JPS5922301B2 - 磁気テ−プ安定ガイド装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は磁気テープ送り技術に関し、特に、磁気テープ
送りのためのテープトランスシューシンク装置に関する
。

従来、テープをその横断方向に走査する回転ヘツドドラ
ムの周りにテープを凹面状に湾曲させて支持する（カツ
プ作用とも称される）いろいろな種類のいわゆる「雌」
型ガイドが使用されてきた。

通常、このようなガイドは、回転ヘツドドラムの平面内
にあるか、又はこれに密に近接しているテープに対して
全面的な裏押え（テープの裏面を押圧支持するもの）と
なるので、ドラムとテープとの間に空気ベアリングを形
成することは不可能であつた。また、通常、ドラムの周
面は字形に形成され、その円周方向の字頂縁がテープに
対面するようになされるので、やはり空気ベアリングを
形成することはできない。またヘツド自体が、現在の技
術水準における磁気テープ送りにおいて一般に実現でき
る制御パラメータ（例えば、テープの張力および速度、
およびドラムの回転速度および曲率）によつて形成する
ことができる空気ベアリングの最大限の厚みの何倍もド
ラムから半径方向外方に突出しているので、仮に空気ベ
アリング層を形成することができたとしても、ヘツドが
テープを空気ベアリング層より高く押上げるので、空気
ベアリング層から空気が漏出してベアリング層が破壊さ
れてしまう。従つて、上述の如き従来の構成では空気ベ
アリングを形成することが企図されてもいなかつたし、
望ましいことであるとも考えられておらず、テープとド
ラムとの間の摩擦接触を回避するという目的は他の手段
によつて達成されていた。

しかしながら、そのような従来技術のガイド装置は、製
造および操作上複雑であり、本発明の簡単な空気ベアリ
ングおよびその極めて簡単なテープガイド手段と比較し
て操作上きびしい制約があつた。従つて、本発明の目的
は、磁気テープとテープに対し横断方向（即ちテープの
幅方向）に回転するヘツドドラムとの間に流体ベアリン
グを形成することにある。本発明によれば、磁気テープ
は、ドラムとテープとの間に空気ベアリング層が形成さ
れ、ヘツドの先端でしかテープと係合しないように形成
された横断方向走査回転トランスシューシンクヘッドド
ラムを通過するように案内される。

空気ベアリングに対する悪影響を防止するために、ガイ
ド手段は、ヘツドドラムの平面より離れた幾つかの点で
のみテープと係合するように構成し、それらの点におい
てテープの横断方向の曲率半径が、ヘツドドラムの周面
の曲率半径より小さくされ、これによつてテープがその
全幅に亘つて形成された空気ベアリング上に近接して乗
ることができるようにする。添付図面、特に第１図を参
照すると、多数の磁気トランスシューシンクヘッド１２
を担持した回転ヘツドドラム１１が示されている。

このドラム１１は、電動モータ１３のシヤフト（図示せ
ず）にそれと共に回転するよう取付けられており、同じ
くモータ１３のシヤフトに取付けられた回転トランスフ
オーマ半分体１４は、各ヘツド１２と、固定ハウジング
１７に取付けられた固定トランスフオーマ半分体１６と
の間で信号を伝達する。固定ハウジング１７およびモー
タ１３は、ゲージ部材１９（第２図参照）によつてベー
スプレート１８上に正確に位置決めされている。ゲージ
部材１９はプレー口８のゲージ面２１と、ハウジング１
７の底板およびモータ１３の底板のゲージ面２２にそれ
ぞれ係合する。ボルト２３は、ハウジング１７およびモ
ータ１３のそれぞれの底板をベースプレート１８に固定
しているが、第９図に示すようにモータ１３に関連する
ボルト２３を取外ずすだけで、ハウジング１７やその中
の回路および固定トランスフオーマ半分体１６を損傷す
ることなく回転ヘツド１２、ドラム１１、モータ１３お
よび回転トランスフオーマ半分体１４を１つのユニツト
として全体的に第９図に矢印で示される方向に取外し、
交換または修理することができる。ヘツドドラム１１の
そばを通して磁気テープ２７を案内するために、１対の
固定ガイドポスト（またはローラ）２６が、ベースプレ
ート１８上に磁気テープの流れ方向（移動向方）でみて
ドラム１１の上流側と下流側とにそれぞれ１個づつ設け
られている（第１図）。第１，２および４図は、ポスト
２６を含む各部品が、ポスト２６と２６の間に張られた
テープ２７を、例えば早送りまたは巻戻し操作のために
、ヘツド１２およびドラム１１に摩擦係合させることな
く高速シヤトルモードでヘツドドラム１１を通過させる
ように位置づけされているところを示す。即ち、ポスト
２６等の各部品は、第１，２図よび４図に示される高速
シヤトルモード（早送りまたは巻戻し）においては、ヘ
ツドドラム１１およびヘツド１２の回転によつて描かれ
る仮想円筒包絡線の外部に位置している。しかしながら
、再生一記録モードで使用するには、テープ２７（第２
図）をその幅方向にヘツドドラム１１の周りに凹面状に
湾曲させ、ヘツド１２がテープの全幅に亘つて係合する
ようにしなければならない。

