JPS5831710Y2 - 動力農機における前輪駆動部 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はトラクターなどの動力農機における前輪駆動
部の改良に関するもので、傘歯車を適用した構造簡単な
、かつ荷重の伝達径路が合理的で強度上の不安のない前
輪駆動部を提供せんとするものである。

前輪駆動部は車両旋回時における可動部分である他、前
輪に駆動力を伝え・る経路ともなり、また前輪の受ける
多軸荷重の伝達経路ともなるから、前輪駆動部に課され
る強度的な要求は苛酷である。

しかしながら傘歯車の駆動力伝達機構を備えた従来の前
輪駆動部では、前輪の受ける上下荷重および前後左右の
横圧によって上記前輪駆動部に生じる上下方向荷重およ
びモーメントを、それぞれ各別の経路を経て車体に伝達
するよう構成したものはなく、またモーメントに対し構
□或上の充分な配慮がなされていないために□、□車両
の軽快な旋回の困難なものがあり、あるいは荷重やモー
メントの一部が駆動力の伝達経路であ□る歯車機構によ
って分担されるような不都合なものもあった。

そこでとの考案はホイルシャフトを軸支するギヤーケー
スの上下に、互いに間隔を置いて回動筒部を設け；駆動
シャフトを軸支した軸受部の上下の回動穴部をそれぞれ
上記上下の回動筒部に一動自在に嵌合させ、また上記軸
受部は上位の回動筒部に設けた推力軸受を介してギヤー
ケース上に乗るように形成し、さらに駆動シャフトはベ
ベルギ・ヤ機構を介してホイルシャフトを駆動するよう
に構成して上記の欠点を解消したものである。

□次にこの考案を図示の１実施例にもとづいて説明すれ
ば外側端に前輪１を取付けたホイルシャフト２をギヤー
ケース３の外側にベアリング４，５にて軸支し、ギヤー
ケース３の下端に設けた穴３ａからこのホイルシャフト
２の内側端に傘歯車６を取付け、ギヤーケース３内にて
ホイルシャフト２に交叉するようギヤーケース３に中間
シャ・フト７を取付け、傘歯車６に噛合う歯部８ａを備
えた傘歯車８を中間シャフト７ペニードルベアリング９
にて回転のみ自在に嵌入して歯部８ａを傘歯車６と噛合
せ、一方、図示外のエンジンからの回転動力を伝える駆
動シャフト１０をアクスルハウジンブト９に取付けられ
た軸受部１２ヘベアリング１３にて軸支しできるように
軸受座１２ａを設け、この軸受部１２にはギヤーケース
３と嵌合させるための取付穴１４を設け、ギヤーケース
３の外面の上下に互いに間隔を置いて設けた回動筒部３
Ｃ，３ｄがこの取付穴１４に設けた回動穴部１４ ａ
、１４ ｂにそれぞれ回動自在に嵌着できるよう形成
し、ギヤーケース３に傘歯車６，８などを内装した後、
下方より取付穴１４にギヤーケース３を挿入してギヤー
ケース３を取付穴１４に嵌着する。

この場合取付穴１４とギヤーケース３との接面の上方、
すなわち上位の回動筒部３Ｃには推力軸受１５を、また
下端にはシール１７を取付ける。

このシールは上記の嵌着部分を封止し異物の侵入を防止
するためのものである。

次にギヤーケース３の内側には軸受部１２の軸受座１２
ａよりやや小径の穴３ｂを設け、駆動シャツ）１０の
内側先端には傘歯車８に設けた今１つの歯部８ｂと噛合
いできる傘歯車１６を取付けこの駆動シャフト１０を穴
３ｂから挿入して傘歯車１６を歯部８ｂに噛合せながら
ベアリング１３にて軸受部１２へ軸支するものである。

なお、符号１１はナックルアームであり、又、符号１８
は穴３ａの入口を塞ぐ蓋である。

この考案に係る前輪駆動部は上述のように構成されてい
るのでギヤーケース３に軸支したホイルシャフト２に傘
歯車６を取付け、又、穴３ｂから傘歯車８をギヤーケー
ス３内に挿入し中間シャフト７へこの傘歯車８を回転自
在に取付けながら歯部８ａを傘歯車６に噛合せ、このよ
うに組上ったギヤーケース３をそのままの状態で軸受部
１２に取付ければ、傘歯車１６を取付けた駆動シャフト
１０を軸受部１２に嵌入しベアリング１３にて軸支する
ことにより直ちに傘歯車１６とギヤーケース３内の傘歯
車８が噛合うため、前輪駆動部は各部が正確にかつ、容
易に組立てられることになる。

