JPS5918128Y2 - 内燃機関のピストン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は内燃機関のピストンの改良に関するものであ
る。

近時、排気ガス対策などによりビス１〜ンが高温化する
傾向にあり、熱負荷が大きいものでは、ピストシリング
と、ピストンリングを嵌めたリング溝の下面とが融着す
るという問題がある。

これを解決するために、ビスＩ・シリングの位置を燃焼
室から遠くしてピストンリングにかかる熱負荷を小さく
し、あるいは気化器による空熱比の設定条件を変えて濃
混合気を用いるなどの手段が用いられているが、これら
は機関の出力低下や排気ガスに含まれる有害成分の増加
などの欠点を生じる。

この考案は、前述した事情に鑑みてなされたもので、ピ
ストンリングを嵌合するリング溝の下面に環状の保油溝
を設けることにより、機関の出力低下や排気力スに含ま
れる有害成分の増加を伴うことなく、ビス１〜ンリング
とリング溝下面との熱による融着を防止することを目的
とするものである。

以下この考案の一実施例につき図面を参照して説明する
。

図において、１はアルミニウム製のピストンで外周面に
複数のリング溝２が形成され、これらのノング溝２の下
面には環状の保油溝３がそれぞれ設けられている。

前記リング溝２にはピストンリング４がそれぞれ嵌合さ
れ、これらのリング４の下面に前記保油溝３が対向して
いる。

なお、この考案において、保油溝３は実施例の２本に限
られることなく、１本または３本以上でもよく、また必
ずしも円環状ではなく複数の弧状部を波線環状にしたも
のなど、はぼ環状であれば差支えない。

以上説明したように、この考案による内燃機関のピスト
ンは、リング溝２の下面に設けたほぼ環状の保油溝３に
、圧縮圧などによる油抜けを生ずることなく潤滑油を保
持しておくことができ、リング溝２に嵌まったピストシ
リング４の高温化を防止でき、またピストンリング４と
リング溝２下面との間に確実に潤滑油膜を形１ｔしてお
くことができるので、ビス１〜シリング４とリング溝２
との熱による融着を防止することができ、しかも、ピス
トンリングを燃焼室から遠くしたり、濃混合気を用いた
りしないので、機関の出力低下や、排気ガスに含まれる
有害成分の増加などの不具合を生ずることがないという
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例によるピストンのビスＩ・
シリングを嵌めない側断面図、第２図は同ピストンリン
グを嵌めた要部の拡大縦断面図、第３図は第２図のＩＩ
Ｉ−ＩＩＩ線に沿う断面図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ピストンリングを嵌合するリング溝の下面にほぼ環状の
   保油溝を設け、該保油溝の開口部全体が前記ビス１〜ン
   リングに接してなる内燃機関のピストン。