JPS5918215B2 - 積層板の製造方法 - Google Patents

積層板の製造方法

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JPS5918215B2
JPS5918215B2 JP50019574A JP1957475A JPS5918215B2 JP S5918215 B2 JPS5918215 B2 JP S5918215B2 JP 50019574 A JP50019574 A JP 50019574A JP 1957475 A JP1957475 A JP 1957475A JP S5918215 B2 JPS5918215 B2 JP S5918215B2
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composition powder
weight
laminate
dry
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杜夫 岳
和之 仲道
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、低価格で高性能な積層板もしくは金属はく張
積層板の製造方法に関する。
積層板もしくは金属はく張積層板は電気絶縁用もしくは
印刷回路板用などとして広く用いられている。通常、積
層板もしくは金属はく張積層板は、湿式法で調製された
半硬化樹脂付着基材(湿式法により調製された半硬化樹
脂付着基材を以下湿式法基材と略記する)を重ねて積層
成形する方法で製造される。
湿式法基材は、熱硬化性樹脂組成物溶液(以下樹脂溶液
と略記する)をガラス布、ガラス不織布、紙、布などの
補強材に含浸させたのち加熱により乾燥し、かつ熱硬化
性樹脂を半硬化状態にする方法で調製される。湿式法基
材において半硬化状態とは、加熱すれぱ一時的に流動化
したのち硬化するという状態を意味する。しかし湿式法
基材を用いる積層板の製造方法には多くの欠点がある。
例えば溶剤を使うために生ずる問題として、湿式法基材
中に溶剤が残存し、それが積層成形中に気化するため積
層板中に空隙(ボード)が発生しやすいことや溶剤乾燥
中に発生する廃ガスの問題がある。また、熱硬化性樹脂
の溶剤への溶解性の問題および樹脂溶液中に充填剤を配
合しても湿式法基材中の充填剤量を常に均一にするのが
難かしいこと、さらに多量の充填剤の配合は樹脂溶液の
粘度を上昇させるために含浸が不可能となることなどの
問題がある。本発明者らは湿式法の欠点を克服するため
に鋭意研究を重ね、先に乾式法による積層板の製造方法
を開発した。
乾式法とは、熱硬化性樹脂組成物粉体(以下組成物粉体
と略記する)を補強材に配置し次いで融着させて半硬化
樹脂付着基材(乾式法により調製された半硬化樹脂付着
基材を以下乾式法基材と略記する)を調製し、これを重
ねて積層成形することにより積層板を製造するという方
法である。乾式法基材は、溶剤の残存がなく、積層成形
した場合、積層板内部に空隙ができにくい利点を有し、
また多量の充填剤を積層板に配合でき、積層板の性能向
上と価格低下が実現する可能性がある。しかし乾式法基
材のみを重ねて積層成形したり、金属はくと共に重ねて
積層成形した場合、多少の問題が生ずる。この問題は組
成物粉体が補強材の表面に巨視的には均一であるが微視
的には局部的に不均一に融着することおよび補強材の片
面にのみ融着させた場合はその反対の面が樹脂不足とな
ることから生ずるが、複数枚の乾式法基材を重ねた内部
の層ではとなりあう補強材に付着している組成物粉体が
おぎないあうような重ね方をとることにより問題は解決
される。しかし最外層および金属はくに最も近い層にお
いては、樹脂の不足もしくは局部的不均一により耐湿性
、表面抵抗、絶縁抵抗などの特性および金属はくの接着
性が低下する゛ことが多い。本発明者らはこのような乾
式法基材のみを使用する積層板の製造法における問題を
解決するためにさらに苦心の研究を続け、ついに乾式法
基材と湿式法基材とを併用する方法が好結果をもたらす
ことを見出して本発明を完成するに至つた。
すなわち本発明は、加熱すれば一時的に流動化したのち
