬つており、これら各ギヤの掻揚げ作用に
より潤滑油が所要の部位に供給される。

トランスミツシヨンケース１０はミツシヨンケ
ース１１、インタミデイエイトプレート１２およ
びその後方に位置するエクステンシヨンハウジン
１３により構成されている。このトランスミツシ
ヨンケース１０においては、ミツシヨンケース１
１のインタミデイエイトプレート１２近傍の底壁
部１１ａにドレンプラグ２５が螺着されている。
ドレンプラグ２５は底壁部１１ａに設けたドレン
孔１１ｂに下方から脱着可能に螺着されていて、
ドレンプラグ２５を取外すことによりトランスミ
ツシヨンケース１０内の潤滑油を排出させること
ができる。

しかして、ミツシヨンケース１１の底壁部１１
ａには第２図〜第４図に示すようにカバー体１４
が一体的に設けられている。カバー体１４は垂下
部１４ａと水平部１４ｂとからなるもので、垂下
部１４ａは底壁部１１ａからドレンプラグ２５の
頭部２５ａより下方に延びていて、同頭部２５ａ
の車両右側を除く全ての外周を包囲している。ま
た、水平部１４ｂは垂下部１４ａの下端から頭部
２５ａの下方を前後方向に延びていて、その略中
央部には頭部２５ａより大径の開口部１４ｃを備
えている。この開口部１４ｃは頭部２５ａに対向
していて、ドレンプラグ２５が開口部１４ｃを通
して抜差可能になつている。これにより、当該カ
バー体１４においては、水平部１４ｂが垂下部１
４ａの下端にて内向フランジ状になつている。

従つて、当該カバー体１４によれば、垂下部１
４ａの作用にてドレンプラグ２５の頭部２５ａ外
周と路上の障害物等との干渉を阻止して、ドレン
プラグ２５の弛みを防止することができる。ま
た、当該カバー体１４によれば、水平部１４ｂの
作用により干渉しようとする障害物等のほとんど
を後方へ滑らせることができるため、ドレンプラ
グ２５の頭部２５ａとの干渉を確実に阻止するこ
とができるとともに、垂下部１４ｂの強度を補強
すべく機能してその変形を防止する。

第５図〜第７図には、上記実施例の変形例が示
されている。この変形例において、第５図〜第７
図は上記実施例の第２図〜第４図に対応するもの
で、ミツシヨンケース１１の底壁部１１ｃの一部
がリブ１１ｄと一体の厚肉の突出部に形成されて
いて、当該突出部がカバー体１５を構成してい
る。当該カバー体１５は、底壁部１１ｃに設けた
ドレン孔１１ｅに対向しこれと同軸的な筒状の垂
下部１５ａと、この垂下部１５ａの下端からその
前方リブ１１ｄまで延びる水平部１５ｂとからな
る。従つて、当該カバー体１５によれば、上記実
施例と略同様の効果を奏する。

なお、上記実施例および変形例においては本考
案をトランスミツシヨンケースのミツシヨンケー
スに実施した例について示したが、本考案は同ケ
ースに限らず底壁にドレンプラグが脱着可能に螺
着されているトランスミツシヨンケースのエクス
テンシヨンハウジング、エンジンのオイルパン、
デイフアレンシヤルキヤリヤ、トランスアクスル
ケース、アクスルハウジング等にも実施し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施したトランスミツシヨン
ケースの断面図、第２図は同ケースの要部拡大断
面図、第３図は第２図の矢印−線方向の断面
図、第４図は同要部の下面図、第５図は本考案の
変形例を示す第２図に対応する要部断面図、第６
図は第５図の矢印−線方向の断面図、第７図
は同要部の第４図に対応する下面図である。 符号の説明、１０……トランスミツシヨンケー
ス、１１……ミツシヨンケース、１３……エクス
テンシヨンハウジング、１４，１５……カバー
体、１４ａ，１５ａ……垂下部、１４ｂ，１５ｂ
……水平部、１４ｃ……開口部、２５……ドレン
プラグ、２５ａ……頭部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両の下方に組付けられて潤滑油、作動油等を
   収容するエンジンのオイルパン、トランスミツシ
   ヨンケース、デイフアレンシヤルキヤリヤ、トラ
   ンスアクスルケース、アクスルハウジング等ケー
   スの底壁にドレンプラグを下方から脱着可能に螺
   着してなる車両駆動機構用ケースにおいて、前記
   ケースの底壁に、前記ドレンプラグの頭部の外周
   にてこれより下方に延び同頭部の外周を包囲する
   垂下部と前記ドレンプラグの前方にて前記垂下部
   の下端部から前後方向に延びる水平部とからなる
   カバー体を一体的に設けたことを特徴とする車両
   駆動機構用ケースのドレンプラグ干渉防止構造。