JPS5919076Y2 - 建築用パネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、金属板の両端部を夫々折曲して、一端部に接
合用凸出部を、他端部に接合用凹入部を形威しである建
築用パネルに関し、防火断熱効果がよく、シかも胴縁等
の下地材に強固に取付は得る施工性のよいものを提供す
ることを目的とする。

従来のこの種建築用パネルとして、たとえば第１図に示
すように、金属板の本体部分１の裏面に防火断熱層２を
設け、さらに、接合用凹入部３を構成する金属板端部４
の裏面に難燃処理したウレタン等よりなる防火断熱層５
を設けて接合個所においても防火断熱性能を有するよう
にしたものがある。

ところがこれでは、釘６を一般に脆い材質の防火断熱層
５を通して下地材７へと打ち込むため、下地材７に対す
る建築用パネルの取付けが強固に行なわれ得ないという
欠点があった。

本考案はかかる従来欠点を、防火断熱層の損傷を防止で
きる施工性のよい構成によって解消したもので、金属板
の両端部を夫々折曲して、一端部に接合用凸出部を、他
端部に接合用凹入部を形成しである建築用パネルにおい
て、前記金属板の本体部分裏面に本体防火断熱層を設け
るとともに、前記接合用凸出部の先端から裏面側へ、前
記接合用凸出部との間に空間が形威される状態に折り返
された折り返し部を、その先端が前記本体防火断熱層の
端部下端に重なるように設け、前記空間内に柔軟性を有
する接合用防火断熱層を、その端部が前記折り返し部の
端部より突出しないように設け、かつ、前記接合用防火
断熱層と前記接合用凹入部との間の本体防火断熱層裏面
に開放空間部を形威し、パネル接合状態において前記接
合用防火断熱層の両端部が隣接する両パネルの本体部分
裏面の本体防火断熱層と夫々重なり合う状態に設けたこ
とを特徴としている。

以下、本考案の実施例を図面について説明する。

第２図において、１０は本考案にかかる建築用パネルで
あって、金属板１１の両端部を夫々折曲して、一端部に
接合用凸出部１２を、他端部に接合用凹入部１３を形成
してあり、この金属板１１の本体部分１４裏面には、た
とえば、岩綿ボード、石こうボ−ド、シラスポード、硅
酸カルシウム板、難燃処理を施した合成樹脂層等からな
る本体防火断熱層１５がたとえば接着剤を用いる等によ
り固着されている。

そして、Ｑは後述する接合用防火断熱層１６と接合用凹
入部１３との間の本体防火断熱層１５裏面に形成された
開放空間部である。

１７は前記接合用凸出部１２の先端から裏面側へ、前記
接合用凸出部１２との間に空間が形成される状態に材り
返され、しかもその先端が前記本体防火断熱層１５の端
部下端に重なるように折り返された折り返し部である。

そして、前記空間内には、柔軟性を有する接合用防火断
熱層１６が、その端部を前記折り返し部１７の端部より
突出しないように、接着剤等を用いて固着されている。

この接合用防火断熱層１６は、第３図に示すように、建
築用パネル１０．１０を接合した状態において、当該接
合用防火断熱層１６の両端部が隣接する両建築用パネル
１０．１０の本体防火断熱層１５．１５と夫々重なり合
う状態に設けられる。

なお、前記接合用防火断熱層１６は、例えば、グラスウ
ール、ロックウール、石こう発泡シート、石綿発泡体、
難燃処理を施した発泡合成樹脂シート等より成り、その
厚さｄはこの実施例では５ｍｍである。

又、前記本体防火断熱層１５と接合用防火断熱層１６は
、同一の材料を用いても異なる材料を用いてもよく、更
に、第４図に示すように、両防火断熱層１５．１６を当
接或いは一体化させてもよい。

上述した建築用パネル１０を用いて、例えば、壁体を構
成する場合、第３図に示すように、接合用凹入部１３を
構成する金属板端部１８を胴縁等の下地材１９に当接し
、釘２０を打ち込んで前記建築用パネル１０を固定する
。

次にこの建築用パネル１０の接合用凹入部１３内に隣接
させるべき建築用パネル１０の接合用凸出部１２を挿入
して、両建築用パネル１０．１０を接合し、以下、これ
をくり返せばよいのである。

本考案に係る建築用パネルは上述した構成より成るので
、次のような効果を奏する。

■ 建築用パネルを構成する金属板の本体部分裏面に、
本体防火断熱層を設けるとともに、接合用凸出部裏面に
も接合用断熱層を設けてあり、しかもこの接合用断熱層
は、パネル接合状態において当該接合用防火断熱層の両
端部が隣接する両パネルの本体防火断熱層と夫々重なり
合うように設けられているので、接合個所を含むパネル
全面に互って防火断熱機能を奏することができる。