硬化するとの状態の熱硬化性樹脂組成物粉体(組成物粉
体)を補強材に配置して融着することにより調製された
乾式法半硬化樹脂付着基材(乾式法基材)1枚もしくは
複数枚を重ねたものの少なくとも片面に、熱硬化性樹脂
組成物溶液(樹脂溶液)を補強材に含浸したのち乾燥し
かつ熱硬化性樹脂を半硬化状態にすることにより調製さ
れた湿式法半硬化樹脂付着基材(湿式法基材)を重ね、
必要に応じさらにその片面もしくは両面に金属はくを重
ねて積層成形することによる積層板または金属はく張積
層板の製造方法である。本発明において乾式法基材の調
製に用いられる補強材はガラス繊維、天然繊維もしくは
合成繊維でつくられた織布または不織布あるいは紙など
の通常積層板用補強材として用いられるものであつて、
代表的なものはガラス布、ガラスベーパーなどのガラス
不織布、セルローズ混抄ガラスベーパーなどの混抄ガラ
ス不織布、合成繊維布などの有機繊維布、合成繊維不織
布などの有機繊維不織布、および紙である。
本発明において組成物粉体とは、熱硬化性樹脂ならびに
必要に応じ硬化剤、硬化促進剤、充填剤およびその他の
添加物を含む粉体である。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエステル、
フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド、シアン酸
エステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹
脂、イソシアネート樹脂もしくはこれらの変性樹脂など
の電気的、機械的、熱的性能が積層板としたときに満足
しうるような樹脂が単独もしくは混合物として用いられ
る。硬化剤および硬化促進剤は熱硬化性樹脂を加熱によ
り硬化するために用いられる物質であり必要に応じてそ
れぞれの樹脂に適したものが用いられる。充填剤は、積
層板の寸法安定性の向上、価格低下、成形性の向上、外
観、その他の目的で必要に応じ配合されるものであり、
積層板の電気的、機械的又は熱的性能を充分満足するも
のが用いられる。一般には充填剤として通常の電気絶縁
用熱硬化性樹脂に用いられる充填剤、例えば、化学式で
SiO2,Al2Q,All(0H)3,Fe203,
Mg0,CaC03,Cu0,Ca0,CaSi03,
Fe0,Ti02などで示される無機化合物およびこれ
らの成分を含むガラス、雲母などの無機物質粉、微小中
空ガラス球などの微小中空救または銅などの金属粉また
は顔料、あるいはモールド品、注型品、積層板などのよ
うなすでに硬化もしくは半硬化状態の樹脂を粉砕した樹
脂粉などが用いられる。その他の添加物として染料、可
撓性付与物、耐燃性付与物、耐燃助剤などが必要に応じ
て用いられる。また無機充填剤の樹脂に対する親和性を
向上させるために通常用いられる処理剤、例えばγ−グ
リシドオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノ
プロピルトリメトキシシランなどによつて処理された充
填剤が好ましく使用される。
組成物粉体の製造方法には特に制限はないが、組成物粉
体の成分をそのまま混合するか、加熱混合するか、また
は加熱により樹脂が半硬化状態にいたるまで硬化を進ま
せたのち硬化を中断した状態で冷却固化し、ついで機械
的粉砕を行なう方法が一般的である。
組成物粉体は、乾式法基材を積層成形するときに加熱に
よソー時的に充分流動化したのち硬化するという状態に
あることが必要である。
この状態を融点およびゲル化時間で表せば、融点は40
〜170℃、好ましくは50〜150℃であり、170
℃におけるゲル化時間は60分以下、好ましくは30秒
〜30分である。また組成物粉体は、均一に補強材に配
置するために充分微細なことが好ましく、その平均粒径
は一般に300ミクロン以下、好ましくは180ミクロ
ン以下である。組成物粉体に必要に応じて配合される充
填剤の配合量は熱硬化性樹脂100重量部に対し250
重量部以下、好ましくは200重量部以下である。また
組成物粉体中にしめる充填剤の体積比率は55?以下、
好ましくは40%以下である。充填剤の配合量が多すぎ
