JPS6133774Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は耐熱性断熱材からなる断熱ジヨイント
を胴差カバーの接続部に用いることを基本とし
て、建築物の耐火性を向上できかつ建築物外壁の
美感を高めうる胴差カバー接続部の構造に関す
る。

建築用パネルを用い建築物の壁体、床体等を形
成するパネル工法の建築物において、その耐火性
を向上するには、従来、例えば第３図に示すごと
く、ラチス梁等からなる胴差ａの上面に、階上の
外壁パネルｂを載設し、かつ胴差ａ下面の冠部ｃ
で階下の外壁パネルｄを保持するとともに、該胴
差ａを、ロツクウール等の耐熱性断熱材ｅを納装
する胴差カバーｆによつて遮蔽してきた。しかし
その接続は、胴差カバーｅに裏板ｇを設け、とも
にリベツトｈにより一体に固定することにより胴
差カバーｆを接続するものであつたため、該リベ
ツトｈの頭が外部に露出し美感を損なうととも
に、その取付けには多くの手間を必要とした。さ
らにかかるリベツトｈは例えば隣家からの火炎を
受けた際には胴差カバーｆがその接続部ｊにおい
て変形しその間に間隙が生じがちであるととも
に、該接続部ｊでは裏板ｆの取付けのために断熱
材ｅを切除する必要があり従つて切除部ｋから侵
入する火炎は容易に家屋内部に通過しその被害を
大きくするという問題があつた。なお接続部裏面
に柱１が存在するときには該柱１が損傷すること
により建築に重大な被害をもたらす。

本考案は断熱ジヨイントを用いてしかもリベツ
トを用いることなく胴差カバーを接続することに
より、前記問題点を解決しうる胴差カバー接続部
の構造の提供を目的とし、以下その一実施例を図
面にもとづいて説明する。

１〜２図において本考案の構造は、上下に階上
の外壁パネル２、階下の外壁パネル３を取付ける
胴差４の外面を被覆する胴差カバー５，５の切続
部に断熱ジヨイント６を用いるものであり、階
上、階下の外壁パネル２，３は例えば木質の枠材
７の外面に、けい酸カルシウム板からなる内面材
９と例えば石綿ストレートからなる外面材１０と
を重設するとともに他面には合板からなる内装用
面材１１を添設しかつその間にガラスウール等の
断熱材１２を充填している。胴差４は例えばラチ
ス梁からなりその上面の土台金具１３により階下
の外壁パネル２を支承し、又下面に形成される冠
部１５によつて階下の外壁パネル３の上端を嵌入
する。図に示す実施例では、胴差カバー５，５
は、階上、階下を貫く例えば鋼管製の通し柱１５
の接続され、前記断熱ジヨイント６は前記通し柱
１５の外面に取付けられることにより胴差４上下
に架け渡され、又断熱ジヨイント６は本実施例で
は、例えば石綿スポンジからなる断熱シート１７
と、石綿の長板状成形品である断熱板１９とから
なり、ともに耐熱性に優れる断熱材を用いて形成
される。断熱シート１７は胴差２の上下にかつ通
し柱１５の外面を被覆しうるよう柱１５から両側
をはみ出し貼着され、又断熱板１９は通し柱１５
とほぼ等しい巾寸度を有し、柱１５の前面で胴差
２の上下に架け渡される。胴差カバー５，５は、
胴差４の上下に伸び該胴差４外面を被覆しうると
ともに、胴差４の外面位置が外部に突出する扁平
な断面ハツト字状に形成され、上下の脚片２１
は、該脚片２１上に重置される取付板２３と木質
の下地材２５とをともに貫通する釘２６を用い
て、階上、階下の壁パネル２，３の枠体７に固定
される。なおいわゆる釘の他木ネジ、ボルト等の
ネジ類を用いても固定しうる。取付片２３は第２
図に拡大して示すごとく、基片２９の上下に、頂
部を外方に向けるＶ字折曲部３０の外端に、はね
上げ片３１を設けた係止片３２を形成し、該係止
片３２によつて、化粧カバー３５の上下縁を係着
している。該化粧カバー３５は、断面コ字をなす
基部３６の外縁に、Ｖ字に折曲がる折返し片３７
を設け、該折返し片３７を前記はね上げ片３１に
係合させることにより化粧カバー３５は係止片３
２，３２を跨がるとともにその基部３６前面は、
前記釘２６から浮上り、かつ下地材２５と基部３
６前面との間の空隙に前記釘２６を覆う石綿スポ
ンジ等の耐熱性に優れる無機性断熱材４０を充填
している。さらに胴差カバー５はその側縁裏面
に、前記断熱ジヨイント６の横半分の形状に沿つ
て屈曲し従つて該側縁裏面に断熱ジヨイント６の
横半分を嵌入しうる切欠部４２が形成されるとと
もに、該切欠部４２前面を含み、胴差カバー５の
裏面にはロツクウール等の耐熱性に優れる断熱材
４５が添設される。従つて胴差カバー５は前記切
欠部４２内に断熱ジヨイント６の横半分を夫々嵌
入するとともにその先端は断熱ジヨイント６の外
面で突き合わされる。

