JP2003171482A - コンポジット積層板の製造方法 - Google Patents

コンポジット積層板の製造方法

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JP2003171482A
JP2003171482A JP2002033745A JP2002033745A JP2003171482A JP 2003171482 A JP2003171482 A JP 2003171482A JP 2002033745 A JP2002033745 A JP 2002033745A JP 2002033745 A JP2002033745 A JP 2002033745A JP 2003171482 A JP2003171482 A JP 2003171482A
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JP
Japan
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epoxy resin
resin composition
glass
woven fabric
weight
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Application number
JP2002033745A
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English (en)
Inventor
Hideki Kitano
英樹 北野
Takahisa Iida
隆久 飯田
Chiyuu Hayai
宙 早井
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程を少なくすることにより低コスト化
したコンポジット積層板を提供すること。 【解決手段】 ガラス織布にエポキシ樹脂組成物(a)
を塗布または含浸し、前記ガラス織布のエポキシ樹脂組
成物(a)を塗布または含浸した面にガラス不織布を重
ね合わせ、さらに、該ガラス不織布の上から中間層エポ
キシ樹脂組成物(b)を塗布し、加熱乾燥してプリプレ
グを作製し、次いで、該プリプレグ2枚を前記ガラス不
織布を内側にして重ね合わせ加熱加圧成形するコンポジ
ット積層板の製造方法。本方法においては、前記中間層
エポキシ樹脂組成物(b)中の充填材の量を、中間層エ
ポキシ樹脂組成物(b)中のエポキシ樹脂と硬化剤との
合計量100重量部に対して80〜150重量部配合す
ることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンポジット積層
板の製造方法に関するものであり、詳しくは、ガラス織
布とガラス不織布との複合プリプレグを連続的に製造す
ることができ、効率のよいコンポジット積層板の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、コンポジット積層板の製造におい
て、環境への負荷を小さくする目的から、溶剤使用量の
削減、熱エネルギーの低減のために、ガラス織布に溶剤
量の少ない樹脂ワニスを塗布し、溶剤量の少ないペース
ト状の中間層樹脂を塗布し、次いで、ガラス不織布を重
ね合わせ、ガラス織布の側からエポキシ樹脂を含浸させ
て加熱乾燥してプリプレグを作製し、このプリプレグ2
枚をガラス不織布を内側にして重ね合わせ加熱加圧成形
してコンポジット積層板を製造することが検討されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな製造方法においては、ガラス織布にペースト状の中
間層樹脂を塗布した後、ガラス不織布を重ね合わせるこ
とから、ガラス不織布への中間層樹脂の含浸が不十分と
なり、加熱加圧成形後の積層板において熱時特性が不十
分となるという問題があった。また、加熱加圧成形後に
反りが生じやすい傾向にあるという問題もあった。
【0004】従って、本発明の目的は、中間層樹脂のガ
ラス不織布への含浸を改良することにより、熱時特性を
低下させることなく反りを防止し、機械的特性、電気絶
縁性の良好なコンポジット積層板を得るコンポジット積
層板の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意検討を行った結果、ガラス織布にエポキ
