JPS592055Y2 - コ−ド巻取り装置の破損防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はコード巻取り装置の破損防止装置に関する。

以下この考案の内容をより明らかにするためにクレーン
に使用されるコード巻取り装置を例を用いて詳細に説明
する。

従来一般にトラッククレーンのブーム機構は第１図に示
すごとく、ベースブーム１に対してセカンドブーム２を
摺動自在に嵌装し、更にセカンドブーム２に対してトッ
プブーム３を嵌装するというように、２乃至５段のテレ
スコピック構造として、これを油圧装置（図示せず、ブ
ームに内蔵されている）によって運転手の意のままに伸
縮作動せしめ得るようになっており、このブームの先端
に軸支された滑車４，４′に巻回したワイヤロープ５に
よってフックブロック６を吊持して荷役作業をするので
あるが、このフックブロックを巻き上げ過ぎて機械装置
を破損せしめる事を防止する為の安全警報装置として、
ブーム先端部に、重錘７を吊持した電気開閉器８が配設
されている。

そして、この電気開閉器８によって制御される電気回路
を運転室に導くために、基体９に回転自在に支承され、
渦巻ばねにより巻取り方向に回転付勢されるコード巻取
りドラム１０を備えたコード巻取り装置が、その基体９
をベースブーム１に固設して設けられており、コード巻
取り装置のコード巻取リドラム１０にその一端を係着巻
回したコード１１の他端をトップブーム３の先端に止着
している。

このコード１１はコード巻取リドラム１０の巻込力によ
って緊張され、電気開閉器８と運転室内の安全警報器（
図示せず）とを電気的に接続導通している。

従来のコード巻取り装置は第２図に示す如く、基体９に
固着された軸１２に対してコード巻取りドラム１０は軸
受１３を介して回転自在に支承されている。

そして、渦巻ばね１４の一端はドラム１０の中心軸近傍
１６に取着され、他端は基体９に固着された支柱１７に
取着されている。

これによりコード１１が矢印Ａ方向に引き出されるとコ
ード巻取リドラム１０は矢印Ｂ方向に回動しつつ渦巻ば
ね１４を巻くので、コード１１の緊張力が弛もうとする
と、巻取ドラム１０は渦巻ばね１４の付勢力によって矢
印Ｃ方向に回動して、コード１１に対して常にほぼ一定
の張力を与えるものである。

このような構造のコード巻取り装置においてコード１１
はブーム外部に露出しているので外力を被って切断され
ることも希ではないが、コード１１が切断されるとコー
ド巻取リドラム１０は渦巻ばね１４の付勢力を受けほと
んど抵抗なく矢印Ｃ方向に空転し、コード巻取リドラム
１０は高速回転の慣性エネルギーを貯えるので、矢印Ｃ
方向の回転ストローク終点に達しても慣性力によって回
転を続け、渦巻ばね１４を破損させたりする。

本考案は叙上の事情に鑑みて為され、コード１１が何ら
かの事故によって切断された場合、自動的に巻取りドラ
ム１０の回転を制動して空転を防ぎ、渦巻ばね１４等の
破損を未然にかつ完全に防止する装置を提供しようとす
るものである。

次に本考案のコード巻取り装置の一実施例を第３図に基
づいて説明する。

本考案のコード巻取り装置は、第２図で示し上述した従
来のコード巻取り装置と比べ、渦巻ばね１４の基体９へ
の取着構成が異っているのみであるので、以下の説明に
おいては、従来のコード巻取り装置の説明において用い
た符号並びにその説明は、支柱１７のそれを除き他は同
一符号を用いであるのでその説明は省略する。

第３図において、１８は、巻取りドラム１０に対し押圧
離間自在なようにして基体９に取り付けられたブレーキ
シューである。

すなわち、ブレーキシュー１８は、基体９に固着した軸
１９にその基端部を支持され、矢印り、Ｅ方向に傾動自
在に構成しており、矢印Ｅ方向に傾動すると同ブレーキ
シュー１８の先端面２０がコード巻取りドラム１０の内
面に押圧され、矢印り方向に傾動すると同ブレーキシュ
ー１８の先端面２０がドラム１０の内面から離間するよ
うになっている。

