JPS5921929Y2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は車両、特にトラクタ等の建設車両などに搭載
する空気調和装置に関するものである。

建設車両等の場合、キャビンが非常に狭いため空気調和
装置にもスペース的な制約を受ける。

そのため、従来にあっては、空気調和装置を゛簡易小型
の構造とし、これを運転席の下方又は後方に配置し、そ
こから直接冷暖風を吹出させるようにしている。

しかしながら、簡易な構造であるために、冷房、暖房効
果が悪く、吹出風の適切なコントロールが不可能であり
、一般車両用のものに比べて著しく性能が劣るという欠
点があった。

そこで、この考案は、上記の欠点を解消するため、エバ
ポレータ等を収納したエアコンユニットを運転席の後方
に、空調空気を分配する分配器をインストルメントパネ
ル付近にそれぞれ分散配置して、小型のキャビンを有す
る車両にあっても適切な吹出風を選択できるように高級
化を図ると共に、送風機を送風機ケースに収納して送風
機ユニットを構成し、これを前記エアコン具ニット又は
分配器のいずれにも接続できるようにして、キャビンの
形状が異なっても容易に設置できるように汎用性を有す
るようにした車両用空気調和装置を提供しようとするも
のである。

以下、この考案の実施例を図面により説明する。

第１図、第２図において、この考案の一実施例が示され
、建設車両の車両本体１に運転席２を囲んで密閉構造と
したキャビン３が設けられ、このキャビン３内にこの考
案の車両用空気調和装置が搭載されている。

該空気調和装置は、概略すれば、運転席２の後方にエア
コンユニット４が配置され、このエアコンユニット４に
送風機ユニット５が接続され、この送風機ユニット５が
導通ダクト６を介してインストルメントパネル７の下方
に設けられた分配器８に接続されて構成されている。

エアコンユニット４は、空調ケース９内でエバポレータ
１０が上流側に、ヒータコア１１が下流側にそれぞれ空
調ケース９に収納されている。

そして、エバポレータ１０の上流側に設けられた内外気
切換ドア１２が操作されて内気口１３又は外気口１４を
開き、内外気を選択すると共に、ヒータコア１１の上流
側に設けられたエアミックスドア１５の開度調整により
ヒータコア１１を通る空気量を変化させて空調空気の温
度コントロールが行なわれるように構成されている。

送風機ユニット５は、送風機ケース１６内に送風機１７
が収納されて構成され、送風機ケース１６に形成の吸入
孔１６ ａがエアコンユニット４の空調ケース９に形成
の吐出孔９ａと一致するように着脱自在に固定されてい
る。

この送風機ユニット５の固定は、第３図に示されている
ように、例えば４個の取付ボルト１８を介して行なわれ
ている。

そして、これら４個の取付ボルト１８は、送風機ケース
１６の吸入孔１６ ａを中心として９０度ずつ隔てて配
されている。

したがって、送風機ユニット５は、第３図の２点鎖線で
示されているように、９０度ずつずらして取付けること
が可能であり、そのため、送風機ケース１６に形成の送
風口１６ ｂを４方のいずれの方向にも向かせることが
で゛きる。

導通ダクト６は、該ダクト６の一端６ａが送風ケース１
６の送風口１６ ｂに着脱自在に接続され、また、該ダ
クト６の他端６ｂが下記する分配器８の空調空気導入口
１９に着脱自在に接続されている。

分配器８は、前記エアコンユニット４からの空調空気を
分配して、所望の吹出口から吹出させるようにしたもの
で、インストルメントパネル７の下方又はその付近に設
けられ、該分配器８内のモードドア２０．２１を適宜開
閉することで、上部吹出口２２、下部吹出口２３又はデ
フロスト吹出口２４がら空調空気が吹出される。

即ち、上流側のモードドア２０により上部吹出口２２と
下部吹出口２３又はデフロスト吹出口２４との選択がな
され、下流側のモードドア２０により下部吹出口２３と
デフロスト吹出口２４との選択がなされる。

インストルメントパネル７のほぼ中央には操作板２５が
設けられており、この操作板２５にある各操作レバーに
よって、分配器８のモードドア２０゜２１及びエアコン
ユニット４の内外気切換ドア１２、エアミックスドア１
５が単独であるいは連動されて操作され、これにより吹
出風の温度及びモードの制御が行なわれ、さらにこの操
作板２５にあるスイッチで送風機１７の回転数が変化さ
れ、吹出風の強弱の制御が行なわれるものである。

第４図、第５図において、この考案の他の実施例が示さ
れ、前記実施例と比較して送風機ユニット５の位置が異
なり、送風機ユニット５を分配器８の下方に接続して、
キャビン３の運転席２の後方のスペースに余裕のない車
両に対して搭載できるようにしたものである。

即ち、送風機ユニット５は、該ユニット５の送風機ケー
ス１６の送風口１６ｂが分配器８の空調空気導入口１９
に着脱自在に接続されて分配器８の下方に配され、また
、導通ダクト６は、一端６ｂがエアコンユニット４の空
調ケース９の吐出口９ａに着脱自在に接続されていると
共に、他端６ａが送風機ケース１６の吸入口１６ａに着
脱自在に接続されているものである。

尚、前記実施例と同一の部分は同一符号を付して説明を
省略する。

以上述べたように、この考案によれば、エアコンユニッ
トを運転席の後方に、分配器をインストルメントパネル
付近にそれぞれ分散配置し、それらを導通ダクトで接続
するようにしたので、建設車両等の狭いキャビン内への
設置が可能で、しかも吹出風の温度、モード等のコント
ロールができる車両用空気調和装置を提供することがで
きる。

また送風機ユニットをエアコンユニット又は分配器に着
脱自在であるようにしたので、キャビンの形状が異なっ
ても送風機ユニットのみをどちらか一方へ取付位置を移
動させるだけで、大きな設計変更を必要とせずに設置す
ることができる。

このために、空気調和装置の汎用性が高まり、多機種小
量生産の建設車両用の空気調和装置のコストの引き下げ
にも寄与することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はこの考案の一実施例である車両用空気
調和装置を建設車両に搭載した状態を示し、第１図は側
面図、第２図はＡ−Ａ線上部を展開した平面図、第３図
は同上の空気調和装置の送風機ユニットをエアコンユニ
ットに固定した状態を示す側面図、第４図、第５図はこ
の考案の他の実施例である車両用空気調和装置を建設車
両に搭載した状態を示し、第４図は側面図、第５図はＢ
−Ｂ線上部を展開した平面図である。 ２・・・・・・運転席、４・・・・・・エアコンユニッ
ト、５・・・・・・送風機ユニット、６・・・・・・導
通ダクト、７・・・・・・インストルメントパネル、８
・・・・・・分配器、９・・・・・・空調ケース、１０
・・・・・・エバポレータ、１１・・・・・・ヒータコ
ア、１６・・・・・・送風機ケース、１７・・・・・・
送風機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 空調ケースに少なくともエバポレータとヒータコアとを
   収納したエアコンユニットを運転席の後方に設け、この
   エアコンユニットからの空調空気を送風機の回転により
   導通ダクトを介して前方のインストルメントパネル付近
   に設けられた分配器に導びくようにし、前記送風機は送
   風機ケースに収納されて送風機ユニットを構成し、この
   送風機ユニットを前記エアコンユニット又は分配器のい
   ずれにも着脱自在であるようにしたことを特徴とする車
   両用空気調和装置。