シ樹脂組成物を塗布または含浸し、このガラス織布のエ
ポキシ樹脂組成物を塗布または含浸した面にガラス不織
布を重ね合わせ、ガラス不織布の上から中間層樹脂を塗
布し加熱乾燥したのち、好ましくはガラス織布の側から
エポキシ樹脂組成物を含浸させ加熱乾燥しプリプレグを
作製する方法であれば、中間層樹脂がガラス不織布に十
分に含浸され、加熱加圧成形後に熱時特性を低下させ
ず、反りを防止することができることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、ガラス織布にエポキ
シ樹脂組成物(a)を塗布または含浸し、前記ガラス織
布のエポキシ樹脂組成物(a)を塗布または含浸した面
にガラス不織布を重ね合わせ、さらに、該ガラス不織布
の上から中間層エポキシ樹脂組成物(b)を塗布し、加
熱乾燥してプリプレグを作製し、次いで、該プリプレグ
2枚を前記ガラス不織布を内側にして重ね合わせ加熱加
圧成形するコンポジット積層板の製造方法を提供するも
のである。
【0007】また、本発明は、ガラス織布にエポキシ樹
脂組成物(a)を塗布または含浸し、前記ガラス織布の
エポキシ樹脂組成物(a)を塗布または含浸した面にガ
ラス不織布を重ね合わせ、さらに、該ガラス不織布の上
から中間層エポキシ樹脂組成物(b)を塗布し、加熱乾
燥したのち、前記ガラス織布の側からエポキシ樹脂組成
物(c)を含浸させ、加熱乾燥してプリプレグを作製
し、次いで、該プリプレグ2枚を前記ガラス不織布を内
側にして重ね合わせ加熱加圧成形するコンポジット積層
板の製造方法を提供するものである。
【0008】また、本発明は、前記中間層エポキシ樹脂
組成物(b)中の充填材の量が、中間層エポキシ樹脂組
成物(b)中のエポキシ樹脂と硬化剤との合計量100
重量部に対して80〜150重量部である前記コンポジ
ット積層板の製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1に、本発明においてプリプレ
グを得るまでの工程の概略図の一例を示す。図1中、1
はガラス織布、2はエポキシ樹脂組成物(a)、3はコ
ーター、4はガラス不織布、5は乾燥装置、6は中間層
エポキシ樹脂組成物(b)、7はコーター、8は乾燥装
置、9はエポキシ樹脂組成物(c)、10はロールコー
ター、11は乾燥装置、12はカッター、13はエポキ
シ樹脂組成物含浸プリプレグである。
【0010】本発明では、まず、ガラス織布にエポキシ
樹脂組成物(a)を塗布または含浸する。本発明で用い
られるガラス織布は、単位面積当たりの重量において特
に限定されないが、通常150〜250g/m2 、好ま
しくは190〜230g/m 2である。ガラス織布の単
位面積当たりの重量が該範囲内にあると、コンポジット
積層板の強度を充分なものとすることができるため好ま
しい。
【0011】本発明で用いられるエポキシ樹脂組成物
(a)は、少なくともエポキシ樹脂と硬化剤とを含む樹
脂組成物であり、これら以外に、適宜、エポキシ樹脂に
通常配合されるフェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリ
コーン樹脂等の樹脂が配合されていてもよい。エポキシ
樹脂組成物(a)に用いられるエポキシ樹脂、硬化剤や
その他の樹脂等の種類やその組み合わせは、特に限定さ
れず、通常の積層板に使用されるものが挙げられる。エ
ポキシ樹脂組成物(a)において、エポキシ樹脂、硬化
剤やその他の樹脂等は、それぞれ1種又は2種以上組み
合わせて用いることができる。
【0012】また、エポキシ樹脂組成物(a)は、ガラ
ス織布内で十分保持可能な程度のチキソ性を付与するた
めに、エポキシ樹脂組成物(a)中のエポキシ樹脂と硬
化剤との合計量100重量部に対して微粒子無機充填材
を1〜5重量部配合したものであることが好ましい。微
粒子無機充填材を配合する場合においては、該配合量が
1重量部より少ないと微粒子充填材の配合効果が十分に
発現しにくく、5重量部より多いとガラス織布への含浸
性が低下しやすくなる。
【0013】エポキシ樹脂組成物(a)に必要により配
合される微粒子無機充填材としては、通常用いられるも
のであればよく特に限定されないが、例えば、シリカ、
アルミナ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等が挙