ブレーキシュー１８は、弱いばね２１により矢印Ｅ方向
すなわち巻取りドラム１０にその先端面２０が押圧され
る方向に付勢されている。

一端をコード巻取リドラム１０の中心軸近傍に止着した
渦巻ばね１４の他端は、ブレーキシュー１８に植設した
支柱２２に取着されており、これにより渦巻ばね１４の
付勢力が前記ブレーキシュー１８を前記ばね２１に抗し
て矢印り方向すなわち巻取ドラム１０から離間する方向
へ傾動するようになっている。

次に作用を説明する。

コード巻取り装置がコード１１に適当な張力を与える如
く正常に作動している時にはブレーキシュー１８は渦巻
ばね１４により矢印Ｄ′方向の巻き取り反力を受けて矢
印り方向に傾動し、コード巻取りドラム１０から離間す
るので同ドラム１０に対してまったく制動力を及ぼさな
い もし何らかの事情でコード１１が切断するとコード巻取
リドラム１０は矢印Ｃ方向に空転し始めるが、同時に渦
巻きばね１４の緊張が急激に減少し、ブレーキシュー１
８に対する巻取り反力が瞬時に消滅するので、同ブレー
キシューはばね２１の付勢力によって矢印Ｅ方向に傾動
して、その先端部２０はコード巻取りドラム１０の内面
を押圧する。

この押圧によってブレーキシューの先端部２０に対して
矢印Ｅ方向の摩擦力が加えられるので、ばね２１の付勢
力に相加してコード巻取りドラム１０の内面に強く圧接
して制動力を及ぼすので、コード巻取りドラム１０の空
転は停止せしめられる。

尚、この際、ブレーキシュー１８はコード巻取りドラム
１０の内面に対して、所謂くさび現象によって自緊（食
いこみ）して、強烈な制動を行なう。

本考案のコード巻取り装置の破損防止装置は、基体９に
回転自在に支承され、渦巻ばね１４により巻取り方向に
回転付勢されるコード巻取リドラム１０を備えたコード
巻取り装置であって、巻取りドラム１０に対し押圧離間
自在なようにして基体９に取り付けらればね２１により
コード巻取りドラム１０に押圧付勢されるブレーキシュ
ー１８を設け、更に前記渦巻ばね１４は、その一端を巻
取りドラム１０に取着すると共に、その他端を前記ブレ
ーキシュー１８に取着し、以って渦巻ばね１４の付勢力
が前記ブレーキシュー１８を前記ばね２１に抗して巻取
りドラム１０から離間させる如く構成したので、コード
１１が切断した場合、コード巻取リドラム１０の空転を
阻止し、空転によって誘発される重大な損傷を未然にか
つ完全に防止する優れた実用効果が得られる。

【図面の簡単な説明】 第１図はトラッククレーン等に用いられる伸縮式のクレ
ーンブームの構造を示す概要的な図、第２図は従来一般
に用いられているコード巻取り機の構造を示す部分断面
図、第３図は本考案の一実施例における構成説明図であ
る。 １０：コード巻取りドラム、１４：渦巻ばね、１８ニブ
レーキシュー２１：ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基体９に回転自在に支承され、渦巻ばね１４により巻取
   り方向に回転付勢されるコード巻取りドラム１０を備え
   たコード巻取り装置であって、巻取りドラム１０に対し
   押圧離間自在なようにして基体９に取り付けらればね２
   １によりコード巻取リドラム１０に押圧付勢されるブレ
   ーキシュー１８を設け、更に前記渦巻ばね１４は、その
   一端を巻取りドラム１０に取着すると共に、その他端を
   前記ブレーキシュー１８に取着し、以って渦巻ばね１４
   の付勢力が前記ブレーキシュー１８を前記ばね２１に抗
   して巻取りドラム１０から離間させる如く構成したこと
   を特徴とするコード巻取り装置の破損防止装置。