ると積層成形の際の充分な接着ないし一体化がさまたげ
られる。組成物粉体を補強材に配置する方法としてはふ
るいなどを用いて散布する方法、スプレー法(スプレー
を用いて散布する方法)、霧箱法(組成物粉体を箱の中
に吹きこんで霧状化し、その中に補強材を通過させる方
法)、溶射法(組成物粉体をスプレーガンの先端に取り
つけた炎の中を高速で通過させ溶融状態で塗布する方法
)静電的配置法などがあるが、静電的配置法は有利な方
法である。
静電的配置法で補強材に組成物粉体を配置する場合には
組成物粉体を負に帯電させるとともに、補強材の組成物
粉体を配置する面に対して反対側の面に接地した金属は
く、金属板、もしくは金属ロールを接触ないし近接させ
ることにより補強材に組成物粉体を静電的に配置する。
この方法では組成物粉体を均一に配置することができ、
かつ組成物粉体の損失も少ない。また必要に応じ負に帯
電した組成物粉体を補強材に配置したのち、直ちに正に
帯電した組成物粉体を配置することにより組成物粉体の
付着量を増加させることも可能である。組成物粉体を帯
電させて補強材に配置するには、具体的には高電圧(た
とえば30〜90KV)スプレーガンを用いる方法、あ
るいは箱もしくは槽の下部に電極を設置してこれに高電
圧を印加し、下部より空気を送ることにより内部に帯電
した組成物粉体を浮遊させ浮遊している組成物粉体の中
もしくは上部に補強材を置き静電的に組成物粉体を補強
材に配置する方法などがある。また、補強材を組成物粉
体配置工程の直前に加熱しておくことまたは組成物粉体
配置工程中に補強材を加熱することにより組成物粉体付
着量の増加をはかる方法をとることもできる。組成物粉
体の量は、乾式法基材を積層成形した場合少なくとも補
強材内の間隙を埋めるに充分な量が必要であり、補強材
の種類により異なるが、乾式法基材全体積に対し、付着
した熱硬化性樹脂組成物の体積割合がたとえば補強材が
ガラス布の場合は35〜85%、ガラス不織布の場合は
70〜96%、セルローズ混抄ガラス不織布の場合は5
0〜92%および紙の場合は30〜60%となる量がそ
れぞれ好ましい。
次いで補強材に配置した組成物粉体を加熱し、補強材に
組成物粉体を融着させて乾式法基材を調製する。
このときの加熱の手段として、加熱灯およびロールのほ
かに赤外線照射や電子線照射などもある。また、組成物
粉体を配置する前に補強材を加熱しておく方法や、組成
物粉体を加熱中の補強材に配置する方法により組成物粉
体の配置と融着とを同時に行なう方法もある。組成物粉
体を加熱により補強材に融着する工程の目的のひとつは
、補強材に融着することにより、その後の乾式法基材の
取扱いにおいて組成物粉体が補強材から脱落しないよう
にするためであり、もうひとつは付着した組成物粉体中
の熱硬化性樹脂のゲル化時間を調整するためである。
ゲル化時間の調整は乾式法基材中の熱硬化性樹脂のゲル
化時間を積層成形に適したものにするために、補強材に
配置される前の組成物粉体中の熱硬化性樹脂のゲル化時
間との関連で融着の際の温度および時間を適当に選択す
ることにより行なう。乾式法基材中の熱硬化性樹脂の1
70℃におけるゲル化時間は15秒から30分、好まし
くは20秒から20分である。なお、組成物粉体を補強
材に配置して融着する場合には、補強材の両面に同時に
組成物粉体を配置して融着する方法およびまず片面に配
置して融着後さらにその反対側の面に組成物粉体を配置
して融着する方法などもあるが、片面のみに組成物粉体
を配置して融着する方法が簡単でもありかつ付着した組
成物粉体中の熱硬化性樹脂のゲル化時間を均一にするこ
とが容易なので好ましい。
また、補強材の片面のみに組成物粉体を配置して融着す
ることにより調製された乾式法基材は、積層成形の際に
、たとえば組成物粉体付着面の方向をそろえる重ね方な
どのとなりあう補強材に付着している組成物粉体が組成
物粉体の付着していない面をおぎなうような重ね方をと
り、続いて熱と圧力とで樹脂を補強材の内部にまで浸入
させることが好ましい。本発明において湿式法基材の調
製に用いられる補強材、熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促
