JPS5919787B2 - 取鍋転倒装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は取鍋転倒装置に関する。

従来の取鍋転倒装置は、取鍋に電動機を設置し、この電
動機により取鍋のトラニオン軸を回動させることによっ
て取鍋を転倒させるように構成したものであった。

ところがこのような取鍋転倒装置では、取鍋を吊持して
移動する搬送装置から取鍋に設置した電動機に電源を与
える必要があり、搬送装置からの電源線をコネクタを介
して電動機に接続していた。

このため、天井走行うレーン等の吊具に取鍋を着脱する
度に電源線のコネクタを抜挿しなければならず、たいへ
ん面倒であった。

本発明は上記の点に鑑み、天井走行うレーン等の吊具に
取鍋を着脱する際に、コネクタを抜挿する手間を省くこ
とのできる取鍋転倒装置を提供するものであり、以下そ
の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図および第２図において、１は吊具であり、該吊具
１には、両端部に滑車２，２がそれぞれ回動自在に支持
されていると共に、中央部に電動機収納箱３が固着され
ており、さらに前記滑車２゜２と電動機収納箱３との間
にフック４，４がそれぞれ垂設されている。

この吊具１は、前記滑車２゜２にそれぞれ掛装されたワ
イヤロープ５，５を介して天井走行うレーン６に支持さ
れており、前記ワイヤロープ５，５は、一端が前記天井
走行うレーン６に設けられた巻揚ドラム７に固着され、
他端がワイヤロープ係止具８の両端部に固着されている
。

このワイヤロープ係止具８は、ラック・ピニオン機構等
から成るワイヤロープ係止具駆動装置９を操作すること
によって、前記ワイヤロープ５．５他端部の長さ方向（
第２図では左右方向）に移動するように前記天井走行う
レーン６に取り付けられている。

したがって、前記巻揚ドラム７を回動させることによっ
て、前記吊具１が昇降する。

また、双方のワイヤロープ５，５の伸び量の差等によっ
て吊具１が水平方向に対して若干傾斜した場合、ワイヤ
ロープ係止具駆動装置９を操作してワイヤロープ係止具
８を移動させることによって、吊具１を正確に水平方向
に沿わせることができる。

１０，１０は前記ワイヤロープ５，５を案内する輪体で
ある。

前記フック４，４には、取鍋支持枠１１の上面に突設さ
れた略逆Ｖ字状の係合部材１２，１２が引っ掛けられて
おり、前記取鍋支持枠１１の両端から下方に延設された
取鍋支持杆１３，１３によって、取鍋１４の両側面に突
設されたトラニオン軸１５，１５が回動自在に支持され
ている。

前記取鍋支持枠１１および一方の取鍋支持杆１３には、
それらに沿ってその前面に位置するＬ字状の伝達装置収
納箱１６が取り付けられており、また前記一方の取鍋支
持杆１３の下端部にはケース１７が取り付けられている
。

前記電動機収納箱３には、第３図に詳細に示すように、
減速機付の電動機１８が収納されており、該電動機１８
からその下方に突出する出力軸１９には、第１の歯車２
０が外嵌固定されている。

２１は前記第１の歯車２０に噛合する円筒形の第２の歯
車であり、該第２の歯車２１は、取鍋支持枠１１の上面
に固着されたブラケット２２に軸受２３．２４，２５を
介して回動自在に支持された軸２６の上端部に外嵌固定
されている。

前記第１の歯車２０の歯は円弧状に形成されており、ま
た前記第１の歯車２０と第２の歯車２１との噛合中心は
、前記フック４と係合部材１２との接触点と同一水平面
内に位置しているので、前記取鍋支持枠１１が取鍋１４
と共に揺動したときに、第１の歯車２０と第２の歯車２
１との噛合が浅くなったりあるいは外れたりする恐れが
ない。

前記軸２６の下端部は前記伝達装置収納箱１６の内部に
貫入しており、この貫入部分には傘歯車２７が外嵌固定
されている。

前記伝達装置収納箱１６内には、前記傘歯車２７に噛合
する傘歯車２８と、一端部に前記傘歯車２８が外嵌固定
された軸２９と、該軸２９を回動自在に支持する軸受３
０．３１と、前記軸２９の他端部に外嵌固定された傘歯
車３２と、該傘歯車３２に噛合する傘歯車３３と、上端
部に前記傘歯車３３が外嵌固定された軸３４と、該軸３
４を回動自在に支持する軸受３５，３６と、下端部が前
記ケース１７内に貫入する軸３７と、該軸３７を回動自
在に支持する軸受３８と、前記軸３４の下端部と前記軸
３７の上端部とを連結するクラッチ３９とが収納されて
いる。

４０は前記クラッチ３９の操作レバーである。

前記ケース１７内には、前記軸３７の下端部に外嵌固定
された傘歯車１４と、諸傘歯車４１に噛合する傘歯車４
２と、一端部に前記傘歯車４２が外嵌固定された軸４３
と、フランジ４４に取り付けられて前記軸４３を回動自
在に支持する軸受（図示せず）と、前記軸４３の中間部
に外嵌固定されたピニオンギヤ４５と、前記一方のトラ
ニオン軸１５の一端部に外嵌固定されて前記ピニオンギ
ヤ４５に噛合する歯車４６とが収納されている。