げられる。このうち、シリカはエポキシ樹脂組成物中で
の分散性が良く、耐熱性及び耐薬品性に優れるため好ま
しい。該微粒子無機充填材の粒径は、平均粒径が、通
常、3μm以下、好ましくは0.5〜1.5μmであ
る。平均粒径がこれより大きいとチキソ性付与効果が小
さくなりやすいため好ましくない。
【0014】エポキシ樹脂組成物(a)は、ワニスとし
てガラス織布に塗布又は含浸されるものであるため、必
要により配合される微粒子無機充填材をも含めた固形分
が、通常35〜85重量%、好ましくは45〜75重量
%である。固形分が前記下限値より小さいとガラス織布
のエポキシ樹脂組成物(a)の保持量が低下しやすく、
前記上限値より大きいとガラス織布へのエポキシ樹脂組
成物(a)の含浸性が低下しやすいため好ましくない。
エポキシ樹脂組成物(a)の固形分を調整する方法とし
ては、例えば、アセトン等の溶剤を用いてエポキシ樹脂
組成物(a)を希釈する方法が挙げられる。
【0015】上記ガラス織布に塗布または含浸するエポ
キシ樹脂組成物(a)の量は、ガラス織布100重量部
に対して、通常20〜200重量部、好ましくは50〜
150重量部である。エポキシ樹脂組成物(a)の量が
前記下限値より少ないと中間層樹脂又はガラス不織布と
の密着性が低下するようになり、耐衝撃性、耐熱性等の
種々の特性が低下する原因となりやすいため好ましくな
い。また、前記上限値より多いと樹脂分が多くなり、積
層板の熱時特性が低下しやすいため好ましくない。
【0016】ガラス織布にエポキシ樹脂組成物(a)を
塗布する方法としては、例えば、図1のように、巻き出
し装置から巻き出されたガラス織布1の上面にエポキシ
樹脂組成物(a)2をワニス状態でコーター3により上
記所定量塗布する方法が挙げられる。ここで用いられる
コーター3としては、通常のコーターが挙げられ、特に
限定されないが、例えば、コンマロールコーター、ナイ
フコーター、ダイスコーター、リバースコーター等が挙
げられる。このうち、コンマロールコーターがエポキシ
樹脂組成物の塗布量を調整しやすいため好ましい。ま
た、ガラス織布にエポキシ樹脂組成物(a)を含浸する
方法としては、例えば、エポキシ樹脂組成物中にガラス
織布を浸漬する方法が挙げられる。
【0017】なお、必要により、エポキシ樹脂組成物
(a)が塗布または含浸されたガラス織布を、後述する
該ガラス織布とガラス不織布とを重ね合わせる工程の前
に、加熱乾燥してエポキシ樹脂組成物(a)中の溶剤を
蒸発させると、プリプレグにおけるエポキシ樹脂組成物
中の気泡量を低減することができるため好ましい。この
場合の加熱乾燥条件としては、特に限定されないが、例
えば、120〜180℃、1〜5分間である。加熱乾燥
する方法としては、例えば、図1の乾燥装置5と同様の
乾燥装置を、コーター3と、ガラス不織布4をガラス織
布1に重ね合わせる構造の重ね合わせロールとの間に設
置し、エポキシ樹脂組成物(a)2が塗布または含浸さ
れたガラス織布1を該乾燥装置中に通す方法が挙げられ
る。
【0018】次いで、このガラス織布のエポキシ樹脂組
成物(a)を塗布または含浸した面にガラス不織布を重
ね合わせる。本発明で用いられるガラス不織布は、単位
面積当たりの重量において特に限定されないが、通常2
5〜150g/m2 、好ましくは30〜120g/m2
である。ガラス不織布の単位面積当たりの重量が該範囲
内にあると、後に塗布する中間層エポキシ樹脂組成物
(b)が均一にガラス不織布に含浸するとともに、コン
ポジット積層板の強度を充分なものとすることができる
ため好ましい。
【0019】ガラス不織布を重ね合わせる方法として
は、例えば、図1のように、エポキシ樹脂組成物(a)
2が塗布又は含浸されたガラス織布1の上面に、ロール
状のガラス不織布4から巻き出されたガラス不織布4
を、重ね合わせロールを用いて重ね合わせる方法が挙げ
られる。
【0020】なお、必要により、ガラス不織布と重ね合
わせたガラス織布を、後述する中間層エポキシ樹脂組成
物(b)を塗布する工程の前に、加熱乾燥してエポキシ
樹脂組成物(a)中の溶剤を蒸発させると、プリプレグ
におけるエポキシ樹脂組成物中の気泡量を低減すること
ができるため好ましい。この場合の加熱乾燥条件として
は、特に限定されないが、例えば、120〜180℃、
1〜5分間である。加熱乾燥する方法としては、例え
ば、図1のように、ガラス織布1とガラス不織布4とが