そして、前記接合用防火断熱層は接合用凸出部の裏面に
のみ設けるだけでよく、従って接合用凹入部側には接合
用防火断熱層を設ける必要がなく、接合用凹入部を構成
する金属板端部の裏面を直に下地材に当接した状態でパ
ネル固定用の釘を打ち込むことができ、その結果、建築
用パネルを強固に下地材に取付けることができる。

■ 前記接合用防火断熱層は、接合用凸出部とその先端
から裏面側へ折り返された折り返し部との間に形成され
る空間内に、その端部が前記折り返し部の端部より突出
しないように設けられており、かつ、柔軟性を有する材
質より成るので、接合用凹入部に対する接合用凸出部の
挿入が容易となり、施工性がよい。

即ち、従来のように、接合用凹入部の裏面に接合用防火
断熱層を設ける場合であれば何ら問題ないが、接合用凸
出部側の裏面に接合用防火断熱層を設けた場合、それが
露出したままであると、接合用凸出部を接合用凹入部に
挿入する際、接合用凸出部裏面の接合用防火断熱層が接
合用凹入部の先端等にひっかかって接合用凸出部を挿入
しにくくするおそれがある。

この点、本考案によれば、接合用防火断熱層の裏面側が
折り返し部で覆われ、しかも、その端部が前記折り返し
部の端部より突出しないようにしているので、前記接合
用防火断熱層が接合用凹入部の先端に引っかかるおそれ
はなく、その損傷が防止される。

しかもこの接合用防火断熱層に柔軟性があるため、たと
え寸法に多少の狂いがあって、接合用凹入部が幅狭であ
っても、前記接合用防火断熱層が接合用凸出部を挿入す
る際の折り返し部の変形の妨げとならず、接合用凸出部
を容易に挿入できるのである。

■ 更に、前記接合用防火断熱層と接合用凹入部との間
の本体防火断熱層裏面は開放空間部となっているから、
その分だけ防火断熱材の重量及び材料コストの低減を図
ることができ、取扱い、運搬等が容易になり、その損傷
が少なくなると同時に、安価に製造することができる。

しかも、この開放空間部の存在によって、胴縁等下地材
に対するパネルの接触面積が大幅に減少するので、火災
時におけるパネルから下地材への熱伝導が小さくなり、
断熱効果がより一層高められることになる。

そして、前記本体防火断熱層が、例えば、ミョウバン、
硼砂等結晶水を含む材料から構成されたものであるよう
な場合、加熱されると前記結晶水を放出し、そのとき化
学分解等によって前記本体防火断熱層の体積が増加して
も、前記開放空間部が逃げとなる効果がある。

また、本体防火断熱層と下地材との間が空間となるので
、遮音、防音効果が高められる。

■ 更に、接合用凸出部の裏面に設けられる接合用防火
断熱層は、折り返し部の端部より突出しないようにしで
あると共に、本体防火断熱層は開方空間部を隔てて奥ま
った部分に配置されているから、パネルの保管、運搬、
施工等の際、他物との衝突により前記接合用防火断熱層
及び本体防火断熱層が損傷を受けたり、汚損されること
がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の建築用パネルの接合状態を示す横断面図
、第２図は本考案の建築用パネルの一実施例を示す正面
図、第３図は同上接合状態を示す横断面図、第４図は本
考案の建築用パネルの他の実施例を示す斜視図である。 １０・・・・・・建築用パネル、１１・・・・・・金属
板、１２・・・・・・接合用凸出部、１３・・・・・・
接合用凹入部、１５・・・・・・本体防火断熱層、１６
・・・・・・接合用防火断熱層、１７・・・・・・折り
返し部、Ｑ・・・・・・開放空間部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属板の両端部を夫々折曲して、一端部に接合用凸出部
   を、他端部に接合用凹入部を形威しである建築用パネル
   において、前記金属板の本体部分裏面に本体防火断熱層
   を設けるとともに、前記接合用凸出部の先端から裏面側
   へ、前記接合用凸出部との間に空間が形成される状態に
   折り返された折り返し部を、その先端が前記本体防火断
   熱層の端部下端に重なるように設け、前記空間内に柔軟
   性を有する接合用防火断熱層を、その端部が前記折り返
   し部の端部より突出しないように設け、かつ、前記接合
   用防火断熱層と前記接合用凹入部との間の本体防火断熱
   層裏面に開放空間部を形成し、パネル接合状態において
   前記接合用防火断熱層の両端部が隣接する両パネルの本
   体防火断熱層と夫々重なり合う状態に設けであることを
   特徴とする建築用パネル。