なお前記伝達装置収納箱１６内に収納された傘歯車２７
，２８，３２，３３等、および前記ケース１７内に収納
された傘歯車４１．４２、ピニオンギヤ４５、歯車４６
等によって、前記第２の歯車２１の回動をトラニオン軸
１５に伝達する機械的な伝達装置４７が構成されている
。

４８は前記取鍋１４を手動で転倒させるためのバンドル
であり、該バンドル４８の軸４９は、前記フランジ４４
上に固定された軸受（図示せず）によって回動自在に支
持されており、該軸４９には、前記軸４３の他端部に外
嵌固定された傘歯車５０に噛合する傘歯車５１が外嵌固
定されている。

取鍋１４を吊具１で吊持するに際しては、天井走行うレ
ーン６の巻揚ドラム７を回動させて吊具１を適当な高さ
に位置せしめ、フック４，４を取鍋支持枠１１に突設さ
れた係合部材１２，１２に引っ掛ける。

これにより、吊具１側に配置された第１の歯車２０と取
鍋支持枠１１側に配置された第２の歯車２１とが噛合す
る。

次に巻揚ドラム７を回動させて吊具１を上昇せしめると
、取鍋１４は吊具１によって吊持される。

天井走行うレーン６を移動させて取鍋１４を所望の位置
に運搬した後、吊具１によって吊持されている取鍋１４
を転倒させるに際しては、電動機１８を駆動してその出
力軸１９を回動せしめる。

この出力軸１９の回動は、第１の歯車２０、第２の歯車
２１、軸２６、傘歯車２７，２Ｂ、軸２９、傘歯車３２
，３３、軸３４、クラッチ３９、軸３７、傘歯車４１゜
４２、軸４３、ピニオンギヤ４５、および歯車４６を介
してトラニオン軸１５に伝達され、該トラニオン軸１５
の回動と共に取鍋１４が転倒する。

天井走行うレーン６を移動させて取鍋１４を別の位置に
運搬した後、吊具１から取鍋１４を降ろすに際しては、
巻揚ドラム７を回動させて吊具１を適当な位置まで下降
せしめ、フック４，４を係合部材１２，１２から取り外
す。

これにより、第１の歯車２０と第２の歯車２１との噛合
は外れる。

このように、天井走行うレーン６の吊具１に電動機１８
と、該電動機１８によって回動せしめられる第１の歯車
２０とを設け、取鍋１４側には、取鍋１４が吊具１によ
って吊持された時に前記第１の歯車２０に噛合する第２
の歯車２１と、該第２の歯車２１の回動を取鍋１４のト
ラニオン軸１５に伝達する機械的な伝達装置４７とを設
けたので、吊具１に取鍋１４を着脱する際に、コネクタ
を抜挿する作業を行なう必要がない。

なお、取鍋１４を手動で転倒させるに際しては、クラッ
チ３９の操作レバー４０を操作して軸３４と軸３７との
結合を断った後、バンドル４８を回動させる。

このバンドル４８の回動は、軸４９、傘歯車５１，５０
、軸４３、ピニオンギヤ４５、および歯車４６を介して
トラニオン軸１５に伝達され、該トラニオン軸１５の回
動と共に取鍋１４が１到する。

このように取鍋１４を手動で転倒させることができるの
で、取鍋１４を修理するに際して、特殊クレーンを用い
て取鍋１４を転倒させる必要がない。

なお上記実施例においては、吊具１を天井走行うレーン
６に支持させた例について説明したが、吊具１は、天井
走行うレーン６以外の搬送装置に支持させても良い。

また伝達装置４７は、上記実施例のものに限定されるわ
けではなく、機械的なものでさえあれば他のいかなる機
構であってもよい。

以上説明したように、本発明にがかる取鍋転倒装置によ
れば、取鍋側に電源を供給する必要がないので、天井走
行うレーン等の吊具に取鍋を着脱する際に、コネクタを
抜挿する手間を省き得る。

また危険でかつ環境の悪い取鍋付近に作業者が接近する
必要がないので、取鍋の着脱作業を安全に行ない得る。

また第１の歯車と第２の歯車とがフックと係合部材との
接触点と同一水平面内で噛合しているので、取鍋が揺動
しても第１の歯車と第２の歯車との噛合が外れる恐れは
ない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図はその側面図、
第２図は同正面図、第３図は要部の拡大側面図である。 １・・・・・・吊具、４・・・・・・フック、１２・・
・・・・係合部材、１４・・・・・・取鍋、１５・・・
・・・トラニオン軸、１８・・・・・・電動機、２０・
・・・・・第１の歯車、２１・・・・・・第２の歯車、
４７・・・・・・伝達装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 取鍋に突設された係合部材に係合するフックを有し
   該フックを介して前記取鍋を吊持する吊具に、電動機と
   、該電動機によって回動せしめられる第１の歯車とを設
   け、前記取・鍋には、取鍋が前記吊具によって吊持され
   た時に、前記フックと係合部材との接触点と同一水平面
   内で前記第１の歯車に噛合する第２の歯車と、該第２の
   歯車の回動を取鍋のトラニオン軸に伝達する機械的な伝
   達装置とを設けたことを特徴とする取鍋転倒装置。