重ね合わされたものを、乾燥装置5中に通す方法が挙げ
られる。
【0021】次に、ガラス不織布の上から中間層エポキ
シ樹脂組成物(b)を塗布する。ここで、ガラス不織布
の上から塗布するとは、ガラス織布に重ね合わされたガ
ラス不織布上に塗布することを意味する。
【0022】本発明で用いられる中間層エポキシ樹脂組
成物(b)は、上記エポキシ樹脂組成物(a)と同様
に、少なくともエポキシ樹脂と硬化剤とを含む樹脂組成
物であり、これら以外に、適宜、エポキシ樹脂に通常配
合されるフェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン
樹脂等の樹脂が配合されていてもよい。中間層エポキシ
樹脂組成物(b)に用いられるエポキシ樹脂、硬化剤や
その他の樹脂等の種類やこれらの組み合わせは、特に限
定されず、通常の積層板に使用されるものが挙げられ
る。中間層エポキシ樹脂組成物(b)において、エポキ
シ樹脂、硬化剤やその他の樹脂等は、それぞれ1種又は
2種以上組み合わせて用いることができる。また、中間
層エポキシ樹脂組成物(b)は、上記エポキシ樹脂組成
物(a)と同一であっても異なっていてもよい。
【0023】また、中間層エポキシ樹脂組成物(b)
は、熱膨張率の低減、寸法安定性の向上等のために、中
間層エポキシ樹脂組成物(b)中のエポキシ樹脂と硬化
剤との合計量100重量部に対して無機充填材を80〜
150重量部配合したものであることが好ましい。該配
合量が80重量部未満では前記特性の改善が不十分にな
りやすく、150重量部を越えると成形性が低くなりや
すく、熱時特性も低くなりやすい。
【0024】中間層エポキシ樹脂組成物(b)に必要に
より配合される無機充填材としては、通常用いられるも
のであればよく特に限定されないが、例えば、水酸化ア
ルミニウム、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ
等が挙げられる。このうち、水酸化アルミニウムは難燃
性の向上する効果が大きいため好ましい。該無機充填材
の粒径は特に限定されないが、平均粒径が、通常0.5
〜50μmである。平均粒径が該範囲内であると、ワニ
ス中での分散性及びガラス不織布への含浸性が良いため
好ましい。
【0025】中間層エポキシ樹脂組成物(b)は、塗布
後においてエポキシ樹脂組成物(b)の硬化物をガラス
不織布中に良好に保持し、塗布時において必要により含
まれる無機充填材の分離を防止し、さらに、溶剤使用量
を削減してその後の加熱乾燥に要するエネルギーを少な
くすることができるように、ワニスが高粘度のペースト
状であることが好ましい。このため、必要により配合さ
れる無機充填材をも含めた固形分が、通常65〜95重
量%、好ましくは80〜95重量%であるペースト状物
であることが好ましい。中間層エポキシ樹脂組成物
(b)の固形分を調整する方法としては、例えば、アセ
トン等の溶剤を用いて中間層エポキシ樹脂組成物(b)
を希釈する方法が挙げられる。
【0026】上記ガラス不織布に塗布する中間層エポキ
シ樹脂組成物(b)の塗布量は、ガラス不織布100重
量部に対して、通常150〜1500重量部、好ましく
は300〜1200重量部である。中間層エポキシ樹脂
組成物(b)の量が前記下限値より少ないとプリプレグ
間の密着性が十分に高くなくなるために熱時特性が低く
なりやすく、前記上限値より多いと成形性が低くなりや
すい。
【0027】ガラス不織布の上から中間層エポキシ樹脂
組成物(b)を塗布する方法としては、例えば、図1の
ように、中間層エポキシ樹脂(b)6をコーター7によ
り所定量塗布する方法が挙げられる。ここで用いられる
コーター7としては、通常のコーターが挙げられ、特に
限定されないが、例えば、コンマロールコーター、ナイ
フコーター、ダイスコーター、リバースコーター等が挙
げられる。このうち、中間層エポキシ樹脂組成物(b)
は上記のように高粘度のペースト状物を用いることが好
ましいため、高粘度材料を塗布できる方式のコンマロー
ルコーターやナイフコーターが好ましい。
【0028】次に、上記のようにガラス不織布の上から
中間層エポキシ樹脂組成物(b)を塗布したものを加熱
乾燥して中間層エポキシ樹脂組成物(b)中の溶剤を蒸
発させ、プリプレグを作製する。この場合の加熱乾燥条
件としては、特に限定されないが、例えば、120〜1
