JPS6320709Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、例えばスラブまたはブルーム等の
長尺材を搬送するクレーンに用いて好適な着床制
御装置を具備するトング付クレーンに関するもの
である。

通常、クレーンでスラブやブルーム等の長尺材
を搬送する荷役作業では、屡々２点吊りの電動ト
ングをそなえたクレーンが使用される。

ここで問題となるのは、電動トングがスラブや
ブルーム等の搬送物を吊持状態下で掴みや釈放操
作を行う場合、電動トングにトング自体の自重を
支える脚もしくはこれに類似の支持部材を有しな
いものでは、搬送物の吊上げ場所や着床場所が搬
送物長手方向に傾斜していたり、あるいは搬送物
自体に反りや端曲りの欠陥があると、着床の際、
搬送物の両端が同時に着床せず、先に着床した側
のロープにたるみが生ずる。そのため、電動トン
グはトング爪を開いた途端、ロープのたるみ分だ
け自由落下現象を起し、巻上装置本体に衝撃を与
え、ひいては事故発生原因につながるおそれがあ
る。

本考案は、かゝる従来の問題に対処するために
提案されたもので、次にその実施例を図面にもと
づいて説明する。

この考案に適用する巻上装置は、走行自在のク
レーンガーダ１上に支承される横行自在のトロリ
ー２と、該トロリー２に支承した駆動装置３に連
動駆動される巻上ドラム４と、該巻上ドラム４に
両端部を元付けした２条の巻上ロープ５と、電動
トング上に支承したシーブ６、トロリー上に支承
したシーブ７及び電動トング上に支承したシーブ
８を介して導かれる巻上ロープ５の垂下端に吊持
される電動トング９とからなつている。

夫々の巻上ロープ５の垂下端中間を支持する前
記シーブ７は、トロリー２上に固設したブラケツ
ト１０と、該ブラケツト１０に装着した補助昇降
機構１１例えば電動スクリユージヤツキと、該補
助昇降機構１１上に取付けたロードセル１２と、
該ロードセル１２上に装着したシーブ軸の支持軸
受１３を介して上下動可能に装備されている。な
お図示の巻上ドラム４はドラム軸の一端で駆動す
るものについて示したが、２条の巻上ロープ５，
５が同一速度、同一方向に巻上、巻下げられるも
のであればよい。

ロードセル１２は夫々の巻上ロープ５からシー
ブ７にかゝる負荷を検出し、その検出値と予め設
定された２つの設定値、即ち第１設定荷重と第２
設定荷重を有し、ロードセル１２に電気的に接続
された駆動制御機構（図示せず）に信号を発する
ようになつている。即ちロードセルによる検出荷
重が第１の設定荷重になると巻上ドラム４の巻下
げを停止し、又第２の設定荷重になると補助昇降
機構１１の上昇の停止を自動的に行わせるように
適宜周知の技術手段により、電気的にシーケンス
が組まれている。

本考案は、以上の構成であつて、いま電動トン
グ９が水平状態に掴んだ搬送物Ｓを傾斜した床に
着床させる場合についてその作用を説明する。

まず、駆動装置３により巻上ドラム４を巻下げ
方向に回転して巻下げを開始する。巻下げに伴つ
て先に着床した側の巻上ロープ５にかゝる負荷が
減少する。この負荷の減少はロードセル１２によ
つて検出され、その検出値が予め設定された第一
設定荷重になると、駆動制御機構に信号を発しド
ラム４の巻下げを停止する。

次いでロードセルによつて検出される先に着床
して荷重の小さい側の補助昇降機構を作動させ、
同じ側のロードセルの検出荷重が第２設定荷重に
なつた時点で、補助昇降機構の上昇、即ちシーブ
７の上昇を停止し、この状態で電動トング９のト
ング爪を開き、搬送物Ｓを釈放する。この際電動
トング９を吊持する２条のロープ５，５は共に緊
張状態下にあるから電動トング９は落下現象を起
すことはない。

また、たとえば前記第１設定荷重を電動トング
９の重量の1/2より小さい設定荷重に、前記第２
設定荷重を電動トング９の重量の1/2に略等しい
設定荷重にしておけば、搬送物Ｓを釈放したとき
クレーンガーダ側に荷重衝撃を与えることはな
い。

以上の操作が完了した後、補助昇降機構１１に
より巻上げ高さの修正、すなわち電動トング９の
水平修正が行われる。

本考案は以上詳述したように巻上ロープ５にか
かる負荷の検出を第１と第２の設定荷重を有する
ロードセルによつて行わせ、夫々のロードセルに
かゝる荷重が第１の設定荷重になつたら巻上ドラ
ムの巻下げを停め、又同じく第２の設定荷重にな
つたら補助昇降機構の上昇の停止を自動的に作動
させるようにしたため、その操作を正確かつ確実
に行わせることができ、考案所期の目的を達成し
実用上甚だ有効である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
概略正面図、第２図は側面図、第３図は第１図の
Ａ部詳細図、第４図は第３図の側面図である。 図において；１……走行クレーンガーダ、２…
…トロリー、３……駆動装置、４……ドラム、５
……巻上ロープ、６，７，８……シーブ、９……
電動トング、１０……ブラケツト、１１……補助
昇降機構、１２，１２′……ロードセル、１３…
…シーブ支持軸受。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 巻上ドラムに両端部を元付けした２条の巻上ロ
   ープに吊持される２点吊りの電動トングを具備す
   るトング付クレーンにおいて、夫々の巻上ロープ
   はその垂下端中間をトロリー上で補助昇降機構に
   よつて上下動可能に軸支されたシーブで案内支持
   されており、この補助昇降機構はトロリー上に固
   設したブラケツトに装着した１対の電動スクリユ
   ージヤツキと、各電動スクリユージヤツキ上にあ
   つて、第１と第２の設定荷重を有し、駆動制御機
   構に接続されたロードセルと、該ロードセル上に
   装着したシーブ軸の支持軸受とからなり、前記ロ
   ードセルによる検出荷重が第１の設定荷重になる
   と巻上ドラムの巻下げを停止し、同じく検出荷重
   が第２の設定荷重になると補助昇降装置の昇降作
   動を停止するようになつていて、着床の際搬送物
   の両端部が同時に着床しない場合、先に着床した
   側のロードセルの第１の設定荷重で巻上ドラムの
   巻下げを停止し、次いで先に着床した側の補助昇
   降機構を上昇させてロードセルの第２設定荷重で
   補助昇降機構の上昇を停止し、電動トングの爪を
   開くようにしたことを特徴とする着床制御装置を
   そなえたトング付クレーン。