進剤、充填剤およびその他の添加物は、乾式法基材の調
製に用いられるものと同様である。
熱硬化性樹脂ならびに必要に応じ硬化剤、硬化促進剤、
充填剤およびその他の添加物を、水、ケトン類、アルコ
ール類、N−メチルピロリドン、もしくはジメチルホル
ムアミドなどの溶剤に加えて含浸に適当な粘度の樹脂溶
液とする。このとき充填剤を用いる場合は含浸をさまた
げない程度の量を用いなければならないので、一般には
乾式法より充填剤の量が少ない。次に樹脂溶液中に補強
材を含浸もしくは通過させることにより樹脂溶液を補強
材に含浸させた後、80〜170℃で乾燥しかつ熱硬化
性樹脂を半硬化状態にすることにより湿式法基材が調製
される。湿式法基材中の熱硬化性樹脂ならびに必要に応
じ硬化剤、硬化促進剤、充填剤およびその他の添加物か
らなる熱硬化性樹脂組成物の量は、乾式法基材の場合と
同様に少なくとも補強材内の間隙を埋めるに充分な量が
必要であるが、積層板の製造に併用する乾式法基材と同
種類の補強材を用いる場合でも必ずしも乾式法基材中の
熱硬化性樹脂組成物の量と一致させる必要はない。また
、湿式法基材中の熱硬化性樹脂の半硬化状態は、乾式法
基材中の熱硬化性樹脂の半硬化状態と実質的に同程度で
あることが好ましい。湿式法基材中の熱硬化性樹脂の1
70℃におけるゲル化時間は15秒〜30分、好ましく
は20秒〜20分である。乾式法基材に用いる補強材と
湿式法基材に用いる補強材の組合せに特に制限はないが
、一般的には湿式法基材に用いる補強材は乾式法基材に
用いる補強材と比較し、強度、耐湿性、耐燃性、耐薬品
性および耐熱性が同等かもしくは優れている補強材であ
ることが好ましい。たとえば乾式法基材に用いる補強材
と湿式法基材に用いる補強材の組合せとして、それぞれ
ガラス布とガラス布、ガラス布とガラス不織布、ガラス
不織布とガラス布、ガラス不織布とガラス不織布、混抄
ガラス不織布とガラス布、混抄ガラス不織布とガラス不
織布、混抄ガラス不織布と混抄ガラス不織布、紙とガラ
ス布、および紙と紙などの組合せが好ましい。乾式法基
材に用いる熱硬化性樹脂と湿式法基材に用いる熱硬化性
樹脂との組合せは積層成形の際に一体化し、その後の加
工や熱処理等により層間の剥離等の欠点が生じない組合
せが必要である。たとえば乾式法基材に用いる熱硬化性
樹脂と湿式法基材に用いる熱硬化性樹脂が同種類の組合
せ、ならびにエポキシ樹脂とポリイミド、エポキシ樹脂
とポリエステル、エポキシ樹脂とシアン酸エステル樹脂
、エポキシ樹脂とフェノール樹脂、エポキシ樹脂とシリ
コーン樹脂およびポリイミドとシアン酸エステル樹脂な
どの組合せが好ましい。上記の方法で調製された乾式法
基材1枚もしくノは複数枚を重ねたものの少なくとも片
面、好ましくは両面に湿式法基材を重ねて積層成形する
ことにより積層板を製造する。
またこのとき必要に応じさらに片面もしくは両面に金属
はくを重ねることにより金属はく張製層板を製造するこ
とができる。このとき乾式法基材を複数枚重ねたものと
して、互いに異なる種類の補強材を用いた乾式法基材を
適当に組合せて重ねたものを用いることもできる。湿式
法基材の層はできるだけうすいことが好ましいので、乾
式法基材の層の片面につき1枚の湿式法基材を重ねるこ
とが好ましいが、必要に応じうすい湿式法基材を複数枚
重ねる方法もとりうる。湿式法基材の層が厚くなるとそ
れに含まれる溶剤などの揮発分の悪影響が大きくなる。
本発明で製造される積層板において湿式法基材の層の厚
さは片面につき0.40m1L以下であることが好まし
く、かつ湿式法基材の層の厚さの合計が積層板全体の5
0%以下であることが好ましい。金属はく張積層板の製
造に用いられる金属はくとは、たとえばアルミニウム、
ニッケル、銅もしくはこれらの合金のはく、またはアル
ミニウムー銅などの複合構成のはくである。積層成形の
条件は、圧力10〜160kg/C!!11温度150
〜250℃、時間5分〜3時間の条件が一般的であるが
、用いられた熱硬化性樹脂の種類によつては、これ以外
の条件とすることも可能である。また、本発明において
は、うすい金属はく張積層板にあらかじめ電気回路を形
成したいわゆる中間層の両面に乾式法基材を重ね、次に