80℃、1〜10分間である。加熱乾燥する方法として
は、例えば、図1のように、ガラス不織布4上に中間層
エポキシ樹脂組成物(b)を塗布したものを、乾燥装置
8中に通す方法が挙げられる。得られたプリプレグは、
この長尺物のままで連続的なコンポジット積層板の作製
に供してもよいし、カッターで所定長さのシート状物に
切断してから該シート状物をコンポジット積層板の作製
に供してもよい。
【0029】得られたプリプレグは、このまま2枚重ね
合わせて後述の加熱加圧成形工程を行えばコンポジット
積層板が得られるが、必要により、該コンポジット積層
板を得る工程の前において、さらに該プリプレグのガラ
ス織布の側からエポキシ樹脂組成物(c)を含浸させ、
加熱乾燥してプリプレグを作製すると、ガラス織布表面
の樹脂量が多くなり、成形性が向上するため好ましい。
このエポキシ樹脂組成物(c)の含浸工程は、ガラス織
布に対し、エポキシ樹脂組成物(a)の塗布または含浸
する面とは逆の面から含浸するものである。
【0030】本発明で用いられるエポキシ樹脂組成物
(c)は、上記エポキシ樹脂組成物(a)と同様に、少
なくともエポキシ樹脂と硬化剤とを含む樹脂組成物であ
り、これら以外に、適宜、エポキシ樹脂に通常配合され
るフェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂等
の樹脂が配合されていてもよい。エポキシ樹脂組成物
(c)に用いられるエポキシ樹脂、硬化剤やその他の樹
脂等の種類やこれらの組み合わせは、特に限定されず、
通常の積層板に使用されるものが挙げられる。エポキシ
樹脂組成物(c)において、エポキシ樹脂、硬化剤やそ
の他の樹脂等は、それぞれ1種又は2種以上組み合わせ
て用いることができる。また、エポキシ樹脂組成物
(c)は、上記エポキシ樹脂組成物(a)と同一であっ
ても異なっていてもよいが、エポキシ樹脂組成物(a)
とエポキシ樹脂組成物(c)とは共に同じガラス織布に
含浸させるものであるため、少なくともエポキシ樹脂、
硬化剤やその他の樹脂の組成において同一であることが
好ましく、エポキシ樹脂組成物(a)とエポキシ樹脂組
成物(c)とが完全に同一であるとさらに好ましい。
【0031】また、エポキシ樹脂組成物(c)は、エポ
キシ樹脂組成物(a)と同様の理由により、エポキシ樹
脂組成物(c)中のエポキシ樹脂と硬化剤との合計量1
00重量部に対して微粒子無機充填材を1〜5重量部配
合したものとすることもできる。
【0032】エポキシ樹脂組成物(c)に必要により配
合される微粒子無機充填材としては、通常用いられるも
のであればよく特に限定されないが、エポキシ樹脂組成
物(a)と同様のものが挙げられる。
【0033】エポキシ樹脂組成物(c)は、エポキシ樹
脂組成物(a)と同様の理由により、固形分が、通常3
5〜85重量%、好ましくは45〜75重量%である。
エポキシ樹脂組成物(c)の固形分を調整する方法とし
ては、例えば、アセトン等の溶剤を用いてエポキシ樹脂
組成物(c)を希釈する方法が挙げられる。
【0034】上記ガラス織布に含浸するエポキシ樹脂組
成物(c)の量は、ガラス織布100重量部に対して、
通常20〜200重量部、好ましくは40〜180重量
部である。エポキシ樹脂組成物(c)の量が前記下限値
より少ないと銅箔とプリプレグの密着性が低下しやすい
ため好ましくない。また、前記上限値より多いと樹脂量
が多くなり、成形性の低下や寸法安定性の低下等を生じ
やすいため好ましくない。
【0035】ガラス織布側からエポキシ樹脂組成物
(c)を含浸させる方法としては、例えば、図1のよう
に、ガラス織布1とガラス不織布4との接着物に対し、
そのガラス織布1側、すなわち、図中の下面から、パン
に満たしたエポキシ樹脂組成物(c)9をロールコータ
ー10により塗布する方法が挙げられる。
【0036】ガラス織布の側からエポキシ樹脂組成物
(c)を含浸させたものの加熱乾燥条件としては、特に
限定されないが、例えば、120〜180℃、1〜5分
間である。加熱乾燥する方法としては、例えば、図1の
ように、ガラス織布1側にエポキシ樹脂組成物(c)を
塗布したものを、乾燥装置11中に通す方法が挙げられ
る。得られたプリプレグは、この長尺物のままで連続的
なコンポジット積層板の作製に供してもよいし、図1の
ようにカッター12で所定長さのシート状のプリプレグ
13に切断してからプリプレグ13をコンポジット積層
