JPS5812410B2 - 地盤を密圧する装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は地盤を密圧する装置に関する。

地盤改良工事の一つとして、モンケンと呼ばれる打設体
をクレーンを用いて吊上げてから落す作業を繰返し何度
か行なって地盤をつき固めて密圧する工法がある。

この工法によると、２トン程度の平板状の打設体をクレ
ーンを用いて吊上げて地上に落下させる場合、一本吊り
のワイヤーによってドラムに巻上げて所定の高さから急
降下させて地上に落下させるものであるが、一度落下し
た打設体を再び吊上げる際打設体は地面に密着した状態
となっており、それを吊上げるには打設体の２倍以上の
重力が必要となり、クレーンのドラム巻上げ能力が越え
てしまい巻上げクラッチの損耗が著しいものである。

また、打設体を急降下させる際にはワイヤーの巻取りド
ラムをフリーの状態として落下させるために打設体が地
上に着くと同時にドラムにブレーキをかけてドラムの過
回転によるワイヤーの繰出しを防止するものであるが非
常に速い回転で回転しておりしかも負荷が太きいために
ブレーキの損耗が激しく、同時にワイヤーの損耗も激し
いもので工事毎に交換しなければならないこともあった
。

本発明は上記の欠点を解決することを目的とし、所定の
高さから打設体だけを落下させ、地上ではクランプによ
って打設体を自動的に握持するようにし、しかも滑車を
介して打設体を吊上げるようにすることにより、吊上げ
能力を増大させると共に急降下させるに際して操作ワイ
ヤの巻戻しがなく、その結果ワイヤー及びドラムのブレ
ーキの損耗等が無く、耐久性の大きい装置とすることを
特徴とする。

以下本発明の一実施例を図面に従って説明する。

１はガイドを兼ねた枠体であって下部に末広の開口２を
有し、中程に細径の案内部３があり、その上部には斜面
４を有する握持室５が形成され、上端面に滑車６が支持
されている。

７はクランプの固定体であって握持室５内面に固定され
ており断面形状湾曲の握持面７ａを有している。

８はクランプの可動体であり、握持室５の斜面４に沿っ
て移動可能となっており、斜面４に対応する摺動面８ａ
および断面形状湾曲の握持面８ｂを有している。

９は大略Ｌ字形の締付体であって平行に二つ連結体１０
によって連結され下端はクランプの可動体８に回動可能
に取付けてあり、上端にはバランサー１１が取付けてあ
って、上記連結体１０を枠体１に回動自在に固定してあ
る。

１２は上下動可能に枠体１の上面内側に取付けられた作
動体であり、下側部に３本のロツド１３．１４，１５が
回動自在に連続して連結してあるその一端のロツド１３
が長穴１３ａを介して作動体１２に取付けた軸１６に回
動可能に連結してあり、その他端のロツド１５は長穴１
５ａを介して上記締付体９の中程に設けた軸１７に回動
可能に連結してある。

１８は解放体であり、３本の叡ンド１９，２０．２１が
それぞれ回動可能に連続して連結したものが相対向して
平行に形成され、その一端のロツド１９はクランプの可
動体８の上端に回動可能に固定してあり、ロンド２０の
中程は枠体１上端で軸２２によって回動可能に支持され
ており、他端のロツド２１は滑車６を挟むようにして互
に連結してある。

２３は平板状の打設体２４上面に突設した握持棒であり
、枠体１の案内部３内に通る程度の径となっている。

上記滑車６には操作ワイヤー２５が巻かれており、クレ
ーンの上端より吊下げられている。

次に上記構成を有する本装置の作用を述べる。

先ずクランプによって打設体２４の握持棒２３を握持す
るときは、枠体１を降下させて握持棒２３の」二端に作
動体１２を当てると、ロツド１３１４，１５は第３図の
点線で示す如く変位し、それによって締付体９は連結体
１０を軸として回動してクランプの可動体８を握持室５
の斜面４に沿って降下させ、クランプの固定体７との間
で握持棒２３を握持する。

その状態で操作ワイヤー２５を繰上げて滑車６を介して
打設体２４を吊上げて行く。

このときクランプの作動体８は締付体９のバランサー１
１によって握持棒２３を一層締付ける方向に作用するた
めにクランプから握持棒２３が抜けることは無い。

そして所定の高さまで来たときにもう一つのドラムに吊
下げられてある錘りによって解放体１８の上端をたたく
と、ロツド２０が軸２２によって揺動してクランプの可
動体８を斜面４に沿って上方に移動させる。

これによって握持棒２３の握持は解かれて打設体２４は
落下する。

落下した打設体２４は、操作ワイヤー２５を巻戻すこと
によって枠体１を下げると、末広の開口２内で握持棒２
３は案内されて細径の案内部３に入り、握持棒２３の上
端が作動体１２に当り、上述の如くクランプで握持棒２
３を握持するものである。

なお、上記実施例において解放体の上端を枠体の上方に
突出させてあるがその位置は枠体の側部でもよい。

以上の構成、作用を有する本発明によると、打設体に突
設した握持棒をクランプによって自動的に握持すると共
に所定の高さになったところでクランプを外して打設体
だけ落す構造としたことにより操作ワイヤーに負担がか
からず、しかも打設体を吊下げるに際して滑車を利用で
きるために吊上げ力が従来の２倍大きくなり、地面に密
着した打設体を容易に吊上げることができるものとなり
また、操作ワイヤードラムのクラッチ，ブレーキ等の負
担もほとんどなくなり装置全体の耐久性が向上するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本願装置を用いたクレーンの使用状態を示す側
面図、第２図は本願装置の斜視図、第３図は縦断面図で
ある。 １…枠体、６…滑車、７…クランプの固定体、８…クラ
ンプの可動体、９…締付体、１１…バランサー、１８…
解放体、２３…握持棒、２４…打設体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 平板状の打設体を操作ワイヤーで吊上げ、その落下
   によって地盤の密圧を行なう装置において、滑車を介し
   て操作ワイヤーで吊下げられる枠体内に固定体と可動体
   とより成るクランプを設け、この可動体にロツドで構成
   される解放体及び締付体のそれぞれの一端を取付け、解
   放体の他端は枠体外に突出させると共に締付体の他側は
   枠体内に上下動可能に取付けた作動体に連結し、打設体
   に突設した握持棒が作動体に当ることによって締付体は
   クランプの可動体を作動させて握持棒を握持し、解放体
   の突出端を錘り等で打つことによって可動体を作動して
   握持棒を解放するようにしたことを特徴とする地盤を密
   圧する装置。