その両面に湿式法基材を重ね、さらにその両面に金属は
くを重ねて積層成形することなどにより多層の金属はく
を有する金属はく張積層板を製造することもできる。本
発明により製造される積層板もしくは金属はく張積層板
は、従来の湿式法基材のみから製造されるものおよび乾
式法基材のみから製造されるものより高性能であり、か
つ工業的に有利に製造されるものである。
本発明により製造される積層板は、用いる半硬化樹脂付
着基材の大部分が乾式法基材であるため、内部に空隙が
実質的になく、積層成形性が非常に良い。また、積層成
形中の残存溶剤の気化による熱硬化性樹脂の硬化反応の
阻害がないため積層板の特性、劣化、たとえば耐熱性の
低下、耐湿性の低下、電気的特性の低下などが小さい。
また多量の充填剤を配合することができるため、性能向
上とともに価格低下をはかることができる。さらに、積
層板表面の特性、たとえば表面抵抗、表面の平滑さ、金
属はくとの接着力は、乾式法基材のみから製造されるも
のよりすぐれているばかりでなく、湿式法基材のみから
製造されるものと比較しても少なくとも同等もしくはそ
れ以上である。このことは湿式法基材に均一に充分に含
浸した熱硬化性樹脂によつて、乾式法基材を重ねた層の
表面における熱硬化性樹脂の不均一又は不足を補うこと
から生ずる。すなわち本発明は乾式法基材と湿式法基材
の利点を効果的にいかすことにより、従来の積層板の製
造方法の欠点を解決したものである。本発明により製造
される積層板もしくは金属はく張積層板は、電気絶縁用
、構造材用、もしくは印刷回路板用などとして広く用い
られるものであるO本発明を実施例によりさらに説明す
る。
実施例1 〔第1段〕 エポキシ樹脂(ビスフェノールAタイプ、エポキシ当量
450〜500シェル化学株式会社製、商品名エピコー
ト1001)100重量部および無定形シリカ(株式会
社龍森製、商品名アモルファスシリカCRS−3001
)80重量部を混合しながら140℃に加熱してエポキ
シ樹脂を溶融したのち、ジシアンジアミド3重量部およ
び2−エチルー4−メチルイミダゾール0.10重量部
を徐々に添加した。
その後これを室温に冷却して固化させたものを粉砕する
ことにより、平均粒径が150ミクロンの組成物粉体を
得た。この組成物粉体中のエポキシ樹脂の融点は70〜
90℃,170℃におけるゲル化時間は5.0±0.5
分であつた。次にガラスベーパー(本州製紙株式会社製
、商品名グラスパーGMC−00−050、1平方メー
トルあたりの重量509、厚さ0.20m77!、密度
0.259/(−d)を接地した金属板上に置き、印加
電圧DC3O〜50KV1電流70〜1001tAの静
電塗装用スプレーガンを用いて上記の組成物粉体をガラ
スベーパーの片面に配置した。続いてこれを140℃に
加熱し、組成物粉体をガラスベーパーに融着して乾式法
基材1を調製した。乾式法基材1中の熱硬化性樹脂組成
物の重量割合は88%、体積割合は約92%、エポキシ
樹脂の170におけるゲル化時間は3.0±0.5分で
あつた。また乾式法基材1中の揮発分(160℃で15
分加熱後の減量)は認められなかつた。〔第2段〕一方
、前記と同様のエポキシ樹脂100重量部、ジシアンジ
アミド3重量部および2−エチルー4−メチルイミダゾ
ール0.12重量部をアセトンに溶解した樹脂溶液を、
第1段と同様のガラスベーパーに含浸させ、140℃で
乾燥して、湿式法基材1を調製した。
湿式法基材1中の熱硬化件樹脂組成物の重量割合は85
%、体積割合は約93%、エポキシ樹脂の170℃にお
けるゲノ呵ヒ時間は3,0±0。5分であつた。
また湿式法基材(1)中の揮発分(160℃で15分加
熱後の減量)は0.75重量%であつた。〔第3段〕 次に乾式法基材17枚を組成物粉体融着面の方向をそろ
えて重ねたものの両面に湿式法基材1を各1枚重ね、さ
らにその片面に1枚の銅はく(厚さ35ミクロン)を重
ねて、圧力40kg/〜、温度170℃の条件で2時間
積層成形することにより片面銅はく張積層板を製造した
比較例1 組成物粉体の原料として実施例1と同様のエポキシ樹脂
100重量部、ジシアンジアミド3重量部および2−エ
チルー4−メチルイミダゾール0.12重量部を用いた