板の作製に供してもよい。
【0037】次に、前記プリプレグ2枚を、それぞれガ
ラス不織布を内側、すなわちガラス織布側を外側、にし
て重ね合わせ、加熱加圧成形してコンポジット積層板を
得る。成形条件、方法は、通常のコンポジット積層板の
成形と同様である。
【0038】このようにして得られたコンポジット積層
板は、プリプレグの作製において、ガラス不織布へのエ
ポキシ樹脂の含浸が良好であるので、熱時特性の低下が
なく、電気絶縁性、機械的特性の良好なものである。
【0039】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、これは単に例示であって本発明を制限する
ものではない。
【0040】以下の実施例又は比較例で用いられる材料
を説明する。ガラス織布として日東紡績(株)製の商品
名WEA7628(単位面積当たり重量180g/m
2 )、ガラス不織布としてキュムラス(株)製のEPM
−4100B(単位面積当たり重量100g/m2)を
用いた。
【0041】ガラス織布に塗布するエポキシ樹脂組成物
(a)及びエポキシ樹脂組成物(c)として、ビスフェ
ノ−ルA型エポキシ樹脂としてエピクロン850(エポ
キシ当量190、大日本インキ(株)製)、臭素化ビス
フェノ−ルA型エポキシ樹脂としてGX153(エポキ
シ当量400、大日本インキ(株)製)、テトラブロム
ビスフェノ−ルA、ノボラック樹脂としてPR−514
70(住友ベークライト(株)製)、硬化促進剤として
2−エチル−4−メチルイミダゾ−ルを使用し、無機充
填材として微粒子シリカ(シオノギ製薬(株)製、カ−
プレックス#67、平均粒径1μm)を用い、表1に示
した割合にて配合したものを用いた。溶剤としてアセト
ンを使用し、固形分70重量%とした。
【0042】また、ガラス不織布に含浸する中間層エポ
キシ樹脂組成物(b)として、ビスフェノ−ルA型エポ
キシ樹脂としてエピクロン850(エポキシ当量19
0、大日本インキ(株)製)、臭素化ビスフェノ−ルA
型エポキシ樹脂としてGX153(エポキシ当量40
0、大日本インキ化学(株)製)、クレゾ−ルノボラッ
ク型エポキシ樹脂として、エピコ−ト180S75(エ
ポキシ当量210、ジャパンエポキシレジン(株)
製)、ノボラック樹脂としてPR−51470(住友ベ
ークライト(株)製)、硬化促進剤として2−エチル−
4−メチルイミダゾ−ルを使用し、無機充填材として水
酸化アルミニウム(住友化学(株)製、CL−310)
を用い、表1に示した割合にて配合したものを用いた。
溶剤としてアセトンを使用し、固形分80重量%とし
た。
【0043】実施例1 前記エポキシ樹脂組成物(a)をガラス織布に、ガラス
織布(180g/m2)100重量部に対して100重
量部(180g/m2 )塗布し、その上からガラス不織
布(100g/m2 )を重ね合わせ加熱乾燥した(15
0℃、2分)。さらに、その上から中間層エポキシ樹脂
組成物(b)をガラス不織布100重量部に対して10
00重量部(1000g/m2 )塗布し加熱乾燥した
(150℃、6分)。次いでガラス織布の側からエポキ
シ樹脂組成物(c)をガラス織布100重量部に対して
50重量部(90g/m2 )塗布し、加熱乾燥して(1
50℃、2分)プリプレグを得た。このプリプレグ2枚
をガラス不織布側を内側にして重ね合わせ、さらに、両
表面に銅箔を重ね、180℃、40kg/cm2 で90
分間加熱加圧成形してコンポジット積層板を得た。な
お、樹脂組成物の塗布量はすべて固形分換算である。
【0044】比較例1 前記エポキシ樹脂組成物(a)をガラス織布に、ガラス
織布(180g/m2)100重量部に対して100重
量部(180g/m2 )塗布して加熱乾燥した(150
℃、2分)。次に、その上から中間層エポキシ樹脂組成
物(b)を、後に重ね合わせるガラス不織布(100g
/m2 )100重量部に対して1000重量部(100
0g/m2 )塗布して加熱乾燥し(150℃、6分)、
その上からガラス不織布を重ね合わせた。次いで、加熱
乾燥することなく、ガラス織布の側からエポキシ樹脂組
成物(c)をガラス織布100重量部に対して50重量
部(90g/m2 )塗布し、加熱乾燥して(150℃、
2分)プリプレグを得た。このプリプレグ2枚をガラス
不織布側を内側にして重ね合わせ、さらに、両表面に銅
箔を重ね、180℃、40kg/cm2 で90分間加熱
