JP5341616B2 - ピストンのオイルリング機構 - Google Patents
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Description
ら直ぐには離間せずに、暫くピストン51とともに下動する。そしてそのことにより、ピストン51の下動中にリング本体54の上面54aとリング溝52の上側面52aとの間は開放したままとなり、矢印で示すような潤滑油のオイル上がりが生じ、これがオイル消費量を増加させる一因となっている。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、内燃機関のシリンダ内を往復動するピストンの外周面に形成された円周状のリング溝と、該リング溝に配置されたリング状のオイルリング本体がその内周側に配設されたコイルエキスパンダにより同リング溝内で外周方向に付勢させてなる2ピースオイルリングとを備えるピストンのオイルリング機構において、前記リング溝の側壁面のうちの機関燃焼室と反対側のクランクケース側の面からなる当接面と同当接面に対する前記オイルリング本体の当接面とのうち前記リング溝の当接面には、それら各当接面の当接面積を縮小する複数の凹部が設けられているとともに、前記複数の凹部及びそれら複数の凹部の間の当接面部分が等しい幅で周状に並行に配設されてなり、前記複数の凹部は、前記リング溝の当接面に周状の溝又は円弧状の溝として設けられていることを要旨とする。
移動であるオイル上がりを抑制するようになる。その結果、潤滑油のオイル消費量の増加が抑制されるようになる。
になる。又、凹部として円弧状の溝を形成することで、凹部の設計自由度が高められる。
このような構成によれば、オイルリング本体の内周がリング溝の凹部に干渉して、例えば引っかかってしまうような不都合が生じないようになる。これにより、このようなオイルリング機構の信頼性がより好適に維持されるようになる。
請求項3に記載の発明は、前記オイルリング本体が径方向に移動しても前記オイルリング本体の内周面に前記凹部が向かい合わないように該凹部が形成されていることを要旨と
する。
このような構成によれば、オイルリング本体の内周面がリング溝の凹部に引っかかってしまうおそれがない。これにより、このようなオイルリング機構の信頼性がより好適に維持されるようになる。
このような構成によれば、凹部の断面形状の設計や形成の自由度が向上するようになるため、このようなオイルリング機構を好適に設計することができるようになる。
以下、本発明のピストンのオイルリング機構を具体化した第1の実施形態について図面に従って説明する。図1は、本実施形態のピストンのオイルリング機構の構造をピストンの上下方向の断面として示す図である。
ダ21の外周方向への付勢によりリング本体17の外周面がシリンダ50の壁面に所定の付勢力で当接されるようになる。これにより、オイルリング16は、シリンダ50の壁面に適切なオイル膜を形成するために同壁面に付着している潤滑油の余剰分を掻き落とす機能や、ピストン10の燃焼室側とクランクケース側との間のオイルシール性能を維持する機能を有するようになっている。そして、オイルリング16としてのこれらの機能により、ピストン10の下降時に燃焼室内に発生する負圧がシリンダ50壁面に付着している潤滑油を燃焼室に吸引するいわゆるオイル上りが抑制され、ひいてはオイル消費量を増加させる燃焼室における潤滑油の燃焼が抑制されるようになっている。なお、本実施形態では、第3のリング溝13とオイルリング16とからオイルリング機構が構成されている。
dに第1の凹部22を設けるようにしている。これにより、第1の凹部22と第2の凹部23とが下側当接面13gの幅方向に等間隔に配置されて、第3のリング溝13の下側面13bとリング本体17の下面17bとの当接面積を下側当接面13gにおいて周方向に均等に分布させるようにもなっている。
オイルリング機構のオイルリング16は、ピストン10の運動に伴って上下動するが、そのリング本体17がコイルエキスパンダ21によりシリンダ50の壁面50aに押圧されているために、ピストン10の上下動方向が切り替わるときに原理的には、隙間距離Dの分だけ遅れて上下動方向が切り替わる。すなわち、ピストン10の移動方向が下から上に変わる場合、ピストン10のリング溝13の上側面13aに押し付けられていたリング本体17は、ピストン10が隙間距離Dだけ上動してからリング溝13の下側面13bに付着し押し付けられるようになる。逆に、ピストン10の移動方向が上から下に変わる場合、ピストン10のリング溝13の下側面13bに押し付けられていたリング本体17は、ピストン10が隙間距離Dだけ下動してからリング溝13の上側面13aに押し付けられるようになる。
溝への凝着を抑制するための各種の提案がなされていることが知られている。そのような提案には、リング溝に当接する面が同リング溝に凝着することを抑制するため同当接する面に冷却効果を生ずる潤滑油を保持する溝を形成しているものもある。しかし、上述したようなオイルリングのリング溝への付着の原因と、コンプレッションリングのリング溝への凝着の原因とはそれぞれ原理が異なり、当然それらの解決原理も相違するものであることから、コンプレッションリングに採用されている凝着を抑制させる構造をオイルリングに採用するような動機付けはなかった。