即ち、前輪駆動部の主要部分をなすホイルシャフト２お
よび傘歯車６と、この傘歯車６に噛合う傘歯車８は予め
小形のギヤーケース３に組込むため、これらのホイルシ
ャフト２、傘歯車６・・・・・・等は極めて容易に、か
つ正確に組込みができるのであって、以上のように予め
主要部分を組立てたギヤーケース３をギヤーボックス１
１に取付けた軸受部１２に取付けて組立取付けを行い得
るよう構成したこの考案は、動力農機の前輪駆動部構造
の小型化と組立作業の迅速化上多くの優れた効果を奏す
るものである。

また、この考案では前輪１の接地面より受ける荷重とモ
ーメントは、ギヤーケース３より軸受部１２に伝えられ
る過程で各別の径路を通るよう形成されているので強度
設計は容易となり信頼性の高い前輪駆動部が得られるの
である。

すなわち、先ず強度検討上置も重要な荷重である前輪１
の接地面から受ける上下方向荷重を考えれば、ベアリン
グ４，５を経てギヤーケース３に伝えられた垂直荷重は
主として推力軸受１５を経て軸受部１２に伝えられ、ま
たモーメントは上下に位置した回動筒部３ Ｃ，３ｄを
経て軸受部１２に伝えられることになり荷重伝達径路は
明確に２分されている。

そして上位の回動筒部３Ｃと回動穴部１４ａ、また下位
の回動筒部３ｄと回動穴部１４ｂとの接触面はいずれも
広いから単位面積当りの接触圧は少にでき、しかも回動
筒部３Ｃおよび３ａ間の距離も充分にとられているので
、上記上下方向荷重により生じるモーメントが如何に過
大となっても回向動作は軽快に行なうことができ、また
接触面に損傷を起すようなこともない。

次に前輪１の接地面より受ける左右方向荷重および前後
方向荷重が原因となってギヤーケース３から軸受部１２
へ伝えられる横荷重およびモーメントも、充分余裕のあ
る上記回動筒部３ Ｃ，３ｄを全て経由するので、接触
面に損傷を生ずることなく、また軽快な回向操作を確保
する上で支障のないのは上下方向荷重の場合と同様であ
る。

なお、この接触面はシール１７によって異物の侵入より
完全に遮断されているので一層の信頼性が保たれるので
ある。

次に、本考案では荷重の伝達径路に傘歯車６，８゜１６
の類が組込まれていないので、荷重伝達径路が正常に機
能している限り上記傘歯車の歯部に好ましくない荷重の
掛かることがなく、傘歯車の寿命は著しく増大するので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案に係る前輪駆動部の構造を示した縦断面
図である。 符号の説明 １・・・・・・前輪、２・・・・・・ホイ
ルシャフト、３・・・・・・ギヤーケース、３ ａ 、
３ ｂ・・・・・・穴、４，５．１３・・・・・・ベア
リング、６，８．１６・・・・・・傘歯車、７・・・・
・・中間シャフト、８ａ、８ｂ・・・・・・歯部、９・
・・・・・ニードルベアリング、１０・・・・・・駆動
シャフト、１１・・・・・・ナックルアーム、１２・・
・・・・軸受部、１２ａ・・・・・・軸受座、１４・・
・・・・取付穴、１４ａ、１４ｂ・・・・・・回動穴、
１７・・・・・・シール、１８・・・・・・蓋、３Ｃ，
３ｄ・・・・・・回動筒部、１５・・・・・・推力軸受
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ホイルシャフト２を軸支するギヤーケース３の上下に回
   動筒部３Ｃ，３ｄを互いに間隔をおいて設け、デフギヤ
   機構にて駆動される駆動シャフト１０・を軸支している
   軸受部１２は、その上位の回動穴部１４ ａを上位の回
   動筒部３Ｃに、又、その下位の回動穴部１４ｂを下位の
   回動筒部３ｄに、夫々嵌合してこのギヤーケース３が回
   動筒部３・Ｃ，３ｄの筒心を中心として回向できるよう
   に設けると共に、この軸受部１２は上位の回動筒部３Ｃ
   に設けた推力軸受１５を介してギヤーケース３の上に乗
   るように形威し、駆動シャツ） １０はベベル♀ヤ機構
   を介してホイルシャフト２を駆動するように構成した動
   力農機における前輪駆動部。