加圧成形してコンポジット積層板を得た。なお、樹脂組
成物の塗布量はすべて固形分換算である。
【0045】
【表1】 (注1) エピクロン850(エポキシ当量190、大日
本インキ化学(株)製) (注2)GX153(エポキシ当量400、大日本イン
キ化学(株)製) (注3)エピコ−ト180S75(エポキシ当量210、ジャ
パンエポキシレジン(株)製) (注4)PR−51470(住友ベークライト(株)
製) (注5)カ−プレックス#67(シオノギ製薬(株)
製) (注6)CL−310(住友化学(株)製)
【0046】プリプレグ及び成形されたコンポジット積
層板について、特性を評価した。結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】(評価方法) 1.ガラス転移温度(DMA法) 周波数60Hzでの
回転振動による粘 弾性データを用い測定した。測定は
3℃昇温で行った。 1.耐クリープ性 60×10mmの試験片の57mm
の位置に20gの おもりを取り付け、150℃の雰囲
気中にて15分処理後のたわみ量を測定し た。 ○:たわみ量が5mm未満、 △:たわみ量が5mm以上10mm未満 ×:たわみ量が10mm以上 3.電気絶縁性 常態での体積抵抗率をJIS C 64
81により測定した。 4.層間密着性 100×100mmの試験片を250
℃の雰囲気中にて 30分処理した後、層間ふくれ又は
剥離の発生の有無を目視にて観察した。
【0049】
【発明の効果】本発明の製造方法は、中間層エポキシ樹
脂組成物のガラス不織布への含浸性を改善することがで
きるので、熱時特性を低下させることなく反りを防止
し、電気絶縁性や機械的特性の良好なコンポジット積層
板を効率良く製造することができ、その工業的価値は極
めて大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において、プリプレグを製造するまでの
工程(一例)の概略図である。
【符号の説明】
1 ガラス織布 1 エポキシ樹脂 2 コーター 3 ガラス不織布 4 乾燥装置 5 中間層エポキシ樹脂 6 コーター 7 乾燥装置 8 エポキシ樹脂 9 ロールコーター 1 乾燥装置 2 カッター 3 エポキシ樹脂含浸プリプレグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早井 宙 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内 Fターム(参考) 4F072 AB28 AB29 AD23 AG03 AG17 AL09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス織布にエポキシ樹脂組成物(a)
    を塗布または含浸し、前記ガラス織布のエポキシ樹脂組
    成物(a)を塗布または含浸した面にガラス不織布を重
    ね合わせ、さらに、該ガラス不織布の上から中間層エポ
    キシ樹脂組成物(b)を塗布し、加熱乾燥してプリプレ
    グを作製し、次いで、該プリプレグ2枚を前記ガラス不
    織布を内側にして重ね合わせ加熱加圧成形するコンポジ
    ット積層板の製造方法。
  2. 【請求項2】 ガラス織布にエポキシ樹脂組成物(a)
    を塗布または含浸し、前記ガラス織布のエポキシ樹脂組
    成物(a)を塗布または含浸した面にガラス不織布を重
    ね合わせ、さらに、該ガラス不織布の上から中間層エポ
    キシ樹脂組成物(b)を塗布し、加熱乾燥したのち、前
    記ガラス織布の側からエポキシ樹脂組成物(c)を含浸
    させ、加熱乾燥してプリプレグを作製し、次いで、該プ
    リプレグ2枚を前記ガラス不織布を内側にして重ね合わ
    せ加熱加圧成形するコンポジット積層板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記中間層エポキシ樹脂組成物(b)中
    の充填材の量が、中間層エポキシ樹脂組成物(b)中の
    エポキシ樹脂と硬化剤との合計量100重量部に対して
    80〜150重量部である請求項1又は2記載のコンポ
    ジット積層板の製造方法。
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