JPS5921036Y2 - 筆記具のクリツプ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ボールペン、シャープペンシルまたは万年筆
等の筆記具の本体あるいはそのキャップ等に取り付けら
れるクリップ装置の取付構造の改良に関するものである
。

筆記具のクリップ装置には、弾性を有するクリップ本体
を、その１端で筆記具に固着したものと、弾性を持たな
いクリップ本体を、その１端で筆記具に回動自在に取り
付け、筆記具の軸筒内に設けたバネで付勢してクリップ
弾性を持たせるものとがあり、後者の方が外観が重厚で
あり、クリップ作用も良好であるため、高級な筆記具に
採用されているが、反面において、付構造が複雑となり
、組付は作業も煩雑となってコスト高となるし、組付は
不良等に起因する故障も生じやすい欠点を有している。

本考案は、前述の弾性を持たないクリップ本体を使用し
たクリップ装置を改良したもので、構造が簡単で構成部
品数が少なく、従って組付は作業も容易であって比較的
廉価に供給でき、しかもクリップの取付は姿勢が安定し
、クリップ作用も良好なりリップ装置を提供することを
目的としている。

以下、図示例についてその構成を説明する。

第１図ないし第７図は実施の１例を示しており、クリッ
プ１は、前部に土部２を有し、後部には、工部２側よる
裏面３側に向け、取付部４が膨出形成されており、それ
自体弾性を持たないものである。

この取付部４は、第１図、第３図に明示されるように、
基部５と、基部５から裏面側へ突設された突出部６と、
取付部４の後端たる支点部７とで構成されており、前記
基部５は、第１図、第４図に示されているように、軸筒
８のクリップ取付部位に開放された取付孔９と合致する
か、やや小型に成形され、該取付孔９内に嵌入されてい
る。

また突出部６は、軸筒８内に突出させられ、軸筒８内に
位置する部位に、クリップ長さ方向に走る孔部１０が穿
設されている。

この孔部１０は突出部６を貫通する孔であっても、ある
いは突出部後端側に開口する盲孔であってもよい。

前述の支点部７は、基部５が取付孔９に嵌入された状態
において、該孔９の軸筒後端側の軸筒表面１１に当接さ
せられている。

軸筒８内の取付孔９の直下の位置には、第５図、第６図
に示される構造の筒状体１２が嵌入され、固定されてい
る。

この固定は、圧入、接着等任意の手段で行なわれる。

筒状体１２は、弾性金属製とされ、周面の一部に切欠１
３によって舌片状の板バネ部材１４を延設、形成されて
いる。

この板バネ部材１４は、第６図に示されるように、筒状
体１２の周面部１５より角度θだけ内方へ傾斜させ、矢
印イ方向へのバネ性能を向上させである。

上述の筒状１２の板バネ部材１４は、その先端部１７を
、取付孔９から軸筒内へ突出させられているクリップ１
の突出部６の孔部１０内へ嵌挿されているが、嵌挿状態
は、先端１８が孔部１０の先端から突出しない範囲に留
めておくものである。

軸筒８の後端１９には、前記筒状体１２の後端に接する
まで、第７図に示される尾栓２０が嵌挿、固定されてい
る。

図示例の尾栓２０は中空体とされ、ノック棒２１等の装
着が可能なように構成されているが、ノック棒を必要と
しない筆記具においては充実体なる尾栓が使用されるこ
とは勿論である。

上述の実施例において、クリップ１の取付部４は、突出
部６の孔部１０に嵌挿された板バネ部材１４の弾性によ
り、工部２と支点部７とが軸筒８の周面に接する位置に
弾性的に支着されており、工部２側に矢印口方向の拡開
力が作用すると、クリップ１は、支点部７を回動中心と
して板バネ部材１４を弾性撓曲させつつ矢印口方向に回
動し、取付部４の基部５が取付孔９から若干脱出する方
向へ回動し、該板バネ部材１４の復元弾性クリップ作用
を生ずるものである。

またその組付けは、クリップ１の取付部４を軸筒８の取
付孔９内し配置し、軸筒８の後端１９から筒状体１２を
軸筒８内へ嵌挿し、その板バネ部材１４の先端部分１７
を、クリップ１の突出部６の孔部１０内へ嵌挿するとい
う簡単な作業で完了するものであるか。

上述の実施例においては、クリップ１の突出部６に、断
面長方形状の孔部１０が穿設されているが、これを第８
図に示されるように、突出部２２に溝２３を削設し、そ
の外方に金属板２４をスポット溶接等で装着し、この溝
２３と金属板２４とで孔部２５を形成するようにしても
よいし、また孔部の断面形状を、第９図に示すように長
円形状とした孔部２６としてもよいものである。

他方、軸筒８に開設される取付孔９の形状を、第１０図
に示されるごとく、軸筒２７の後端２８方向に、板バネ
部材１４の幅Ｗより僅かに広い幅の延長溝２９を形成し
た取付孔３０とし、板バネ部材１４の弾性変形区域の増
大を図ってもよい。

第５図に示される筒状体１２は、完全な円形断面の筒状
体であるが、これを第１１図に示されるように欠円断面
の筒状体３１としてもよい。

この筒状体１２あるいは３１は、いずれも軸筒８内に内
装されたとき、円周方向への回動、変イ立を生ヒないよ
う固定されることが必要である。

本考案は係るクリップ装置は、上述の構成、作用のもの
であって、構造が簡単であり、取付孔を開設した軸筒の
外には、僅かにクリップと、板バネ部材を有する筒状体
とのみで足り、部品数が少なく、組付は作業も容易であ
り、廉価に供給できる効果がある。

また軸筒に対するクリップの取付姿勢は、筒状体の板バ
ネ部材はよる弾発力に基づく支着であり、筒状体を軸筒
に対して固定するのみで安定したものたらしぬうるし、
該板バネ部材の弾力でクツツブ作用を生じさせているの
で、弾性を持たないクリップでありながらクリップ作用
も確実となり、重厚な外観を呈せしめつる等の効果も有
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施の１例の要部の拡大縦断面図、第２図は第
１図中■Ｉ−ＩＩ線断面図、第３図はクリップの拡大斜
面図、第４図は軸筒の取付孔部分の拡大斜面図、第５図
は筒状体の拡大斜面図、第６図は第５図中■Ｉ−ＶＩ線
断面図、第７図は尾栓の拡大斜面図、第８図１よりリッ
プの取付部の別の実施例の拡大斜面図、第９図はクリッ
プの取付部の更に異なる実施例の拡大斜面図、第１０図
は軸筒の取付孔の別の実施例の拡大斜面図、第１１図は
筒状体の別の実施例の拡大斜面図である。 １・・・クリップ、２・・・工部、３・・・裏面、４・
・・取付部、５・・・基部、６・・・突出部、７・・・
支点部、８・・・軸筒、９・・・取付孔、１０・・・孔
部、１１・・・軸筒表面、１２・・・筒状体、１４・・
・板バネ部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弾性を持たないクリップの後部に、クリップの工部側た
   る裏面側に向って、取付部が膨出形成されており、該取
   付部は、軸筒に開設されたクリップの取付孔に嵌入され
   ている基部と、該基部から突設され、軸筒内に突出して
   いる突出部と、取付孔の軸筒後端側において、軸筒表面
   に当接している支点部とで構成されていると共に、前記
   突出部にはクリップ長さ方向に走る孔部が穿設されてお
   り、軸筒内に内装された弾性材製の筒状体がら延びる板
   バネ部材が、前記突出部の孔部に嵌挿され、クリップを
   軸筒に支着していることを特徴とする筆記具のクリップ
   装置。