以外は実施例1の第1段と同様にして、熱硬化性樹脂組
成物の重量割合が85%、体積割合が約93%、エポキ
シ樹脂の170℃におけるゲル化時間が3.0±0.5
分の乾式法基材2を調製した。
乾式法基材2は湿式法基材1に対応するものである。次
に、湿式法基材1のかわりに乾式法基材2を用いた以外
は実施例1の第3段と同様にして片面銅はく張積層板を
製造した。
比較例2 湿式法基材1のかわりに乾式法基材1を用いた以外は実
施例1の第3段と同様にして片面銅はく張積層板を製造
した。
比較例3 乾式法基材1に対応する湿式法基材を、溶剤としてアセ
トンを用いて調製することを試みたが、樹脂溶液中で無
定形シリカが沈降したことおよび樹脂溶液が高粘度とな
つたことから所望の湿式法基材を調製することができな
かつた。
従つて実施例1に正確に対応する湿式法基材を用いた片
面銅はく張積層板を製造することはできなかつた。また
、乾式法基材1のかわりに湿式法基材1を用いた以外は
実施例1の第3段と同様にして片面銅はく張積層板を製
造したが、積層板の厚さのばらつきが著しく大きかつた
ことおよび積層板内に多数の空隙が発生したことから、
積層板の特性を測定するには到らなかつた。試験例1 実施例1、比較例1および比較例2で製造された片面銅
はく張積層板の特性は表1のとおりであつた。
表1から明らかなように、比較例1および比較例2の積
層板は吸水率が大きいため、絶縁抵抗、表面抵抗および
吸水処理後の耐熱性が実施例1の積層板に比較して著し
く劣り、また銅はくの接着力も弱かつた。実施例2 〔第1段〕 実施例1と同様のエポキシ樹脂100重量部、ジシアン
ジアミド3重量部および2−エチルー4−メチルイミダ
プール0.12重量部を140℃に3〜6分保つて溶融
混合した。
その後これを室温に冷却して固化させたものを粉砕する
ことにより、平均粒径が60ミクロンの組成物粉体を得
た。この組成物粉体中のエポキシ樹脂の融点は70〜9
0℃、170℃におけるゲル化時間は5.0±0.5分
であつた。次にセルローズ混抄ガラスベーパー(特種製
紙株式会社製、商品名ヒアロンGLP6O25、1平方
メートルあたりの重量92g、厚さ0.25mm1密度
0.389/〜、セルローズ繊維40重量%、ガラス繊
維60重量%→の片面に上記の組成物粉体を実施例1と
同様にして靜電的に配置した。続いてこれを赤外線照射
により加熱し組成物粉体をセルローズ混抄ガラスベーパ
ーに融着して乾式法基材3を調製した。乾式法基材3中
の熱硬化性樹脂組成物の重量割合は60%、体積割合は
約62%、エポキシ樹脂の170℃におけるゲル化時間
は3.0±0.5分であつた。〔第2段〕一方、実施例
1と同様のエポキシ樹脂100重量部、ジシアンジアミ
ド3重量部および2−エチルー4−メチルイミダゾール
0.12重量部をアセトンに溶解した樹脂溶液をガラス
布(日東紡績株式会社製、商品名WEl8Gl平織、1
平方メートルあたりの重量2009、厚さ0.18關)
に含浸させ、乾燥して湿式法基材2を調製した。
湿式法基材2中の熱硬化性樹脂組成物の重合割合は40
%、体積割合は約60%、エポキシ樹脂の170℃にお
けるゲル化時間は3,0±0.5分であつた。〔第3段
〕 次に乾式法基材36枚を重ねたものの両面に湿式法基材
2を各1枚重ね、さらにその両面に各1枚の銅はく(厚
さ35ミクロン)を重ねて、圧力60k9/CTI、温
度170℃の条件で2時間積層成形することにより、両
面銅はく張積層板を製造した。
比較例4 ガラス布のかわりにセルローズ混抄ガラスベーパーを用
いた以外は実施例2の第2段と同様にして、熱硬化性樹
脂組成物の重量割合が60%、エポキシ樹脂の170℃
におけるゲル化時間が3.0土0.5分の湿式法基材3
を調製した。
湿式法基材3は乾式法基材3に対応するものである。一
方、セルローズ混抄ガラスベーパーのかわりにガラス布
を用いた以外は実施例2の第1段と同様にして、熱硬化
性樹脂組成物の重量割合が40%、エポキシ樹脂の17
0℃におけるゲル化時間が3,0±0.5分の乾式法基
材4を調製した。
乾式法基材4は湿式法基材2に対応するものである。次
に湿式法基材36枚を重ねたものの両面に乾式法基材4
