JP2737162B2 - ディスク装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、ヘッドスライダに補助スライダを取り付け
たディスク装置に関する。

［発明の概要］ 本発明は、ヘッドスライダに補助スライダを取り付
け、ヘッドスライダがプレートのヘッド挿入口から可撓
性ディスク側に挿入されるディスク装置において、 前記補助スライダの可撓性ディスク側面をプレートの
内面と同一高さに位置させると共に、前記ヘッドスライ
ダと前記補助スライダとの間にバネを介在し前記ヘッド
スライダが前記可撓性ディスクとの間の空間の圧力に応
じて可動するよう構成することにより、 プレートと可撓性ディスクの空間から補助スライダと
可撓性ディスクの空間に流れる空気流に乱れが生じず、
又、ヘッドスライダと可撓性ディスクの空間の圧力が均
一になるようヘッドスライダが可動するためヘッドの当
たり特性が安定化すると共に低浮上化を実現することが
できる。

［従来の技術］ 第３図には従来のディスク装置が示されている。第３
図において、可撓性ディスク１が回転自在に支持され、
この可撓性ディスク１の下面に近接してプレート２が配
置されている。このプレート２にはヘッド挿入口３が形
成され、このヘッド挿入口３にヘッドスライダ４と補助
スライダ５が挿入されている。ヘッドスライダ４は図示
しないがヘッドを有し、このヘッドスライダ４は補助ス
ライダ５よりも可撓性ディスク１側に突出している。
又、ヘッドスライダ４はその可撓性ディスク１側の面が
球面状のスライダ面4aを構成している。補助スライダ５
はヘッドスライダ４に固定され、補助スライダ５の可撓
性ディスク側面5aはプレート２の内面2aよりもｄだけ可
撓性ディスク１側に突出している。

上記構成において、可撓性ディスク１が回転すると、
可撓性ディスク１とプレート２との空間ａに空気流が発
生して当該空間ａが負圧化されて可撓性ディスク１が安
定に回転する。又、可撓性ディスク１とヘッドスライダ
４や補助スライダ５との空間b,cにも空気流が流れこの
空気圧によって可撓性ディスク１がヘッドスライダ４の
箇所では第３図のようにたわんで回転し、ヘッドスライ
ダ４は可撓性ディスク１に対して浮上して走行する。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、上記構成のディスク装置においては、
プレート２の内面2aよりも補助スライダ５の可撓性ディ
スク側面5aがｄだけ高くなっている。そのため、プレー
ト２と可撓性ディスク１の空間ａから補助スライダ５と
可撓性ディスク１の空間ｂに流れる空気流はこの段差で
加圧されこの加圧によってヘッドスライダ４の浮上量が
大きくなるが、むしろこの段差で空気流が乱れる。この
空気流の乱れによって可撓性ディスク１に振動や形状変
化が生じヘッドの当たり特性が不安定であるという欠点
があった。又、可撓性ディスク１の振動や形状変化によ
ってヘッドスライダ４と可撓性ディスク１が接触し双方
に損傷を与えないようにヘッドスライダ４の浮上量を一
定以下に低くすることができず、高密度記録を行うこと
ができないという欠点があった。

そこで、本発明はヘッドの当たり特性が安定化すると
共にヘッドの低浮上化を実現できるディスク装置を提供
することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するための本発明のディスク装置は、
可撓性ディスクを回転自在に支持し、この可撓性ディス
クの円形面の近傍にプレートを配置し、このプレートに
ヘッド挿入口を形成すると共に、 ヘッドを備えたヘッドスライダを有し、このヘッドス
ライダの前記可撓性ディスク回転方向の両側に補助スラ
イダを設け、前記ヘッドスライダと前記補助スライダを
前記ヘッド挿入口から前記可撓性ディスク側に挿入する
ディスク装置において、 前記補助スライダの前記可撓性ディスク側面を前記プ
レートの内面と同一高さに位置させ、 前記補助スライダに対して前記ヘッドスライダを移動
可能に設け且つ前記補助スライダと前記ヘッドスライダ
の間にバネを介在し、前記ヘッドスライダが前記可撓性
ディスクからの圧力で前記バネのバネ力に抗して前記可
撓性ディスクから離れる方向に変位するよう構成したも
のである。

［作用］ 空気流は、プレートと可撓性ディスクの空間から補助
スライダと可撓性ディスクの空間にスムーズに流入する
ため空気流に乱れが生じることなく可撓性ディスクに振
動や形状変化が生じない。又、可撓性ディスクが反り等
の理由で面振れし双方の間の空間の圧力が変動してもそ
の圧力を均一、即ち一定の浮上量にするようヘッドスラ
イダが可動する。

［実施例］ 以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。

第１図及び第２図には、本発明を記録媒体固定型のデ
ィスク装置に適用した場合が示されている。

第１図及び第２図において、可撓性ディスク１のハブ
孔にスピンドル軸が挿入され、このスピンドル軸の回転
で可撓性ディスク１が回転される。この可撓性ディスク
１の下の円形面1a近傍にはプレート２が配置されてお
り、このプレート２には可撓性ディスク１の半径方向Ｒ
に延びるヘッド挿入口３が形成されている。このヘッド
挿入口３からヘッドスライダ４と補助スライダ５とが可
撓性ディスク１側に挿入されている。

補助スライダ５は、図示しないヘッドアームの先端に
固定され可撓ディスク１の半径方向Ｒに移動可能に構成
されていると共にその可撓性ディスク側面5aが前記プレ
ート２の内面2aと同一高さに位置されている。又、補助
スライダ５は円柱状を有し、その軸方向に挿入孔６が形
成されており、この挿入孔６に前記ヘッドスライダ４が
配置されている。