本発明では、後述するようにテープとドラムとの間に空
気ベアリングが形成されるのを妨害することがないよう
にするために、ヘツドドラム１１に直接対向する部位で
テープの裏面に裏押えを係合させることなくテープを凹
面状に湾曲させることを企図する。

ドラム１１のところで上述した［カツプ作用」を設定す
るために、本発明は、第２図に示されるように、テープ
２７をヘツドドラム１１からその上流側と下流側に離れ
た部位において、またはドラムから上流側または下流側
のどちらか一方に離れた部位においてヘツドドラムの曲
率半径よりも小さい曲率半径に湾曲させるという新規な
原理を採用した。

この目的のために、ガイド部材３１をガイドコントロー
ラ３２に取付け、ガイド部材３１を退去位置（第４図）
と作動位置（第１〜３図）との間でドラムに対して半径
方向に移動するためにガイドコントローラ３２によつて
制御されるようにする。本発明によれば、ガイド部材３
１が作動位置（ドラムに接近した位置）に位置づけされ
ているときは、それによつて案内されるテープ２７のド
ラム１１に対面する部分は、ドラム１１の周面の曲率と
ほぼ同じ曲率に幅方向に湾曲されるが、ドラム１１およ
びヘツド１２に実質的に接触せず、ヘツドのチツプにの
み接触した状態に維持されるようにし、該テープ２７は
、ドラム１１からその軸方向に実質的に離隔した部位即
ちドラムに上流および下流においてのみ、ドラムの曲率
半径より小さい曲率半径を有する凹面状に湾曲せしめら
れ、その湾曲面がヘツド１２の仮想円筒包絡線内に入る
か、あるいは、該テープの湾曲面の幅の中心線が該包絡
線に対して少くとも接線関係をなすように構成する。こ
の目的のために、ガイド部材３１の軸方向でみて中央部
分即ちドラム１１およびヘツド１２に対面する部位を包
含する中央部分３３は、第１図に示されるように、ガイ
ド部材が作動位置にあるときにも、ドラム１１から相当
に離隔するように形成され、かつ、ドラム１１の周面の
曲率に対応する曲率を有する円弧状とする。

ガイド部材３１の上流側の端部および下流側の端部にそ
れぞれガイド部分３４，３４を形成する。上流端および
下流端のガイド部分３４（第３および５図）は、各各、
突出した下方テープ縁ガイド３６を有し、ドラムとほぼ
同じ曲率半径の円弧状湾曲凹面形状３７の形に形成され
ており、上端にはテープの裏面に係合し、ドラムの曲率
よりも小さい曲率にテープ２７を押圧するための突部３
８（第５図）を有している。最適の効果を奏するための
ドラムに対するガイド部材３１の移動量はコントローラ
３２によつて制御される。かくして、第１〜５図のガイ
ド部材３１は、実際上、ヘツド１１の回転平面（ドラム
の軸線に対して直角をなす平面）からドラムの軸方向（
上流側と下流側）に相当距離離れた点においてのみ突部
３８を備えたガイド部分３４によつてテープの裏面に係
合し、ガイド部材の中央部分３３（第１図）は実質的に
テープに係合せず、従つてテープをヘツド１２から実質
的に離隔させる。

第５図のガイド部材では、テープは、突部３８とその下
方の湾曲縁３７との２つの離間したゾーンにおいてガイ
ド部分３４に係合する。このように、テープをガイド部
材３１の上流端および下流端のガイド部分３４によつて
ヘツド１２の回転平面の上流側および下流側に離隔した
ところでドラムの曲率より小さい曲率にまで凹面状に湾
曲させると、テープに引張バイアスが生じ、それによつ
てテープのドラムに対面する部分の裏面をドラムに向つ
て押圧する必要なしに、テープをその全幅に亘つてドラ
ムまたはドラムの周りの空気ベアリングに対して押当て
た状態に維持することができる。第６図に示されるガイ
ド部材３１の変型実施例においては、その上流端および
下流端のガイド部分３４の円弧状面の上縁および下縁４
３の曲率半径４４を中間部分４１の曲率半径４２より小
さくしてある。