を各1枚重ね、さらにその両面に各1枚の銅はく(厚さ
35ミクロン)を重ねて、圧力601<9/Clll温
度170℃の条件で2時間積層成形することにより、両
面銅はく張積層板を製造したが、積層板内に多数の空隙
が発生したことから、積層板の特性を測定するには至ら
なかつた。比較例5乾式法基材36枚を重ねたものの両
面に乾式法基材4を各1枚重ね、さらにその両面に各1
枚の銅はく(厚さ35ミクロン)を重ねて、圧力60k
9/C−711温度170℃の条件で2時間積層成形す
ることにより、両面銅はく張積層板を製造した。
比較例6湿式法基材36枚を重ねたものの両面に湿式法
基材2を各1枚重ね、さらにその両面に各1枚の銅はく
(厚さ35ミクロン)を重ねて、圧力60kg/CTl
l温度170℃の条件で2時間積層成形することにより
、両面銅はく張積層板を製造したが、積層板内に多数の
空隙が発生したことから、積層板の特性を測定するには
至らなかつた。
試験例2 実施例2および比較例5で製造された両面銅はく張積層
板の特性は表2のとおりであつた。
表2から明らかなように、比較例5の積層板は吸水率が
大きいため、絶縁抵抗および吸水処理後の耐熱性が実施
例2の積層板に比較して著しく劣り、また表面抵抗およ
び銅はくの接着力も劣つていた。実施例3〔第1段〕 ビスフェノールAと塩化シアンを反応させることにより
合成されたシアン酸エステル樹脂モノマーを120℃に
48時間保つてシアン酸エステル樹脂とした。
このシアン酸エステル樹脂100重量部、オクチル酸亜
鉛0.20重量部、2−エチルー4−メチルイミダゾー
ル0.06重量部およびガラス粉80重量部を50〜6
0℃で2〜4分間ロール混練したのち冷却固化し、粉砕
して平均粒径が120ミクロンの組成物粉体を得た。こ
の組成物粉体中のシアン酸エステル樹脂の融点は65〜
85℃であつた。次にあらかじめ110〜120℃に加
熱した実施例2と同様のガラス布の片面に上記の組成物
粉体を散布して配置した。続いてこれを赤外線照射によ
り加熱し、組成物粉体をガラス布に融着して乾式法基材
5を調製した。乾式法基材5中の熱硬化性樹脂組成物の
重量割合は47.5?、体積割合は約59%、シアン酸
エステル樹脂の170℃におけるゲル化時間は3.0±
0.5分であつた。〔第2段〕 一方、前記とは異なるシアン酸エステル樹脂の溶液(西
独バイエル社製、商品名KU6573、ビスフェノール
Aタイプシアン酸エステル樹脂のメチルエチルケトン溶
液)のシアン酸エステル樹脂としての100重量部、オ
クチル酸亜鉛0.20重量部、および2−エチルー4−
メチルイミダゾール0.06重量部をメチルエチルケト
ンに溶解して樹脂溶液とした。
この樹脂溶液を実施例2と同様のガラス布に含浸させ、
乾燥して湿式法基材4を調製した。湿式法基材4中の熱
硬化性樹脂組成物の重量割合は−13%、体積割合は約
60%、シアン酸エステル樹脂の170℃におけるゲル
化時間は3,0土0.5分であつた。〔第3段〕 次に乾式法基材56枚を重ねたものの両面に湿式法基材
4を各1枚重ね、さらにその両面に各1枚の銅はく(厚
さ35ミクロン)を重ねて、圧力40kg/d1温度1
80℃の条件で2時間積層成形することにより、両面銅
はく張積層板を製造した。
比較例7 組成物粉体の原料として実施例3の第1段と同様のシア
ン酸エステル樹脂100重量部、オクチル酸亜鉛0.2
0重量部、および2−エチルー4メチルイミダゾール0
.06重量部を用いた以外は実施例3の第1段と同様に
して、熱硬化性樹脂組成物の重量割合が43%、シアン
酸エステル樹脂の170℃におけるゲル化時間が3。
0±0.5分の乾式法基材6を調製した。
乾式法基材6は湿式法基材4に対応するものである。次
に湿式法基材4のかわりに乾式法基材6を用いた以外は
実施例3の第3段と同様にして両面銅はく張積層板を製
造した。
比較例8 乾式法基材5に対応する湿式法基材を、溶剤としてアセ
トンを用いて調製することを試みたが、樹脂溶液中でガ
ラス粉が沈降したことおよび樹脂溶液が高粘度となつた
ことから、所望の湿式法基材を調製することができなか
つた。
従つて実施例3に正確に対応する湿式法基材を用いた両