然して本考案の構造において、胴差カバー５，
５を接続するには、本実施例では通し柱１５の前
面に断熱シート１７、断熱材１９からなる断熱ジ
ヨイント６を胴差４外面に上下に架け渡し、かつ
胴差カバー５，５をその先端を突き合わした状態
にて、前記切欠部４２に断熱ジヨイント６を嵌入
しかつ胴差カバー５の脚片２１を、胴差４上下の
階上、階下の外壁パネル２，３に釘２６により固
定することによつて、胴差４の前面は胴差カバー
５によつて掩蔽される。又胴差カバー５の接続部
裏面の切欠部４２に断熱ジヨイント６が嵌入さ
れ、従つて該接続部から炎が直接内部に侵入する
のを防止し耐火性を向上しうる。又胴差カバー５
はその上下で階上階下の外壁パネル２，３に固定
するため、接続部にはリベツト等の結合具の頭が
露出することがなく、その外観を向上できる。な
お前記実施例のごとく下地材２５と化粧カバー３
５との間に無機質断熱材４０を充填することによ
り、化粧カバー５が火炎にさらされたときにも、
断熱材４０によつて内部の下地材２５の燃焼を阻
止でき、従つて釘２６が外れるのを防止し胴差カ
バー５の脱落を防ぐ。

叙上のごとく本考案の装置は、断熱カバーの接
続部に断熱ジヨイントを設け、かつ断熱カバーを
その上下で固定するものであるため、外観を向上
できかつ防火性能を高めるとともに、従来装置と
は異なり胴差カバー自体をリベツト等により接続
するものでないため、胴差カバーの変形等もなく
防火性に優れる。なお胴差ジヨイントとしてその
裏面に石綿スポンジ等の密着性のよい断熱材を用
いるときには例えば柱、胴差等に密着させその取
付けを容易とする。又本考案の装置は、柱の前面
で胴差カバーを接続するばあいの他、胴差での接
続のばあいにも例えば前記断熱板を架け渡す等に
より採用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図は胴差カバーの固定部分を拡大して示す断面
図、第３図は従来の構造を例示する斜視図であ
る。 ２……階上の外壁パネル、３……階下の外壁パ
ネル、４……胴差、５……胴差カバー、６……断
熱ジヨイント、２１……脚片、４２……切欠部、
４０，４５……耐熱性断熱材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 耐熱性断熱材からなる断熱ジヨイントを胴差外
   面に上下に架け渡すとともに、胴差外面を被覆で
   きかつ裏面に耐熱性断熱材を添設した胴差カバー
   の側縁裏面に、前記断熱ジヨイントの横半分を嵌
   入しうる切欠部を夫々設ける一方、前記切欠部内
   に断熱ジヨイントを嵌入しかつ断熱ジヨイントの
   外面で胴差カバーの先端を突き合わせ、さらに該
   胴差カバーの上下の脚片を胴差上下の壁パネルに
   固定することにより胴差しカバーを接続固定する
   ことを特徴とする胴差カバー接続部の構造。