これによつて、ドラムから土流側と下流側に離隔したと
ころでテープをドラムの曲率より小さい曲率に湾曲させ
ることができる。この実施例では、テープはガイド曲線
４１，４３のすべての点に係合することができ、２つの
接触ゾーン４１，４３は連結している。高速シヤトルモ
ード時のようにテープをヘツド又はヘツドドラムと接触
させながら走行させる必要がない場合、又はシヤトルモ
ードがない場合、第１図の仮想線２６ａで示されるよう
にガイドポストを少くとも部分的にドラムの仮想円筒包
絡線内に位置するように配置すると有利であることが判
明した。

この場合ガイド部分３４ａは、その上縁と下縁の間の中
間部分はテープに係合しないように引込められており、
第７図および第８図のガイド部材３１ａによつて例示さ
れるように、４つの不連続の、即ち、個々に分離した接
触点４６，４８，４７，４９でテープと係合する。この
場合、ガイド部材３１ａは、テープ案内の目的を達成す
るのにテープの全幅に係合する必要はない。なぜなら、
テープをその上下縁辺くの２つの点だけでドラムの軸線
に向つて押圧させるとテープがより小さい曲率に湾曲さ
れるからである。第７図および８図（上からみた平面図
）において、４６，４８はガイド部材３１ａの上流端の
ガイド部分３４ａの上縁の接触点と下流端のガイド部分
３４ａの上縁の接触点であり、４７，４９はガイド部材
の上流端のガイド部分３４ａの下縁の接触点と下流端の
ガイド部分３４ａの下縁の接触点である。ガイド部分３
４と３４の間でテープとドラム１１との間に空気ベアリ
ング層を発生させるために、ドラム１１には、テープに
対面する相当な軸方向の幅寸法を有する真円の円筒表面
５１（第１〜４図）を形成する。テープ張力を磁気記録
技術で普通用いられる張力とし、テレビ又は広帯域信号
記録および再生に適した速度でドラムを回転すれば、ド
ラム１１は約５０〜２００マイクロインチの厚さの自動
加圧空気ベアリング層を創生することができると予想さ
れる。ドラム面５１の軸方向の幅寸法は、空気ベアリン
グ層から横方向に空気が漏出して空気ベアリング層を縮
小しないように少なくとも空気ベアリング層の厚さの数
百倍にしなければならない。本例では、ドラムの軸方向
の幅は、空気ベアリング層の厚さの約千倍であるから、
横方向の気流に対して空気ベアリング層の加圧空気がそ
の圧力を減少させない程細長い制限オリフイスがテープ
とドラムの間に形成される。本発明の従来技術とのもう
１つの差異は、ヘツド１２を予想される空気ベアリング
層の厚さよりも僅かに高くドラム面５１から半径方向に
突出させてテープと係合させ、テープをドラム面５１の
軸方向の寸法（幅）よりも相当に短い横方向寸法（幅）
の局部防帯域においてのみドラムおよび空気ベアリング
層から上方へ持上げさせるようにしたことである。換言
すれば、テープとドラムとの間の空気流制限オリフイス
効果を喪失させて、加圧空気層を横方向に通気させ空気
ベアリング層を縮小させる程高くテープをドラム面より
持上げないことが好ましい。叙上のように、本発明の装
置においては、ヘツドのチツプ自体しかテープに係合し
ないようにドラムとテープの間に空気ベアリング層を発
生させるよう成形された横方向走査用回転磁気ヘツドド
ラムを磁気テープが案内されて通過する。