面銅はく張積層板を製造することはできなかつた。試験
例3実施例3および比較例7で製造された両面銅はく張
積層板の特性は表3のとおりであつた。
表3から明らかなように、実施例3の積層板は比較例7
の積層板に比較して耐湿性および耐熱性が非常にすぐれ
ていた。実施例4 化学装置1972年11月号第58頁記載の合成方法に
より得られた数平均分子量2500、融点85〜105
℃を有するイソフタル酸−フマル酸一プロピレングリコ
ール(仕込み組成モル比1:1:2.2)の固形不飽和
ポリエステル樹脂500重量部、ジアセトンアクリルア
ミド170重量部、トリアリルイソシアヌレート70重
量部、水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製、商品
名ハイジライトH32)750重量部、およびtーブチ
ルパーベンゾエート8重量部を粉砕混合することにより
、平均粒径が100ミクロンの組成物粉体を得た。
次に実施例1と同様のガラスベーパーの片面に上記の組
成物粉体を静電的に配置した。続いてこれを120℃で
約1分加熱し、組成物粉体をガラスベーパーに融着して
乾式法基材7を調製した。乾式法基材7中の熱硬化性樹
脂組成物の重量割合は86%、体積割合は約90%、熱
硬化性樹脂の150℃および170℃におけるゲル化時
間はそれぞれ150土20秒および30±10秒であつ
た。一方、前記と同様の不飽和ポリエステル樹脂500
重量部、ジアセトンアクリルアミド170重量部、トリ
アリルイソシアヌレート70重量部水酸化アルミニウム
500重量部およびt−ブチルパーベンゾエート8重量
部をアセトンに加えて樹脂溶液とした。
この樹脂溶液を実施例1と同様のガラスベーパーに含浸
させ、95℃で8〜11分乾燥して湿式法基材5を調製
した。湿式法基材5中の熱硬化性樹脂組成物の重量割合
は83%、体積割合は約90%、熱硬化性樹脂の150
℃および170℃におけるゲル化時間はそれぞれ150
±20秒および30±10秒であつた。次に乾式法基基
75枚を重ねたものの両面に湿式法基材5を各1枚重ね
、圧力30k9/Cllll温度170℃の条件で30
分積層成形することにより積層板を製造した。
実施例5 ポリビスマレイミド(仏国ローヌ・プーラン社製、商品
名KERIMID6Ol)60重量部、実施例1と同様
のエポキシ樹脂40重量部およびウオラストナイト(主
成分CaSiO3)粉100重量部を粉砕混合すること
により平均粒径が80ミクロンの組成物粉体を得た。
この組成物粉体中の熱硬化性樹脂の融点は130〜15
0℃、170℃におけるゲル化時間は180秒であつた
。次に実施例1の同様のガラスベーパーの片面に上記の
組成物粉体を静電的に配置し、融着して乾式法基材8を
調製した。乾式法基材8中の熱硬化性樹脂組成物の重量
割合は89%、体積割合は約92%、熱硬化性樹脂の1
70℃におけるゲル化時間は120±20秒であつた。
次に乾式法基材85枚を重ねたものの両面に実施例2の
湿式法基材2を各1枚重ね、さらにその両面に各1枚の
銅はく(厚さ35ミクロン)を重ねて、圧力40k9/
CT!11温度180℃の条件で2時間積層成形するこ
とにより、両面銅はく張積層板を製造した。
試験例4 実施例4および実施例5で製造された積層板はいずれも
多量の充填剤が配合されており、その特性は表4に示す
ようにすぐれたものであつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 融点50〜150℃、170℃におけるゲル化時間
    30秒〜30分の熱硬化性樹脂組成物粉体を補強基材に
    配置して融着することにより調製された乾式法半硬化樹
    脂付着基材を1枚もしくは複数枚重ねたものの少なくと
    も片面に、熱硬化性樹脂組成物溶液を補強基材に含浸し
    たのち乾燥して得た、B−stageの湿式法半硬化樹
    脂付着基材を重ね、必要に応じさらに片面もしくは両面
    に金属はくを重ねて積層成形することによる積層板また
    は金属はく張積層板の製造方法。
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