ヘッドスライダ４はスライダ部７とヘッド８等から略
円柱状を有し、補助スライダ５の挿入孔６内を第１図の
ｄ矢印方向に移動可能に設けられている。このヘッドス
ライダ４の可撓性ディスク側の面は球面状のスライダ面
4aを構成し、このスライダ面4aに前記ヘッド８のヘッド
ギャップ8aが位置している。又、ヘッドスライダ４の反
可撓性ディスク側の面にはバネ９の中央が固着されこの
バネ９の両端が前記補助スライダ５に固着されている。
即ち、ヘッドスライダ４と補助スライダ５の間はバネ９
を介して接続されており、スライダ面4aに圧力が作用す
ると、バネ９のバネ力に抗してヘッドスライダ４が可撓
性ディスク１から離れる方向に変位する。

尚、図中、10はヘッド巻線溝、11はヘッド巻線の逃げ
溝である。

以下、上記構成の作用について説明する。

可撓性ディスク１が回転すると、可撓性ディスク１と
プレート２との空間ａに空気流が発生しこの空間ａが負
圧化されて可撓性ディスク１が安定に回転する。又、可
撓性ディスク１と補助スライダ５との空間ｂや可撓性デ
ィスク１とヘッドスライダ４との空間ｃにも空気流が流
れこの空気圧によって可撓性ディスク１はヘッドスライ
ダ４の近傍ではたわんで回転する。従って、空気流は、
第１図に示すように、可撓性ディスク１とプレート２と
の空間ａから可撓性ディスク１と補助プレート５との空
間ｂへと流れ、さらに、この空間ｂから可撓性ディスク
１とヘッドスライダ４との空間ｃに流れる。そして、空
間ａから空間ｂへの空気の流入はプレート２の内面2aと
補助プレート５の可撓性ディスク側面5aとの高さが同じ
であるため空気流に乱れが生じることなくスムーズに流
れる。そのため、空気流の流れによる空気圧変化で可撓
性ディスク１が振動したり、又、形状変化したりするこ
とはない。

また、可撓性ディスク１の回転時には、ヘッドスライ
ダ４は可撓性ディスク１との空間ｃの空気圧によってバ
ネ９のバネ力に抗して可撓性ディスク１から離れる方向
に変位し、空気圧とバネ力が釣り合う位置に位置する。
可撓性ディスク１が何らかの原因（例えば、反り）によ
り面振れし可撓性ディスク１がヘッドスライダ４から遠
ざかる方向に変位すると、空間ｃの空気圧が低くなりヘ
ッドスライダ４がバネ９のバネ力により可撓性ディスク
１に近づく方向に移動する。又、可撓性ディスク１がヘ
ッドスライダ４から近づく方向に変位すると、空間ｃの
空気圧が高くなりヘッドスライダ４がバネ９のバネ力に
抗して可撓性ディスク１から遠ざかる方向に移動する。
従って、ヘッドスライダ４は空間ｃの圧力を均一、即
ち、一定の浮上量を保持するよう変位する。

以上より、可撓性ディスク１に振動や形状変化が発生
しないこと及びヘッドスライダ４は面振れが生じても可
撓性ディスク１に接触することなく一定の浮上量を保持
することにより、ヘッド８の当り特性が安定化すると共
に低浮上化を実現でき高密度記録が可能である。

尚、この実施例では記録媒体固定型のディスク装置に
本発明を適用した場合が示されているが記録媒体可動
型、即ちディスクカセットを着脱可能な装置にも同様に
適用でき、この場合には可撓性ディスク１の近傍に配置
されるプレート２はディスクを被うカセットケースが兼
ねる。

［発明の効果］ 以上述べたように本発明によれば、補助スライダの可
撓性ディスク側面をプレートの内面と同一高さに位置さ
せると共に、ヘッドスライダと補助スライダとの間にバ
ネを介在しヘッドスライダが可撓性ディスクとの間の空
間圧力に応じて可動するよう構成したので、プレートと
可撓性ディスクの空間から補助スライダと可撓性ディス
クの空間に流れる空気流に乱れが生じす、又、ヘッドス
ライダと可撓性ディスクの空間の圧力が均一になるよう
ヘッドスライダが可動するためヘッドの当り特性が安定
化すると共に低浮上化を実現することができるという効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明の実施例を示し、第１図は第
２図のＡ−Ａ線断面図、第２図はヘッド付近の底面図で
あり、第３図は従来例のヘッド付近の断面図である。 １……可撓性ディスク、1a……円形面、２……プレー
ト、2a……内面、３……ヘッド挿入口、４……ヘッドス
ライダ、５……補助スライダ、5a……可撓性ディスク側
面、８……ヘッド、９……バネ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】可撓性ディスクを回転自在に支持し、この
   可撓性ディスクの円形面の近傍にプレートを配置し、こ
   のプレートにヘッド挿入口を形成すると共に、 ヘッドを備えたヘッドスライダを有し、このヘッドスラ
   イダの前記可撓性ディスク回転方向の両側に補助スライ
   ダを設け、前記ヘッドスライダと前記補助スライダを前
   記ヘッド挿入口から前記可撓性ディスク側に挿入するデ
   ィスク装置において、 前記補助スライダの前記可撓性ディスク側面を前記プレ
   ートの内面と同一高さに位置させ、 前記補助スライダに対して前記ヘッドスライダを移動可
   能に設け且つ前記補助スライダと前記ヘッドスライダの
   間にバネを介在し、前記ヘッドスライダが前記可撓性デ
   ィスクからの圧力で前記バネのバネ力に抗して前記可撓
   性ディスクから離れる方向に変位するよう構成したこと
   を特徴とするディスク装置。