この装置では、空気ベアリング層に対する悪影響を防止
するため、ガイド手段３４，３４はヘツドドラムの回転
平面から軸方向に離れた点でしかテープと係合せず、こ
れらの離れた点ではテープの幅方向の曲率がヘツドドラ
ムの表面の曲率よりも小さくなるようにされており、こ
のためテープの全幅にわたつて形成された空気ベアリン
グ上にテープが密に載ることができる。上記各実施例に
おいては、ガイド手段３１（または３１ａ）は上流側と
下流側の両方にガイド部分３４（または３４ａ）を有し
ているが、上流側と下流側のどちらか一方だけに本発明
によるガイド部分を設けることによつても本発明の目的
を達成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る磁気テープガイドおよび横方向走
査回転ヘツドドラム装置の平面図、第２図は第１図の２
−２線に沿つた側端面図、第３図は第１図の３−３平面
に沿つた側断面図、第４図はガイド部が引込められた状
態にあるところを示した第３図と同様な側断面図、第５
図はテープを所定位置に設置した第１〜５図のガイド部
分の拡大部分側面図、第６図は第５図のガイドの別の実
施例の部分側面図、第７図は第５図のガイドの別の実施
例の側面図、第８図は第７図の８−８線の平面に沿う部
分平面図、第９図は一部を省略した第１図と同様な平面
図である。 １１・・・・・・回転ヘツドドラム、１２・・・・・・
磁気トランスシューシンクヘッド、１３・・・・・・モ
ータ、２６・・・・・・固定ガイドポスト、２７・・・
・・・テープ、３１・・・・・・ガイド部材、３２・・
・・・・ガイドコントローラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 磁気テープの平面に対して横断方向の平面内で回転
   するようにドラムに取付けられた磁気トランスジューシ
   ングヘッドに対し磁気テープを所定径路に沿つて安定的
   に案内するためのガイド装置において、前記テープを前
   記ドラムのところでテープの全幅に亘つてドラムと係合
   する方向に押しつけるために前記ヘッドの回転平面から
   該ドラムの軸方向に実質的に離隔した部位においてのみ
   テープに係合し、テープをその幅方向にドラムの周面の
   曲率半径より実質的に小さい曲率半径に湾曲させるガイ
   ド手段と、前記ドラムのところでドラムとテープの間に
   テープの全幅に亘つてほぼ均一な厚さの加圧流体ベアリ
   ング層を創生するための手段とから成る磁気テープ安定
   ガイド装置。 ２ 前記ガイド手段は、前記テープの走行方向でみて前
   記ドラムの上流側と下流側の両方の前記部位において前
   記テープと係合するように配設されている特許請求の範
   囲第１項記載の装置。 ３ 前記流体ベアリング層創生手段は、前記流体ベアリ
   ング層を前記テープとドラムとの間に空気ベアリング層
   として創生するのに十分な速度で該ドラムを回転するよ
   うに連結された駆動手段から成る特許請求の範囲第２項
   記載の装置。 ４ 前記ドラムは、前記空気ベアリング層が該層からド
   ラムの軸方向に空気が漏出することによつて縮少するこ
   となく維持されるのを助成するように、前記テープに対
   面する実質的な軸方向の幅寸法を有する真円筒表面を有
   するものである特許請求の範囲第３項記載の装置。 ５ 前記トランスジューシングヘッド手段は、前記テー
   プに係合し、かつ、該テープを前記ドラムおよび空気ベ
   アリング層からドラムの前記真円筒表面の軸方向の幅寸
   法より実質的に狭い幅の局部的ゾーンにおいてのみ持上
   げるのに十分に高く該真筒表面から突出した少くとも１
   つの磁気ヘッドを備えている特許請求の範囲第４項記載
   の装置。 ６ 前記ガイド手段は、前記ドラムから上流および下流
   に離隔した第１対の係合点と、該ドラムから上流および
   下流に離隔した第２対の係合点において前記テープの側
   縁にのみ係合するようになされており、該２対の係合点
   のうちの少くとも１つの対の係合点は、該ドラムの仮想
   円筒包絡線内に位置するように配置された特許請求の範
   囲第２項記載の装置。 ７ 前記ガイド手段の上流および下流にそれぞれ第１テ
   ープガイド素子２６ａおよび第２テープガイド素子２６
   ａが設けられ、該素子は前記ドラムの仮想円筒包絡線内
   に少くとも部分的に位置するように配置された特許請求
   の範囲第６項記載の装置。８ 前記ガイド手段は、前記
   ドラムの上流において前記テープの走行径路に対して横
   断方向の同一平面内に位置する２つの第１ゾーンと、該
   ドラムの下流においてテープの走行径路に対して横断方
   向の同一平面内に位置する２つの第２ゾーンにおいて該
   テープと係合するようになされ、該第１および第２ゾー
   ンは、前記ドラムの仮想円筒包絡線内に位置するように
   配置された特許請求の範囲第２項記載の装置。 ９ 前記ガイド手段の上流および下流にそれぞれ第３テ
   ープガイド素子２６および第４素子２６が設けられ、該
   素子は前記ドラムの仮想円筒包絡線外に位置するように
   配置された特許請求の範囲第８項記載の装置。 １０ 前記２つの第１ゾーン４３、４３は、連接してい
   るが、隣接するゾーン４１とは曲率半径が異り、前記２
   つの第２ゾーン４３、４３は、連接しているが、隣接す
   るゾーン４１とは曲率半径が異る特許請求の範囲第８項
   記載の装置。 １１ 前記２つの第１ゾーン４６、４７は、連接してお
   らず、互いに分離しており、前記２つの第２ゾーン４８
   、４９は、連接しておらず、互いに分離している特許請
   求の範囲第９項記載の装置。