(1)下側当接面13gに形成される各凹部22,23によりオイルリング16とリング溝13とが当接されたときの当接面積が縮小されるに伴い、リング溝13の下側面13bとリング本体17の下面17bとが当接する当接面との間に挟まれる潤滑油によりそれら各面の間に生じる付着力が減少されるようにした。これにより、ピストン10が上昇される際にリング溝13とリング本体17との間に形成される付着力が減少されることとなる。このことから、ピストン10が下降するときに、同リング本体17のシリンダ50の壁面50aとの摩擦力が小さいうちに、より迅速に離間することができるようになる。これにより、ピストン10が上昇や下降しているときには燃焼室側のシリンダ50の壁面50aの潤滑油を回収する。そしてピストン10が下降するときにはオイルリング16はリング溝13の機関燃焼室の反対側の下側面13bから同室側の上側面13aに迅速に移動して、ピストン10上昇時にリング溝13に収容した潤滑油の機関燃焼室側への移動であるオイル上がりを抑制するようになる。その結果、潤滑油のオイル消費量の増加が抑制されるようになる。
3の第1の凹部22に干渉して、例えば引っかかってしまうような不都合が生じないようにした。これにより、このようなオイルリング機構の信頼性がより好適に維持されるようになる。
本発明に係るピストンのピストンリング機構の第2の実施形態について、図4に従って説明する。図4は、図1における第3のリング溝13、オイルリング16及びその周辺に対応する部分を拡大して示したものであり、(a)は上下方向の断面構造を示す断面図、(b)は4b−4b線における断面構造を示す断面図である。
ピストン10の移動方向が上から下に変わる場合、第1の実施形態と同様に、リング本体17には付着力が作用するが、下側当接面17gに形成されている第1及び第2の凹部26,27が、下側当接面17gとリング溝13の下側面13bとの当接面積を縮小させて同付着力を低減させている。また、第1及び第2の凹部26,27に収容された潤滑油も下側当接面17gと下側面13bとの間に薄く配置された潤滑油に比べて移動や変形の自由度が高いためそこに生じる付着力が軽減され、下側当接面17gに全体として生じる付着力は低減される。これにより、リング本体17に下側面13bから離間させる方向へ
の力が従来通り作用する場合、下側当接面17gと下側面13bとの間の潤滑油による付着力が低減されることから、ピストン10の移動方向が上から下に変わるとき、オイルリング16は、従来よりも速やかにリング溝13の下側面13bから離間するようになる。これによっても、リング本体17の上面17aとリング溝13の上側面13aとの間が開放されたままピストン10が下動する時間が短縮されるようになり、そこから潤滑油のオイル上がりが生じることが抑制され、オイル消費量が軽減されるようになる。
・上記第1の実施形態では、リング溝13の下側面13bの区間eは、オイルリング16が水平方向に移動した場合であれ、第1の凹部22にリング本体17の内周面17cが干渉しない位置に設けられる場合について例示した。しかしこれに限らず、付着力の分布を均等にするとともに、不都合を生じるような干渉を生じさせないものであれば、凹部をリング本体の内周面に干渉するような位置に設けることも可能である。これにより、オイルリング機構の実施の自由度が高められる。
をオイルリングの合口部分に形成しないようにしてもよい。図6は凹部が円弧状である場合について、(a)はリング溝13に形成された複数の凹部34について示す図であり、(b)はリング本体17に形成された複数の凹部35について示す図である。図6(a)に示すようにリング溝の下側当接面13gの当接幅Lpの間に周方向に延びる複数本(図においては8本)の凹部34を配置して円周状の凹部が形成されるようにしてもよい。また、図6(b)に示すようにリング本体17の下側当接面17gの当接幅Lpの間に周方向に延びる複数本(図においては8本)の凹部35を配置して円周状の凹部が形成されるようにしてもよい。これにより、凹部の形状の自由度が高められてオイルリング機構の実施可能性及び適用可能性が高められる。
Claims (4)
- 内燃機関のシリンダ内を往復動するピストンの外周面に形成された円周状のリング溝と、該リング溝に配置されたリング状のオイルリング本体がその内周側に配設されたコイルエキスパンダにより同リング溝内で外周方向に付勢させてなる2ピースオイルリングとを備えるピストンのオイルリング機構において、
前記リング溝の側壁面のうちの機関燃焼室と反対側のクランクケース側の面からなる当接面と同当接面に対する前記オイルリング本体の当接面とのうち前記リング溝の当接面には、それら各当接面の当接面積を縮小する複数の凹部が設けられているとともに、前記複数の凹部及びそれら複数の凹部の間の当接面部分が等しい幅で周状に並行に配設されてなり、前記複数の凹部は、前記リング溝の当接面に周状の溝又は円弧状の溝として設けられている
ことを特徴とするピストンのオイルリング機構。 - 前記リング溝に設けられた凹部は、前記オイルリング本体の内周に干渉しない位置に設けられてなる
請求項1に記載のピストンのオイルリング機構。 - 前記オイルリング本体が径方向に移動しても前記オイルリング本体の内周面に前記凹部が向かい合わないように該凹部が形成されている
請求項2に記載のピストンのオイルリング機構。 - 前記凹部の断面形状は、矩形状、多角形状及び円弧形状のうちの1つの形状、もしくは少なくとも2つの形状を組み合わせた形状からなる
請求項1〜3のいずれか一項に記載のピストンのオイルリング機構。
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